ミュンヘンには日本人の子供たちや、ハーフ(ミックス)の子供たちが、日本語や日本の文化が学べる教育の場があります。
日本人国際学校や、日本語補習授業校や、ジャパニーズ・キンダースクールのようなちゃんとした学校もあれば、各地域にプレイグループ等もあり、本当に様々なコミュニティーが存在します。
私は、外国にこのような日本語や日本の文化が学べる場があることを、本当に素晴らしいと思っています。外国に住んでいると、子供たちが日本語に触れる機会が少ないからです。
しかし、一つ、疑問に思っていることがあるのです。ドイツに住むクウォーターの子供たちにとって、日本語は母国語になるのかどうかということです。
例えば、日本語補習授業校は、土曜日だけやっているw校で、月曜日から金曜日まで、ドイツの学校や幼稚園に通う子供たちが、日本語や日本の文化に触れようという主旨の元、がんばって勉強しています。
この日本語補習授業校の幼稚部の下に、ポッポの会という、3歳から5歳までの子供が入会できるコミュニティがあります。現在、私の娘が楽しく通っていて、私は4月から幹事をしています(不思議と忙しい人にほど、いろんな役が回ってくるんですよね。なんでだ)。
ポッポの会の会員の条件としては、「日本語がある程度できること」というのも含まれています。昨年の4月以降に、クウォーターの女の子Tちゃんが入会してきまオた。Tちゃんのおばあさんが純日本人で、お母さんがハーフ(ミックス)で、Tちゃんはクウォーターになります。Tちゃんのパパはドイツ人です。Tちゃんのおばあさんの「Tちゃんが日本語が話せるようになって欲しい」という強い希望により、異例の形でTちゃんの入会が決まったのです。Tちゃんは、数を数えたり、カタコトの日本語が話せますが、自然に話す言葉はドイツ語です。「行きたくない」という日もあるようで、周りは見守っている状態です。
先週、入会したいという子供の見学がありました。ポッポの会では、入会を決めるために、見学する機会を設けています。クウォーターの女の子Yちゃんがお母さんと一緒にやって来ました。Tちゃんと同じく、パパがドイツ人なので、家庭で話す言葉は、ほとんどドイツ語のようです。
私はポッポの会の意義として、クウォーターの子供でも、日本語を学びたい、日本の文化に触れたいという気持ちがあるのであれば、門戸を広げる意味で、入会を許可するのは大変素晴らしいことだと思っています。クウォーターの子供たちが、日本語を学ぶ機会は本当に少ないためです。
ただ、クウォーターの子供たちの気持ちはどうなのだろうかと考えてしまうのです。ポッポの会で学ぶだけで、日本語がマスターできるとは思いません。家庭でも日本語が話せる環境でなければ、日本語の習得は難しいでしょう。つまり、大人の希望をかなえるために、子供の気持ちを無視するようなことがあってはならないと強く思っています。
ほとんどドイツ語だけの家庭環境で育っている、ドイツに住むクウォーターの子供たちにとって、日本語は母国語になるのでしょうか。みなさんはどう思いますか?
訂正です。「母国語」ではなくて、「母語」が正しいそうです。母国語になると、母の国の言葉になりますが、母語の場合は、幼少時に身につけた言葉になります。
それから、Tちゃんはクウォーターではなくて、厳密には、ハーフということが今日わかりました。ただ、Tちゃんの母親が日本人だけど、ハーフのように育っているので、子供がハーフではなく、てクウォーターに近くなっていることらしいです。
実際、日本人夫婦の子供でも外国に住んでいるとハーフに近くなる場合があります。帰国子女の問題もきっと同じことなのでしょうね。
みどりさん、はじめまして♪いつも楽しく読ませていただいています。
我が家は日本人カップルですが、みどりさんちのおとなりフランスに3年半住んで
子どもを幼稚園~小学校に通わせていましたが
やっぱり「どこで育つか」という環境が母語を決めるんだな~と実感しています。
世間一般には、子どもはみんなバイリンガルになれる、というイメージがありますね。
もちろん大人に比べればはるかに二カ国語づかいになれるポテンシャルは高いと思うのですが、
自分の息子を見ていましたら
(こんな言い方があるのかどうかわかりませんが)
言語脳のつよい子、そうでない子、という個人差はやっぱりあるんじゃないかな、と思いました。
うちの息子の場合、ちょっと理系データ型脳とでもいうようなところがあり、
言葉によるコミュニケーションに時間がかかるタイプでして
苦手意識をもってしまうと、さらに口が重くなる、といったところがありました。
日本語環境からフランス語環境への移行にかなり苦労したのちに
こんどはフランス語が優位にたつ時期がきました。
その過渡期には、一時「さなぎ」のようになって
家族以外の人間に極端に無口になった時期があります。
その後、いったんフランス語が優位にたってしまうと、
家族のあいだで一生懸命日本語会話をキープしていても
彼だけフランス語で答えるなんてシチュエーションに。
彼の持ち前のがんこさもあってか、
私が意識的に「にほんごのほん、よもうね~」と誘いかけても
「そんなの興味ない」「だってわからないからイヤ」など、にべもない態度で返されてがっかりしたことも多かったです。
無理強いすることも逆効果に思われて・・・
子どもの興味と、発達のスピードの個人差に合わせて
気長にやるしかなかったんでしょうね。
今は日本に帰国しまして、日本語環境へのカムバックは非常に早く、胸をなでおろしましたが、
今度は逆にフランス語がまったく話せなくなってしまってます。はぁ~(苦笑)
きっと二語平等のバイリンガルになれるタイプではないのですね。
そして、それで全然いいんだ、と最近は思うようになりました。
いつか彼が大きくなって、フランスに興味をもつようになったり、何か仏語の必要に迫られたりして
また自分で学ぶようになったら、そのときは「バイリンガルの喋る仏語」じゃなくていい
「いち日本人が一生懸命喋る仏語」でいいんだ、と
思うようになりました。
でもみどりさんちはハーフなので、うちとはきっと違いますよね。
私のまわりにも国際結婚のカップルがたくさんいるので
みどりさんのお考えもとても身近なものとしてわかります。
ある知人のベトナム系フランス人の話から、
ハーフであるということに対する受け止め方は
同じ家族で育ったきょうだいであっても違う場合がある、ということを聞いたことがあります。
ベトナムというルーツを自覚しこだわり、それをもっと追求し、掘り下げていこうとする者と
いやベトナムなんか関係ない、私はフランスで生まれ育った100%フランス人なんだ、
との思いからアジアのルーツに背を向けてしまう者とに分かれることもある、と。
個人の性格と、そして育ってきた道のりと経験とが違いを生むのでしょうか?
けっこう深いお話だと思いました。(長文シツレイしました!)
さちぼんさん、とても興味深いコメントをありがとうございます。
「母語」の問題は本当に深いと思います。娘が大きくなるにつれ、娘にとっての「母語」は何なのだろうかと切実に考えていくことになると思います。
また、他のハーフ(ミックス)の子供たちや、クウォーターの子供たち、そして、純日本人なんだけどハーフのように育っている子供たちを、身近に観察すればするほど、人間にとって「母語」とは一体何なのだろうかと、真剣に考えている今日この頃です。
さちぼんさんの知人のベトナム系フランス人の方がおっしゃるコメント、よーくわかります。私のまわりでも、例えば、3人のお子さまがいて、一番目の子供は日本語堪能、二人目の子供は、日本語は半分くらい上手、三人目の子供は、ドイツ語の方がすっごく上手らしいです。だんなさんも日本語がわかるご家庭らしいのですが、同じ環境で育っていても、子供たちの日本語のレベルはまったく違うのです。
姉妹や兄弟同士で話をするとき、ドイツ語になってしまっているところは、弟や妹たちは、ドイツ語の方が上手になっているケースが多いです。
本当に母語って何なのでしょうね。
とても興味深いお話です。
我が家は、夫が南米と日本のハーフです。向こうで産まれ育ったので、母語はスペイン語です。
日本語は、来日後勉強し、家の中での家族の会話は80%日本語です。
息子は、クウォーターになりますが、日本生まれです。
通っている保育園は国際色豊かで、いろいろな母語を持つもつハーフやクウォーターのお子さんがいます。ただ、先生方は日本語オンリーなので・・・子供たちも園では日本語で生活しています。
さて、我が家ではですが。息子はまだおしゃべりを始めたばかり。
最近、息子のおしゃべりで面白いことを発見しました。
それは、単語の発音のしやすさで、日本語・スペイン語・英語を使うことです。
お返事は「はい。」の日本語で、
イヤイヤのときは「ノ。」とスペイン語。
りんごやバナナなどの単語はなぜか「アップル。バナーナ。」の英語。スペイン語はやや長いせいか・・・。
今はきっと音を楽しんでいるのだと思っています。
園のお友達や先生とはちゃんとコミュニケーションをとれているようなので、特に心配もなく本人の興味を優先しています。
ちなみに、私は日本生まれでバリバリ関西弁です。
息子は標準語と関西弁を使い分けるのか。
はたまたスペイン語を話すのか・・・。
これからが楽しみですが、私も無理強いせずに本人にまかせてぼちぼちと。
でも、夫の国と、日本の国をはじめとして、
いろいろな国の文化や言語に興味をもってもらえたらいいなと思っています。
数年に一度は、夫の実家へ遊びに行き
自然に向こうの文化や習慣・人に触れていければなと思っています。
て、やっぱり欲張りですかね~(笑)
その前に私がもっとスペイン語を話せるようにならなくちゃいけないんですけど・・・(^^;)
camachoさん、コメントをありがとうございます。
みなさんから反響があって、とても嬉しいです。
私のハーフの娘の場合、何かの遊びをするときは、幼稚園で学んできたせいか、私と会話するときでも、ドイツ語になります。でも、基本的に日本語を話してくれます。3歳になるまでは、娘は完全に日本語オンリーでした。
しっかり、日本語だけを教えてきたおかげだと、自分では思っています。
単語の発音のしやすさで、3つの言葉を覚える、息子さん、すばらしいですね。
3つの言葉を覚えていくのは、並大抵のことではないと思います。しかし、それぞれの親は、母語だけで話しかけることを絶対に忘れないでくださいね。そうでないと、子供が混乱します。
私は娘を連れて初めて里帰りした2歳直前まで、娘に標準語で話しかけていました。なぜなら、ハーフの子供たちは、標準語でないと理解できないみたいなことを、知人から言われたためです。
しかし、大阪で友人や親戚等に会ったときに、「みあちゃん、大阪弁上手やねー」と言われてショックを受けて以来、大阪弁一筋で話しかけています(自分では、標準語を使い分けて、娘に話しかけているつもりだったからです)。
子供にいろんな国の言葉や文化に興味を持ってもらえるように、子供にはできるだけたくさんの教育の場を与えることが望ましいと思います。
あとは、子供の気持ち次第でしょう。将来、いろんな可能性が見つかるように、親ができる最大限のことはしてあげたいですよね。
みどりさんはじめまして
私はつい先日4年間の交際期間を経てドイツ人の彼と結婚し、ミュンヘンに住むことになりました。
現在、妊娠6か月ですが、同じように将来子供の言葉については今から頭を悩ませています。
というのもお互いにドイツ語と日本語を母国語としてほしいのですが、2人の共通語は英語だからです。
そういった中でポッポの会の存在を知りとても興味深くコメント拝見させていただきました。
よろしければ見学などさせていただきたいのですが、いかがでしょうか?
お返事お待ちしております。
よろしくお願いいたします。
mieskeさん、コメントをありがとうございます。8月25日まで里帰りしていたため、お返事が遅れてしまいました。すいません。。
それにしても、日本のサイトで、ミュンヘンに住む日本人が知り合うなんて、不思議ですよねー。これがネットの醍醐味なんでしょうか。
さて、お問い合わせを受けた、ポッポの会についてですが、0歳から入会申し込みが可能です。お子様が3歳間近になられたましたら、一度見学にお越しください。
ブログ(http://miamama.exblog.jp/)に私のメールアドレスが載っていますので、お気軽にお問い合わせください。お待ちしています。