『公立の学校で満足な教育が受けられないというのが、育児に金がかかったり、格差ができる元凶!』というのが私の持論です。
・・・と先日WMSのスタッフでこのことを話し合っていたんですが、改めて自分の意見をちゃんとまとめてみようかと、記事にしてみました。
公立教育の充実を望む理由には、もちろん「私立に行かなくて、家計が助かる」というのもあるのですが、特に強調したいのは、以下の2点です。
★格差が是正される
★小中学校の受験をしなくてよくなる
★格差が是正される
公立教育がしっかりしていれば、親の収入に関係なく、同じように満足な教育が受けられるはずです。教育機会という富の再分配ですよね。
そうすれば、一人当たりの収入や生産性、消費が増えて、少子化だといっても日本の経済活動はけっこう大丈夫なのではないでしょうか?
★小中学校の受験をしなくてよくなる
私自身、すべて公立で育っているので、もしできることなら、娘にも受験をさせたくないと思っています。
経済的なこと、親も大変ということもありますが、一番の理由は、子供のときには受験勉強よりしなくてはいけないことがあると思うからです。例えば、自分でやりたいと思ったことをするとか、ぼーっとするとか、寄り道をするとか・・・。
その結果、親ががんばってもなかなか育てることができない、「自発性」とか「感受性」とか「好奇心」が育つんじゃないかな〜と思っています。
もちろん、カラーのある私立校に入ることも、受験勉強が向いていてよい影響を受けるタイプの子がいることも否定はしないです。あくまでも、理想&私見です。
とかいいつつ、近所の公立小学校の子供がいるママたちから、学級崩壊のリアルな現状を聞くと、やっぱり塾と中学校受験は必要なのかな、と揺れています。
ついでにいうと、大学教育もどうにかならないかしら?
めちゃくちゃ遊びまくった大学生活を送った私が言うのもナンですが、遊ぶために大学に行くのはもったいなかったと思っています。学生の頃、研究者になるつもりはないんだから、もっと実践的なことを教えてもらう教育機関に入る選択肢もあればいいのにと思っていました。でも、就職のためには大学卒業が必要という日本の現状をわかった上で、4年間確信犯で遊んでいたような気がします。無駄な4年間とまでは言いませんが、娘には実のある大学生活を送ってほしいものです。
個人的には少子化問題よりも教育問題優先にお願いしたいくらいです。
少子化問題の、「子供を持ちたい人が持てない」ことの解決には大賛成ですが、「経済のために」という理由だとしたら、解決すべきは「少子化」よりも「教育」かなと思います。だって、もし教育がよくならずに少子化だけ解決したとしても、「少子化は解決したけどワーキングプアが増えちゃった」という事態になってしまうのではないでしょうか?その方がヤバイです。
政府のみなさん、子ども手当ても必要だけど、公立教育の充実、是非お願いします。
おひさしぶりです。
公教育の充実を、という考え方には賛成しますが、「入るのは難しく出るのは簡単」という大学教育の在り方や、中卒・高卒・専門卒の就職率・就職機会の改善といった就労機会や大卒でなければ良い会社に入れない、というキャリアパスの構造的な問題、あるいは会社員・公務員になることが安定して成功した人生である、という大人の視野狭窄的な思い込みにも問題があるのではないかと思います。
取り急ぎですみません。
近々、ちゃんと記事にまとめてアップしたいと思います(大汗
本田さま
レスありがとうございます。
ご意見に大きく同意です。
それから、「就職のために卒業だけすればいいや」とたかをくくって遊んで、それを 社会のせいにしていた自分を恥ずかしく思っています。社会が悪いからって勉強しないでいい理由にはならないのに・・・。そのあたり昔の自分を正直に書きましたが、不快に思われる方もいるかもしれません。ごめんなさい。
それから、今まではさておき、かえって今後の社会は「会社員・公務員になることが安定して成功した人生である」ということが崩れるような気がします。だからこそ、自発的に自活できる大人に育てたいと思っています。
奈葉さん、貴重な意見、ありがとうございます。
わたしも大賛成ですが、子ども手当も!公立教育の充実も!何もかも!だと思います。
教育や少子化対策については、考えられることはすべてやる。その財源は、それまでの子どもや少子化対策に当てられた予算からの再配分ではなく、道路やインフラなど、別の予算から引っ張ってくる。そしてそれを国民的な合意のもとにやるべきだと思います。国家総動員法だと思いますよ。
公教育の充実についてはまったく同じ気持です。娘は間に合わなかったので中学受験させましたが、40人学級というのがそもそもどうにかしています。ようやく見直しに重い腰を上げたようですが。
先生の質と量を上げることが重要だと思います。40人もいると、授業はどうしても想定内の運営しやすい非クリエイティブな授業になりがちです。25人くらいだと、想定外の答えにも対応出来るし、個性を育ていることにもなると思います。
産みやすさ、育てやすさ、学びやすさ。どれが重要ではなく、全て緊急に必要だと思います。
私も首都圏や阪神間の私学志向に危機感を覚えている一人です。
「個性あふれる学風に賛同するから受験する」のではなく、「公立校では十分な教育を受けることができないから、私学を目指す」という風潮が強くなると、どんどん公立校のレベルが下がり、悪循環につながると思っています。(もちろん、公立校でも、十分な教育が受けられるんですよ。いい学校だってたくさんあります。)
私が子供の頃は「私学はお金持ちが行く学校」と思っていましたが、今はお母さんがパートで無理して働きながら、通わせている家庭も多いと聞きます。無理して働いてでも、子供にいい教育を受けさせたい・・・というのもわかりますが、そもそも、一定水準の教育を受けさせるのに、国民が無理しなければならない状況というのがおかしいですよね。
その昔、日本に黒船がやってきた頃、武士のみならず、町人にいたるまで、読み書きができることに欧米人が驚いたと言います。
日本って、そんな勤勉で、教育環境を整えることに熱心な国だったはずです。
「教育」は国の重要な柱の一つだと思っています。発展途上国を支援する際も、産業を興すとともに、学校を作るじゃないですか。
「ゆとり教育」などといわれだした頃から、教育に対する認識がゆるみはじめてきたように思えます。私たち国民にも責任があることですけど。
気持ちばかり先行して、うまく書けなくてごめんなさい。
奈葉さん、全く私の言いたいことを、うまく言葉にしていただいた記事で、とても感動しています。
昔の日本のよかったところは公教育がしっかりしていることだったはずなのに、どんどん私立志向が強まっていって悪循環に陥っていますよね。
私は政府の公教育に対する対策はとても大事だと思いますが、そのためには教育に熱心なご家庭の方ほど是非公立に子供を通わせて欲しいと思っています。
現実の悪いところ、改善すべきところを、関心があり意見することの出来る人たちが声を上げていってこそ、政府の対策もよりよきものになると思うのです。
今のままでは、教育に関心のあるご家庭はどんどん私立に流れ、公立に対するそもそも期待値がさがっていって、声が上がらなくなり、対策が後回しになっていくという悪循環が加速します。
わが子だけは、少しでもいい教育をと思うのが親心で、それを否定するつもりはありませんが、孫の代その先の代まで、誰もがそれぞれの能力や個性に合った充実した教育が公費で受けられる国になってほしいと、切に思います。
思いをうまくまとめられなくてすいません。
私も常々おもっていました。記事にしてくれて、うれしいし、同じように思っている人が多くいたことはとてもうれしかったです(WM styleの読者は私立進学者が多く、公教育の充実なんてどうでもいいと思っている人が多いのではないかと勘違いしていました)。
TBしておきます。
奈葉 さんのこちらのエントリー、全くもって、大賛成です。
よくぞ書いてくれました。ありがとうございます。
本当にその通りだと思います。
今ヨーロッパにいますが、お金持ちの子は普通に私立に通い、格差の元はここにもあるな、と感じます。
もちろん、公立でもいい先生はたくさんいらっしゃいますが。
公立が充実していたのは日本のいいところだったと思うので、またぜひ充実させるべきだと思います。
大学に関しても、そう思います。就活が始まれば就活優先だし、もはや学問の場ではないですよね。真面目な一握りの学生を除いて。(自分も思いっきり不真面目派でしたが。)
コメントしたくてもなかなかまとまらずにいましたが、やはりコメントします♪
奈葉さんのご意見、本当に私もそう思います。
自分はずっと公立だったけど、今、自分の娘には中学受験させようとしています。
私立の学校を見るとその教育内容やカリキュラムは魅力的で、りこさんのおっしゃる、「個性あふれる学風に賛同するから受験する」という部分もありますが、正直、「公立校では十分な教育を受けることができないから、私学を目指す」という部分の方が、受験動機としては大きいです。
だけど、中学受験戦争の真只中にいて思うことは、「お金がないと中学受験はできない」ということ。これは事実です。教育格差が広がる原因のひとつだと思うし、それを分かった上で、自分の子かわいさに、やはり中学受験の道を選んでいるわけで、自分たちもその格差を助長している一人だと思うと、うーーんと何も言えなくなってしまいます・・
でも、今、どんな選択をしたとしても、やはりこうやって声を上げていくことが大事なんだな、と思います。
なんとか、早い時期に、公立も私立もどっちもいい!と言えるような状況になりますように!!
自分の考えをまとめるのに、四苦八苦して書いた記事だったので、みなさんの同意のメール、ご意見、とっても嬉しかったです。ありがとうございます。
シンプルに伝えるためにそぎ落としたけど、他にも言いたいことが頭の中を渦巻いています。すこしずつ解きほぐして、また記事にできたらと思います。
らむねさん>確かに「少子化対策」も必要なことには間違いないですね。タイトル「子ども手当ても必要だけど、公立教育の充実を!」に変えちゃいました(笑)
かほるさん>「勤勉で教育環境を整えることに熱心な国」に、またなりたいものですよね。「ゆとり教育」はつめこみの反省から生まれたはずなんですが、どうしてこんなことに・・・そこも今度調べてみたいです。
りこさん>公立教育の充実のカギは、おっしゃるとおり、政府や学校だけの問題ではなく、家庭にこそあるのかもしれないですね。当事者になってジタバタしているうちに、良くなっていくものなのかもしれません。良い教育環境があったら入れたいという気持ちはよくわかるけど、自分で作るものなのかもしれません。難しいですけど。
ちゃいさん>ちゃいさんの記事も拝見しました。新幹線で越境通学は衝撃的ですね。「子どものため」なんだと思いますが、大変だし、子どものためになっているのだろうか・・・と思いました。公立教育の問題は、地域格差の問題にも繋がっているということに気づきました。人材流出は、大学、社会人以前に始まっているんですね・・・。
mihocchiさん>ヨーロッパの子ども達も私立志向なんですか?どうもヨーロッパはシュタイナーとかあって、モデルケースという感じがしてしまうのですが。色々あるんですね。
ふうこさん>自分の子どもの教育になると理想とかたてまえが飛んじゃうっていうのは、よーーーくわかります。私もこんな記事を書きながら、自分のときにはどうするんだろう?と揺れています。
アメリカは学区によって公立学校の質がまったく違います。州によって法律が違うので、アメリカ全土について言えるかどうかは分かりませんが、少なくともNY近辺では、学区が良いところは住宅・不動産価格も高くなります。
その理由は、学校の先生のサラリーが市の固定資産税を財源として支払われているからです。
学区の良い地区の先生のサラリーは年収1千万円以上です。
お給料が良い→良い先生が集まる→公立学校のレベルが上がる→学区が良くなる→地価が上がる→財源が増える(固定資産税による)→先生のお給料が上がる・・・
と言うスパイラルができているのです。
なので、私立に行かせる経済的負担を考えると、ちょっとがんばってでも学区の良いところに引っ越すと言う人も沢山います。
日本も公立学校の質を上げるためには、まずは人材(教師)を確保する必要があると思います。そのためには、悔しいかなお金の力を借りなくてはいけないのではないでしょうか。
今の公立学校教師の年収は決して低いとは思いませんが・・・。
また、日本からアメリカに越してくる子供たちが、1980代ごろまでは、英語はあまりできなくても算数・数学はクラスでトップレベルだったそうです。でも、近年では算数などの学力が明らかに低下しているのが見て取れると、教育カウンセラーの先生が言っていました。
いわゆる、ゆとり教育の弊害でしょうが・・・。
私は日本の教育のよさは基礎学力の高さだったと思っています。同じ掛け算をとっても、日本は最初に九九をしっかり覚えることに重点を置きます。
一方、アメリカは掛け算のコンセプトを子供に最初に叩き込みます。
「なぜ6×6=36なのか、図を画いて説明しなさい。」という様な問題が沢山出てきます。
「4×5=20と言う式が正しいことを、2つの式に分けて証明しなさい。→Answer 2×3=6, 2×2=4、6+4=10」と言う様に・・・。
こういう勉強方法が発想力や個性につながるのではないかと考えています。答えが1つとは限らない問題も多々あり、問題を解くプロセスを重視する。
でも、このアプローチはこれで問題があります。
アメリカでは高校生や大学生でも、計算機を使って数学の問題を解くことが現実です。
これを是正し、九九(12×12のチャート)をしっかり覚えさせようと言う取り組みが始まっています。
どちらも一長一短といったところですね。
つまり、両方、取り入れることが望まれているわけですよね。
それなのに、日本はゆとり教育と称して基礎学習の量を減らしてしまった。それが学力低下を招いたと私は考えています。
私の理想としては、基礎学力(読み・書き・計算)は、詰め込み式で良いので特訓(訓練)する。これは考える力や創造力というより、訓練だと思っています。やればやっただけ、どの子も上達し、力もつきます。なので、この部分に関しては先生の質はあまり関係ないような気がします。モチベーションなど多少は影響を与えるでしょうが・・・。
基礎学力=訓練と言ってしまうと、ご批判もあるかと思いますが、アメリカでも、世界でも公文式がすごい勢いで広がっているのは、反復練習(訓練)の成果を現しているのではないでしょうか?
そのためには家庭学習(宿題)も必須でしょう。
そして、応用学習こそ、質の高い先生に教えてもらえると、子供の人生をも左右すると言っても過言ではないと思います。
2年前に息子が日本の学校に体験入学をしたとき、ベテラン先生が言っていたことには、「昔は生徒をしかって廊下に立たせたりもできたが、今ではそういうことをすると父兄やPTAから苦情が出て、責任問題になるので できない。」とおっしゃっていました。
体罰には反対ですし、行き過ぎた罰にも反対です。
ですが、公立学校の先生が、親やPTA からの圧力を以上に警戒し、無難にカリキュラムをこなしているところにも大きな問題を感じました。
また、別の小学校の校長先生がおっしゃっていたことには、「最近は教師より、生徒の両親の方が学歴が高かったりするもので、親が先生を見下していて、とてもやりにくい時代になった。」と言っていました。
こう考えても、一口に教育問題と言っても根は深い。
難しいですね。
時代も変わっているわけですし・・・。
どんなに昔が良かったと言っても現実問題
公立学校の質が低下している。
学校の教師も父兄やPTAを警戒している。
親の最終学歴も昔より高くなっている。
etc
これで解決!と言うような案はありませんが、
とにかく、絶対必要なことは良い先生を増やすことだと考えます。
ごめんなさい。
とりとめもなく、支離滅裂な意見を書いてしまいました。
10年前の自分へ。
結局中学受験しましたよ。公立小学校の教育にガッカリしたのが一番の理由です。娘は受験、よくやりました。そして見事合格、充実した中学生活を楽しんでいます。
今感じるのは、子どもの年齢(や、子どものあるなし)で当事者としての要求は変わるものだなと。子育て真っ盛りの当事者の要求はとても強いけど、期間が短いものだ。状況はどんどん変わる。
当事者であるときに、もっと大きな声をだして訴えるべきだった。後続のために変えるべきだった。また、当事者でなくても声を上げるべきだ。少子化は子どもがいない人にとっても、大きな悪影響をもたらす。その認識を得るためには知ること、学ぶことが必要だ。これからも学び続け考え続けなくては。
らむねさん、またやろーよ!
10年前の自分へ。
結局中学受験しましたよ。公立小学校の教育にガッカリしたのが一番の理由です。娘は受験、よくやりました。そして見事合格、充実した中学生活を楽しんでいます。
今感じるのは、子どもの年齢(や、子どものあるなし)で当事者としての要求は変わるものだなと。子育て真っ盛りの当事者の要求はとても強いけど、期間が短いものだ。状況はどんどん変わる。
当事者であるときに、もっと大きな声をだして訴えるべきだった。後続のために変えるべきだった。また、当事者でなくても声を上げるべきだ。少子化は子どもがいない人にとっても、大きな悪影響をもたらす。その認識を得るためには知ること、学ぶことが必要だ。これからも学び続け考え続けなくては。
らむねさん、またやろーよ!