私は結婚して11年目に子どもが出来ました。普通、結婚したら自動的に子どもって出来るものだと思っていました。というか、世の中的にはそう思われていませんか?でもでも、自分のところには子どもが来ない。「子どもを授かる」という事は本当に素敵な偶然で起こる奇跡なのだと痛感したものです。幼児向け雑誌の編集部で働く、シングルマザーの統子。
子どもを保育園に預け、シッターの協力を得ながら、仕事と育児を両立させている。
4歳の息子・智康は、夫・阿川の希望もあり、不妊治療の末に授かった子どもだ。
産後、すべてが順調かにみえたが、ささいな喧嘩をきっかけに、阿川と統子は離婚に至った。
予定通りには進まない仕事、智康の突然の病気、実母との気持ちのすれ違い、
園でのママ友との人間関係など、統子に悩みは尽きないが、日々を全力で過ごしている。
そんなある日、統子は旅雑誌のグラビアページに智康とそっくりの、双子の少年が載っているのを見つけた。
それをきっかけに、統子と智康は、五島列島・中通島へ向かう……。
生殖医療、保育園問題など、出産と育児にまつわるテーマに切り込みながら、子どもへの愛と命の尊さを描ききる。
また妊娠出来たら、月日が経てば無事に子どもが産まれて来るものだ。普通はそう考えられていますよね?・・・だけど流産する事もあるし、生まれたけれどすぐに亡くなってしまう事もある。本当にミラクル。
産まれて来たら元気にすくすく育つ。普通はそうだけど、途中で大きな病気にかかる事もある。不幸にして命を落としてしまう事もある。元気に大きくなってくれる事はまじでミラクルだ。しかも頭が良い?イケメン?スポーツ万能?・・・それこそものすごく高いハードルを越えて来たすぺさるみらくる〜!!
以前、らむねさんが「元気に生きている事ってみんな意識していないけど、本当はものすごく細い橋をギリギリで渡っているようなものだと思うの。」と言っていて、ものすごーく納得した事がありました。
この本の中には子育てにまつわるいろいろな出来事が大きな事から小さな事までいっぱい詰まっていました。「あるある!あるよー!」とうなずきながら読みました。
胃腸炎の時、夜中に布団とパジャマを汚してしまった時のパニックと怒り。仕事が忙しい時に「子どもの具合が悪い」とかかって来る電話に「もーっ!!」と言いたくなる瞬間。
怒りながらもやはり愛しすぎていて「この子がいなくなってしまったら」という根拠のない恐怖に怯えてしまう。
「おかあさん」ってそんなに美しく立派なものではない。あっちこっちにぶつかり転んで悪態をつきながら必死に進んでる。自分が産んだ子どもを四六時中無条件に愛し続け、かわいがり続けられるわけでもない。
でも、それでもいいんだよ。みんなそうして進んでる。・・・なんかね、そんな事を共感しながら読みました。迷っているのは自分だけではない。一緒に頑張って行こう。ね。
私も、子供は生きているだけで奇跡だと思います。
子供に望むことは、元気で生きていてくれることです。