ワーキングマザースタイル子どもたちの「安全な遊び」を考えよう!




2008年03月31日

子どもたちの「安全な遊び」を考えよう!

Posted by 本田いく

こんにちは、本田いくです!

ようやく春めいてきて、暖かい日が増えてきました。冬の間は室内遊びの多かった子ども達も、思う存分屋外遊びができると浮き足立っているのではないでしょうか?

子ども達が表を駆け回って遊んでいる姿を見るのは微笑ましいものですが、時に、保護者にとっては「危ない!」と口を出したくなるようなこともあるものです。一方で、やみくもに「アレはダメ、コレはダメ」と言ってしまうのも、子どもにとって成長の機会を損なうことになるのではないかという悩みや迷いもあるのではないでしょうか。

子どもの「危ない」遊びに、保護者としてどこでどのように線引きをするべきなのか。そのヒントを求めて、先日、横浜市環境創造局・こども青少年局を始めとする5つの団体が共催(共催団体詳細は後述)したワークショップ『こどもの遊び場づくり講座 「あぶないからダメ!」という前に ~子どもの遊びと安全』というワークショップに参加してきました。

講師写真.jpg

今回のセミナーの講師は「安全な遊び場」に関する調査や情報収集、啓蒙活動を行っているNPO団体、PSN(プレイグラウンド・セイフティ・ネットワーク)代表の大坪龍太氏です。アメリカやカナダなど、国外での「子どもの遊びと遊び場」への取り組み事例も交えながら、保護者である私達が子ども達の「遊び」と「安全な遊び場」を守るためにできることを教えていただきました。

●子どもは“学習するために遊ぶ”
子どもの遊びを見守る際の大前提として、保護者の私達が認識しなければならないのは「子どもは学習するために遊ぶ」ということです。2002年度に国土交通省が発表した「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」には、こう記してあります。

“子どもは、遊びを通じて自らの限界に挑戦し、身体的、精神的、社会的な面などが成長するものであり、また、集団の遊びの中での自分の役割を確認するなどのほか、遊びを通じて、自らの創造性や主体性を向上させていくものである。”

大坪さんも言います。
「子どもは怪我をするための活動をする。怪我、痛みは成長のための要素であり、本能的に“経験するため”に遊んでいるのです。子どもに怪我をさせたくない、危ないことをさせたくない、というのなら、極論として“子どもは遊ばないほうがいい”ということになってしまう」

●こどもの遊びに潜む「危険」には「リスク」と「ハザード」がある
「安全である」ということは、「危険がない」ということです。そして、子どもの遊びを見守る大人に知って欲しいのは、「危険」には「成長に必要な“価値のある”危険=リスク」と「重大事故の原因として、子どもの環境から撤去されなければならない危険=ハザード」の2種類があるということです。

では、この二つの違いはどこにあるのでしょうか。

まず「リスク」とは、「重傷度および発生頻度が低~中程度のもの」であり、保護者として「受容できるもの(あるいはするべきもの)」です。一方の「ハザード」とは、「発生頻度も重傷度も高く、受容できないもの」です。

では、「ハザード」を全て撤去してしまえばよいのではないか?と思うかもしれません。しかし、著しく撤去が難しい「ハザード」が、世の中にはあふれているのです。

撤去できない「ハザード」の例を挙げると、海水浴、スポーツ、自動車などです。怪我、死亡事故の原因として年間の発生率は、日常の遊びの中で起こる事故と比較して、前者の方が非常に多いものとなっています。しかし、これらを私達は「受容」しています。「ハザード」を内包するこれらは受容できるのに、子どもの遊びに含まれる「リスク」を受容できないのは何故でしょうか?

●「リスク」の体験を重ねて「ハザード」を回避できるようになろう
「リスク」と「ハザード」の差は、年齢やその子の発達段階によって異なるため、線引きが非常に難しい部分があります。

例えば、0歳から4歳児までの死亡事故原因のTOP5は「交通事故(37.5%)」「不慮の溺死・溺水(26.0%)」「その他不慮の窒息(13.6%)」「やけど(10.0%)」「転倒・転落(7.6%)」となっています。5歳から9歳になると「交通事故(56.5%)」「不慮の溺死・溺水(22.6%)」「やけど(9.7%)」「その他不慮の窒息(22.6%)」「転倒・転落(2.0%)」となっています。(平成13年度人口動態調査より)

ここでは、死亡事故原因を紹介しましたが、大坪さんによると、入院が必要とされた事故のうち、遊具によるものは15%に過ぎないそうです。残りは、それ以外の場所、家庭や公共の場所(道路など)で起きているということになります。

公共の場所で、不慮の事故を未然に防ぐためには、「リスク」と「ハザードについて、大人から子ども達への働きかけが必要になってくるのではないでしょうか。

●「安全管理」から「安全教育」へ、年齢にあわせた働きかけを
繰り返しになりますが、子どもの安全を守るためには、子ども達自身の「リスク」の体験による学習と、大人が「リスク」を受容した上で「ハザード」を見分け、子ども達に働きかけることが必要です。

大坪さんによると、0歳から4歳までは「安全管理」、5歳から9歳になると「安全教育」が必要な段階に移るそうです。そして、4歳から5歳にかけては、「安全管理」から「安全教育」への過渡期となります。

具体的に説明すると、「安全管理」とは、大人が「ハザード」を完全に排除し、「リスク」については「声かけ」を行うことです。0歳から4歳までの間、子どもは大人が自分の身の回りから「危険なものを排除する」姿を見て、「自分にとって危険なもの」を認識していきます。

4歳までの間に、こうした「安全管理」をきちんとしてあげることにより、子どもは自分の頭で「リスク」を判断し、身の丈にあった「冒険」ができるようになるそうです。

そして、4歳から5歳の過渡期における接し方ですが、大切なことは「子どもに失敗を悟る能力があることを信じ、失敗を“学ぶ機会”にしてあげる」ということだそうです。

確かに、4歳から5歳頃の子どもは、突拍子も無いことをやらかします。感情的に怒りたくなることも度々です。しかし、そこをぐっとこらえて「子ども自身が自分の失敗に気付いているか」を見極め、失敗を実感しているのであれば、本人の挫折感に共感してあげる方が子ども自信の学びに繋がるそうです。

5歳以降、子どもはどんどん行動範囲を広げていきます。日々、子どもが巻き込まれた事件が報道される昨今、子どもを一人歩きさせることは、保護者にとって不安なことかもしれません。実際、私自身、娘を一人で遊びに行かせることに対して、強い不安を持っています。

しかし、大坪さんによると「犯罪件数自体は増えていないし、子ども一人で歩くこと自体は、決して危険ではない」そうです(※参考資料 内閣府国民生活局「主観的安心と客観的安心」 11頁参照:2001年をピークに、20歳以下の子どもの刑法犯被害件数は減少傾向にある)。最近の演出過剰なテレビのニュースなどを見ていると不安になりますが、情報の渦に流されること無く、保護者自分自身が、子どもの行動範囲の中の「どこにハザードが潜んでいるのか」を、自分の目で確認し、子どもと身近に存在する「ハザード」について意識を共有することが一番重要なのではないでしょうか。

●最後に、私達ができること
大坪さんが代表を務める、「プレイグラウンド・セイフティ・ネットワーク」のホームページでは、「PSN版 楽しく安全な遊び場の安全ガイドライン」を見ることができます。普段の遊びの中で、私達が気付かなかった「リスク」と「ハザード」が具体的に紹介されていますので、ぜひご覧になってください。

また、5歳以上のお子さんがいる保護者の方へお願いです。改めて、子どもの行動範囲をできればお子さんと一緒に自分の足で歩いて、どこに「ハザード」が潜んでいるのか、一度お子さんと話し合ってみてください。

大事な子ども達を守るために、そして、子ども達自身が大人になったときに、自分の子ども達に安全教育ができるように。

『こどもの遊び場づくり講座 「あぶないからダメ!」という前に ~子どもの遊びと安全』主催:横浜市環境創造局・こども青少年局・健康福祉局、(財)横浜市青少年育成協会、共催:特定非営利活動法人りんぐりんぐ





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コメント

男の子の母です。
すっごくためになりました。その一言につきます。
過保護にリスクを避けるのもどうかな、と思いつつでも危険な目には合わせたくないと思っていたので。
友人にも教えたいと思います。
ありがとうございました。

Posted by: mimi at 2008年04月01日 19:09

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