10年前のお話。
とかく小さな子どもがいると、自分の時間を確保するのは難しい。寝たかと思えばちょっとした物音で起きて「ママーママー」と私を呼ぶ。でも専業主婦の私は、プライドからか、子どもを誰にも預けたくなかった。掃除・洗濯・料理をこなし、家の中を完璧に保っていたい。少しでも節約するため、布おむつで母乳育児、小さな家庭菜園で野菜まで作った。子どもの衣類は全部手作り。夫が帰ってきたら、ずっとそばにいて彼の世話をやきたい。完璧な主婦になりたかった。
そんな生活のモチベーションはといえば、夫がほめてくれること。私ってば夫にほめられたくて、一生懸命自分を偽っていたんです。もちろんそのひずみは、私に孤独感と喪失感を与えました。疲れて帰ってきた夫につきまとって「あのね、それでね」と一日あったことをまくしたて、ほめてもらおうなんて。今思えば私も幼かったし、夫もほんとうにかわいそうでした(^^;)。
私は少し、自分の時間を作ろうと思いました。そのために工夫したことは.....。
「今日、自分のためにやりたいなぁと思ったことを書く」です。学生時代愛用したリング付の単語帳に、「本を読みたい」だの「雑誌を買いにいきたい」だの「レーザーディスクを見たい」だの、いろいろ書いていきました。そして、息子の昼寝してる隙や、煮物をしてる時間、いままでテレビをなんとなく見ていた時間を有効利用して、それを実行していきました。ほんの15分でも、暇があるとカードを見てやりたいことを実行。もちろん息子の鳴き声でその作業は中断しちゃうんですが、続きはまた次のチャンスまで我慢。
細切れの時間も、一日分つなぎ合わせると2時間以上になりました。集中力のない私には、「今しかない」と思うことで、やりたいことを集中して堪能することができました。そして夜寝る前に、やり終えたことを書いたカードをビリッと破いて、ポイッと捨てるのが快感になりました。
何か目標を作ると、だらだら過ごしがちな毎日がとてもスパイシーになるものです。子育てのベテラン(!?)になった今は、もっと要領よくいろんなことを同時進行できるようになったけど、たまに、できなかったことが残った単語帳を眺めて「あの頃はがんばっていたよなぁ」と自分をほめることにしています。現在のわたしよりずっと時間があったあの頃なのに、ずっと忙しかったあの頃。パッチワーク時間活用法も、今はとても懐かしく思えます。
現在、渦中真っ最中の方、ちょっと単語帳をひっぱりだして、試してみませんか?