【子供の教育について考えること(4)】
子供の早期教育がどんどん加熱していますね。ちょっと大きめの本屋さんに行けば幼児教育のコーナーが設けられ、様々な教育論や「3才までで決まる・・・」的なノウハウ本が並んでいます。
英会話なんて行き着くところまで行ってついに「0歳児からの英会話」が当たり前になってきました。こちらも様々な教材が販売されているのが目につきます。
「3才からじゃもう遅い」とか「英会話の基礎は胎内教育から」なんてコピーを見ると実際に子供を持つ母親としては正直あせりますよね。でも、早くから始めることって本当に大切なんでしょうか?
どんどん加熱する早期教育に漠然と違和感を感じています。私はこのサイトで子供の教育について書かせていただいているぐらいですから、子供の教育にかなり興味を持っている方です。でもそのゴールは「人生80年を楽しく生きる」「人生80年の間に地震が来ても、戦争が起こっても、波瀾万丈の人生になってもたくましく生き延びる」と決めているので、5才でできることが3才でできるとか、15才でできることが7才でできるなんて誤差の範囲だと思っているんです。
我が家の双子は現在4才。最近、平仮名に興味を持ちだし、お風呂の壁に貼っている50音シートを見ながらどんどん覚えていっています。そんな姿を見るのはもちろん嬉しいこと。子供たちの興味に乗じて、おりをみて平仮名を教えてあげるようにしています。
「お風呂に50音シートを貼ってるなんて、唐土さんも早期教育を目指しているんじゃないですかぁ」と言われそうですが、我が家は子供に興味のスイッチが入った時に、すっと入っていけるような環境を作っておくことに重点を置いています。子供に好奇心が芽生えた時に満たしてあげられる環境、それが大切だと思っています。だからお風呂シートを貼って、「さあ平仮名を勉強しましょう」と言ったことはありません。スイッチは自然に入るもの・・・そうなんとなく感じています。実際、平仮名のお風呂シートは3才の頃から貼っていたのですが、「りんご」や「ひこうき」といったイラストには興味を持つものの、平仮名そのものにはほとんど興味を示さず1年ほどたち、最近急にスイッチが入った次第です。
子供の早期教育でこわいなぁ、と思うことが2点あります。
1点目は「○才までには○○ができなくっちゃ」と親が一生懸命頑張っているのに、子供が思うようになってくれない時の親のストレスです。子供はそれぞれ成長差があるものですし、向き不向きだってあるものです。ある教育法はあるタイプの子供には有効でも、その他のタイプの子供には向かない場合だってあるものです。あるタイプの子供たちにおける成功体験を見て劣等感を持つ必要ってあるんでしょうか?そもそも○才までにできないといけないことなのでしょうか?人生80年の10分の1まで行き着いていない状況で親子ともに煮詰まってしまうのってもったいない気がしています。
もう1点は、逆に子供が早期教育でものすごい成功をしてしまう場合です。よく英会話の教材のPRで「5才でネイティブとペラペラ会話をするようになりました」などとお子さんの写真入りで紹介されていますよね。それぞれの教材で驚異的に英会話ができるようになる子供って本当にいると思うんです。子供って無限の可能性を秘めていますから。でも、「この教材で英会話を勉強した子供の40年後が知りたい」っていつも思ってしまいます。
5才で英会話にはまってしまった子供はその後はまり過ぎた人生を歩んでしまわないのかしら、5才の成功体験は人生の成功につながるのかしら・・・そんな余計な心配をしてしまいます。英会話がコミュニケーション手段の一つとしてバランスよく育ってくれたらいいんですけど英会話そのものが人生の目的になってしまうのって馬鹿げてますよね。
子供の早期教育についてあれこれ漠然と考えていた私が最近はまりかけているのは「シュタイナー教育」。子供の成長を分析し、その成長にあった教育が提唱されています。まだまだ勉強不足なので、このお話はまた今度・・・。
【今日の1冊】我が家のシュタイナー教育-幼児期編
実は続編の「続・我が家のシュタイナー教育-児童期・青年期編」から読み始めました。子供の成長を7年単位に分け、その成長にあった教育理論。思わず「そうそう、そういうことが大切なのよ」と自分の頭の中のモヤモヤが晴れていきます。順番が逆ですが、次はこの「幼児期編」を読みたい!
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★唐土(もろこし)かほるのブログサイト「双子日記」~ミレニアム生まれの双子の毎日を執筆中!★
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