駅で出会った『パパの子育て』先日、JRの駅へ定期を買いに行った時のこと。夜の8時過ぎだったが、みどりの窓口のカウンターで、駅員さんと小さな子たちが何やら押し問答をしている。見た感じ、小学生1年生くらいの男の子と、幼稚園年中くらいの女の子の兄妹。子どもたちは、行先を駅員さんに伝えているが、駅員さんは乗換駅と利用したい路線について一生懸命に質問している。けど、どうみても、話が噛み合っていない。
駅員さんも、困り果てているようで「お父さんかお母さん、いないの?」と、声を少し荒げ始めた。
お兄ちゃんの方が、「お父さんがそこにいたけど、今は何処かに行っていて……」と、これまた困ったように答えた。私も頭の中で、「まさか、小さな子どもたち二人で家出?とも考えたけど、お金は持っているようだし」と考えてしまった。
みどりの窓口のドアから、周囲に子どもたちのお父さんがいないか見ていたら、駅員さんが『助けて』と言わんばかりの視線を送ってきた。
常識ある父親なら、子どもたちに切符の購入を任せて、どこかに行くはずないと思いながら、一方で、子どもたちに切符を買わせて、自分は酒でも飲んでいるのかしら、とも考えたり。
でも、間違った切符を購入して、子どもたちが父親から怒られたら可哀そうだと思い、周囲にいる男性一人ひとりをチェックし始めた。
みどりの窓口から少し離れた改札口付近にいる一人の男性に目が留まった。ほんと、直観的なのだが、その人が父親ではないかと思い、直視していると、その男性はこちらに気付き、そして、みどりの窓口に向かって歩き始めた。
ドアから入ってきたその男性は、カウンターへ向かった。駅員さんは、事務的に行先と切符の枚数を聞き、男性はそれに答えて、男の子に向かって「どうして、ちゃんと言えないの? 何度も教えたでしょ?」と頭を小突いた。
私は、ようやく理解できた。この父親、子どもたちだけで切符を買う練習をさせようとしていたのだと。我が家も、毎年春休みと夏休みに子どもたちだけで新幹線に乗って、叔母の家へ泊まりに行っていた。その時に、自覚と責任感を持たせたくて、子どもに切符を買わせたこともあったことを思い出した。きっと、この父親もそうなんだと納得した。
無事に切符を買い終え、カウンターに背を向けた父親が、私の方を見て深々と一礼した。
「ご迷惑をお掛けしました。子どもに生きる力を付けさせたくて」と言った。
慌てて、私も答えた。「わかります。うちにも3人の子どもがいますので」
短い会話だったけど、その父親の思いはしっかりと伝わった。
確かに、すんなりと切符が買えなければ迷惑な時もあるだろうけど、子どもが成長するための父親なりの子育てを応援したいと思った。20時過ぎと、父親も出来るだけ迷惑にならない時間を選んで来たのだろうし。
混んでいるのに、ゆっくり自動券売機で切符を子どもに買わせている自分勝手な親子は困るが、子どもを社会化させるために周囲に気遣いながらも実体験をさせている時には、その気持ちを判ってあげたいし、周りにも判って温かい目で見守ってほしいと思った出来事でした。
若い駅員さんは、知らん顔で、切符を発券していたのが何故か印象的に映った。
いいお話ですね。
駅員さんもあせったことでしょうし、周りもハラハラしたと思いますが、子供にやらせてみる寛容さと余裕、大切だと思うことがあります。
本当に道に迷ったときなど、困ったときに周りの人にきく、交番に行くなども、想定していないと、いざというときにできないと思います。
うちも小さなこと、やらせてみたいなと思いました。
実際は、改札で子供に切符を通させることさえ、後ろを気にしてしまうんですけどね(笑)
いつも皆さんの記事を参考にさせていただいております。
一人でやってみる、わからなかったら誰かに聞く、等など、大人になって仕事をしていく上でも、大事な事ですよね。
生きる力をつけさせる、という事を意識しているこのお父さん、素晴らしい方じゃないでしょうか!
若者が仕事がなくて飢え死にするような現代日本で、生きる力の大切さを実感します。
誰か教えて、誰か助けて、と声を上げる事、知らない人とコミュニケーションしていく事、等小さいうちから教えていきたい、と思いました。
古織田さん、北野さん、コメントありがとうございます。
古織田さん、「子供にやらせてみる寛容さと余裕、大切だと思うことがあります。」という考え、私も同感です。社会化させることも親の役目だと思いつつ、自分自身が余裕がないとイライラしてしまったり…。子供が自信が持てるように接することの大切さを改めて感じました。
北野さん、本当に素晴らしいお父さんですね。帽子を取って深々と頭を下げた姿も、子供の目に映ったと思います。その父親の姿に、子供だけでなく、私も教わったような気がしました。
自分の気持ちを伝えることのコミュニケーションの大切さを、私も教えていきたいです。