ワーキングマザースタイル【シネマ・こむぎスタイル】第44回 チェンジリング




2009年03月05日

【シネマ・こむぎスタイル】第44回 チェンジリング

Posted by 湯河原こむぎ

チェンジリング (アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチ 出演) [DVD]

「チェンジリング」観ました。私は、基本的に「映画は楽しむもの」と思っているので、いっぱい笑えてちょっぴり泣けて最後は幸せになって、「あー、観てよかった〜!」と笑顔で映画館をあとにするようなものが一番好きです。

だから社会派の映画ってほとんど観ることはないの。だけど、信頼できる人に「ぜひ観て!」と言われたり、世間的にものすごく評判がよくて話題になっているものは「観ておこうかな。」って思って観に行く。

これもそんな映画でした。

1928年、シングルマザーのクリスティン(アンジェリーナ・ジョリー)は、ロサンゼルス郊外で9歳の息子ウォルター(ガトリン・グリフィス)と暮らしていた。ある土曜日、彼女は同僚に泣きつかれて断り切れずに休日を返上して仕事へと向かう。暗くなって彼女が帰宅すると、家で一人で留守番をしているはずの息子の姿はどこにもなかった。(シネマトゥデイ)

テレビのCMや予告編を観ていると「5ヵ月後に戻って来たのは、息子ではなく別人だった。」って言ってますよね?だから「誘拐の話か〜。」くらいの前知識でした。「Changeling」と辞書で調べてみたら「取替え子(妖精がさらった子に替えて置いて行く醜い子)」って書いてあったから、?SF?ミステリー?って思った。

そしたら実際にあった事件なんだそうです。

★みどころ★
なんと言っても、みどころは、今までセクシーで大胆で強い!というイメージだったアンジェリーナ・ジョリーが、「お母さん」になっている事!子どもを失って、打ちひしがれるが、絶対に見つける!と強い意志と母性を持った、ぶれない女性を演じています。

彼女は電話会社で働いているシングルマザー。少し偉い人。たくさんいるオペレーターの人たちが、かかって来る電話でいろいろと質問や苦情などを受け付け、そこで納得行かないお客の電話を「上のものと変わります」とアンジーに変わる・・・という感じ。ものすごく偉くはないけど、現場では責任のある仕事を任されている。

その彼女の立場が、この映画にはとっても生かされていたと思う。

お休みの日に急に休んだ人の変わりに、出勤しなければいけなくなってしまうアンジー。夫はいなくて9歳の息子と二人暮らしなので「4時には帰るから!」と、家に息子を一人残し仕事に行く。それだけで、せつないですね。

そんな日に限ってトラブルが起こり残業になる・・・しかも、帰り際に上司に呼び止められ「いつも君の仕事には感心しているよ。」と昇格の話をされ、電車に乗り遅れてしまう・・・。

家に帰ると息子はいない。警察に連絡するが「子どもの行方不明については24時間は操作しない事になっています。」・・・なんで〜っっっ!理由が「たいていの場合、次の朝には戻るから。99%は戻ってる。」だって〜。ありえなかろう。

とにかく当時のロス市警はひどかったらしい。映画全編を通してロス市警のひどさが描かれています。ほとんど脚色していないらしい。

5ヵ月後、「息子さんが見つかりました。」と警察から連絡が来て、駅に迎えに行くと、まったくの別人がいる・・・。

彼女は「これは別人だ」と言うが、警察は「そんなはずはない」の一点張り。警察はまったく取り合わない。彼女は何度も口にする。「警察に立て付くつもりはない。ただ息子を返してほしいだけ。」激する事無く冷静に言う。・・・これは彼女が日常、苦情を受け付ける業務をしているからだと思いました。

私も仕事で、よく苦情を聞かされる事がある。その時に、相手がどんなに正しい事を主張していても、感情のままにどなりちらす人だと「確かに言っている事は正しいけど、あの怒りようは、ちょっと異常・・・。危ない人かも?」的なものを感じてしまう事がある。しかし、冷静に話されると「確かにその通り。この人は冷静に物事を判断出来る人だ。この人が納得出来ないというのだから、何か重大な不手際があったに違いない・・・。」と思う。

アンジーは、そこのところを日々の仕事の経験から充分にわかっていて、激高しない。もちろん、子どもがいなくなった母親だから、涙を流して声を震わせたりはするけれど。

そんな抑え目の演技のアンジーが、激しく叫ぶところが2箇所(だったと思う・・・)ある。大声で同じ事を何度もさけび、最後は声がかすれている・・・。身震いするほど上手でした。感情を抑えきれず、思わず叫んでしまう!素晴らしかったです。

・・・・で、この映画、このストーリー。

留守中に一人の子どもがいなくなった。・・・ただそれだけではなかったんですよ。ほんとにびっくりです。とても大きな事件の端っこの一つだったのです。しかも実際にあった事件だそうです。驚きです。まさか、そんな事になっていようとはっ!私、帰って来てから、詳しくWikipediaで調べちゃいました。実際の事件だから、詳しく載っていました。映画でよくわからなかったところが、よーくわかりました。

ぜひ、ご覧いただきたいです。でも、楽しくもなんともないです。いやな後味です。でもでも、ものすごく完成された映画だと思いました。

アンジーのお洋服が、どれもとてもかわいい♪その時代のエレガントな雰囲気があふれていました。

ファーの衿のコートにどんぐりのブローチをつけているのがとてもかわいい♪そのコート、きっと高かったと思います。そのコート一枚だけ見ても、彼女が「いいお給料をもらっている」事がわかります。そして、何年か経った後も、同じコートを着ているので「高いものを買って、大切に長く使っている」というアンジーの堅実な性格をきちんと表していると思いました。

ラスト近くの、多少明るいシーンで「今日はアカデミー賞発表の日。みんなは『クレオパトラ』だというけど、私は『或る夜の出来事』だと思う。」という台詞がありました。調べてみたら、これは第7回アカデミー賞。1934年の事。

奇しくも、この映画を観に行った日はアカデミー賞発表の日でした。惜しくもアンジーは主演女優賞を逃したけど、でもでも、この映画の彼女は、ものすごく素晴らしい演技でした。






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コメント

高校生の娘が見てきて「すごい映画だった」と言っていました。
こむぎさんのレビューと娘の話を聞いて私も見たくなりました。劇場には行けないかもしれませんが、DVDなどが出たら見てみます。

Posted by: rio at 2009年03月12日 01:41

rioさん
いつもありがとうございます。TSUTAYAに並んでからでも、ぜひぜひご覧になってください。

もう最初から最後まで、無駄なエピソードが全くない・・・って感じで、トイレに行く暇もない映画でした!

そして、観た後に、Wikipediaで「ウィネビラ養鶏場殺人事件」っていうのを調べてみてください〜。

Posted by: こむぎ at 2009年03月13日 00:35

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