立教大学の高橋先生に登壇いただいた、高校生•大学生のためのイママデからミライをつくる 「自分発見・未来発見」ワークショップ先月大盛況のうちに開催されました。
高校生、大学生が10名、保護者が8名、サポーターの大学生が3名。
そして何より驚いたのがちょっとわかりにくいところで開催したのですが5分前には全員集まっていました。非常にどんよくな方達に恵まれたわけです。
今回のワークショップでは、インパクト体験(=自分を作ってきた体験)から自分を知る、ということを行ないました。このため、事前課題としてインパクト体験の棚卸し(=リストアップ)をしてきていただきました。以降課題提出のための先生のお言葉です。インパクト体験というものを理解していただくために長いですが引用します。
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★1.インパクト体験から自分を知るーどうやって?
今の自分を作った体験から、「想い」と「資産」(強み)を引き出します。
今の自分を作った体験とは、例えば次のようなものです。
・6才〜11才の頃、ぜんそく、アトピーなど健康でない自分に劣等感。中学になる頃から体が強くなって徐々に解消した。 ・12才〜15才の頃、押しつけられた学級委員や合唱コンクールのリーダー体験が、その後のリーダーシップへの種まきとなった。最初は嫌だったけど,自分たちで作り上げた充実感・誇りは大きかった。
★2.インパクト体験とキャリアビジョンはどう関係ある?
そもそも、インパクト体験とキャリアビジョンはどう関係あるのでしょう?
それを理解するために、まずはキャリアで自分を活かせている状態というのを考えてみましょう。大きく分けて次の三つの状態が考えられます。
1.強みを活かせている(稼げている、評価されている)
2.「やりたい」ことをやれている
3.応援したい人の役に立てている
まず重要なのは、多くの人がこれら三つの全てがそろうほど充実感が高まる、ということです。
やりたいことを仕事としてやっていても強みを活かせていない(=稼げていない、評価されていない)と、なかなかしんどいものです。一方、強みを活かせていても、やりたいことではなかったり、応援したい人の役に立てている実感がないと、時折、満たされていないと感じるようになります。
このうち1を分析する手法は社会にわりとあるものの、2の「やりたいこと」と3の「誰の役に立ちたいのか」を見極める方法はあまりありません。また「やりたいこと」については「特にない」「漠然としている」「大変でもやり続けるほどやりたいのではなく、あこがれているだけ」という人が大半です。
世の中や仕事についてもっと知れば分かるのではないかと本や新聞、ネット情報などを見てもそれで見つけることが出来る人は少数派です。
「実際に体験してみれば分かるかも知れない」と試してみるのは一理ありますが、それにしても出来ればある程度あたりをつけておきたいところです。
そこで「自分の過去を振り返ることで、やりたいこと(仕事を通じて社会を持って行きたい方向)や、応援したい人を見つけ出そう」というのが、この「インパクト棚卸し」という方法です。言ってみれば「未来の根は過去にある」というわけです。
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ワークショップでは、この事前課題でリストアップした
・インパクト体験をからめて自己紹介
・どんな「インパクト体験」が自分を作ってきたのか、チームメイトに理解してもらう
→強みとは能力・知識・実績・経験、所有物、人脈、機会だけでなく、弱みと思える事こそ実は強みとなる
・インパクト体験からどんな強みを得たかを考える
→インパクト体験からどんな影響を受けたかだけではなく、そこから紡ぎだした「社会としてはどうあって欲しいか」を考える
・インパクト体験から、社会への想いとどういう人を応援したいかを引き出す
・今日発見した大事なことをまとめてみる
・全員に1分で話してみる
このような流れでした。
3時間があっという間で、特に、親たちチームが非常に盛り上がり、日頃自分のことをしっかり聞いてもらうということに飢えがあることに、ちょっとじーんとしてしまいました。これは、ちょっと大発見でした。
ワークショップに参加した方々の声を紹介します。
■大学生 女子
これから先、自分が就職する際に少しでも人の為に役立てる事をしたい、と強く思いました。
ワークショップに参加できて良かったです。今日考えたことは今後も考えていきたいです。
■高校生 女子
たのしかったです。自分の軸がつくれました。
■高校生 男子
貴重な体験でした。一年に一回このようなことをして、自分を見て行きたいと思います。ありがとうございました。
■保護者
普段の生活ではなかなか得られない貴重な体験となりました。浮かんでは流されてしまいがちな想いや気持ちの奥底に眠っていた想いをアウトプットすることで見えてきたものがあります。ありがとうございました。
■保護者
ふだん忙しく時間に流されているので立ち止まってあらためて自分の強みを考えるよいきっかけになった。
■保護者
グループで話し合いを持ったお母様型はご自分の考えをしっかり持ってらっしゃるんだなという事。他の人の話を聞いてその人を肯定して認めていくのが上手だなと感じました。インパクト体験を語ることで自分の想いが明確になったような気がします。
掲載の許可をいただけなかった声の中では、特に学生のみなさんから、またやりたいという声が多かったです。もうちょっと話したかったか、心のドアが開ききれなかったのかなと。
とにかく今回の実験的な試みに全面的に協力いただいた高橋先生には本当に本当に感謝いたします。ありがとうございました。
強く思ったのは
・高校生・大学生のみなさんが自分を語る作業の中で少しずつ笑顔になっていったのが非常に印象的でした。知らない人に自己開示することに、慣れる機会をもっと作りたいな、と。
・保護者のお母さんたちの盛り上がりの凄まじさに、自分を語る時間と、自分を肯定してもらうことへの飢えを、感じました。家でも、飲みに行っても、自分のことをしっかり聞いてもらえる機会って意外とないですものね。
最後に、高橋先生、本当にありがとうございました。