村山らむねこと、青山直美です。
今回は本当にたくさんのご意見をありがとうございました。
今回の放送での運営者としての意見と反省点をこの段階でまとめさせていただきます。
特に、トラックバックをいただいたSky's The Limitさんの
1)お金をもらって宣伝しているのか、と誤解されたこと
2)「映画に批判的なことを書く」ということを含めて、複数のサイトであらかじめ打合せをしていること
2つの論点にそって説明するのがいいかと思いますので、改めて説明させていただきます。
■1)「対価について」・・・有償か無償か
これについては、すでにお伝えした通り、わたしたちは純粋に、「映画の紹介をしてください」という、映画会社からお願いに対して、「レビュアーとして評価されている」という喜びを対価に、今回は感想を書いたり、クチコミをさせていただきました。
金銭としての報酬はいただいておりません。コメンテーターの方が、「お金をもらって」との発言をなさっていることから、NHKの方は無報酬であることを知りながらコメンテーターの方には、今回のお手伝いが無報酬であることを伝えていなかったとことについてはとても残念です。
ちなみに、今までこのサイト上で、アフィリエイト以外で、企業から直接の報酬を得たことはありませんし、月額100万円という金額が出ていましたが、ワーキングマザースタイル[wmstyle.jp]以外のスタイルビズ全体の事業の収益の最も多いときでということで数字は申しあげました。ワーキングマザースタイル[wmstyle.jp]では残念ながら現時点ではほとんど収益がないことも申しあげております。
●今後について)
今後は、企業から金銭的な報酬を得て、感想やレビューを書くことがないとも限りません。実際、「シルヴィア」のような無報酬の案件の実績を積み重ねたうえで信頼性を確保したら、お金を払っても、かつ、批判的な意見がでてもいいし、意見については全く介入しないという条件のクライアント企業が現れることを望んでいました。今回の件で、そのような案件を受けることに少々消極的になっているのは事実ですが、将来お受けする際は、みなさんのご意見にもあったように、「広告」など、有償であることをわかるような透明性を確保したいと思います。
■2)「役割分担について」…記事が自然発生的か恣意的か
実際の映画の感想の記事は、ほとんどが12月中に書かれています。
そして、スタッフミーティングの取材は1月12日の撮影でしたから、ほとんど実際に書いた記事や、映画の感想を話し合うことに、ほとんど時間を費やしていました。放映された役割分担の部分は、あくまで「すでに投稿した記事」にもとづいて、割り振っていました。ただし、あの場で感想を言い合って初めて、「こんな記事も書けるかも」というアイデアもあったので、完全に事後の打ち合わせとも言い切れません。
記事を上げた後の反省会でもあったし、結果的に記事を書く前の打ち合わせともなりました。批判的な記事がどれをさすのがわかりませんが、映画の感想自体はすべて1月8日以前になされたものなので、あの場で(訂正)役割を与えられてわざわざ批判的な記事を書いたわけではありません。
日にちの流れは、
12月8日 映画会社から記事掲載のご依頼
12月19日 村山らむねによる記事のアップ
以後スタッフが映画の感想を随時アップ
1月5日 NHKより取材依頼
1月12日 スタッフとの打ち合わせの取材
1月14日 映画会社での取材。映画会社の方とは初対面だったのですが、スタッフがすでにアップした記事をお持ちして、ご報告
1月17日 12日のスタッフの打ち合わせを受けて、グィネス・パルトロウの記事をスタッフの一人がアップ
1月21日 放映
あの場での役割分担にしたがって、打ち合わせ後に投稿を入れた人もいるので、役割分担による記事作成か、そうでないかは、ほとんどはそうでなかったけれど、一部はそうだったといえるでしょう。「グィネスの記事を書きたい」という思いからの意見を出した方に、その記事を書くことをお願いしたので、決してナレーションで言われたような役割ありきではありません。
◎放映では
映画会社との打ち合わせ→スタッフとの打ち合わせ→記事アップ
と理解される流れでしたが
◎実際は
記事アップ→スタッフとの打ち合わせ→映画会社に報告→(一部)記事アップ
です。このような編集は、内容をわかりやすくするためにある程度は仕方のないことだと思います。
また、事前の打ち合わせの是非については、打ち合わせをすることによって思ってもみない感想もでてきたので、わたしは事前打ち合わせ自体には否定的ではありません。
●今後について)
有償・無償の案件に関わらず、記事を書く前に感想を言い合うような打ち合わせをもつケースは今後もあるでしょう。その際、肯定的な意見を言った人には肯定的な意見を、批判的な意見を言った人に批判的な記事を書くことをお願いするでしょう。役割ありきではなく、あくまでも意見ありきです。
また、ちょっと番組のご紹介のしかたがおかしいのですが、あくまでも記事はこの共同編集型ブログであるワーキングマザースタイル[wmstyle.jp]への投稿が基本です。ここは根本的に理解されていないのではないかと思います。
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今回、ブログというものの見方の隔たりも大きかったのですが、成功するという言葉の双方のもつ隔たりがもっとも大きかった気がするのです。
さて、私がいちばんひっかかるのは、どうしてNHKさんが金銭的な報酬を受け取っているとの誤解を与えるような伝え方にこだわったのか?ということです。
今回、ワーキングマザースタイル[wmstyle.jp]のことを説明するときに、等身大の立場で、いいというものをいいと素直に伝えたいというポリシーでやっていると、言ったつもりです。だから今回の「シルヴィア」も、主人公がワーキングマザーとしての悩みを持っていたこと、主役のグィネス・パルトロウがワーキングマザーであることから、映画会社の方からの、まずワーキングマザーに見てもらいたいという依頼に、喜んで、無償でも、その映画会社の方の気持ちに応えたい、そして、シルヴィアとグィネスに共感する気持ちを伝えたい、そんな思いでスタッフ達が純粋に記事を書きました。たぶん、それが滑稽に見えたのでしょう。
「ボランティアで主婦達が映画の感想を書くなんてバカみたいじゃないですか」と、NHKの方に言われた印象的な言葉があります。これは、ブログを語る上で、キーワードだと思います。無償でも、いいと思ったもの共感したことは、素直に損得抜きに自分が思ったことを表現できる場、それがブログであり、それがひいてはバカみたいなパワーを持ってきたんだと思います。
たとえ、もらうお金が少なくても、いや、無報酬でも、本当の等身大の思いを伝えることができる、それが何よりの対価だということを、今回の取材でも随分力を入れて説明したつもりです。
しかし、NHKの方には、ブログのポジティブな面にスポットを当てたいという思いがあったようです。
そして、ポジティブ=成功 成功=金銭的な利益を得ている ということだったのです。
私も成功していると何度も伝えました。しかしその成功は金銭的な成功ではなく、驚くような低コストで、自分自身の言葉で自分が思っていることを素直に表現できる場、またワーキングマザーという同じ生活スタイルを持つ同士とともに発信できるメディアを得たという、成功です。私は大成功しています。
でも、それをNHKの方は、あくまでも金銭的な成功として伝えたかったのだと思います。
ブログは、低コストでできるツールです。だから、それほど大きな金銭的な成功などいらないのです。大きな金銭的な利益を得るために恣意的なクチコミを創る必要などなく、小さな利益もしくは無報酬でも、本当にいいものであれば自然な気持ちを吐露できる場だと思って、わたしはブログで起業しました。
・クチコミは目的ではなく結果である
・私の成功は金銭的なものではない
・個人の思いをストレートに伝えるブログ
そんな考え方を伝えたつもりですが、NHKさんが放映したい魅力として感じてもらえなかったのが残念だし、もっともっと私自身がNHKさんに伝える努力ができたのではないかと、反省もしています。
放映されたものを見て、「こういうビジネスの可能性もあるのかな?」とは正直思いました。でも、私達のありのままの姿から、私達から見て程遠いものであったし、寄せられたご批判には同感するところも多く、NHKさんには、せめて金銭的な報酬を得ていたと誤解された部分だけでも、訂正いただけないかとお願いしているところです。
ただ、私自身もNHKさんにとりあげられるということで舞い上がっていた部分もあり、無報酬であることを知っていながら多くの方々が結果的に報酬を得ていると誤解するような編集を、まさかしないだろうと油断していた部分もあり、隙があったことは否めません。
今回のことで、まずはワーキングマザースタイル[wmstyle.jp]のスタッフに、そして去年の10月18日以来愛読してくださっている読者の方に、またブログというツールを愛してやまない皆様に私の力不足により多大なるご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申しあげます。
ゼロから、いやマイナスからの再出発になりますが、ワーキングマザーが元気になる情報サイトという初心に戻り、地に足をつけてサイトを運営していきたいと思います。
村山らむねこと、青山直美
追記:企業からの依頼ということを、明示して欲しいというご意見を尊重し、◇◇WMの商品体験工房~企業やショップからご提供いただいた商品をスタッフがモニター&レビュー というカテゴリーを新設しました。事後となりますが、シルヴィアの一連のレビューもこのカテゴリーに入れさせていただきます。
こんにちは。トラックバックありがとうございました。
真摯なご意見と反省の書き込み、感じ入りながら読ませていただきました。
ご自身、マイナスからのスタートと書いていらっしゃいますが、そんなことはないと思いますよ。そういうふうに真面目に受け入れるならば、すべて自分の糧になるものです。
逐一コメントするのもなんなので、控えさせてもらいますが一点だけ。
「実ははじめにちゃんと各自の意見があってそれに基づいて役割分担があったのでは」という「好意的な解釈」が当たっていてよかったです。
テレビでよく企業の製品企画会議みたいなものの様子が映し出されることがありますよね。
ああいうのを見ながらいつも「これ、製品できてから、もう一度“ヤラセ”で撮ったんだよね? だって、本当に侃々諤々と話し合う会議なんて企業秘密出まくりで、部外者に見せられるわけないもん」と思ってました。
そういう“ヤラセ”はテレビ的には仕方ないものだと思うのです。
今回はそういう「テレビ局側の事情&テレビ局の伝えたかった“成功のイメージ”」と「らむねさん側の考え方」に、実はかなり深い溝があったというのが誤解を招いた最大の要因であったと僕は思います。
トラックバックをまるでチェーンメールのように紹介したことと言い、あの番組のプロデューサーは blog を紹介する番組を制作するにはあまりに知識・資質に欠けている、といまは思わざるを得ません。
テレビ局というのは影響力が強いあまり、そうした悪影響も与えうるのだということをあらためて考えさせられたというのが、今回の番組の最大(かつ唯一(^_^;;)の価値だったかもしれません。
番組を見ていないので詳しいことはなんともいえませんが、あちこちのサイトでお話を伺っている限りはひどい話です。
こうしたことを避けるための「メディア対策」と言うものも「広報の仕事」としては存在するのですが、それ以前の問題として、知見のない人間が、先入観と尺のために事実をひん曲げて番組に仕立て上げることについて、僕らは「しょうがない」と認めてしまうのではなく、もっと本気で怒っていいと思っています。今回、ある意味ブログコミュニティそのものがひどい扱いを受けたわけで。
どっかで番組を見てから、また考えて見ます。
四家さん
大変暖かいコメントをありがとうございます。数年前まで仕事でご一緒させて頂いておりました、制作の阿部です。
オープン時よりこちらのサイトに一緒に参加し座談会にも出席しておりましたので、今回の件、あまりの内容に驚くと同時に私自身もとてもショックを受けております。
私は詳細に語れる立場にありませんのでらむねさんのコメントを読んでもらえれば、と思いますが、
>今回、ある意味ブログコミュニティそのものがひどい扱いを受けたわけで。
こちらには全く同感です。私自身にも色々意見はありますが、この場では控えさせて頂きます。
以前と変わらず公正かつ適切なご発言で、本当に嬉しく思いました。番組をご覧になり、また何かご意見あればぜひコメントを下さい。またお目にかかれますように。※実践EMM、今も楽しみにしています。
私も放送を見ていませんが、このブログを読む限り、これが現在のNHKの体質であり、朝日新聞と対立している問題の裏にあるのは、同根の問題だと思います。成功=金銭という観念に凝り固まった人間が多くの番組を制作し、日本中にあたかもそれが正しい考え方であるように放送していることは問題です。特に地方に行けば、選択肢の点からして、NHKとNTTの影響力は絶大ですから、視聴者は鵜呑みにして信じていますからね。
似たようなことですが、無料のIP電話ソフトのSkypeについても、どうやって儲けるのか?無料なんて質が悪く信頼性が低いに決まっていると思い込んでいる通信事業者が多いように感じますが、彼らもP2Pという新たな仕組みとかオープンソースとか、ブログについては理解できないのだろうと思います。こういう頭の固い連中は放っておけばいいと思います。事業をやる上で、NHKやNTTのような影響力の大きいところとやりたい、行政のお金を貰いたい、という欲求に負けそうになることはあると思いますが、そういう権力とは組しないで自力でやるという強い意志を持つことが重要だと思います。甘い汁を吸うと必ずいつかはしっぺ返しがあると思った方がいいと思いますよ。大企業・大組織・政治家・行政などは誰が責任を取るか、取れるか?と考えたら、誰も取らない、取れないということは自明ですから。
放送を見てちょっと違和感をおぼえたものです。
こちらのご意見もひととおり読んでみました。
確かにテレビの編集が作為的だったということはあったのだろうと、それについてはお気の毒だったように思います。
ですがまだなんとなく違和感が。
お金をもらって書いたけではないということで、ある程度の正当性を主張されているように感じますが、お金をもらったかどうかは別にして、どっちにしろ映画会社からの依頼で映画を見たのに、こちらのブログを読んでも本当は映画会社の依頼によってその映画をみて、感想を書いたのだという事実がわかりにくいのが違和感のもとなのです(まあ、画像提供されていることなどを考えれば推察できることなのかもしれませんが)。
たぶん、それさえブログに記載してあればここまで違和感をおぼえなかったのじゃないかと思います。
今後は金銭的な報酬がある場合ならば広告であることをはっきり表示されるようですが、今回のような金銭的な報酬はないけれど、映画会社の働きかけがあった場合はどのように表現されるのか、そこがとても気になっています。
情報の受け手のわたしの側からすれば、お金が絡んでいようがいまいが、自発的に映画の試写会を見ての感想だと思っていたものが、実は映画会社から依頼されたものであったという事実を知ったときのガッカリ感には変わりがありませんから。
例のNHK番組をみて,初めてこのサイトを知りました.
映画会社からお金を受け取って映画評論しても,当然と思っていたので,批判があるとは驚きました.でもひも付きでない意見を聞きたい人にとっては,がっかりしたのでしょうか.
例えばレストラン批評だってなれ合いとか,店から特別待遇とかしてもらって書いているという批評家はたくさんいるでしょう.
でも批評はポジティブでもネガティブでも興味をもたせるきっかけにはなりますから,やはり企業にとってはありがたいことでしょうし,消費者は自分で確認すればいいだけ.どうせあまりに言ってることが嘘だったら,その批評家は自然淘汰されます.お金をもらおうがもらうまいが,誠実に批評していると企業側にも消費者側に認識してもらえばいいのではないでしょうか.
青山さん,あまり気にせずがんばってください.利益を上げてこそ仕事ですから.
違和感に追加で一言
「せっかくブログというツールを使った、働く子育てママお役立ちサイトのはずなのに、テレビというメディアにふりまわされたという感が否めない」ということ
NHKの体質がどうこういう前に、ブログというツールでの表現を選んだ出発点を確認されたらいかがでしょうか
「
NHKの体質がどうこういう前に、ブログというツールでの表現を選んだ出発点を確認されたらいかがでしょうか
」
いう前に、ではなく、どっちも考えるべき重要な問題だと思います。