【ヨセミテ国立公園】
サンフランシスコからほぼ真東やや南、車で約5時間の位置にあるヨセミテ国立公園は、そのアクセスのよさ、美しさ、そして何日滞在しても尽きることのないアクティビティなどから、アメリカでもっとも人気のある国立公園といわれています。
日本から訪れる人も多いのですが、残念ながら多くの場合、SFからの日帰りツアーのようです。
確かに大きな見所は、ドームを大きなナイフで半分に切ったようなハーフドーム、そして世界一の一枚岩、エル キャピタンで、どちらもとてつもなく大きいので、どこからでも見ることができます。
でもせっかく、ヨセミテの存在を知ってここまで足を伸ばすなら、レンタカーで自分で見て回る足がある場合は1泊2日、バスなどで訪れた場合は2泊3日は滞在してほしい所です。
今回2度目の訪問でしたが、前回は夫と二人車での気まま旅だったので、今回は娘たちと一緒、そして車なしのヨセミテ旅行、果たしてうまくいくのか少々不安のまま出発しました。
レンタカーの場合
サンフランシスコからなら約5時間、ロスアンゼルスから約7時間、ヨセミテに近づくにつれアメリカドライブにしては、狭くカーブの多い道になります。
宿泊も自分で手配することになり、いずれの宿も一年と一日前からの予約で、特に7月8月はすぐにいっぱいになります。
公園の外にはモーテルがありますが、ヨセミテの場合公園入り口のゲートからまだまだ先は長いので、園内に泊まれないと、もったいないです。
当日の朝キャンセルのリリースがありますが、朝早くにキャンセル待ちに登録しないと難しいので、お子様連れや、大人数の旅にはちょっと難しいかも。
ちなみに前回夫といったときはヨセミテのベストシーズンといわれる6月でしたが、Curry villageのテントキャビンにキャンセル待ちで泊まることができました。
SFからのツアーを買う
この場合も予約をする必要がありますが、ヨセミテ内の宿は、ツアー会社が押さえている分があるので、少々出遅れても、園内に泊まることが可能になります。
JTB、パーラーカー社など、1泊2日を基本に延泊という形で、アレンジしてもらえます。
園内の主な宿
アワニーホテル
アメリカ人が一生に一度は泊まってみたい宿、というアワニーホテル。
日本から旅行社を通じて予約すると、1泊7万円もかかるとか。
部屋数も少なく人気なのでなかなか取れません。
ヨセミテロッジ
ヨセミテ内で最大の収容人数。
中級程度のモーテルくらいの設備ですが、ヨセミテ滝にも近くて家族連れには一番お勧め。
カーリービレッジ
主にテントキャビンでバスなしの部屋もあります。
夏でも夜は毛布が必要。
テントサイト
園内に11のキャンプサイトがあります。
ロッククライマーや、ハイカーの方たち、アメリカの人だと家族連れでもたくさん泊まっています。
ただし、熊が出るので食べ物や匂いのあるものは使うとき以外はベアーボックスという箱の中にしまわないといけません。
いずれも個人でとる場合は
Yosemite Reservations
○Yosemiteの見所
エル キャピタン
世界一の一枚岩、ロッククライマーの聖地と呼ばれる巨大な岩です。
この距離から見ていても、登っているはずのロッククライマーは、双眼鏡でも小さすぎて見えないほど、この岩は巨大です。
熟練したロッククライマーで平均3泊4日かけて登るんだそうですが、いったどうやって寝たり、食べたり、その他いろいろするのか不思議でなりません。
ハーフドーム
これも大きいので、ヨセミテのバレーから見ることができますが、バレーから車かヨセミテ内から出ているバスで約1時間半のグレーシャーポイントから見ると、真正面に見ることかできます。
バスツアーは昼間しかありませんが、夕日に映えるハーフドームはグレーシャーポイントが最高です。
グレーシャーポイントまで歩いて登るトレイル(片道3~4時間)もあります。
ハーフドームに登るトレイルもあり、健脚なら普通の人でも往復13時間くらいで登れるそうです。
ただし最後は一本のロープだけが頼り、滑落死する人も珍しくはないそうで、高所恐怖症の人は絶対無理ですね。
グレーシャーポイントに設置してある望遠鏡をのぞくとハーフドームに登りきった人の影が、ありのようにうごめいて見えます。
滝
落差では世界第三位のヨセミテ滝をはじめ大小さまざまの滝が岩の割れ目から噴出しているように見えます。
ヨセミテ滝は2段に別れていて、下段の滝は散歩程度の装備で15分も歩けば到着します。
メタセコイアの森
宿のあるヨセミテバレーからは車かバスで2時間ちょっとでメタセコイアの森があります。
車が木の中を通る写真ってみたことないですか?
ここにもその木はあったのですが、あれは人間が木に穴を開けたので、その木は枯れてしまったのです。
そういった反省から、今はメタセコイアのこの森はとても丁寧に管理されています。
上の写真の木は樹齢2000年以上、雷に打たれたりして穴が開いているのだそうです。
車がない場合は、グレーシャーポイントと、このメタセコイアの森を回るバスツアーを、各宿泊施設のツアーデスクで申し込むことができます。朝8時半から夕方5時くらいまで、英語ですがバスの運転手さんがガイド兼お笑いトークでしゃべり続けて楽しませてくれます。
○Yosemiteの過ごしかた
Valley内
ヨセミテは谷の底がvalleyになっていて、すべての宿泊、トレイルへの入り口はValley内にあります。
そしてそのValley内には無料のシャトルが頻繁に走っているので、移動に不便はありません。
むしろ車で移動しようとすると、駐車場が少ないので苦労します。
人気の国立公園ゆえの問題点として、車の排気ガス汚染があり基本的にはValley内の移動は車を持っている人もシャトルを使うことになっています。
このシャトルは電気で動きます。
トレイルを歩く
ヨセミテ滝(下滝)やミラーレイクなど、お散歩気分ででかけらるトレイルから、ハーフドーム登頂のように夜明け前から出かけるようなものまでヨセミテ内には本当にさまざまなトレイルがあります。
今回挑戦したバーナル滝は初級コース往復2~4時間、夏でも枯れない滝で、水の多い季節はトレイルに滝の水しぶきが降りかかってずぶぬれになって滑る、ということだったのでちょうどいいや、と思い登り始めました。
前半、思ったより急な道だな、なんて思っていたら、後半は大変。
不規則な自然の急な石段が果てしなく続き、左側は滝つぼに向かって切り立っているのに、手すりはたまにしかありません。
登るのはいいけど、降りるのは恐ろしそう(実際降りるときはへっぴり腰になりました)。
滝が流れ落ちはじめるところまで登り、滝が落ちていくところを間近で見ることができますが、そこにもたいした柵はありません。
”滝に落ちる水は急に流れが速くなります。川に入って滝に流される人が毎年います。落ちたら助かりません。”という注意書きを見ました。
このトレイルは、すごい人気のトレイルで、3歳くらいの子供を何人も一人でつれて登るお父さん、首が据わったばかりの赤ちゃんを担いで登るお母さん、88歳と85歳の杖をついた老カップルなどなどここに来る人たちのバイタリティーには圧倒されます。
ここからさらに上にもうひとつ滝があって、さらに登るとハーフドームだそうですが、特に熟練していなくても大丈夫、とは言うものの、相当な覚悟で登ったほうがよさそうです。
のんびりすごす
グランドキャニオンと逆で、ヨセミテは谷の底に宿泊施設があります。
真ん中を川が流れ、その周りが草原になっています。
アメリカ本土から来ている人の多くは、ゆっくり滞在して、川の周りで一日水遊びをしてすごしたり、自転車を借りてValley内を散策したりしています。
川の水は雪解け水なのでヒヤッとして冷たくて、昼間はとっても気持ちがいいです。
馬に乗って短いトレイルを歩くこともできます。
そうやってすごしていても、ちゃんとエルキャピタンとハーフドームは見えるので、小さいお子様連れにはのんびりすごすのが一番のお勧めかもしれません。
○Yosemiteの動物たち
アメリカの国立公園は、野生動物を野生の習性のままに、という取り組みをしています。
ヨセミテのように、観光客がとても多い場合は難しいのでしょうが、さまざまな努力をしています。
普通に出会うのは、リスや鳥たち。
トレイルを歩いてであったり、草原に散歩に来るのは、シカたち。
木の間などにたまに現れる、熊。
朝早く出くわしたコヨーテ。
人間は、自分たちの食べこぼしなどを動物たちが食べたりしないように気をつけることを要求されます。
○Yosemiteの気候
夏のヨセミテは昼間はとっても日差しが強くて暑いくらいですが、湿気がなくて夜は温度が下がります。
前回夫と行ったときに、カーリービレッジのテントキャビンのキャンセル待ちで、「暖房はないけどいいですか?」と聞かれて、冷房の聞き間違いかと思いましたが、朝方になってその意味がわかりました。
昼間でも、グレーシャーポイントは標高が高いので半そででは寒いくらいです。
一般的にはベストシーズンは6月です。
ヨセミテバレーに流れる水はすべて雪解け水なので、8月には滝はほとんど枯れてしまいます。
4月くらいから、水量が増して迫力が出てきますが、5月だとまだ雪が残っていて、閉鎖さている道路やトレイルがたくさんあり、いけないところがたくさんあります。
何度も通っている人や、このあたりに住む人たちは冬の雪に閉ざされた静かで荘厳なヨセミテが一番だと口をそろえて言います。一度いってみたいな~。