私には子どもが三人いるのだが、それぞれの学年のPTAのカラーというのは、まちまちである。
毎回、授業参観に母親が全員出席する学年もあれば、半分しかこない学年もある。しかもそれは、小学校一年生のときから六年生まで、一貫して引き継がれる傾向にある。
たとえば長男の学年。この学年のPTAは役員をいやいやながらも引き受けてくれる人が多く、毎年すんなりと決まっていくのである。そのため私はずっと役員を逃れ続けていた。....言い訳をすれば、下の子の学年で会長を引き受けたり、会計を引き受けたりしていたのである。でも長男の学年ではずっと逃げてしまっていた。その最後のツケが、最終学年の6年生のときまわってきた。
「卒業対策委員、平戸さんやってくれませんか」と電話がかかってきたのです。うわさによると、結構面倒な係りらしい。5年間お任せしっぱなしでしたし、名指しで言われたら、断りづらい。そこでまぁ、即答に近い形で引き受けてしまいました。
......大失敗。この係りは横のつながりが強くあり、しょっちゅうミーティングがある。そこまではいいのだが、役員内で派閥ができてしまい、ぱっくりと二つに対立してしまっていた。しかし、今まで役員どころか保護者会すらサボっていた私は、どちらにも所属していなかったため、どちらからも双方の悪口を聞くという、かなり居心地の悪いポジションで作業をしなければならなかったのだ。
これには困り果てた。どちらが本当のことを言っているのかもわからず、「うんうん」とあわせれば、もう一方の悪口を言っているのと同じだ。
今までの5年間、PTAの付き合いを一切してこなかったツケなのだろう。どちらのグループにも誠意あるように接したつもりだけど、とにかく疲れた......。
やはり、楽そうな係りを地道にちょこちょこ引き受けて、他のお母さんとの情報交換もまめにすべきだった。さぼったツケを返し終わったあとの、卒業謝恩会の楽しかったこと!
その経験を踏まえて、中学のPTAでは校外の役員を引き受けることにしました。今度はそこそこに、お母さん同士仲良くする機会を逃さないようにしたいと思っています。
PTAは仕事より大変。仕事の報酬はお金だけどPTAは人間関係。仲間をプレゼントできないと長になったらついてきてくれない。先生からの役員へのお願いは断りづらくて引き受ける人も知らない長の仕事のお願いはあっさり断れる。つまり仲良しグループで長ごと引き受けさせないと長は孤立する。結局長になったらすべてを一人でやる覚悟がないと協力なんてあてにしたら痛い目を見る。機嫌を損ねたらすぐに事情ができてしまう世界なのだ。だから長は長同士そんな世界だけどがんばろうね、という慰め合いがあって人間関係がそこでできるメリットがあるからなんとかやれる。そこで悪口が出るのは仕方ないと思う。そこを支えに何とかがんばろうという数にあわせて活動を縮小していくしかないと思う。