私は1960年代生まれですが、同年代の人だと、子どもの頃ってよく外で遊んでいませんでしたか?・・・というか、外で遊ぶしかなかったでしょー?テレビゲームもなかったし、変質者もいなかったし、罪もない子どもが殺される事件もなかったし。基地を作って遊んだり、通学路でない道を冒険気分で帰ったり、木登りをしたり、虫をつかまえたり、雪が降ったらかまくらを作ったり。そんな懐かしい子どものころの空気を胸いっぱいに思い出せる映画でした。
私はほんとに始まったばかりで、まだストーリーにもあまり関係のない、よーいドン!でみんながかけっこするシーンから涙が出るほどでした。←涙出しすぎ。先生がギターを弾いてみんなで歌うシーンとか、やたら懐かしくて、胸がキュンキュンしちゃいました。
★あらすじ★
小学校5年生のジェス(男の子)は、5人きょうだいの真ん中。自分以外は全部女の子。姉・姉・ジェス・妹・妹。ジェスは毎日がつまらない。家は貧乏で、お母さんはいつも電卓を叩きながらため息をついている。お父さんは忙しいし、女の子ばかりかわいがる。お姉さんのお古の靴を履かされるのも、ものすごく嫌だ!しかも学校ではその事でからかわれる。ジェスのただ一つの楽しみは、空想を思い描きそれを絵にすること。
そんなジェスの家の隣にレスリーというちょっと変わった女の子が引っ越して来た。彼女の父母は小説家。芸術家でお金持ち。そして彼女は、とてもかわいくて、思った事ははっきり言う子。最初に会った日、かけっこでレスリーに抜かされたジェスは大ショック!レスリーの印象はかなり悪かった。
家が隣なので帰りが一緒。話しているうちに、彼女も空想の世界に遊ぶのが好きな事がわかり、森の中に二人の空想の世界を作り上げて行く。いつも自信がなく、下を向いて生きているジェスに彼女は言う。
「目を閉じて。心の目は大きく開いて。」
二人は、森の中に秘密の王国「テラビシア」を創り上げて行く。
★みどころ★
とにかく、森の中で二人が創り上げる国がワクワクもの。壊れかけのツリーハウスを見つけ、そこにいろいろなガラクタを運び込んで、それらしく少しずつ創り上げて行く過程の楽しさ。まさに「やったやった!こういう事~っっっ!」と本当にウキウキしてしまいました。
大きな鳥が空を飛びまわると「敵が来た!手榴弾で戦おうっ!」と松ぼっくりを拾って投げる!楽しいよな、楽しいよな~こういう事すると。確かにテレビゲームで敵と戦ったりするのも楽しいと思うけど、やっぱり現実世界でやるのは違うよなあ!なんて。
「ファンタジー映画」って言うとCGを多用した壮大なものを思い浮かべるけど、この映画は、日常身近にありそう、+ちょっとだけCG風で、あまり浮世離れしていない。ものすごい超大作だと「お話は素晴らしいし、おもしろいけど、実際には絶対ありえない!そんな事!」という気持ちになっちゃう事もあるけど、この映画は「ひょっとしたら、森ではこういう事があるかも?」なんて気になれる規模。「子どもの頃ってみんなこういうものが見えてたんだよね。」って気持ちになる。(本当はいない)敵が攻めて来るから「逃げろ~っ!」なんて逃げてみたり「危なかった~!助かった~!」なんてほっとしてみたり。
そして、ワクワクして、ドキドキして、じーんとして、号泣して(私だけ?)、幸せになれるのに、なんと上映時間がたったの95分!これは本当に素晴らしい。ぜひぜひ子どもと一緒に観ていただきたいです。
ジェスの素朴さ、優しさがとってもあたたかい。そしてレスリーはかわいくて美しく、着ているものがとってもキュート!ポップできれいな色の洋服の重ね着がものすごくセンスがよくて可愛かったです。ファッションに興味を持ち始めた小学校高学年の女の子は、きっと彼女の着こなしが好きだろな。
それから!ジェスのすぐ下の1年生の妹メイベルがすごくかわいい♪抱きしめて食べちゃいたいくらいかわいかったです!
いろいろ書きたい事がほんとにいっぱいあるのだけれど、ぜひぜひ観ていただいて自分の胸で感じていただきたいです。