以前、蜜蝋粘土について紹介した時、シュタイナー教育にちょっと興味があるようなことを書きましたが、なかなか納得のいく本がみつからず、困っていました。簡単そうなのは、個人的な体験談で、ではどう実践すればいいのかが今ひとつわからず、シュタイナー教育のバックボーンの解説書は難しすぎて手に負えず・・・でも、この虹の彼方からきた子どもたち―7歳までのシュタイナー教育は、うってつけの入門書だと思います。
この本では、アメリカで長年シュタイナー教育に携わってきた専門家が、親子教室での質疑応答も交えながら、自分の幼児期、そして教育者としての体験などを、やさしい口調で語っていワす。これ一冊で、シュタイナー教育について、すべて理解することはできませんが、たとえホ、リズムのある生活や、(メディアやハイテク玩具によってではなく)子ども自身の想像力を育てる、子どもに選択肢を与えすぎない、など、何が子どもにとって大切なことなのか、読み進むにつれて、すとん、すとん、と腑に落ちていく感じがしました。(それでも、「大声を出さない」ことは難しいなあ、と今日も大声で息子を叱ってしまった私は反省・・・。)
中でも、家事の大切さについて、筆者が強調していることに、はっとしました。子どもたちには、大人が「仕事」を真剣に、丁寧にやっている姿を見せることが大事だ、と書かれているのですが、筆者がいう「仕事」とは、パソコンや事務作業ではなく、皿洗いや、掃除や、縫い物や、アイロン掛け、といった家事を指すのです。なぜ、「仕事」が家事でなければならないのかは、この本には書かれていません。だからこそ、家事とは何か、改めて私は考えさせられました。家事とはめんどうなもの、だから投げやりにやっつけ、あるいは、お金を出して人任せにすることでラクをしたい。そんな家事がなぜ大事なのか・・・答えはまだ出ていませんが、考えながら、私自身の家事に対するスタンスは、少し変わってきたような気がします。
巻末に、シュタイナー教育ですすめられる、素朴な抱き人形の作り方も乗っています。買うとけっこう高いそうなので、自分で作ってみよう!という方には参考になると思います。