読書の秋ですね。
毎日に追われて、最近、というより久しく本を読んでないかもしれません。
この本も、ママ友が半ば強引に貸してくれたので読むことができました。
超名門イエール大学教授でもあるスーパーワ―キングマザーの子育てです。
「なぜ中国人の母親は優れているのか?」
こんな刺激的な文章とともに米ウォールストリート・ジャーナルで紹介されました。
そして、賛否両論を巻き起こした、となっていますが、欧州に住んでますが、私は欧米人ママで賛成の意見の人を見たことがありません。100%の人が、「あり得ない!」と否定していました。
私はこの本の事を全然知らず、欧米人ママが頭に湯気を登らせながら話題にしてる時、タイガー・マザーって、タイガーウッズのお母さんの事かと思っていました。
邦題はただの「タイガー・マザー」だけですが、原題は「タイガー・マザーの闘争賛歌」。
タイトルからして攻撃的です。自分の事を自ら虎だと言ってます。 日本人には真似できません。
念のためですが、貸してくれたのは外国人ママなので読んだのは英語版です。内容をちゃんとわかってないところや、ないとは思いますが日本語版とは違うところがあるかもしれません。
文章自体は比較的簡単でユーモアも感じられる文章ですが、内容は最初から過激です。
彼女が自分の子ども達に出した禁止事項のリストが冒頭に出てきます。
内容は、
・友達の家にお泊りすること
・友達の家に遊びに行くこと
・学芸会に出ること
・学芸会に出ないことについて不平を言うこと
・テレビをみたりコンピュータ・ゲームをしたりすること
・課外活動を自分で選ぶこと
・Aより悪い成績をとること
・体育と演劇以外のすべての教科で1番にならないこと
・ピアノやバイオリン以外の楽器を弾くこと
・ピアノとバイオリンを弾かないこと
その後も、超スパルタ、というより虐待では?というような内容が延々と続きます。
失敗すればわが子をゴミよばわり、出来が悪いと母の誕生日のために手作りで作ったカードは突き返す、ピアノがうまく弾けるまで食事にもトイレにも行かせず、声が枯れるまで罵詈雑言を尽くす。
読んでみて思ったのは、よくこんな本書けたな、という事。
褒めよ伸ばせよ、が主流のアメリカで、その真逆を行く超スパルタ教育。
言い切りの形や、西洋はこうだからダメで中国の教育方法を大絶賛、という比較が多く、これをアメリカで発売したって、思いっきりケンカを売ってるようにしか見えません。
でも、日本のアマゾンのレビューを見ると評価の高いものが多く、日本では比較的受け入れやすいのかもしれません。
ちなみにこの本は、ある日、子どものクラスメートのママが、「とってもいい本を見つけたの。ぜひ読んで。」と貸してくれました
私はアジア人だから共感してくれると思ったのかな?
「これ、とっても素晴らしいと思うわ。私もこのようにしようと思う。」と目をきらきらさせながら言う彼女に一抹の不安を感じながら本は返却しました。
こんなスパルタぶりが大変話題になってますが、本では終盤、次女が反旗を翻し、本人も折れる、という形で終わっています。
英語版は、こちら。中国っぽい装丁。
アマゾンでも日本語版とほぼ変わらない値段で買えます。かなりわかりやすい文章で書かれているので英語が苦手でも読めると思います。
中国版では、「アメリカで母になる〜イェール大学教授の子育て」(自分で訳してみたのでアバウトです。)
タイトルが全く変わっているのと、著者がアメリカを征服したかのようなデザインになっていておもしろいです。
子育ての方法は、万国共通の悩み。
その証拠に、批判は多かったけど、本はバカ売れしたそうです。
そして、この本から読み取れる一番の事は、「子育てに正解はない」、かな、と思います。
ちなみに、冒頭で触れた、米ウォールストリート・ジャーナルの記事。
これも英語版と日本語版でかなり違っているので、読み比べると面白いかもしれません。
英語版:
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704111504576059713528698754.html
日本語版:http://jp.wsj.com/japanrealtime/blog/archives/4077/