ワーキングマザースタイル【シネマ・こむぎスタイル】第16回 硫黄島からの手紙




2006年12月28日

【シネマ・こむぎスタイル】第16回 硫黄島からの手紙

Posted by 湯河原こむぎ

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「硫黄島からの手紙」観て来ました。アカデミー賞の呼び声も高いと聞くこの映画。「ぜひ、観ておかなくては!」と思いました。ただ、以前も書いたように「映画は娯楽!」とばかりに、HAPPYになれるものが大好きな私には重過ぎるテーマであり、戦争映画はとてもつらいので避けて来たため「戦争」の事自体よくわかっていません。お気楽野郎の私が、この映画を観て理解するためには「予習」が必要でした。

私がした「予習」は・・・
Wikipediaで「硫黄島の戦い」を調べた
フジテレビのスペシャルドラマ「硫黄島・戦場の郵便配達」を見た。
★フジテレビの「とくダネ!」の「硫黄島からの手紙」の特集を見た。
★「硫黄島からの手紙」のパンフレットを読んだ。

12/14に一人で観に行きました。その時は、涙が出たけど、重く苦しい映画ではあるけれど、二宮君がアカデミー賞助演男優賞候補と言われているけど(よかったんですよ!よかったんだけど)それほどかしら?と思ったし、渡辺謙さんも「ラストサムライ」の時に感じた「圧倒的な存在感」のようなものが弱い感じがしました(役柄が違うのであたりまえと言えばあたりまえですが)。それと、二宮君の言葉づかいがものすごく今っぽくて「しらねーよ」「やってらんねーよ」・・・という台詞に違和感。それから、二宮君の奥さん役の裕木奈江さん(二宮君より13歳年上!)の台詞、召集令状が来た夫に「誰も帰って来ないんだよ。ひとりもだよ。」という「だよ」っていう言葉。そうなのかー?それでいいのかー?なんて気になったり(この二人のシーン、とーってもよかったし泣けるのですが)。昔の言葉や戦争用語でわからない言葉があったり(「けんぺい」とか「いっぺいそつ」とか)、聞き取れなかったり(アメリカで公開される時は字幕がつくので問題ないでしょう。)。見終わったあと、なんとなくもやもやした気持ちで映画館を後にしました。うーん、どうなの、これ。

・・・と思ったので、この映画を観た事を家では話しませんでした(私は映画をいっぱい観るけど、その全部、一つ残らず家族に感想を話すわけではないのです。)。そしたら、夫が「19日、休みだから『硫黄島からの手紙』観に行こうぜ!」とうれしそうに言った・・・。え゛ーっ、観たよ~、しかもあんまりおもしろくなかったしー・・・と思ったけど、それは秘密にして二回目を観に行く事にしました。二宮君が、あるシーンで「まじかよー」って言ったような気がしたので、それはあまりにもどうなの?と思ったから確認したい気持ちもあったりして。

観に行く前には、改めて、フジテレビのドラマと、とくダネ!の特集を二人で見ました。そして、行くまでの間、車の中で、夫にいろいろとこの戦争の事について説明してもらいました。私は、この戦争が「何のために」行われていたかも知りませんでした。どっちが悪いのか、きっかけが何だったのかという事も。

なんと!二回目を観たら、一回目に観た時と、まるで俳優さんたちの演技が違って見えました。クリント・イーストウッド監督が二宮君をこの役に選んだ意味がピカッとわかったような気がしました。彼はとても子どもっぽくて気が弱そうに見えるけれど、感情までコントロールされてしまう戦争の中で(「お国のために戦って死ぬ!」とか「天皇陛下万歳!」とか)、絶対にその精神に同調できなかったアウトローなイメージを彼に感じたのでは?繊細な中に秘められた強さのようなものが、監督の心を捉えたのでは?と。

硫黄島を守るために任務に当たる総指揮官・栗林(渡辺謙さん)の人間性も二回目の方が、ものすごく感じました。それまでのやり方では、米軍が上陸して来る水際で戦ったのですが、栗林中将のやり方は、水際に兵はおかず、摺鉢山の下に地下陣地を作り、持久戦に持ち込むという作戦だった。彼の指示は、幕僚達の大反対にあった。今までは、負ける時は「潔く自決」だったが、栗林中将はそれを許さない。「10人の敵を倒すまで死ぬ事を禁ずる」と言うのです。島のあちこちを守っている部隊が陥落すると、みんなは自決しようとするのですが、「残ったものは、全員合流して最後まで戦うように」という命令なのです。それってつらすぎませんか。実際、映画の中でも合流する道を選ばずに、手榴弾を胸に、何人もの仲間が自決して行くのです・・・・・。ああ、戦争って・・・。

米軍の圧倒的な兵力の前には5日で終わるだろうと言われていた、この硫黄島の戦いが、彼の作戦のため36日間も続いたと言います。米軍は、東京とサイパンのちょうど真ん中あたりにあるこの島をB29の中継基地にするために欲しがっていたのです。ここをとられてしまえば、東京への大規模な爆撃が可能になってしまう。東京を、家族を守るため、栗林はどうしてもこの島を守りたかったのです。いや、せめて遅らせたかったのです。「われわれがここを守る一日には大きな意味があるのです!」の謙さんの台詞に泣けました~。

「正しい戦争」はありません。「楽しい戦争映画」もありません。絶対に忘れてはいけないのです。戦争が、つい最近まで行われていた事(今も戦争しているところもあるし・・・)。この硫黄島の戦いも、私が生まれるわずか16年前の事で、ものすごくびっくりしました。「太平洋戦争」、たった5文字で表されるこの戦争(太平洋戦争に限らず、どの戦争もですが)では、数え切れないほどの兵士が亡くなり、その方たち全員に大切な家族がいたという事を、世界中の誰もが忘れてはいけいのです。観たくなかったけど、観てよかったと思いました。そして、二回観てよかったと思いました。やはり「おすすめです。」とは言えません。でも、「観ておくべき映画」だと思いました。行こうと何度も思ったけど行けなかった「硫黄島二部作」のもうひとつの映画「父親達の星条旗(アメリカ目線の硫黄島の戦い)」も絶対に観ておこうと思いました。

・・・二宮君が「まじかよー」と言ったかどうか疑惑については・・・私の誤解でした。でも完璧に「まじかよー」なニュアンスで「かんべんしてくれよー」と言っていました。

最近見たテレビでのインタビューで、二宮君は「僕は俳優じゃないので・・・。職業は?と聞かれたら『アイドルです』と答えるしかありません。」と言って、さらっと笑っていました。世間でいろいろと騒がれているけど、全く動じていないところがすごかったです。小さいけれど君は大物だ!

兵士の役の人達には、とても魅力的な俳優さんがいっぱいいたのですが、パンフには一切名前が出ていませんでした・・・。エンドロールにだけ表示されていました。残念っ!



私が二宮君ってすごい!と思った映画「青の炎」

青の炎 特別版
黒い家と言う保険金殺人の小説(これも、ちょーすごい作品だった~)を書いた貴志 祐介青の炎を読んだ時、あまりの切なさに胸がしめつけられるようだった。高校生の主人公が母を守るために酒乱の父を殺す計画を立てるという話。すごい小説だった。

その後、この話が映画化される事になり、主演が「嵐」の二宮和也と松浦亜弥・・・はあ?ジャニーズの子が人気あるからって、この役は無理だろー!しかも相手があややとは・・・がっかりだよーっっっ!と思った。

そしたら、あーた、二宮君のうまいこと!・・・台詞は確かに下手なところもあるんだけど、私が小説を読んだ時に強烈に感じた「せつなさ」が見事に表現されていました。映画のキャッチフレーズも確か「せつない殺人鬼」だったと思います。かわいくてあまいマスクの高校生。周りから見たら高校生活が楽しくて仕方がない幸せな子に見えるだろう。でも、彼には深い深い悩みがある・・・。その「哀しさ」がとてもよく伝わりました。酒乱の父役は、なんとデザイナーの山本寛斎さん。この人の狂気の役もすごかった!

先日、テレビで蜷川監督が「二宮はいつも寒そうにしていて、その、人との距離感みたいなものが彼独特」って言っていました。『寒そうにしている』!その表現ぴったりかも~!と思いました。いつもちょっと困ったような眉毛ですよね。とにかく、この「青の炎」は「二宮君ってただものではない!」と強く感じた一本でした。
同じ「嵐」でも、この役は松潤じゃダメなんだな~。松潤の眉は意思の強さを感じるから~。松潤は黒木瞳の「東京タワー」(←この映画自体は大嫌いなのだが、松潤と寺島しのぶがよかった。)と小雪と一緒のドラマ「ぼくはペット」の時が最高に良い★・・・横道にそれました、すみません。



ハチミツとクローバー スペシャル・エディション (初回限定生産)
「憲兵」のエリート仕官だったがそこをクビになり硫黄島に派遣された兵士役の加瀬亮さん。彼もなかなかよかったです。憲兵ってよくわからなかったけど、夫に聞いたら軍警察のようなものなのだそうです。彼がそこをクビになったエピソードもなかなかつらいものがあります。でも彼の優しさが胸にしみました。
加瀬亮さんって、けっこう今「旬」ですよね。「パッチギ!」にも出ていましたが、私はなんと言っても「ハチミツとクローバー」の真山君役が好きです。彼の着ている服のセンスもすごく好きでした♪


硫黄島からの手紙 期間限定版 父親たちの星条旗 期間限定版

二枚ともDVDが発売されました。「硫黄島からの手紙」は、上の記事に書いたように、私は二度観てやっと理解する事ができました。
先日、電車の中で耳にした大学生くらいの女の子3人組の会話。
女の子A「『硫黄島からの手紙』、ちょーつまんねーから。」
他の子二人「まじー?そうなんだ~!?」
A「意味わかんねーし、暗いし。」
・・・。君達、若い世代の子にこそ観てもらって、戦争の事を忘れてほしくない!とおばちゃんは思うわ~。TSUTAYAで借りてぜひ、見てほしい!2007.5.18追記。







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コメント

こむぎさんのエントリーを見て、興味がわき、見てきました。

映画を超える体験でした。

いろいろと思うことがあったので、TBさせていただきました。

二宮君よかったですね。伊原さんもよかった。
こむぎさんに、感謝です。

Posted by: らむね at 2006年12月29日 02:17

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