ワーキングマザースタイル本当の自分 - 母語とはなんぞや




2006年10月13日

本当の自分 - 母語とはなんぞや

Posted by fellow

きれいな夕焼け

本当の自分が何なのかよく考える。

自分の思っていることをすべて言えるのが本当の自分だとしたら、日本語を話しているときが本当の自分ということになる。完璧でない言語を話しているときは、本当の自分ではないということになる。

フランス人女性の元同僚がこんなことを言った。

「ドイツにいる自分は本当の自分ではない。だって、ドイツ語で冗談が言えないから。私は冗談が好きな人間なのに、冗談が言えない自分がいる。フランスにいる自分が本当の自分だ」

私も子供が生まれて、子供と大阪弁を話すようになってから、本当の自分を見つけた気がする。

ドイツに来て初めて勤めた場所は、日本貿易振興会だった。そこで初めて標準日本語を学んだ。

当然と言えば、当然なことなのだが、それまでの24年間、大阪生まれ大阪育ちの私は、大阪弁しか話せなかったのである。

大阪弁にも口語と敬語が存在する。例えば、誰かが冗談を言って、それの受け答えとして、「何を言っているのですか」とつっこみたい場合、口語だと、「何言ってるねん」となり、敬語だと、「何言ってはるんですか」となる。

ミュンヘンの日本貿易振興会のスタッフは、東京出身者や東京で働いたことがある人が多く、私の大阪弁は最初すべて通じなかった。初めてのカルチャーショック。それから、私の言葉はどんどん標準語に変わっていった。

大阪弁よりも標準日本語を話す方が頻繁になっていったときの苦しさを今でもよく覚えている。自分のようで、自分でない感じ

初めてドイツで大阪出身の人と知り合ったときの感激も忘れられない。夢中になって、大阪弁でおしゃべりした。本当の自分に戻れた気がした

娘が生まれてから、毎日大阪弁で娘に話しかけるようになり、もっと本当の自分を感じるようになった。そして、娘が話す大阪弁を聞いているだけで、心地よくなり幸せな気分になるのである。

今の私は、ドイツ語を話すのにまったく問題ないと言ってよい。しかし、日本語で話す方が気楽であり、大阪弁だともっとリラックスできる。

母語が話せる環境は、生きてく上でとても重要なことなのかもしれない

娘にとって、どちらの国の言葉を話すときが本当の自分になるのだろうか。






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コメント

外国に来て、「母語」の重要さ、すごくわかるようになりました。多少しゃべれる言語ではなく、自分のこころと結びついている言語、母語で話せる環境って本当に重要ですよね。まだまだ数ヶ月ですが「本当に自分に戻れた」という気持ち、よくわかります。
お嬢さんの母語選択、大変かもしれませんがうまく行く事を願っています。

Posted by: みほっち at 2006年10月13日 14:05

みほっちさん、コメントありがとうございます。

外国に住むと、「母語」の重要性が、本当によくわかりますよね。

みほっちさんの場合、ご主人さんとお子様と、母語で話せる環境があるので、よかったですね。

フランスでの生活が、みほっちさんにとって、有意義なものになるように、お祈りしています。

Posted by: みどり at 2006年10月13日 23:28

外国で生活して 習慣 国民の違い 言葉になれるまでは、最低10年は、かかるとよく聞きます。
仕事で2~3年行っても これから慣れようとするときで残念だったと言う人が多いし 日本人が近くにいて 集まると日本語で話ししてるので言葉を覚えないとか 海外から日本で生活している外国人からも母国の言葉を頻繁に使うので 日本語を覚えないとかよく聞きます。
私も関西弁の会話を聞いてると笑い出してしまうので いつも失礼にならないようにと我慢してます。
以前に就学旅行で 地方から上京していて 言葉が標準語でないのをからかわれたことで 喧嘩になり新聞に出てたことがありました。
私も 地方出身なので 東京に来たときは新聞を読んだり  商店街に買い物に行き おじさんやおばさんと話して東京の言葉に慣れました。
その土地に慣れるのは、練習と明日があるさで頑張らないと すぐにはなれないのです。

Posted by: はな at 2006年10月14日 08:24

PS
日本でタレントやってる イタリヤ人のロザンナさんは、日本語で夢まで見るようになったそうで それでも 母国語は忘れないそうです。
子供の為 生活のためで頑張られたんでしょうけど 努力も必要ですよね。

Posted by: はな at 2006年10月14日 13:04

はなさん、いつもコメントありがとうございます。

外国で生活して 習慣 国民の違い 言葉になれるまでは、最低10年は、かかるとよく聞きます。

↑ そのとおりだと思います。私も、10年経って、やっとドイツで生きていけると思えるようになったからです。それまでは、いつも何かあると、現実逃避して、ドイツは自分が住む国ではない、日本に帰るんだと、根無し草のような心情を持っていました。

10年経つと、根性が座ってくるのか、足が異国の地についてきたという実感がわいてきます。

私もドイツ語の夢をたまに見ます。でも、やっぱり、母語は日本語なので、きれいない日本語(私の場合、大阪弁)がいつまでも話せるように、がんばらないいけないって思っています。

Posted by: みどり at 2006年10月14日 13:15

外国人と 日本語で話していて 私たち日本人と考えが違うのは、机から物が落ちても考えることが違うし 日本人だったら落ちたなんて 言うのに知り合いのアメリカ人は,「飛んだ 飛んだ」と笑い冗談を言って 回りを笑わせるところが日本人と違うところです。
郷に入ったら郷に従えとはいいますけど 国民の違いを理解するって 誤解を招くこともあるし習慣や風習て 何でも分からないところは、自分の言葉で聞くと言う習慣がないと いつまでも慣れないですよね。

Posted by: はな at 2006年10月14日 22:58

はなさん、コメントありがとうございます。

外国に住んでいると、習慣の違いは、確かに気をつけなければいけなことだと思います。

例えば、ドイツの場合、「公の場で鼻を大きな音を出してかむ」ことは当然のマナーで、「公の場で鼻をすすること」はマナーに反します。日本だと逆ですよね。

日本で当然なことが、ドイツではマナー違反になる。こんなことは、生活する上で、恥をかきながら、学んでいくしかないのだと思っています。誰も教えてくれませんからね。

Posted by: みどり at 2006年10月15日 14:02

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