長男(中1)が小さい頃、急な発熱で仕事をキャンセルせねばならない事態が、多々あった。クライアントに「子どもが熱を出したもので」とは、とても言えなくて「私が熱を出して」と言い訳(爆)し、打ち合わせを伸ばしたこともある。そもそも「子どもの急な発熱時に対応できないから」と、仕事そのものを請けなかったこともあった。子どもが熱を出したら、母親は他のことが何もできないからだ。
前置きが長くなったが、今日、末っ子がひどい熱だ。
行くはずだったアポイントは早朝キャンセルしたし、長女の行事もすっぽかした。でも、仕事は普通にこなす。そんな私の一日をご紹介しましょう。
午前中は病院、帰宅後は食べられそうなものを、少しずついろいろ作って食べさせ、薬を飲ませて、お昼寝させて。仕事は、普段5時間かけてやることを、1時間に短縮。集中して子どもの寝ている時間にこなしてしまう。
家事は、手抜きできる箇所は手抜きしつつ、子どもが起きている時間にこなす。ただし、その間、息子をおんぶ。体重20キロの彼を背負うと、掃除機かけるだけでもジムへ行ったくらいの運動量になるかもしれない(と考えると楽しい)。
兄姉が帰宅したら、少し見ていてもらい、また仕事。本日分の仕事を終えた。まー、なんとかなるものだ。というか、いまさら子どもの発熱で、仕事の出来具合が左右しちゃ困るのだ。もう新人さんじゃないんだし。
通勤してるワーキングマザーは、本当に大変だと思う。子どもが病気の時、そばにいられないのはつらいよね。上司や同僚に申し訳なく思いながら休むのもつらいし。誰かに頼むのもつらいし。
保育園のママ友なんて、看護婦さんなのに、子どもの病気で休むのに耐えられなくなって、退職しちゃったんだよ。看護婦さんなんて子育てママがいっぱいいるはずなのに。まだまだ社会は、子育てに冷たい。
子どもが三人いたら、やっぱり自営業しか道がないのかな....とふと思った。「少子化に歯止めを」とは思うけど、現実問題、二人目をためらう人がいたって、不思議じゃないよ。
預け先云々より、「子どもが病気だから休むのは当然!」という社会認識と、職場での完璧なバックアップが先決なのかしら。でもそれって、職場での自分の存在意義を問う話でもあるし。難しいね。オチなしでごめん。
トルコでは、家族が病気の時仕事を休むのは当たり前の権利。それどころか、親戚が遠方から訪ねてきただけでも、会社を早退して迎えに行くくらい、人との関係を優先するのです。
なんだかその方が人間らしいよね。職場の雰囲気も、「子どもが熱出したって!なんで帰らないの!早く病院へ連れて行って!」という風に、子どもを思いやります。そこが日本とは違うのです。
経済成長だけを考えてきた日本という国は、トルコ人から考えると、ワーカーホリックに見えるみたいです。
EXPOにアルバイトにきたトルコ学生は、「日曜日も休みがないんです」と泣いてメールを送ってきました。EXPOに勤めてるのに日曜が休みのわけないじゃん!と思いつつ、なんとなくかわいそうになってしまいました....。価値観が違うのよね。
もっと日本人も休めば、楽になるのにと思います。どうして、こんなにあくせくしているんでしょうね。
トルコ、いいですねえ! こういう話を知ると、「世界は広いのだ!」と、気分がぱーっと明るくなります。もしかしたら、トルコ的価値観の方が、世界規模ではマジョリティなのかもしれませんね。