半年以上の育児休職を取った後に、復職するのは結構たいへんなことです。育児に煮詰まって、「やたー」と復帰したものの、私なんて部署替えで席も荷物もなくなっていましたから、「あの、どこに座ったらいいですか?」から始めたものです。大きく傷つき、小さく傷つき、最初の内はぼろぼろです。3ヶ月。7月になればあとちょっとで夏休み。だいぶペースも戻ります。3ヶ月、どうか旦那様がたにお願いします。5つのこと、お願いします。
●家事は3ヶ月くらいは、どちらもやんなくていいんじゃないですか?荒れ果てていく家を楽しんでください。
家事なんてやっているひまがあるでしょうか?部屋はどんどんあれるでしょう。うちの子は喘息気味だったので、掃除だけはそれほど手抜きができませんでしたが、今はルンバみたいな掃除ロボットが登場しています。買いましょう。料理だって、大人は3ヶ月毎日お惣菜でもいいじゃないですか。ランチで栄養取りましょう。仕事、育児、いちばん手抜きしていいのが家事です。荒れ果てていく家を楽しみましょう。どうしてもがまんできなければ、口ではなく、手を動かしてください。あなたがやることも最小限で。3ヶ月、キャンプ生活と思ってください。
●愚痴をこぼされたら、本当に辛いと思っていることはその愚痴とは違うことだと、知ってください。
愚痴ばっか聞かされるのも辛いですよね。でも、本当に辛いと思っていることはなかなか口に出せません。一定期間職場にいなかったことで、どうしても感じる疎外感。後輩の方が重用されることに慣れないといけない。保育園からのいろいろなチェック(あれがない、これがない、書類出てません、とかいろいろ)も、敵の新キャラとしては非常に手強い。とにかく始めたばかりのゲームで、いきなりステージが上がって、恐ろしい新キャラばかりがどんどん爆弾をこちらに投げ込んでくる、みたいな。奥さん、そんな感じなんです。そんなときに、あなたまで敵キャラになってしまったら!?敵をそっと倒す、そんな「人狼」でいえば「騎士」でいてください。よくいる「多重人格」みたいなやつ。味方のふりした敵というのがいちばん厄介ですからね。
●感謝の言葉を俺だって欲しいよ、という気持ち、実は奥さんもわかってますということを知ってください。
感謝してますよ。でも、それをいうヒマがない、ゆとりがない。やってくれたことよりも、やってくれないことに、ついついフォーカスしちゃいがち。ごめんなさいね。許してね。ありがとう。お疲れ様。そう言って欲しいときは、まず奥さんに言ってあげてください。「お疲れ様」って。
●疲れ果てた奥さんの寝顔をかわいいと思ってください。
わたしはしばらく土曜日は4時に起きてました。朝の4時ではないです、夕方の4時です。正直、通勤電車に乗るのも久しぶり。「人、多いっ」ってびっくり。助走なく、いきなりトップスピード、それもハンデがついて楽どころか、他の走者が普通のランニングなのに、そのスピードで障害物競争を走れ!と言われるような3ヶ月です。スピードに乗れない、走るだけだと転ぶ、そんなしっちゃかめっちゃかな感じなんです。仕事への神経、新たな関係者「保育園」とのやりとり。神経、ずだぼろの場合も少なくありません。どうか、疲れ果てた奥さんを、かわいいと思ってください。思ってるよ?ごちそうさんです。
●奥さんが意識的・無意識的に罪悪感を背負わされていることを知っておいてください。
日本では憤懣ものですがいまだに「三歳児神話」を信じている勢力があります。土俗の信仰として廃れたと思ったんですけどね。実の親、あなたの親、実態のない世間。もしかしたらまだまだ言葉の端々にその進行の一端が垣間見られてしまうかもしれません。鈍感であるということはワーキングマザーにとって必要な要件のひとつですが、繊細で真面目な女性ほど、信者たちの何気ない言葉に傷つきます。そういう無駄なストレスは摘んであげてください。今年のお盆やお正月はあなたのご実家には帰らなくてもいいんじゃないかなぁ。もし帰るとしたら、今年だけは別行動で奥さんはご実家でオーバーホールさせてあげてください。今年だけは、ね。
●おまけ、お子さんも新しい世界で超がんばってます。ぎゅっと抱きしめて褒めてあげてください。
子供に罪悪感を感じる必要は、まったくありません。子供にとってもいいことかもしれません。そもそも、人類の歴史を見れば、集団保育の歴史のほうが長い、はず。でも、奥さんと同様、お子さんもがんばってる。ぎゅっと抱きしめるのに理由なんていりませんね。抱きしめついでに、もちろんぜひぜひ奥さんも。もう一人できちゃう?それは、まあ、相談の上で。
※文中、夫を旦那さん、妻を奥さん、と表現しています。うまい呼び方ないですかね?わたしは、◯◯ちゃんのママとか、奥さんとか、呼称されること全然オーケーなんですけど。なんかしっくりくる呼称あるといいなぁ。
らむねさん、みんなの気持ちを代弁してくださり、ありがとうございます!
職場で迎え入れる方も、できるだけ配慮をしたり、チームでカバーしようとしたりしていますが、それでも気が付かないうちにストレスを与えてしまっていたり、よかれと思っていることがかえってマイナスになっていたり・・・かもしれません。
やはり一番身近なチームメイトである旦那さんに5つのお願いをしたいですね。
この春、職場復帰なさるワ―ママのみなさん!がんばり過ぎず、でも職場であなたの復帰を待っていた皆さんの期待に少しずつこたえつつ・・・家族そして職場のチームワークを最大に発揮されることを祈っています。
復職のみならずお子さんが小学校入学したり、この春新しい環境に入るすべてのご家庭に三ヶ月荒れ放題容認、をオススメしたい気持ちです。
4月なんてどうやって過していたかわからないほど、ゴールデンウィークは体を休めるので精一杯、夏が見えて来る頃やっとなんとか新しいペースでの生活が見えてくるのがきっと当たり前。だからそれまではサパイバル生活、家族でスクラム組んでいろんなことは見ないで支え合って心と体を休めつつ過すのが一番だなと改めて感じました。