ワーキングマザースタイル【シネマ・こむぎスタイル】第19回 それでも僕はやってない




2007年02月10日

【シネマ・こむぎスタイル】第19回 それでも僕はやってない

Posted by 湯河原こむぎ

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「Shall we dance?」の周防監督の11年ぶりの映画、「それでも僕はやってない」を先週観て来ました。痴漢冤罪の話というのはわかっていましたが、「Shall we dance?」的なものを想像していたので、あまりの重さにびっくりしました。


★ストーリー★
フリーターの金子徹平(加瀬亮)は、面接に行くために電車に乗った。駅で降りると女子中学生に腕をつかまれ「痴漢したでしょ」と言われる。「痴漢?」身に覚えのない金子は、駅員に連れられ事務室へ。そこでは、話を聞いてもらえずに警察に引き渡されてしまう。金子は「自分は何もやっていないのだから、ちゃんと話せばわかってもらえるだろう。」と思った。しかし、手錠をかけられ「お前は逮捕されているんだ!」と言われ愕然とする。この日から、長い長い金子の戦いの日々が始まる。

★みどころ★
2時間半という長い上映時間。そして、面白くも楽しくもないストーリー。でも、一秒たりとも画面から目が離せないし、身じろぎも出来ない。眠くなる暇もトイレに行きたくなる暇もなかったです。

痴漢をしても「やりました。」と認めて3万円程度のお金を払えば、すぐに警察から解放される。しかし、実際自分が痴漢をしていなくても「やっていない」と主張すれば、拘留されてしまう。やっていなくても「やりました。」と言い、お金を払えば、すぐに出られるのである。絶対におかしいよね。そんな事。

映画では、加瀬さんは「やってない」と主張しつづけたため拘留される事に。刑務所から出て家に帰れる事になった加瀬さんの髪がかなり伸びていて、拘留の長さを感じました。

法廷のシーンが多く、観ているこちらも息詰まる思い。一生のうち法廷に立つ機会がある人ってどのくらいいるでしょう。今までずっと、ただの善良な市民として日々を過ごして来たのに、その場に「被告人」として立たされた当事者のプレッシャー、ストレスはどれほどだろう。加瀬さんのキャラクターがこの役にぴったりでした。自信なさげでおどおどして。震える心が痛いほど伝わりました。

途中、何度も涙が出ました。加瀬さんがかわいそうで、役所さん(元裁判官の主任弁護士)が頼もしくて、友達の協力がありがたくて、もたいまさこ(加瀬さんのお母さん役)の気持ちが痛いほどわかって・・・。観終わった後、オダギリジョーの「ゆれる」(やはり法廷もの)を観た時みたいな重~い気持ちになりました。一緒に観た友達は大学生の息子がいるので「あ゛ー、胃が痛くなる。息子に電車に乗る時は両手を挙げて乗るように!って言わなくちゃ。」と言っていました。

★今週になって、またこの映画の事を考えた。先週とは違う考えを持った。

この裁判の制度ってどうなのよ?と、本当に疑問に思う。「裁判長の考え方」によって判決は決まる。しかし、今後、裁判員制度が実施され、自分が裁判員に選ばれたら正しい判断が出来るのか?・・・と思いました。



2009年5月までに始まる裁判員制度。私たちも裁判員に選ばれる可能性があります。自分が選ばれた時、正しい判断ができるでしょうか?人一人の一生がかかっています。不安です~。
裁判員制度公式ページ裁判員制度for Kids・・・子どもにもわかりやすく「裁判員制度」について説明されています。私もこのページでようやく理解できました・・・(^^ゞ


今回は映画だったから「加瀬さんはやってない」と言う事が、私にもわかっており「やっていないのに気の毒」というスタンスで観ている。でもでも、映画じゃなかったら?もし夫が痴漢をしたと言われたら?お尻を触られた女子中学生が自分の娘だったら?考えただけで背筋が凍りそう。無実=無罪ではない。恐すぎる。この映画、素晴らしい。歴史に残る名作だと、私は思います。

しかし、加瀬さんも女子中学生も嘘をついていないとすれば、「お尻を触った真犯人」は別におり、そいつはのうのうと暮らし、今日も痴漢行為をしているかも。許せないっ!



お父さんはやってない
「お父さんはやってない」という本。「矢田部孝司+あつ子」ご夫婦での共著になっています。公式ページにも「この事件と出会わなければ、僕の映画は生まれなかった。」という周防監督のコメントとともに紹介されています。この映画の中には、自身も痴漢の冤罪をかけられ、戦っている最中の「佐田さん」という方が登場します。佐田さんは、加瀬君の無実を証明するために協力をおしまず、尽力してくれます。映画の中の佐田さんもご夫婦で登場、この著者がモデルになっていると思われます。


「法廷もの」と言われる映画
ゆれる
映画には「法廷もの」がかなりあると思う。この「ゆれる」は、オダギリジョー、香川照之出演、西川美和監督(1974年広島生まれの若い女性監督)の映画で、2006年の映画賞を多数受賞しています。またこの作品は、キネマ旬報2006年度日本映画ベストテンの2位に選ばれています(一位は「フラガール」)。私も、映画館でこの映画観ましたが、オダギリジョーさん、香川照之さんが素晴らしく、ラストは「このあと、お兄さんはどうしたかな~。」って考えてしまいました。これも、重く、つらい映画でしたが「観てよかった。」と思える素晴らしい作品でした。

半落ち
「半落ち」
本も読み、映画も観ました。認知症の妻に「殺してほしい」と頼まれ、殺してしまう。その後、彼は・・・。いろいろと考えさせられ、号泣の作品でしたが、映画館では寺尾聡さんのドUPが多く、ちとつらかった記憶があります。
『愛の流刑地』オフィシャルハンドブック
現在公開中の「愛の流刑地」。私は本も読んでいないし、映画も観ていませんが、これも「法廷もの」です。私は世間の噂から、単なるエロエロ映画だと思っていましたが、「法廷シーン」がとても多いそうです。みなさん、ご覧になりました?私は、豊川悦司さんが大好き。寺島しのぶさんの演技には、いつも「魂」を感じるので、観たい気持ちはあるのですが、勇気がなくて観に行けません・・・。







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コメント

こんばんは
おすすめの「それでもボクはやってない」をDVDで観ました。
すごい映画ですね,これ。これを撮った周防監督の功績は讃えられるべきですね。
この事実を知らなかったとは,私も背筋が凍るような思いと,どこにぶつけたらいいかわからない憤りを感じました。
2時間半,心地よい内容じゃないのに,息をするのも忘れてみていましたね。
加瀬くんは「硫黄島~」のときから印象に残っていましたが,上手いですね。この役はぴったりだったけど,とにかく可哀相でした。

Posted by: なな at 2008年03月25日 20:46

ななさん
日本映画あまり観ないななさんが観てくださってうれしかったです!この映画は、私も歴史に残る名作だと思います。本当に身じろぎせずに観ちゃいますね。しばらく立ち上がれないくらいの脱力でした。正しい人が救われない裁判制度って・・・という思いでいっぱいでした。

加瀬君、いいですよね~!こういう役やらせたら日本一やで~!

Posted by: こむぎ at 2008年04月03日 19:35

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