「M字カーブ」という言葉をご存じでしょうか?M字というと、思わずインリンを思い浮かべてしまう方(私だけ?)もいるかもしれませんが、M字カーブとは、「女性の労働力率(有業者と失業者の合計が人工に占める比率)が、出産・育児期の30代をピークに、一時的に落ち込む現象」を言います。
昨日の7/13付け日経新聞朝刊に、そのM字カーブについて、興味深い記事が出ていました。
内閣府の調査によると、出産・育児を機に仕事を辞める女性が増える「M字カーブ」が、2002年の調査では、1987年と比較して、見かけ上は改善しているように見えるというものです。
しかし、特に25~29才の女性の労働力率が著しくあがっているのは、女性の晩婚化や非婚化、晩産化によるもので、女性の仕事と子育ての両立が進んだわけではないそうです。欧米主要国ではM字カーブ現象はほとんど解消されており、OECD加盟国で今もM字カーブが確認できるのは、日本と韓国だけというあまり喜ばしくない話も。
一方、厚生労働省の調査によると、「社員が仕事と子育てを両立できるような支援が手厚い企業は業績もいい」そう。社員のやる気や、一人当たりの経常利益も高く、採用に関しても、質・量ともに必要な人材(新卒)が確保できた確率も高いという、納得できる調査結果も。
極めてあたりまえのことだけど、「子育だけでもイヤ、仕事だけでもイヤ」という、仕事と育児を両立したい多くの女性が満足できる働き方が普及して、初めて少子化が解消されるのではと強く思いました。
とはいえ、寿退社を望んでいる女性もいる以上、完全な解消は不可能でしょう。
“働きたくない”女性──例えば昼間のレストランとかに──が少なからずいますしね。
(“働かない”という選択肢がある女性の方が、男性よりも優遇されている、という考え方もあります。)
また、“会社で働いている人が偉い”という男性の考えに振り回されず、専業主婦として子育てに専念する道を選んだ女性も素敵です。
“仕事も子育ても両立”という大変な──少なくとも、大半の男性には選べない──選択が素晴らしいという風潮が、子育てのプレッシャーになっている面もあります。
だから、M字カーブが単純に悪いとは思いません。
もちろん、“両立”も選べる環境は目指されるべきです。
棚旗織さん、コメントありがとうございます。的確なご意見に、思わず、うん、うん、と頷きながら読ませていただきました。私も、確かに単純にM字カーブが悪いとはいえないと思います。金銭的価値だけではかることのできない、さまざまな価値観が存在すると思うからです。
でも、今問題になっている少子化の原因は、どちらかいうと、「子育ても仕事も両立したい」という層のニーズが満たされていないからなのかなと思います。もちろん、専業主婦より働く女性の方が子どもの数が多いという意外な統計も以前にニュースで見たことがありますので、そうとばかりはいえないでしょうが。。。うーん、興味深い問題ですね。