ワーキングマザースタイル【シネマ・こむぎスタイル】第48回 グラン・トリノ




2009年05月28日

【シネマ・こむぎスタイル】第48回 グラン・トリノ

Posted by 湯河原こむぎ

グラン・トリノ (クリント・イーストウッド 監督・主演) [DVD]
クリント・イーストウッドの映画「グラン・トリノ」を観ました。とても地味な映画でしたが、ものすごくよかったです。たぶん、私にとっての「今年一番の映画」は、これになると思います。

もしかして、生涯、今まで観た映画の中で一番かもしれません。

去年、フジテレビの「風のガーデン」というドラマを見た時に「このドラマは完璧」と思いました。ドラマとしての完成度はもちろん、そこに「緒形拳さんの死」という要素が加わり、究極の完成形になったと思いました。

この「グラン・トリノ」もその時に感じたのと同じものを感じました。「この映画は完璧。」まさに完成形です。

★あらすじ★

妻に先立たれ、息子たちとも疎遠な元軍人のウォルト(クリント・イーストウッド)は、自動車工の仕事を引退して以来単調な生活を送っていた。そんなある日、愛車グラン・トリノが盗まれそうになったことをきっかけに、アジア系移民の少年タオ(ビー・ヴァン)と知り合う。やがて二人の間に芽生えた友情は、それぞれの人生を大きく変えていく。(シネマトゥデイ)

★こむぎの感想★
クリント・イーストウッド演ずる「ウォルト」がへんくつじじい!最初の教会のシーンでも、自分以外のすべての人にむかついてる。自分だけがこの世の中で唯一正しい!と思っている。誰に対しても厳しい言葉、いつも苦虫を噛み潰したような顔。本当ににくったらしい態度・・・。

ん・・・?こんな人、すごくよく知ってる。見た事ある!すごくよくわかる。えーと、誰だっけ?えーとえーと・・・。

あら?私、一緒に住んでる〜!そういう人と〜!夫の父でーす!義父でーす。

最後まで観れば、この人いい人〜って思うと思うけど、映画の前半では、観に行った全員「絶対近所にこんな人いたらイヤだ〜っっ!」って思いながら観てると思う。しかーし!私、一緒に住んでますから〜っっっっっっ!残念っ!



ウォルトの家のまわりにはアメリカ人は住んでいなくて、アジア人ばかり。立ち並ぶ家も鎧戸が壊れていたり、塗装がはげていたり。その中で、ウォルトの家だけは、芝生もきれいに手入れされて、古いながらもきれいに保たれている。それだけでもウォルトの性格が出ていると思いました。

妻が亡くなってからのウォルトの暮らし。

玄関前のポーチの椅子に座って、クーラーボックスの蓋をテーブルにしてビールを飲む。かたわらにうさぎさんの置物と愛犬のデイジー。「母さんが恋しいな、デイジー」なんて、わんこに話しかけるところは涙が出そうでした〜。

ある日、隣に住むモン族のタオが不良グループに「ウォルトのグラン・トリノを盗め」と命令され、ガレージに忍び込んだ事に気づき、ウォルトはタオにライフルを突きつける。車を盗めなかったタオは、逃げ出すが、不良グループに痛めつけられる。間違った事がだいっキライなウォルトは、大人数から痛めつけられているタオを助けた。また別の日、偶然、タオの姉・スーが黒人にからまれている所を通りがかり、助ける。結果、彼らの家族に感謝される。お礼に花や食べ物を続々と持って来る異民族の人たち。もらったものを「いらないから」「困るから」「やめてくれ」「庭に一歩も入るな!」と拒絶。しかし、そのうち、食べ物のおいしさに負ける・・・!?

最初はイヤイヤであったけど隣の家と交流が始まる。人寄せの日に招かれたり、タオに仕事を教えたり。自分の気持ちの変化にウォルト自身が驚いたように「ろくでもない身内(自分の息子達とはうまく行っていない・・・)より、ここの人達の方が身近に思える」・・・と一人でつぶやくシーンはジーンとしました。

「償いのために何か手伝いをする」とウォルトの家に来たタオ。まるで父親のように、植木の手入れや、周りの壊れた家の修理を教え、仕事をするタオを、タバコを吸いながら見守るシーン。ウォルトの口利きで建設現場で働く事となったタオに工具を買ってあげるシーン。ただ、それだけのシーンでも、今まで人を寄せ付けず、孤独に暮らして来たウォルトの心に小さな暖かい火が灯ったような気がして泣けました。

映画のこのあたり↑で「結末が読めた〜!」と思った私。確かに「結末」は、私が考えたものと同じでしたが、そこまでのプロセスが、私の頭の中で想像したありきたりのものとまったく違っていました。

ほんとうにものすごくよくて、ひとつひとつ、ここに書きたいくらいなのですが、秘密にしておきます。ご覧になった人と語り合いたいくらいです。

本当に完璧な脚本です。特に後半。私は、脚本もイーストウッドだと思って観ていましたが、帰って来てからパンフを見てみたら、なんと、これが映画デビューとなる新人の脚本家だそうです。

パンフによると・・・

「なぜ、イーストウッドは、俳優人生の最終章にさしかかった今、これほど強烈な役を選んだのか?じつは驚くべきことに、イーストウッドは『もう、俳優業は控えよう』と考えていたと言う。そんな時、新人ニック・シェンクの脚本を読み『私を思い浮かべて書いたのではないかと思うような男だ』と深く共感、監督・主演を決めたのだと言う。」


・・・との事。

ひとつひとつのウォルトの行動に深い深い大切な意味があります。その深い愛情に涙があふれます。この映画って、たぶん、そんなに制作費はかかっていないんじやないかと思います。有名な人はほとんど出ていない。お金がかかっている豪華な映画が「良い映画」なわけではない。地味な作品でも、本当にみんなの心に染み入る素晴らしい映画があるんだなあ〜と、心から感動しました。

この映画って先日のアカデミー賞には全然入っていなかったから、次回の時は対象になるかな。ぜひぜひたくさんの方に観ていただきたい素晴らしい作品です。






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コメント

いつも楽しみに拝読してます!
末娘が小学校へ入学したので、月1で映画を
観る事にしたのです^^。
絶対こむぎさんの影響ですよ〜(笑)。

コレかなり注目してました☆。
感動モノには超反応する方なので、
ぐっときそうな映画は、覚悟して観てます(笑)。

Posted by: 薫子♪ at 2009年05月28日 22:03

薫子♪さん
「月1映画」!いいですね〜!

私も仕事を辞めた・・・というきっかけから映画を観はじめて、すっかりはまりました。薫子♪さんも、ぜひはまってくださいね!だって、たった1000円で(レディースデイ割引)、絶対に一生経験出来ないような事を経験出来たり、絶対に行けない場所に行ったり出来るんだもん。素敵だわ〜♪

これからも、薫子♪さんに喜んでいただけるような映画を探して来ますね〜!

Posted by: こむぎ at 2009年05月31日 02:06

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