投稿者 村山らむね
非常に不幸な事件が起きました。
フローレンスの駒崎弘樹さんが、非常に素晴らしい俯瞰し、かつ当事者意識をもたれた、文章を発表しています。この文章が沢山の方に読んでいただければいいなと思います。
http://www.komazaki.net/activity/2014/03/004462.html
ワーキングマザースタイルのスタッフの中でも非常に大きな議論になりました。まずは事件の前提です。
■男児死亡事件で注目、「ベビーシッター」紹介サイト なぜ母親たちは利用せざるをえないのか
http://www.j-cast.com/2014/03/18199563.html
■同じベビーシッター 「以前もあざ」 違う登録名気付かず
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014031902000119.html
この事件について、スタッフがどのように感じたかを、Facebookのスタッフ限定グループからコピペします。
●匿名希望1
最初ニュースを聞いた時は素人の男の人がいいかげんな気持ちでやっているのかと思いましたが、後の報道をみたら、男の人は子供好きで保育園勤務経験もあって、英国の保育資格の勉強をしていたそうですね。チャイルドマインダーのことかなと思うのですが。
私もチャイルドマインダーに預けたことは数えきれないほどあります。
ベビーシッターの人に預けたことも数えきれないほどですが、正直、日本で初めてベビーシッター派遣を始めた、みたいな由緒正しい?!ところの方でも、時間守られなくて困ったり、違うところから来てくれたシッターさんも子供が言い出さなかったからという理由でお昼食べさせてなかったりとか高いお金出したから安全です、良い保育でした、ってわけでもなかったという、、。
ベビーシッターは密室だから保育の質が担保されない。それは高くても安くても一緒だと感じています。
もちろん感動するほどすばらしい保育をしてくれて子供が泣いて帰らないで!とせがむ人もいました。
なんでも規制するのもどうかと思いますが、悲劇を少なくしようと思ったら、利用者がいつでも保育の様子を動画で見られるような仕組みが必要なのかなと思います。
●和田理恵
シングルマザーで保育園に預けられる時間でない時に仕事があって、ベビーシッター派遣会社に相談すればきっと自分の時給がふっとんでしまうような額をシッターに払わなくてはいけない、という時に、マッチングサイトは魅力的であったのだと思います。
会社を通してシッターを頼めば9時〜17時でも1500円以上、深夜などになれば2000円〜3000円以上の時給を払わなくてはなりません。
シッターの時給が800円〜1200円くらいであろうことはシッターの募集広告を見ればわかります。
シッターと直接やりとりができれば助かる。というよりその額で頼めないことには生活がなりたたない。
今回、祖母の方は44歳でした。週末はできる限り預かっていたと報道されているので、恐らく彼女も働いているのではないかと思います。
平日は親族に頼ることができないのであれば、誰か預かってくれる先を探すしか仕方がない。
働かなくても十分に食べていける額をシングルマザーに支給するといった支援が現実にはないのだから、預けた人を責めることはできないと思います。
働くママの支援というと企業のサポート制度や保育園の充実に私はつい目がいっていたのですが、本当に支援が必要な人はそれだとこぼれてしまっているのかもしれないということに今回気がつきました。
上に引用した駒崎弘樹さんのブログで提案されていたように、「ルールに基づき、ベビーシッター利用者に補助をする」ということが一番必要ではないかと思います。
特にひとりで子供を育てている親や経済的に苦しい人が利用しやすいかたちに制度化することを考えられたらと思うのです。
イレギュラーなところは支援しにくいのかもしれないけれど、そここそが一番支援を必要としているように思えます。
●田村小梅
私も最初の出産は20代で(と言っても29ですが)周囲に誰一人出産経験者も働くママもいなかったので、情報収集や情報源は100%ネットでした。
そこに「保育士」と書かれていたら、全く疑わなかったと思います。
ネットで安いシッターを探した事はもちろん、今回は偽名を使っての詐欺の様な状況だったため、全く責める事は出来ません。(私はまだ責めている記事は見ていませんが、かなりあるのでしょうか?)
今回の件で規制は厳しくなり、破格かつ資格がないシッターは淘汰されていくでしょう。
私が依頼していた、当時厚生省で運営していたシッター紹介は時給800円〜で民間のシッターの半額近くでしたが、今回の「月額8千円」から見たら、どうにもならない程の高額ですよね…。
風俗産業がシングルマザーの受け皿になっている、という報道が話題になりましたが(今回の方の職業とは一切関係ありません)、そういう方々はもし金銭的に問題が無かったとしても時間的に民間の保育園やシッターさんではまかなえないでしょうし、一体どうしたら良いのでしょうか…。
何も提言は出来ませんが、何でもネットで探す私が同じ立場になる可能性は十分あった訳で、とてもショックを受けています。
●匿名希望2
近々シングルマザーになる予定の身としては見過ごすことのできない事件でした。核家族化が進み、預けざるを得ない人は確実にいます。シングルマザーが皆好き好んでシングルマザーになっているわけでもなく、保育園の時間内の仕事に皆がつけるわけでもありません。わがままと言われようとも、働いて生きていかねばなりません。少子化対策としても、子育て支援のセーフティネットは広げて欲しいと切に思います。
●本田いく
私の考えることは、フローレンスの駒崎代表とほぼ同じです。
ただ、もう少し突っ込んだことを書いてみたいと思います。
シングルマザーが乳児二人を抱えて働きながら生活する。
育児もして、家事もして、仕事もする。
正直言って、これは無理なことだと思うんです。
彼女は、生活保護を受けて良かった。受ける権利がある。
でも、受けなかった。
それは何故なのか。制度はあるのに、条件も恐らく整っていたのに、彼女はその選択をしなかった。
子どもが小さい間だけでも、行政の保護を受けていれば、今回のように急な夜勤に振り回されることも無く、安心して我が子の側に居てあげることができたはずです。
でも、彼女はそうしなかった。
今回の事件は、そこを、考えなければならないのではないかと思います。
これは、貧困問題です。
母親の責任や個人の育児論に矮小化してはいけない。
今回の事件は、構造的な貧困問題だという指摘は、すでに多くされていると思います。
これをきっかけに、シッターサイトやベビーシッッティングを規制するのではなく、子どもを持つシングルマザーが急な夜勤のある仕事につかなくても、安心して暮らせる環境にいられる状態を行政が作るべきだと。
私は思います。
みんな、もっと積極的に生活保護を受ければよいと。
そんなことをしたら、社会福祉費が膨らんで、国庫が破綻するじゃないか、と批判をされるかもしれません。
しかし、それくらいのインパクトを持って行動しなければ、国は動かないでしょう。
●湯河原こむぎ
私は義父母と同居なのでシッターに預けた経験がないので、基本的な料金や、「普通は家に来てもらう」等、全く知らないので、ためになる事は言えないし、本質からズレているかもしれません。でも、書きます。ズレすぎていたら削除してください。
今回の事は、最初の報道では「母親は預けた人の名字とメルアドしか知らなかった」という事で確かにえーっ!と思いました。私だったら住所は聞いておきたいと思いました。何かあった時(何かなくても)「ここに子どもがいる」という場所は知っておきたい。有事の時、警察や知り合いに「ここに行ってみて!」と言えるように。自分が駆けつける事が出来るように。
このお母さんは、犯人と以前トラブルがあり、その人を避けていたが、偽名を使っていたのでわからなかった等の報道がありました。
それを受けて、以前、この人に預けた事がある人をテレビ局が探し出してインタビューをしていました。あかちゃんが戻って来た時に傷がたくさんあったという人もいたし、時間を守らなくて困るという人もいました。
こういうサイトを利用せざるを得ない人がたくさんいる。(自分の時給より、保育料が高かったら子どもを預けて働く意味がないし)
いろんな規制をするのも必要かもしれませんが、とにかく「安価で預けたい人がいる」「安くても預かりたい人がいる」というのなら、預けた人が必ずレビューするっていうのはどうでしょう。義務化する。「預けてよかったかどうか?1.はい2.いいえ3.その他言いたいこと」のように。文章が苦手でも、忙しい人でも必ず感想を投稿する。もちろん長文でもOK。
それと預かる方の人は顔写真を公開。(会員制サイトで会員は顔を見る事が出来る)場合によっては住所・電話番号も公開。大切な子どもを預けるのだから、きちんと知っておきたい。それを渋る人はちょっと心配な人じゃないですか。サイトに早急にお願いしたいのはその本人確認などの部分。
くだらない事のように思えるかもですが、今回のように、報道を見て「あの人だ!」と気づく人がいる。
そういう方達が、預けたあとに、義務として「よくなかった」とレビューしていれば危ない自体を多少は防げるかもしれません。
もちろん逆に「すごくよくやってくださって助かりました。」「次もこの方に頼みたい。」「子どもがとても喜んでいました」等、良い感想が増えれば励みにもなるし、質もよくなるんじゃないかな。
少し前に、「開かずの踏切」を高架にして、その下に出来たスペースを保育施設に・・という試みのニュースか報道されていました。箱ばかり作っても保育士さんの数が足りないと結局はそこに行き着き、安藤ゆうこさんが「定年を迎えて暇がある子ども好きな『育爺(いくじい)』とかどうですかね」って言ってた。私はやだけどね〜。
●唐土かほる
今回の事件でお恥ずかしながら、はじめてネット上のベビーシッター紹介サービスがあることを知りました。そしてそれを利用せざるを得ない方がいらっしゃることも。
今回のことを母親の無責任さとか、容疑者の罪など個人的なことを責め立てて終わって欲しくない一人です。
ワーキングプアの問題が現実にあり、それでもなんとか子供を育てている現実があるのです。
経済的に余裕がなければ、あるいは環境的に余地がなければ子供を産んだり育てたりしてはならない…という社会にしてはならないと思っています。
そうなると個人的にサポートする気持ちを各自がもつとともに、やはり政治で解決していくしかないと思います。
今回の事件が子供を産むこと育てる気持ちにブレーキをかけることがないよう祈るばかりです。
●村山らむね
子供を置いて働きに行かないと、子供を育てられない人たちがたくさんいることを、子供を育てるために、働きに行く人達がたくさんいることを、そんなアタリマエのことを、なぜかわからない人たちがたくさんいます。そして、私達もつい忘れがち。
今、育児をする女性たちが歩む道路は渋滞しています。経済的に恵まれ、有料道路を選べる人。正社員の座を確保し、公立の保育園に預けやすい人。時間が不規則、仕事が不安定で、毎日が綱渡りな人。いろんなレイヤーの人が、いろいろな事情で、毎日自分の持つ精一杯の武器を手に、戦っています。
すべての「お母さん」が、望むサービスを受けられるように、というのには非常に時間とコストがかかります。でも、本当に助けて欲しい人が、もっと気軽に「助けて」を言えるような、社会にするために、私が何をできるのか。それが問いかけられた事件だと思います。どうか、どのレイヤーのお母さんたちも、自分ゴトとしてこの事件を受け止めていただけますように。
「もう一人産みたくなる社会」に近付きますように
投稿者 村山らむね
あけましておめでとうございます。
新年のご挨拶が6日というところが、ちょっとぼけ気味ではありますが、そんなワーキングマザースタイルをどうぞよろしくお願いいたします。l
去年は衆議院選挙、そして今年は7月に参議院選挙が予定されています。子育てや女性が働く環境作りに、関心や予算がもっとむけられればと思いますが、実際はなかなかそうなりません。圧倒的な高齢者の投票により、なかなか子育て世代の声が形になりません。
自民党政権の子育て政策の基本は、「子育ては家庭で」という、まあ当たり前と言えば当たり前の考え方かもしれませんが、民主党の「子育ては社会全体で」という考え方からは、正直、3歩くらい後退していると思います。具体策(例えば、第2子、第3子への待遇を厚く)などは、賛成しますが、「子育てを社会で」という考え方に立脚しないと、よほどのことがない限り、この急激な少子化に歯止めはかからないでしょう。(どちらを支持するというよりも、自民党の考え方だともう無理なんだと思います)
もう一人産みたい社会。
こんなに周りに助けてもらえた
職場にも非常に迷惑かけたけど、助けてもらえた
もう一人産んでも、これならきっと大丈夫
仕事を続けながら、もう一人、あと一人、きっと育てられる
子育てに、思ったよりもお金がかからない
いい教育を受けさせたいと思っても、意外とさまざまな援助がある
親に万が一のことがあっても、さまざまな方向からの援助がある
だから、大丈夫。安心して産もう。
そんな風に思える社会
一人しか産まなかった、一人しか産めなかった
そんな私が言う資格はないでしょうが、
それでも、こんな「もう一人産みたいと思える」環境がもう少し速いスピードで実現してほしい。
それはもちろん政治的な解決が一番強く力を発揮するでしょう
でも、ベビーカーをおしながらあたふたする電車のホームのお母さんを手伝ったり
レストランで泣いている赤ちゃんをあやしながら悲しそうな表情をしているお母さんに声をかけたり
同僚が「もう一人できちゃいました」と言ったときに、間髪いれずに「おめでとう」と言ったり
ほんと、ちっちゃなできること、日常にたくさん転がっていると思います
国の政策を待つより前に、あのとき、まさにあのとき、してほしかったことを思い出して
今、まさに、辛かったり、助けを必要としている人に、ちょっとした時間を提供する
そうすることで、ほんの少しずつでも何かが変わっていくと信じてます。
だからこそ「子どもを育てて、仕事をする」その楽しさとありがたさを、後に続く人が歩きやすいようにと、ここを拠点に、スタッフとともに、発信していきたいと思います。
ということで、今年もゆるくごひいきに
2012年02月01日
二人育児の大変さは1.1倍(自分比)!
投稿者 和田理恵

とにかく夜は泣いてばかり、の一人目の子供が歩き出し、大人と同じご飯を食べられるようになったある日。そろそろ二人目を考えようかな……という思いと、いやいやせっかくすこーし楽になったのに振り出しに戻るなんて大変すぎる!!という二つの思いがふつふつと沸きあがってきました。子供は授かりもの。とはいえ、いつ、そして何人産むかは人生設計にすごく関わってきます。一人の人生を引き受ける責任もあるし、育児の大変さも身にしみていたので、二人目を生むまでは自分につとまるのか……とかなり心配しました。
しかし、二人目が生まれてみると……想像とずいぶん違いました。子供の数が倍ということは大変さも2倍だろうと思っていたのに、違いました。ただただかわいい。もちろん初めての子もかわいらしかったけれど、もっとゆったりと赤ちゃんのかわいらしさを味わえる。その余裕ぶりはまるで孫に接しているかのよう?!
思えば上の子の時は、寝る時間から外出まで、すべてのことが大人ペースですすんでいたそれまでの生活を大きく変えなくちゃいけないことに慣れることから大変でした。若葉マークママの私にはふにゃふにゃの赤ちゃんがあーあー泣いてばかりいる理由がさっぱりわからず、おっぱい、オムツ替え、抱っこを繰り返して、どれかヒットして泣き止んでくれ……と祈る毎日。静かになればなったで、今度は息をしているのか心配になって鼻の下に手をあててみたり……。(赤ちゃんの鼻の穴って小さ過ぎるせいか息をしているのかどうか全然わからない!後にはお腹に手をあてて確認する方法に改めました)
でも2人目はすでに「ママ」になっている私のところにやってきました。
赤ちゃんのお世話なんて忘れちゃったなーと思っていたのに、意外と体が覚えていて、初めての時より断然テキパキ世話できる自分にびっくり!世話の仕方も知らないうちに上達してたんですね。
かなり危惧していた夜泣き問題。上の子はほぼ1年間泣き通しで私の体力も限界でした。しかし、二人目はラッキーなことにほんの数日しか大変な日がありませんでした。というのも上の子の通園のため、下の子は夜泣いて寝なかったとしても朝から外に連れ出されてしまう運命なのです。母乳なので夜に2度3度起きるのはずっと続きましたが、授乳が終われば疲れもあるのかすぐに寝つき、最初から生活リズムの整った子になりました。(これは三人目も同様でした)無理矢理でも朝外に出るのが我が家的夜泣き解消のコツだったのか……とTVの砂嵐を見せたり、あらゆる寝かしつけ法を試してきた私は拍子抜けしました。
子どもは子どもが好き、というのも新発見でした。一人っ子の時は親がいつも遊び相手をしなくてはならないのが大変でしたが、子供同士で時間を過ごしてくれるので、私の一人時間は逆に増えたような感じすらしました。二人目は上の子が大好きで、ベビーベットに近づいてくるだけで機嫌が直りにっこり、なんてこともあって大助かり。もちろんケンカの仲裁でげっそりすることも出てくるわけですが。
二人だとやっぱり一人ひとりにはそれまでよりも手がかけられなくなります。一人の時は泣いたらすぐ抱き上げてやっていたのに、二人目は上の子が取り込み中だとすぐにはかけつけてやれないことも。すると、意外にもそのうち泣き止んでいたりして。
本当に大事な局面をのぞき、何もかもママが急いで対応しなくても大丈夫だということを学ぶとこちらもゆったり構えるようになってきます。小さいとはいえ、常に上の子という「もう一人」がいて、少し話ができるのも精神衛生上大きな助けになりました。二人目育児って全然違う……。ママ友とよくそんなことを話しました。
二人になると倍になるのは、保護者面接など一対一の対応が必要な行事。それから、病気のリスク。片方がかかるともう一人もうつっちゃう……というのはよくある事態。
でもそれをいれても、私の実感としては二人育児は一人育児の倍大変ではない。楽になる部分を差し引きして自分比1.1倍くらい。だけど楽しみは自分比2倍!!もし今二人目がお腹にいるけれど心配……というママがいたら、きっと大変さより楽しさの方がいっぱいで乗り切れるよっ!て伝えたいです。
で、文中にもちらっと出てきましたが、実は我が家の子供は3人。一人目と二人目は3歳違い。二人目と三人目は6歳違いです。3人育児は……確かにちょっと忙しい!!!でも逆にそのことが自分の毎日の心のバネにもなっています。また機会があったら書きますね。
ワーキングマザースタイルでもたびたび話題になってきた二人目のこと。
主な記事を下記にご紹介しますので、どうぞあわせてお読み下さい。
ワーキングマザーの妊娠と出産・2人目を産むのはいつがいい??(津田実穂)
二人目の壁、を越えてみた(田村小梅)
二人目って楽?(久保田ユカ)
ワーキングマザー、今が「仕込み」どき!!(本田いく)
二人目の壁〜少子化について(桜乃ゆめ)
vol.33:今週のテーマは、「計画出産?子供は何人?何歳違い?」(大葉柚子)
※「二人目の大変さは1.1倍(自分比)」というタイトルでしたが、二人目が一人目育児より大変なような意味にもとれてしまうかな、と「二人育児の大変さは1.1倍」に改題しました。
2010年05月05日
小一の壁がないフランス
投稿者 津田実穂
ワーキングマザーの皆様、WMSの読者の皆様、すべてのお子様のお母様お父様、遅くなりましたが、入園、入学、おめでとうございます!
4月から新生活が始まり、親子ともども、慣れるまで最初は大変ですよね。1学期は親の出番もなにかと多く、本当に大変だと思います。
パリ在住の我が家も、この4月から日本語の補習校が始まりました。といっても入学式も何もなく、いきなり普通に授業が始まりましたが。1週間に80分しか授業がないからしょうがないですけど。
さて、実は、フランスには小一の壁がありません。
そんなフランスの教育システムについて書いてみたいと思います。
まず、公立のほとんどの幼稚園と小学校は隣にあり、小学校の数だけ公立の幼稚園があります。
フランスでは、幼稚園からが「学校」という位置づけのため(お勉強は小学校からですが)、保育園は3歳までです。
そして専業主婦の家庭もワーキングマザーの家庭も皆、幼稚園に入ります。幼稚園という幼い年齢のうちに、共働き家庭と専業主婦家庭が出会うし幼稚園は4時半までと長いので、それほど違和感はありません。また、すべての公立幼稚園には、預かり保育のシステムが完備しています。6時半まで、誰でももれなく預かってもらえます。
そして、その学区の幼稚園に通っていた子がそのまま隣の小学校に上がります。なので、顔ぶれがほとんど変わりません。
フランスの幼稚園では、人数が中途半端だと、年少と年長の混合クラスがあったりしますが、同じ流れで、年長と小一の混合クラスがあるくらいです。
また、登校時間と下校時間も幼稚園と小学校は全く同じです。朝8時半から夕方の4時半まで。
だから、子ども達は学年がひとつあがっただけで、今までと同じ環境で過ごす事になります。親も迎えに行くのが隣のドアになるだけで、環境が変わりません。
ちなみに、公立だけでなく、私立の学校も、幼稚園から高校までがある、というところが大半です。(そういえば、大学付属の学校って全然ありません。)
また、フランスは短縮授業が一切ないので、これもワーキングマザーにとってはとても助かります。環境が変わらないので、入学したその日から4時半まで授業があります。
その代わり、長期休みはとても多いです。(夏休みが2ヶ月、春休みと秋休みと冬休み2回が2週間ずつ。多すぎる。)これがWMの悩みのタネなのは日本と同じかもしれません。
このようにして、幼稚園と小学校はセットになっており、このセット自体が共働きに対応しているため、フランスには小一の壁は存在しません。
小学校に入ると、お勉強が始まって、宿題等もでるので、変化は確かにあり、大変は大変です。
でも、環境の変化がないので、子どもに負担がなく、新しく始まったお勉強に専念できます。親も、小学校になったからといって仕事を辞めたり変えたりする必要はありません。
フランスの教育システムも、いい事ばかりでなく、問題がいろいろありますが、(フランスでもゆとり教育による学力低下はあり、深刻な問題です。)この、小一の壁がないシステムは、とても良いな、と働く母の一人として思います。
日本でも、民間学童等が発達して(公的な学童も)、少しでも小一の壁が低くなることを願ってやみません。
2007年10月28日
子育てパパ力検定
投稿者 常山あかね

子育てパパ力検定公式テキスト&問題集
「子育てパパ力検定」をご存知ですか?最近、マスコミでも話題沸騰のこの検定。NPO法人「ファザーリング・ジャパン」の主催で、「パパの子育てに関する知識を試そう!」という趣旨の検定なのですが、離乳食から育児休業制度までと守備範囲が広く、三児の母親の私にとってもなかなか難易度が高そう…。
何はともあれ、この検定をきっかけに、多くのパパが子育てに関心を持ってくれるようになるのは、とてもうれしいことです。(^^)
ただ、私の個人的な経験を振り返ってみると、オムツ替えや離乳食ももちろん重要とは思いますが、子供が本当に小さいときに一番夫に求めていたのは、家事的なことよりも、精神的な相談相手となってくれることだったのではと思います。育児の方針や自分の今後のキャリア形成について相談に乗ってもらったり、子供の日々のちょっとした成長をともに喜びあったり。「育児支援は母親支援」と最近叫ばれているように、母親が育児の孤独を解消し、精神的に生き生きと輝ける毎日を送ることこそが、一番の育児支援と痛感します。
一昨日(10月26日付け)の日経新聞の夕刊を読んでいたら、最近では、総合職ではなく、転勤や残業の少ない一般職やエリア総合職を志望する若い男性が目立ち始めてきて、企業がその対応に頭を悩ませているとのこと。これまで女性の職種とされていたこれらの仕事を男性が志望する理由は、やはり家庭と仕事の両立をして自分らしく生きたい、ということが大きいようです。
ただし、妻となる女性が総合職の場合は転勤や残業もあるわけで、家庭の収入と働き方のバランスをどうとっていくかが課題と言えそうです。ともあれ、「ボクも仕事も家庭も大切」。こんなニューパパたちが増えていくことで、企業も変わっていかざるを得なくなるのかもしれません。
2008年3月16日に第一回のパパ検定が開催されるようです。みなさんも、ぜひ受験してみてはいかがでしょう?
2007年08月07日
ワーキングマザー、今が「仕込み」どき!!
投稿者 本田いく
こんにちは!本田いくです。
ここのとこ、首都圏は毎日暑いです。皆さんはいかがお過ごしですか?
ところで、表題の「仕込み」どき。何を仕込むの?はい、ベイベーでございます。
保育園に入れようと思ったら、0歳児クラス4月入園を狙わないとかなり厳しい、というのは、ワーキングマザー業界では周知の事実です。育児休業を取れる期間はどんどん延びているのに、「赤ちゃんと少しでも長く居たいから」という理由で2年、3年育児休業を取ってしまうと、いざ復帰しようとしたときに保育園に入れない! 丸々1年取っても、年度途中での入園は「原則空き待ち=いつ入れるか分からない」という現状は全く改善されていません。
そうなると、やっぱり4月~6月生まれベイベーを狙わざるを得ないじゃないですか?!
今更解説するまでもありませんが、妊娠期間は約40週、しかしこれは、「前回の生理開始日」を起算点としているので、実際には着床してから36週~38週、約9ヶ月が実際の妊娠期間になります。
4月生まれベイベーなら、ほぼ1年育児休業を取っても、0歳児クラス4月入園が狙えます。5月、6月生まれでも、10~11ヶ月は赤ちゃんと過ごせます。
ということで、4月~6月生まれを狙うなら、そう、8月から10月までが、ワーキングマザーの「仕込み」どき!となるわけです。
予備軍の方も、二人目、三人目狙ってる方も、今ですよ、今!!
4月~6月生まれベイベーのメリットは、他にも結構あります。まず、まん丸なお腹で真夏を越さなくていい(笑
秋冬にご出産された方はよくお分かりかと思いますが、真夏の7~8ヶ月のお腹って、胸とお腹の間に汗疹が出来ませんか?私、二人目は6月生まれだったのですが、お腹が大きくなるのが早かったのと、4月~5月の初夏の時期がものすごく暑かったので、汗疹対策が大変でした。
次に、授乳時に寒くない。
生まれてから3ヶ月くらいまでは、夜中の授乳が必要です。冬の夜中の授乳って、本気で寒いですよね!!夏はその点、楽です。ムクッと起きて、ベロっと出して、チュクチュク吸わせて、戻してお終い。ミルク作りでも、寒さに震えながら、カーディガン羽織って、靴下履いて、とかしなくてもすみます。
洗濯も楽です。
基本的に暑い時期なので、夏の昼なんて、短肌着一枚にオムツで転がしておけばOK。洗濯物もすぐ乾きます。必要な服の数も少ないので、経済的でもあります。赤ちゃんの汗疹対策が気になるところですが、基本的に暑い季節なので、何度沐浴させても風邪を引かせる心配はあまりありません。もっとも、エアコン使用時には、風向き、温度、冷気溜まりの場所チェック等、注意が必要ですが。
働く母を続けようと思ったら、産み時まで考えないといけないのかよ!! という怒りはありますが、夏って「仕込み」にも良い季節だと思いませんか? 大人も夏休みでまとまった休暇取れますし。
普段、仕事と育児と家事とアップアップだと、仕込みどころじゃなくなりますが、夏休み、ちょっと旅行に行って、リラックスした気持ちで、ついでに普段の鬱憤はひとまず棚に上げて、夫とラブラブモードになってみるのもいいのではないでしょうか?
ウチは、私の体調の都合があって、3人目は当分ありませんが、上娘が中学生になって、諸々「戦力」になったら、考えちゃうかもしれません。
その頃には、産み時、仕込みどき、なんて考えなくて済む様になっていればいいのですが。
仕込む、なんて書くと聞こえが悪いですが、夏は恋の季節とも言います。パートナーと、恋人時代に戻ってちょっといちゃいちゃしてみるだけでも、意外と新鮮な楽しみがあるかもしれませんよ(*^_^*)
2007年06月29日
父親の育児休業~第2回ファザーリング・ジャパンセミナーレポート
投稿者 常山あかね

最近、男性の育児休業の話題が、よくニュースでとりあげられるようになりました。しかし、ほとんどの方は、「自分には縁のない話だなぁ」と思っているのでは?
そこで今日は、遅ればせながら、5月31日に開催されたNPO法人「ファザーリング・ジャパン」主催の「第二回ファザーリング・ジャパンセミナー」の様子をご紹介します。テーマは「 育休パパに学ぶ、ファザーリングの極意」。テーマがテーマだけに、第1回目のセミナーより、男性比率がぐっと高い気がします。
最初の挨拶に続き、まずは、法政大学キャリアデザイン学部教授の武石恵美子氏による基調講演。
まず、女性の育児休業について、法律的には制度が定着したかに見える現在でも、出産前に仕事を辞める女性が多く、育児休業を取得する女性の数は依然として少ないという実態が報告されました。また、女性の場合、育児休業をとってまで仕事を続けたいというモチベーションが低い傾向にあり「本当に自分が面白い仕事をすることで、キャリアの展望が開けるのでは」という興味深いコメントも。
父親の育児休業については、ことさらに育児休業だけを支援することは育児の聖域化につながるため、
「生活ニーズとバランスできる働き方が人的資源管理の基本である」という考えのもと、子育て支援もその延長にあるべきだというお話が印象的でした。
「父親の育児休業」というと、どうしても取得すること自体が目的になりがちですが、この考えには、私も納得!育児にはまだ関係のない若い世代、育児は終えたが介護が必要な世代など、「多様な立場の人に対しても納得性のある働き方の整備」こそが必要だと感じました。
次のトークセッションでは、実際に育児休業を取得した先進的なパパたちや企業の人事部の方が出演。ユニークな体験談を披露してくださいました。
私が一番印象に残ったのは、「育児休業を取得したら仕事の評価にひびかないか?」という質問に対して、「こころよく思わない人もいると思うが、気にしていたらきりがない。育児休業をとらなくても、他のことでいくらでも評価が悪くなる可能性はある」という育休パパの電通・高村氏の回答。なるほど、と納得させられる鮮やかな回答でした。「育児休業を取得したら」を「残業をしなかったら」に置き換えても、しっくりきそうです。
みなさんのお話を伺った感想としては、男性が育児休業をとるためには、やはり共働きであることが必要条件なのだな、ということ。世帯の稼ぎ手が誰もいなくなってしまうことは、短期間といえども、リスクのあることなのでしょう。また、代替の要員が確保できる大企業はともかく、中小企業では現実には育児休業の取得は厳しいであろうということです。
最後に、「今日の話は社会的にある程度活躍している年代の方の体験談だったので、まだ社会人になって数年で小さな会社に勤める自分にとっては参考になりませんでした」という20代の男性の率直なコメントが印象的でした。
仕事量や残業の有無を自分でコントロールしづらい立場の若い人が育児休業をとれるようになって初めて、「男の育児休業」が大きな意味を持ってくるのでは、と思いました。
個人的には、近い将来、「育児休業の必要のない働き方(リモートオフィス)」の実現ができればよいな、と強く思わされました。(取材/常山あかね)
2007年06月20日
10代からの子育てハッピーアドバイス
投稿者 常山あかね

日々育児をする上で、色々な育児書や雑誌から情報を得ることも多いと思いますが、私がオススメなのは、この「子育てハッピーアドバイス」シリーズ。
200万部を突破した話題の育児書シリーズです。ほんわかと優しいイラストとあいまって、読み終わるとホッと肩の力が抜けて、元気が出てくる一冊です。
この本のいちばん素敵なところは、「子育てはこうあらねばならない」という理論書ではないところ。わが子のよいところを肯定して、何より母親である自分自身の気持ちや生き方を肯定する。これだけのことで、育児がぐっとラクになり、日々が楽しくなります。また、「母親のサポート」に焦点をあてているところにも、共感がもてます。
昨日発表された平成19年度版「男女共同参画白書」では、日本の女性労働力率は41・4%で、米国等と同水準にも関わらず、管理職はわずか1割と極端に低いという事実が浮き彫りになりました。
さらに、日本の国家公務員や上位職に占める女性の割合は最下位、国会議員に占める女性の割合は12カ国中11位。女性が政治や経済活動に参加し、意思決定に参加できるかどうかを測る指数(ジェンダー・エンパワーメント指数)は75カ国中42位。
日本の女性の社会進出の遅れが、少子化と密接につながっているように思えます。
そんな中で、「母親のサポート」に焦点をあて、「子が宝なら、母親も宝」というこの本の姿勢は、キラリと光っています。
実際に、私が子育てをしてみて気づいたことは、子供とは親が一方的に世話や指導をするという存在ではなく、お互いの存在を肯定して支えあうことで、生きる力になるということ。そこで、私なりに「子どもに言われた最高の一言」を考えてみました。最近、娘に言われて感動した言葉が2つあります。
★一つ目★
私:「みんな(子供たちは)ママに対して不満足なんでしょ?」
娘:「ママが満足ならみんな満足なんじゃない?」
ふだん仕事にかこつけて相当手抜き育児をしている私。自嘲気味にこの言葉を発したのですが、娘からは意外な一言。そうか、私が日々充実して満足した日々を送っていれば子供たちも幸せなんだ、と開眼しました。
★2つ目★
私:「子供も3人いるし、もう人生で思い残すことはないかな~」
娘:「まだママは全然成功してないよ。これから成功するんだよ!」
ちょっと守りの姿勢に入った私に対して、娘からのエール。そうか、私って全然成功してないじゃん、もっと夢をもたなきゃ、とハッとしました。
早いもので、上の子供2人は、中学生と小学校高学年。口達者で生意気な10代になり、益々育てにくくなってきていますが、お互いの存在を肯定し、よい関係を築いていきたいと心から思います。
子供たちは自分を映す鏡。
自分勝手な私に色々なことを気づかせてくれる素敵な3人の子供たちの存在に、感謝したいです。
2007年06月15日
著者に聞く!勝間和代さん、勉強法と少子化について語る
著者に聞く!勝間和代さん、勉強法と少子化について語る
2007年05月25日
父親の子育てを考える~第1回ファザーリング・ジャパンセミナーレポート
投稿者 常山あかね
「父親の子育て参加」の必要性が社会的関心を呼んでいますが、みなさんのご家庭ではいかがでしょう?現実は、「子どもともっとふれあいたけど、仕事が忙しく毎日家に帰るのは子どもが寝静まってから…」というご家庭も多いのでは?
そんな中、「父親であることを楽しもう!」という理念のもと誕生したNPO法人「ファザーリング・ジャパン」が注目を集めています。今日は、4月24日に開催された、第1回Fatheringセミナーの様子をレポートします。会場は、六本木ヒルズアカデミーヒルズ「オーディトリアム」。平日の夜だというのに、会場は会社帰りと思われる男性とキャリアウーマン風の女性で埋め尽くされ、関心の高さが伺われました。
第1部は、代表者である安藤哲也さんによるNPO法人の紹介。まず、現在の日本の父親たちは、長時間労働を強いる会社と、子育て参加してほしいと願う妻たちのプレッシャーに挟まれ「ワーク・ライフ・バランス」に苦しんでいるという現実が問題提起されます。
そうした中、「父親たちが家庭・地域に還り皆で子どもを大切に育てる社会にしていくことで、お父さんたちが笑顔を取り戻し、母親と子どもにも安心と笑顔をもたらす」というお話がありました。「ファザーリング・ジャパン」は、その実現のために各種父親支援事業をすすめていくソーシャル・プロジェクトであるという説明に、会場の参加者も真剣な面持ちで頷いていました。
第2部は、「父親が子育てしやすい会社アンケート」の結果発表。第一生命経済研究所と共同で行われたアンケートとのことで、第1位は日立製作所、第2位は帝人グループ、第3位はトヨタ自動車と有名企業がズラリ。各社の表彰が行われ、各企業の方から、子育て支援策についての現状報告と、受賞の喜びのコメントがありました。
第3部はトークセッション。(株)ワークライフ・バランス代表取締役社長小室氏、日経キッズプラス編集長尾島氏、第一生命経済研究所松田氏と、話題のゲストが「日本のお父さんのいま、そして未来」をテーマにトークセッションを繰り広げました。
トークセッションは、会場の参加者を突然指名して登壇してもらうなど、予定調和ではない本音のトークに大盛り上がり。特に、前述の「父親が子育てしやすい会社」に勤務しながらも実際は深夜帰宅が多く「子どもや妻と触れ合う時間がないのが悩み」という会社員の方に会場から温か~い共感のまなざしが!
また、学生や社会人になって数年の方など、若い男性の参加が多いのが印象的でした。若い人たちの既成概念にとらわれず自分らしい生き方を真摯に模索している姿に、明るい未来を感じました。
最後に、現役パパでもあるミュージシャンの西村氏によるウクレレ演奏と歌。子育ての素晴らしさをうたった「お父さんソング」の天使のような歌声に、会場も感動で静まり返り、その後、拍手の渦。
全体を通して感じたのは、もっとも大切なのはもちろん個人や企業の意識付けだけど、意識付けだけでは現状を改革するのは難しいということ。私自身は、「少しでも父親が金銭的にも時間的にも会社から解放されて楽になってほしい」という理念のもと、子育て中の女性の在宅ワーク支援や、ゆくゆくは、男性の在宅ワーク支援にも取り組みたいと強く思わされました。
第2回Fatheringセミナー「育休パパに学ぶ、ファザーリングの極意」も5月31日開催予定。参加には事前予約が必要とのことですが、「父親の子育て」に興味のある皆さん、ぜひ参加されてはいかがでしょう?きっと得るものがあるはずです。(取材/常山あかね)
2007年04月06日
「3人で行こう! 仕事も子どももあきらめない!」インタビュー第6回<光畑由佳さん>
投稿者 常山あかね
■「自らの子育ての経験から、授乳服製造販売を開始~ストレスフリーの社会を目指す」
光畑由佳(みつはた ゆか)さん モーハウス代表(正式名称は、モネット有限会社代表)
■ 「世の中に対して不便と思ったことは、まずは、自分の力で解決できるかどうか考えてみます」
表参道駅から徒歩数分。ファッショナブルな青山通りに位置するのが、授乳服専門店「モーハウス」青山店だ。授乳服というイメージからは想像もできない、いかにもお洒落なブティックといった風情。授乳服ということに気付かず入ってくる若い女性も多いという。
「いらっしゃいませ~」とにこやかに応対してくれたのは、生後数ヶ月の赤ちゃんをベビースリングで抱っこした女性スタッフ。こちらは、はじめて見る光景に面食らってしまったが、まるで何ごともないように赤ちゃんを抱えたまま、接客、レジ打ち、さらにはラッピング(!)までも行っている様子に、カルチャーショックを覚えた。
それもそのはず、モーハウスは「子連れカンパニー」として、今各方面で注目されている話題の会社なのだ。
昨年秋、「経済産業省IT経営百選最優秀」を受賞したことで、男性への知名度も急上昇している。
明るくファッショナブルな街、青山は、子どもが産まれるとなかなか来られなくなる街だ。そこにあえて出店することで、「色々な世代の人に子育てについて理解してほしい」と語るモーハウス代表の光畑由佳さん。
モーハウス青山店には「子育て中の人にこそ、お洒落して来店してほしい。ちょっと晴れの場所で、ここに来た人同士が、椅子に座ってゆっくりコミュニケーションしていってほしい」という光畑さんの願いが込められている。

(昨年11月に青山店開店1周年を記念してモーハウスのファッションショーが開かれたので取材に伺わせていただいた。ファッションショーの様子はこちら)
実際にお会いした光畑さんは、お店のイメージ同様、とてもお洒落な女性。モーハウスのゆったりと心地よさげな服が、個性的でとてもよく似合っていた。足が痛いのに、無理してヒールの靴を履いてきた自分が恥ずかしくなるほどだ。
光畑さんの起業のきっかけは、自らの子育て中、中央線の車内で周りの目を気にしながら授乳せざるを得ず、恥ずかしい思いをした経験が原点だ。
「外で授乳ができないと、母乳で育てる人は外出できない。どうにか道具で解決できないのか。それがないなら自分で作ってしまえ」と考えたのだ。大学時代被服学を専攻していた経験を活かし、日本ではまだ馴染みのなかった授乳服の試作品を作り始めたところ、数ヶ月後には、口コミでポツポツと注文が来るようになった。しかし、当時は子育て中のほとんどの女性が「授乳服」という言葉すら知らず、多くの人に授乳服のよさを理解してもらうには時間がかかったという。
光畑さんは「授乳服を通じて実現できる子連れの新しいライフスタイルを広めたい」という思いから日々奔走。ネット販売はもちろんのこと、茨城県つくば市の自宅で授乳服を実際手に取ることができるオープンハウスを始め、地域でのイベントを開催し始めたのもこの頃だ。
さまざまな母親たちが集うようになり交流が深まるにつれ、販売も軌道に乗りはじめた。
試作品を作りはじめてから6年後、「私はこの仕事をこれからも続けていきますよ」という決意表明を込めて「モーハウス」を法人化、モネット有限会社を立ち上げ、現在に至る。
「もともと編集の仕事をやっていたこともあり、情報発信することが好きなんです。まさか仕事になるとは思いませんでしたね」と、光畑さん。
あのとき、子連れの外出をあきらめてしまっていたら、今のモーハウスは誕生しなかったのだ。一見、無理だと思われることを可能にしてしまうところが、光畑さんのすごいところだ。
「情報発信が好きなので、多くの人によいものを伝えたいんです。例えば行政に働きかけて授乳室を作ってほしいというような他力本願は私には合わない。それはそれで素晴らしいことだけど、私は自分でできることをやって、それを発信したいんです。世の中に対して不便と思ったことは、まずは、自分の力で解決できるかどうか考えてみます」と光畑さんは目を輝かせる。

■ 「「専業主婦」「保育園に入れてバリバリ働く」という二者択一はおかしい。赤ちゃんと好きなだけ接して、自然体でいけばいいんです」
また、モーハウスのいちばんの特徴は、スタッフのほとんどが子どもを持つ母親であり、子連れ出勤も可能というところだ。
茨城県つくば市の本社でも、内勤スタッフの何人かは子連れで出社しており、子どもをお昼寝布団に寝かせたり授乳したりしながら、思い思いのスタイルで仕事をしているという。
「スタッフの採用基準は、いかにモーハウスの活動に共感してくださっているか。
だから、自然とユーザーさん、つまり赤ちゃん連れの方が希望されるんです。
確かに、子連れのスタッフを採用することは、企業にとってはリスクだし、コストもかかります。でも、企業にとっては優秀な人材を採用できる手段なのにもったいない」と光畑さん。
あえて子連れのスタッフを採用することで、企業や社会に対して「こういう人を使わなきゃもったいないじゃない?」というメッセージも込められているという。
「「専業主婦」「保育園に入れてバリバリ働く」という二者択一はおかしいと思うんです。その間の、あいまいな働き方があってもいい。モーハウスが、フレキシブルな働き方の提案になればいいと思っています。応募する人も、モーハウスのやり方にインパクトを感じて応募してくれています。赤ちゃんと好きなだけ接して、自然体でいけばいいんです」。
光畑さん自身、日々の子育てを通じて「どうにかして悪い方向をいい方向に逆転できないか」という発想は、鍛えられているという。
「もしもクレームがあっても、そこから何かを学べないかを考え、結果としていいほうに活かす。これも子育ての成果だと思う。子連れ出勤でさえ、特色を出してメリットにしているでしょ?」と笑う。
実は、光畑さん自身は、若い頃は「子どもを産んだら、自分の仕事人生はおしまい」と思っていたという。1989年入社の雇用機会均等法の世代。「女性の会社でのキャリア」が声高に叫ばれ、先輩たちの道を追うように刷り込まれており、光畑さんも例外ではなかった。
でも、子どもを産んでみてはじめて「すごく楽しい」と実感。「若い頃にモーハウスの事例を見ていたら、人生違っていたと思う」と当時を振り返る。

■ 「子どもにも仕事を与えて、巻き込むんです。子どもだけ蚊帳の外において大事にするという必要はないと思っています」
ところで、日々忙しい社長業をこなす光畑さんだが、3人のお子さんの子育てとどのように両立させているのだろうか。その工夫を伺ってみた。
「月に1回程度、両親に手伝ってもらっていますが、あとは自分で夕飯を作っていますね」。本当は、自宅兼会社の隣に、家族やスタッフのご飯を作ってくれるおいしい自然食レストランを作りたいという光畑さん。
「自分が欲しいものはみんな欲しいでしょ。場所があればすぐやりたいですね」といたずらっぽく微笑む。
現在、光畑さんは、自宅兼会社で毎日夜8時過ぎまで働いているという。自宅の隣が会社なので、子どもも行ったり来たり。子どもが学校から帰ってきた時にいないことも多いが、近いところにいることの安心感は大きいという。
「私も、自営業の家庭で育ったので、学校から帰って一人でも、店にいけば誰かがいた。
自分が過ごしてきた環境とあまり変わっていないんです」。
夜8時くらいになったら子どもにご飯を食べさせて、その後は自宅でパソコンを打ちながら仕事を続けるのが日々のスタイル。「子どもには仕事をしているところは隠さないで見せるようにする」のが光畑さんのやり方だ。
ただ、職住接近で仕事をしていると、仕事とプライベートの時間の区別が難しくないだろうか?
「子どもにも仕事を与えて、巻き込むこともあります。子守りやDMのラベル貼りをやらせたり。子どもも人の役に立つのはうれしいんです。子どもだけ蚊帳の外において大事にするという必要はないと思っています。これは昔ながらのスタイルだけど、現代では少なくなってきましたね」。
昔から、人を巻き込むのが得意で、周囲の人をいつのまか協力者にさせてしまうことから「光畑マジック」と呼ばれていると打ち明ける。それは、子育てにも存分に活かされているようだ。
「「スケジュール管理を自分でしろ」ということはいつも子どもに言っています。私はぼーっとしているので、子どものスケジュールまでは把握できない。例えば参観日も子どもが事前に申し出てくれば、できる限り時間をつくるようにしています」。
「光畑マジック」は子ども自身の自立にも一役買っているのだ。
最後に、光畑さんに将来の夢を伺った。
「これまで、目標を持ってがんばろうというより、周りの人たちの力を活かしてここまできているんです。自然にそれに従ってやってきているし、自然の流れに従うのが自分のやり方。
株式上場などを目指すのではなく、今と同じようにスタッフみんなでゆったりやっていきたいと思います。それが憧れかな。いつもストレスフリーな状況でいたいんです。そんな風にハッピーに、自分の環境やステージにあった新しいことをやっていきたいですね」。
「これから、どんな声があってどんな風に向かっていくのか、自分でもワクワクと楽しみ」という光畑さん。「光畑マジック」は、まだまだ続いていく。
そして、「赤ちゃんと好きなだけ接して、自然体でいけばいい」という光畑さんの言葉に、本当の女性の社会進出のカギが隠されてると感じた。(取材 常山あかね)

●●プロフィール 光畑由佳さん。
モーハウス代表(正式名称は、モネット有限会社代表)。大学の被服学科卒業後、パルコ出版に勤務。出産後、モーハウスを立ち上げる。現在、二男一女の母。
■モーハウス青山店
〒150-0001東京都渋谷区神宮前5-52-2青山オーバルビル1F
TEL/FAX 03-3400-8088
■3人のお子さんがいてよかったことは?
3人子どもがいると兄弟が下の子の面倒を見てくれて、自分が楽になるという側面がある。小さい子供がいると癒し効果もあるし、特に寝顔には癒される。
「どんな時に子育てを負担に感じますか?」などとよく聞かれるけど、負担に感じてあたりまえという前提に、疑問を感じる。自分にとっては、子どもがいるのは自然なこと。
子育てには特別な興味はないけど、出産は非日常で面白い(笑)。自分の身体が変化していくことが快感。3人でも4人でもいいので、産んでみたい。これから産む人が羨ましい。
■家事・子育てと仕事の両立で意識していること
「子育て」というと、「子どものことが第一」みたいな響きがイヤ。自分のことが後回しで、自分を大事にできないのはおかしい。まずは自分を大事にしてほしい。授乳服もそのメッセージの一つ。
「子どもがいることで自分が我慢してマイナスになる」というのはおかしくて、「今までの人生をもっとプラスに楽しめる」というのがいい。それをみんなに認識してもらえ、社会全体の認識が変わっていくとよい。
■これまで仕事をやってきて一番嬉しかったこと
新潟で地震が起きた時にに、災害支援として何かやりたかった。モーハウスの服のリサイクルの品を本当にきれいにしてラッピングして、一人ひとりメッセージをつけておくることにした。それを何百枚かおくったら、翌年、長岡でモーハウスの服を着て授乳ショー(授乳服のファッションショー)をやってくれたこと。
■ワーングマザーやこれからワーキングマザーを目指す方へのメッセージ
私たちは、保育所の費用が高くても、勤め人としてがんばってきた均等法世代。それはそれでいいが、辛かったら無理に会社にしがみつかなくもいい。いろんな選択肢がある。フリーになったり起業してもいい。国家1種の仕事を辞めて、モーハウスのスタッフになった人だっている。
しばらく社会から離れていると仕事ができなくなるというけれど、細切れの時間で仕事をしなくてはいけないので集中力が高まって仕事の段取りもよくなるはず。残業できない分、効率よく仕事をするのでスキルアップできる。すべては本人の気持ち次第。
妊娠、出産で仕事から離れる期間も大事。大企業に入ったものの、自分がやりたい仕事かわからない人も多い。強制的に一線から引き離されて、頭を冷やして考えられるすごく貴重な時間。そこで、やりたいことを見つければいい。男性にはまとまった休みはないのに、インドに1ヶ月放浪するだけの時間を女性はもらっていると考えれば、ものすごくプラスだと思う。そのときに、選択肢をいっぱい広げてほしい。
2007年03月31日
「3人で行こう! 仕事も子どももあきらめない!」インタビュー第5回<河合蘭さん>
投稿者 常山あかね
■「自身の子育て・出産への疑問から、お産ライターへ」
河合蘭さん 出産専門ジャーナリスト
■ 「自分が経験したお産と育児に疑問があり、それをバネに、自分の子育てをつかみたかったんです」
『未妊-「産む」と決められない』。この本を読んだことがあるだろうか? 30才で子どものいない女性が50%を超えた現代だが、そのほとんどは、【「産む」と決められない】女性たちだという。少子化の本当の原因がいったい何なのか、「未妊」の彼女たちの声を取材して作られたのが、この本だ。「未妊」という言葉は、「まだ妊娠してはいないが、心の中で赤ちゃんがいるという状態」をあらわす造語だ。現代の女性は、出産を先延ばしにして赤ちゃんのことを考えている時間が長く、時間切れで子どもを持つことを諦めている人も多いという。
著者の河合蘭さん。出産情報サイト「REBORN」の代表もつとめるお産ライターの第一人者である。さぞや子ども好きな方であろうという印象を抱いていたが、子どもが産まれる前は、伝説のサブカルチャー紙「宝島」のカメラマンをしていたという、いたって現代的な女性だ。最初の子どもを妊娠した時も、「ちょうど犬でも飼おうかと思っていたからいいかな」とライトな気分だったと笑う。
そんな河合さんだが、いざ子育てを始めてみると「これはおかしい」と感じたという。
「子育てについては、何もかもが疑問だらけでしたね。子どもと1日マンションで2人きりの生活。密室育児で公園しか行く場所がなく、そこでの話題も夕飯の献立や夫の話ばかり。こんな子育てが日本全国で繰り広げられているなんて、ありえないと思いました」。
そんな閉塞感から抜け出すために、大学在学中にカメラマンの仕事で培った売り込み方法で、マタニティー誌にライターとして企画の売り込みをはじめ、子どもが1才のときに仕事を再開した。最初に実現した企画は、青森の産婆さんの取材だった。
ライターの仕事にしぼったのは、「とにかく見に行きたいこと、書きたいことがいっぱいあった」から。当時、自分が経験したお産と育児に疑問があり「それをバネに、自分の子育てをつかみたくて」という気持ちが根本にあった。
■「実績がなくても情熱があればチャンスはあるし、自分にしかできないことは必ず誰にでもあるんです」
私が驚いたのは、河合さんの行動力だ。カメラマンとしての実績があるとはいえ、ライターはまったくはじめての仕事。とまどいはなかったのだろうか。
「自信を持たなきゃと思うときは持つことです。人になんと言われようと私はライターだ、と思うこと。名刺に書いたら、もうその職業なんです(笑)。名刺を出せば、周りもそう思う。いつか自信がついてからと思うといつまでも表に出られないので、思い切って人前に出てチャンスをもぎとるんです。実績がなくても情熱があればチャンスはあるし、自分にしかできないことは必ず誰にでもあるんです」。
そんなポジティヴな河合さんだが、3人の子どもの子育てと、締め切りに追われがちなライターの仕事の両立はどのようにされているのだろうか?
「元々、母親が大学研究所の研究者で、フルタイムでバリバリと仕事をしてたため、色々な人に育てられてきた」という河合さん。
子どもの眼から見て母親の働き方がそんなにいいとは思わず、その結論が「フリーライターになり子育てと仕事を両立することだった」という。
「フリーであって、かつ子どもがテーマであれば、両立しやすいと考えたんです。2、3人目の出産はもう人体実験ですね(笑)。取材で知ったことを自分の子で確かめるんです」。
もともと、「のめり込みやすく限界まで仕事をしてしまうタイプ」という河合さん。
締め切りですごく忙しいときは、「お母さんは、この本を書き終わる迄いないと思って」と宣言するようにしている。子どもは、緊迫感が伝わり「はい。ママがんばって!」と答えて絵を書いておとなしくしているという。
そんな河合さんだが、子どもにサインが出たときは見逃さない。例えば、疲れて着のみ着のままでリビングで寝てしまう日が続いたり、朝スッキリと保育園に出かけられず体調が悪い様子だと、ちょっとやりすぎているなと危機感を感じるという。
そんなときは、ゆっくりお風呂に入ってたくさん絵本を読んで寝かしつけるなど、短時間だけ集中して相手をしてあげることを、こころがけてきた。
「3人子どもを育てていると、ちょっとの時間観察すると、子どもがどのくらい乾いているかがわかるんです」。
1人目のときはそこまでは観察できなかったというから、子育ての経験を積むにつれ、仕事も円滑にまわるようになったといえる。
また、河合さんは「どんなに忙しくても子どもを抱っこしていっぱいさわってほしい」とメッセージを送る。
「自分自身のためにもスキンシップが必要。理屈ではなく、子どもがなんでこんない可愛いんだろう、と思える瞬間があればいいんです」。「メリハリを大事にする」のが、河合さんの子育ての最大の秘けつだ。

■ 「「もっとリラックスしよう」「もっと簡単に考えよう」というメッセージを送ることで、若い女性がもっと楽に子どもを産むことを考えられる時代がきてほしい」
最後に、出産専門ジャーナリストの河合さんが、なぜここにきて「産む」ではなく、「産まない」をテーマにとりあげているのか伺った。
「現代の女性は、昔よりややこしいことになっていて、シンプルさがなくなっていると思うんです。赤ちゃんと触れあう実体験もなく、お産の怖い話ばかり聞かされ、不安材料が自分の中にたまっています。昔の人はもっと簡単に考えて子どもを産んでいたはず。生き物としての女性を考えた場合、現代は窒息しそうな状況です。
仕事もしたいし、遊びもしたい。それは、いざとなれば子どもがいてもできることなのに「無理だ」「大変だ」という想いばかりが先行して、とても苦しそうにみえます」。
頭でっかちの女性に対して「もっとリラックスしよう」「もっと簡単に考えよう」というメッセージを送ることで、若い女性がもっと楽に子どもを産むことを考えられる時代がくることが河合さんの願いだ。
河合さんのお話でいちばん私の心の残っているのは、「何かの専門家になれば、必ずお金はあとからついてくる」という言葉。「お医者さんが目の前に急病人がいれば助けるように、私はお産について知りたい人がいれば書く。それだけのことで、そのうち世間から役に立つ存在だと思われるようになれば、それが自分の職業を持つということだと思う」と力強く語る河合さん。
「未妊」に続き、今後は「2人目未妊」や「男性版未妊」にも取り組みたいし、産科医不足など社会全体の出産力低下にも迫りたいと意気込む。「やりたいことが尽きない」という河合さんの表情は、日々ライフワークに取り組んでいる喜びと誇りに満ち溢れていた。(取材 常山あかね)

●●プロフィール河合蘭さん。
サブカルチャー誌のカメラマンを経て、子どもを出産後、お産専門のフリーライターに転身。出産情報サイト「REBORN」編集長。3児の母。
著書に、『未妊-「産む」と決められない』(NHK出版生活人新書)/『お産選びマニュアル-いま、赤ちゃんを産むなら』(農文協)がある。
河合 蘭オフィシャルサイト
■3人のお子さんがいてよかったことは?
3人いてすごくよかった。それぞれがいい味を出しているから。
1人目のときは、「こういう子に育てたい」という思いがあったが、3人目になると「子どもは持って生まれたものがあって、その子が伸びたいようにのばしてあげればいい」と思えてきた。いいところを探し、観察し、それを伸ばす。3人足すと、束になれば長所短所を補い合って、期待通りの子になる(笑)。1人の完璧な子を求めても無理なので心にもゆとりが生まれる。
子どもがいることで、基本的な欲望が満たされていると感じる。多少うまく行かないことがあっても、それで過剰に落ち込んでしまうことはない。子どもたちがいて家庭があることが支え。自分も我慢強くなった。
■家事・子育てと仕事の両立で意識していること
両立は本当に大変だと思う。限界を超えたので、気持ちが荒れたこともあった。そんな時、夫が「今がピークだ」と言ってくれたので救われた。「もうだめだ」と思うと、必ず時間が過ぎて子どもは大きくなりそれを越してくれる。辛い時は、キレる自分を許してもいい。介護は衰えていく人が相手だし終わりも見えないが、子育ては未来が明るいのでキレても大丈夫。
家事は、成長した子どもがかなり手伝ってくれるようになり、ファミリーサポートも利用している。いい方に出会えて、とても満足している。実の母が同居しているが、もともと大学で研究者だったので、「受験勉強だけしていなさい」と育てられた女の子の草分けで家事はきらい。夫は長時間勤務で頼れないが精神的な支えになってくれて、異業種ゆえのアイディアをもらうことも多い。
■これまで仕事をやってきて一番嬉しかったこと
仕事は日々面白くて仕方がない。会いたい人、読みたい本がたくさんあり、知りたいことが次々に溢れてくる。興味が尽きないということに尽きる。
「「未妊」を読み、迷っていたけど避妊を止めました」というような読者からの手紙をもらうときは一番嬉しい。自分の書いたものがどこかで誰かの人生に関るということは、私にとって最大のロマン。
プロの書評より、本当に赤ちゃんを抱いた人の感想をもらえることがいちばん嬉しい。
■ワーングマザーやこれからワーキングマザーを目指す方へのメッセージ
何かの専門家になれば、必ずお金はあとからついてくる。まずは、何かを極めてほしい。仕事をしたときに、大きなお金が動くこともあるが、必ずしも動かなくてもいい。
「この仕事をしたらなんぼですか?」という働き方をしていたら、やはりそれだけのスケールにしかならない。お医者さんが目の前に急病人がいれば当然助けるように、私はお産について知りたい人がいれば書く。それだけのことで、そのうち世間から役に立つ存在だと思われるようになれば、それが自分の職業を持つということだと思う。
2007年02月10日
選挙の年、少子化政策をちゃんとチェック!
投稿者 fellow
今日(2月10日)の日経新聞東京・首都圏経済のページに、4月の統一地方選をにらんで23区が子育て支援策を充実させつつある、という記事が載っていました。選挙対策だろうがなんだろうが、子育て支援にはもっともっと力を入れて欲しいもの、そのためには、次の選挙で、少子化政策に積極的な政党や議員に、私たちが一票を投じなければなりません。
選挙が近くなると、ポストに政党や議員からのチラシが舞い込むことが多くなります。でも、それぞれのアピールを鵜呑みにすることは禁物。先日、違う政党がまったく異なる事実を書いているチラシを目にする機会がありました。
仮にA党とします。A党は日頃から「少子化対策に積極的に取り組んでいる」とポスターなどでも訴えてます。ところが、B党のチラシを読んだところ、子育て世帯への医療費助成制度の実現に、つい最近までA党が反対していたことがわかりました。もし、B党のチラシを「B党は興味ないから」と捨ててしまっていたら、A党の「少子化に積極的」というイメージを疑うことはなかったでしょう。
また、無所属議員のサイトなどを見ると、区報など「表」の情報だけではわからない、区議会での攻防や区政の問題点が書かれていたりして、投票する時の参考になるのではないかと思います。
政党や議員のチラシからは、他にもいろんなことがわかります。ある議員のチラシは、「私は任期中にこんなことをしました!」と写真入りで紹介しているのですが、たとえば、車の通行が多くて危ない道路にガードレールをつけた、とか、どこそこのコンクリートブロック塀を植木に変えたなど、「こんなことまで!」ということまで含めて、議員に頼めば実現することって意外とあるんだなあ、と感じました。暮らしの中の小さな不満って、もっと地元の議員に訴えていってもいいんですね。
日経の記事に戻ると、中学三年までの医療費無料化は、ほとんどの区が2007年度から実施となりつつあるようです。その中でも、港区、世田谷区、北区、台東区は既に中学3年までと枠を広げているのが目立ちますが、港区のような財源に余裕がありそうな区以外のところががんばっている点に、本気度を感じませんか?他には、目黒区の「小一プロブレム」対策や理科教育に支援スタッフ、墨田区の放課後の「いきいきスクール」などに興味をそそられます。皆さんがお住まいの区ではどんな子育て支援策が予定されているでしょうか?
ちなみに私が住んでいる区では、次年度からようやく、子どもの医療費助成の拡充が始まります。23区の中でも最後発の部類です。「まったく、やる気ないんだからなあ・・・」というため息も出るのですが、「やる気のない」人を選ぶ方にも責任があるわけですよね。次の選挙では、子育て支援に「本当に」力を入れてくれる人を選びたいと思っています。
2007年02月01日
vol.96:トラックバックテーマは「柳沢厚労大臣の“産む機械”発言どう思う?」
投稿者 村山らむね
先週までのテーマの、「非常食、どうしてる?」には、実際に震災を体験した方からの言葉が重かったですね。また、これを機に非常食を見直したという方々からの意見もいただき、テーマ出し冥利につきますです。ありがとうございます。お年玉の行方は、もうちょっとお楽しみに。
さて、今週のトラックバックテーマは【家族時間モード】。
ちょっと硬派に行きたいと思います。世間を騒がせている、柳沢大臣。2007年1月27日、島根県松江市での演説で、少子化に触れて
「機械って言っちゃ申し訳ないけど…15~50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、機械というのはなんだけど、後は一人頭で頑張ってもらうしかないと思う」
と発言しました。いわゆる“産む機械”発言は、現在大変な波紋を呼んできます。
みなさん、率直なところ、どう思いますか?
1、発言についてどう思いますか?
2、柳沢大臣は安倍首相によって罷免されるべき?自ら辞任すべき?それとも職務を全うすべき?
3、女性集会が開かれるなど、不快感を行動に移している女性たちに対して、どう思いますか?
この3点について、お聞きしたいです。
●ブログを持っている方は、これについての記事を書いたら、ぜひトラックバックしてください。今まで書いた記事で、関連する記事のトラックバックも大歓迎です。
http://www.wmstyle.jp/cgi/mt-tb.cgi/2753
を、【トラックバック先のURL】に入れれば完了です!最近、トラックバック受信が不調ですので、エントリーのURLを書いて、コメントもしていただけると幸いです。エントリーをチェックさせていただきます。
匿名でのコメント、大歓迎。上にあげた3点にとくにこだわらず、気軽に思うところをお書きください。
ちなみに、私。
うーん。
とりあえず、匿名でこっそり意見を書かせていただきます。(^_^)
2006年11月15日
ドイツの少子化の行方
投稿者 fellow
「RRRINGO DER NEUE FAMILIENRATGEBER FUER MUENCHEN」は、ミュンヘンに住むファミリー向けの新しい無料情報カタログです。インデックスは次のとおり。
(1)官庁、役所、社会
(2)託児所、保育園、幼稚園、学校、勉強
(3)健康、栄養
(4)ショッピング
(5)レクリエーション、文化
(6)スポーツ、音楽
育児給付金や子供の病気や昨年新しく導入された「学生のための本代を親が負担する」法律等、情報満載のアドバイス本で、住所録や子供向け遊戯施設等のクーポンが付いています。
このカタログには、他にもコラムが掲載されていて、「仕事と家庭の両立」という記事に目が留まりました。「フレキシブル性が成功の鍵」という内容で、要約するとこうなります。
1957年に1.1%だった女性労働者の割合が、現在は58%と大幅に上昇し、ドイツ経済の成長と共に働く女性たちが増加した。現在、100人のドイツ人労働者が、44人の年金生活者を支えている。
ドイツの人口構成は急激に変化した。4世帯ごとに18歳未満の子供がいて、子供を持たない大卒の女性は40%に達する。1964年以降、2.3人だった出生率が下がり続け、現在は1.4人。長期的に人口を維持するには、2.1人の子供が必要になる。
このままの状態が進むと、ドイツは2035年に、世界一の長寿国家になる恐れがある。2050年には、100人のドイツ人労働者が、78人の年金生活者を支えることになるだろう。
この記事の投稿者は、更にこう問いかけている。「少子化を止めるには、昔のように女は家にいて、子供を産めば良いのだろうか?いや違う!女たちが子供を産んで、安心して働ける環境作りをしなければならない。仕事と家庭の両立が必要なのだ。そのためにはどうすればいいのか?」
ドイツの現状は、理想とは程遠く、ワーキングマザーが働きやすい環境は今だに整っていない。働くお母さんの認知度が低いこと、社会からの不十分あなサポート、そして企業は子供がいなくてフレキシブルな独身女性を求めていること等、様々なマイナス要因がある。
更に、ドイツはスペイン、イタリアに続いて、一番少ない女性労働者数を持つ国でもある。非常に嘆かわしい現実で、この国では、「ワークライフバランス」を持つ女性だけが、「仕事と家庭の両立」の切符を手に入れることができると言える。
日本に負けず劣らず、少子化の道を辿っているドイツ。私の娘が通う幼稚園で働くお母さんたちが少ない理由を、再認識してしまった。お隣の国フランスのワーキングマザーへの手厚い配慮が羨ましい。ドイツは一体いつになったら、フランスのようにワーキングマザーが働きやすい国になるのだろうか。
2006年11月05日
少子化対策の一意見~産みたい人が産める社会に
投稿者 津田実穂
ちょっと前のトラックバックテーマですが、
「もし私が少子化担当大臣に任命されたら?」
を真剣に考えてみました。
現在パリに住んでいて、フランスの少子化ストップを目の当たりにしています。
具体的に感じたことを、こちらでも書きました。
もちろん、日本とフランスと、文化も違うし背景も違います。そのまま当てはめていけばいいわけではありませんが、日本でもすぐに出来て即効性が高いものもあります。フランスの少子化対策のいいところを取り入れつつ、みほっちが考えた政策を発表します!
私の考える少子化対策のコンセプトは「産みたい人が産める社会」
■妊婦検診に保険を適用
これはない方がおかしいです。妊婦のときにすごく思いました。妊婦検診の負担は大きいです。知人で、3人目なので流れがわかってるしお金がかかるから、と検診に行かず、そしたら子宮外妊娠で生命が危険にさらされた人がいます。そんな悲しいことが起こらないように、妊婦検診には保険を適用させたいです。産婦人科の収入アップにもつながると思います。
■妊娠したら(安定期に入った頃)妊娠一時金と、妊婦手当てを支給
子育てにお金がかかるのは知られてますが、妊娠だってかなりお金がかかります。妊婦服、妊婦用の下着、検診代、それなのに仕事は普段よりもできなくなります。そこで、5ヶ月を過ぎた安定期の妊婦さんには、乳幼児手当てならぬ妊婦手当てを毎月15000円支給します。また、妊娠一時金として、50,000円を支給。ちなみに、フランスにはこの制度があります。
■不妊治療に保険を適用
不妊治療には莫大なお金と精神的負担が伴います。せめて金銭的負担が減るよう、不妊治療には保険を適用させます。子どもが欲しいカップルが子どもを持てる社会になって欲しいです。
■二人目、三人目の子どもの育児手当を増額。18歳まで支給
子だくさんが、経済的にもむくわれる制度にします。経済的な問題で二人目、三人目をためらわないように、育児手当を充実させます。3人目以上は、毎月、3~5万円程度の育児手当を18歳まで支給します。
■妊娠・出産による解雇には罰金
法律上は、妊娠・出産による解雇は認められてないはずですが、実際には横行してると思います。妊娠するとクビになる、ということで産むのをためらう人が(特に派遣社員等で)多いのを改善するため、罰則規定を設けます。罰金100万円くらいにして、その罰金は育児支援の財源にまわします。
■代理母出産を認める
向井亜紀さんの件で一躍注目を集めた代理母による出産。これも、いろいろ問題はあるかと思いますが、これだけ時代が変化しているのだから、もう、認めてもいいと思います。子どもが欲しい夫婦に子どもを授けたいです。
手厚いようですが、フランスでは、ベビーシッター代に補助が出たり、出産費用が無料な上に一時金が出たり、もっと手厚いです。
こんな手当てだらけの政策を書くと「財源はどうするの?」という話になりますね。
本当は財政のムダを省けばこれくらいのお金は捻出できると思いますが、それができていたら日本の借金もこんな膨らんでないわけで、現実的に書きます。
一番は、公共事業削減。日本のインフラは高度に整備されてます。これ以上、高速道路や新幹線や空港はつくらなくてもいいので(今後ゼロでいいという意味ではありません)子どもをつくるのにまわしましょう。
その他、所得税増税等。少子化がまずい事は誰もが思ってるわけなので、基本的には子どもを産まない選択をした人には増税になるくらいでもいいと思います。社会で子どもを育てていく、そのための費用だと割り切って欲しいです。
これが現実的かどうか、いいか悪いかはおいておいても、たくさんの愛しい赤ちゃんが産まれる国になることを、心から願っています。
会社を設立しました!
投稿者 常山あかね

この度、10月30日付けで会社を設立しました!「え?なんの?」と思われる方も多いと思いますが、「ワークライフバランスの実現」をテーマに、仕事と子育ての両立を支援するサイトをオープンの予定です。具体的には、SOHOでの仕事のマッチングと、コミュニケーションツールとして、WEBを利用した便利ツールやSNSなどの提供をしていきます。
会社を作りたいなと思い立ったのが、6月。まずは、自治体主催の企業家セミナーに週末に通い、7月に横浜産業振興公社主催の「よこはまビジネスプラングランプリ」に応募してみました。そこで、予想外(!)の最終選考の6プランに選出され、事務所の賃貸料の半年の補助、専門家の派遣など、創業支援を受けることができることになりました。残念ながらグランプリはいただけませんでしたが、表彰式にいらした憧れの中田市長ともお話できて、私にとってとてもよい経験になりました。
会社設立については直前まで迷いましたが、チャンスを生かさずに後悔するよりも、まずは走り出してみようという気持ちが勝りました。はじまったばかりの私のチャレンジですが、たまには、こちらで経過を報告させていただきたいと思っています。
会社勤めの夫の帰りは遅く、子ども3人の子育てをしながら、パソコンに向かう仕事と家事に追われる毎日。こんな地味で孤独な生活を送っている私ですが、そういう私だからこそ等身大でできることもあるのではと思っています。まずは、自分と家族が、どうすればワークライフバランスのとれた充実した人生を送ることができるのか。どうしてこんな当たり前のささやかな幸せが実現しないのか。そんなことをテーマに、これから会社を経営していきたいと考えています。みなさん、今後ともどうぞよろしくお願いします!
2006年10月30日
内閣府が少子化対策についての意見募集
投稿者 村山らむね
内閣府は24日、政府が進める少子化対策について意見を募集するコーナーを ホームページ上に開設しています。
11月30日まで。
誹謗中傷の意見を除き、すべて高市担当大臣が目を通すそうです。
第一回のテーマは2つ。
【テーマ1】 出産育児一時金など、出産時の経済的負担について
出産時に医療保険から支給されるもので、平成18年10月、30万円から35万円に引き上げられました。また、従来、立替払いをして後で保険者へ請求していたものが、本年10月以降、保険者から直接産科医院に支給されることにより、出産時点での現金準備の負担が軽減されることとなっています(同意の得られた医療機関から順次実施)。
【テーマ2】 不妊治療について
不妊治療に対する助成制度は、特定不妊治療(体外受精及び顕微授精)を対象に、地方公共団体が指定する医療機関から1年度あたり上限額10万円支給されるものです。支給期間については、平成18年4月、通算2年から5年に延長されました。
ぜひ、ワーキングマザーの本音をこの機会にわかっていただくために、みなさんも気軽に意見を投稿なさってみてください。
2006年10月23日
少子化対策の費用対効果
投稿者 大葉柚子

日本で少子化問題が叫ばれ始めて数年、対応が遅いと揶揄されて。対策がチラホラ出ても、抜本的な改善につながる様子はなく。それでも子供は国の宝だと、経済を考える人々が、政治を担う人々が、国の将来を憂慮する人々が少子化対策を練り続け、出し続ける。
そんな対策の一つが、私のすむ千葉の、とある市でも発表された。少子化対策の一旦として、10月1日から出産一時金として30万円補助が出ていたものが、35万円にUPするというもの。
私の第二子は、その制度を見抜いたかのように10月1日に産まれた。親孝行である。(笑)
しかし彼の親孝行は、ほとんど水の泡となり、消えた。なぜなら、
その理由は私が第二子を産んだ病院では10月1日から値上げをしたから。しかも、何の事前連絡もなく、支払い金額を告げるときに説明もなく、4万円もの値上げ。世知辛い世の中、人の足もとをみるビジネスは横行するけれど。私のケースだと、自治体が5万円の補助金増額をしても、産婦にはわずか1万円が渡るのみ。これでは費用対効果は当然、低くなる。
私が選んだ産院の平均出産費用は40万円前後。9月30日に第二子を出産した女性は、トラブルに見舞われ出産の2日前から入院し、さらに退院は1日伸びたので通常より3日間余分。それで、45万円を支払ったと聞いていた。私は日数は経産婦の平均通り。ただ、10月1日は日曜日の休日だったのと、朝方駆け込んだので時間外料金と、その二点が加算されるはずのみ。
そして退院の前の日、合計支払い額は45万円だと言い渡された。私は最初、聞き違いかと思った。休日料金と時間外料金だけで45万円になるのか、と、聞きなおしてもそうだ、という。疑問に思ったので同じ日に出産した隣の部屋の女性に聞いてみたところ、彼女は46万円だという。
退院の日に、会計の女性に問いただした。3日余分に入院した場合と、休日+時間外の追加金額が同額とは何故なのか。彼女は言いにくそうに、説明した。出産一時金の給付金額が上がったので、値上げになったのだ、と。10月1日以前の計算方法でいけば、私の出産は41万円の合計額だったと。そしてこの産院だけでなくこの地域の他の病院でも同じようになっているはずだ、と。
何かが、間違っている。
これでは、少子化は決して止まらない。
2006年10月18日
フランスはどうして少子化を克服できた?
投稿者 津田実穂
こんにちは、パリ在住のみほっちです。
あたりを見渡してみると、パリには子どもも妊婦さんも多いです。
そう、フランスは、少子化対策が成功した国としても有名です。出生率が上を向いています。
日本では今、産まない人、産めない人も増えています。
子どもを現地の幼稚園に通わせ、パリのママ達を目の当たりにし、彼女達と触れ合っていると、なぜこの国が少子化を克服できたのかよくわかる!と思うことが多いです。
少子化対策に関するデータはネット上にたくさんありますが、パリに住む子育て中の一人の母親として、なぜフランスが少子化を克服できたのか、見聞きし感じたことを書こうと思います。
まず、フランスでの子育てに関して気づいた点、思った点をあげます。
■子どもを持つ世帯に対する経済的支援が手厚い
これはよく話題にもなっていると思います。先立つものがないために子どもを産むことを躊躇しているカップルは多いのではないでしょうか?
ちなみに、私は外国人なので、この恩恵にはあずかれていません。(涙)
■妊娠・出産にかかるお金(自己負担金額)が少ない
上記と似ていますが、フランスでは妊婦検診に保険が適用されます。また、出産費用はゼロです。そのほか、不妊治療も保険が適用されます。
■子どもが産まれることを、理屈ぬきにおめでたいと考えている
日本でも、紀子様がご出産されれば国中をあげてお祝いしますが、こちらは、大統領に隠し子が発覚しても「子どもが産まれたのか。それはめでたい!」とお祝いするお国柄です。。。
■ワーキングマザーが多い
フランスでは、専業主婦よりワーキングマザーの方がはるかに多いです。結婚や出産で仕事を辞める、ということはあまりないようです。
■働くママへの支援が多い(仕事と出産が両立しやすい)
ワーキングマザーが多いから必然的に支援策が増えたのか、支援策が多いから働くママが多いのか。とにかく、仕事と育児を両立するのに十分な制度があり、また働くママの権利が守られています。
■ベビーシッターの制度が定着している
フランスでは、ほとんどの親が単発であれ定期であれベビーシッターにお世話になっています。
シッター代は決して安くありません。それでも誰もが利用しています。
ベビーシッターといえば、学生のイメージがあるかもしれませんが、こちらのベビーシッターはベビーシッターを職業として、各家庭に完全に雇われている人も多いです。
■親が自分の時間を持つ事に抵抗がない。
日本だと、子どもを預ける、というと罪悪感なしにはできない風潮がありますが、フランスでは大人が大人の時間を過ごすのは当然。親が自分の時間を楽しむ分、親のストレスが少なく子育てが楽になっていると思います。
■困っている人は助けよう、という風潮がある
カトリックのお国柄のせいか、人々は弱者に基本的に優しいです。メトロにエスカレーターがなくても、誰かが必ず手伝ってくれます。とてもありがたいです。
子どもが3人以上いる、だったり、ワーキングマザー、は大変ですよね。そのような人たちを助けようという支援策もありますし、何より大変な人たちを手助けしよう、という人の心があります。
■父親の育児参加が進んでいる
幼稚園では、送り迎えが義務付けられていますが、朝、幼稚園にパパが送りに来ている家庭が多いです。1/3ほどでしょうか。半分がママ、残りがベビーシッター、という感じです。
■セックスレス、がない
実はこれ、すごく重要な問題ではないでしょうか。日本でも最近話題になっているかと思います。恋愛の国、フランスではセックスレスという言葉はありません。
それぞれの項目について、背景もいろいろだし、いい点悪い点いろいろあります。日本では何ができるか、というで思うところもあります。
主な項目については、もう少し掘り下げて考察したいと思います。
長くなりましたので、考察はまた次回に。(尻切れトンボすみません!)
2006年09月22日
出産で女性は賢くなる?
投稿者 常山あかね

「出産や子育ては、仕事のキャリアにマイナスになる」と思われている方も多いのでは?
でも、その考えを根底から覆すのが、この本「出産で女性は賢くなる」です!
育児の経験によって、並行してさまざまな仕事をこなすマルチタスク能力やマネージメント能力が身につくことはよく言われていますが、その理由について科学的に言及した本を読んだのは、この本がはじめてでした。
私がいちばん興味深かったのは、「出産経験によって、ネズミの空間学習力と記憶力が向上したという報告がある」との部分。また、「恐怖とストレスが軽減する」こともわかっているそうです。「ほとんど全ての哺乳類のメスは、妊娠や出産、育児によってホルモンが大きく変動し、脳の中が再構築される」そうですから、人間にも当てはまる可能性が高いと言えそうです。
また、出産や授乳によって、髪の毛が抜けたりと悩むことはよくありますが、ホルモンの変化によっていったん抜けた髪も、再生して健康な髪として生まれ変わるそう。
(先日、骨粗しょう症の検査をしたら、標準値の3倍も骨密度があって、我ながら意外だったことも納得がいきました。(^^)女性器官系の病気になりにくいと言われているのも、よい効果の一つだと思います)
もちろん、この本の本当のよさは、医学博士であり現在は育児工学者の小谷博子氏が、自らの出産育児の体験を通じて、育児工学という新しい分野の研究に果敢に挑んでいくところです。地域のママたちを巻き込み、「便利さのみ」を追求する企業との提携を断り、「本当にママと赤ちゃんにとって必要なものは何か」を研究していく姿勢に、涙が止まりませんでした。仕事も育児も楽しみたい女性にとって、希望と自信を与えてくれる一冊です。
育児の経験をキャリアとして世に評価してもらうために、私のできることはまだまだたくさんありそうです。
2006年09月13日
vol.87:トラックバックテーマは「紀子様ご出産を、同世代ワーキングマザーとしてどう祝う?」
投稿者 村山らむね
先週までのテーマの、「出張で泊まってよかったホテルは?選択ポイントは何?」には、みなさんの濃い情報がたくさん集まって、感謝感謝です。現在、大丸ホームショッピング「おいしさ自慢.com」
からのカレー賞該当者選定作業中です。もうしばらくお待ちくださいね。コメント欄にて、発表いたします。
さて、今週のテーマは 【自分時間モード】
「紀子様ご出産を、同世代ワーキングマザーとしてどう祝う?」です。
9月6日は親王ご誕生で日本中が喜びに包まれました。紀子様は、大変な重責の公務をお務めになるワーキングマザーでもいらっしゃいます。ワーキングマザースタイルとしても、心よりお祝い申し上げます。
ご出産関連のマスコミの報道などを見ると、雅子妃と紀子妃を比較したものや、男の子を産むことのプレッシャー、高齢出産に踏み切る勇気など、さまざまな視点で書かれているようです。
ぜひみなさまも、同世代として、ワーキングマザーとして、今回のご出産や、お二人のお妃様への感想をぜひお寄せください。匿名コメントも大歓迎!!
●ブログを持っている方は、これについての記事を書いたら、ぜひトラックバックしてください。今まで書いた記事で、関連する記事のトラックバックも大歓迎です。
http://www.wmstyle.jp/cgi/mt-tb.cgi/2440
を、【トラックバック先のURL】に入れれば完了です!
●ブログを持っていない方は、コメント欄にぜひコメントしてください。
匿名希望の場合は、名前の欄に、「匿名」と入れてください。
メールアドレスは、入れないと投稿ができませんが、非表示ですので、ご安心ください。プレゼントのご連絡のためにも、必ず連絡のとれるメールアドレスをご入力ください
●ちなみに、私。
紀子様とは同い年。雅子様と同様、長男に嫁して娘一人を産んでいる。
立場の違いはもちろん文字通り天と地の差。でも、お二人に共感するところが多いです。その中で、環境に適応なさろうとする紀子様。苦しんでいらっしゃる雅子様。
その2人の個性の違いが、これからの皇室をたぶん、より豊かにしてくださるのではないかと思います。そして、わたしたちにとっても、個性の違うお二人の女性が皇室にいらっしゃることは、自分たちの立場を考える上で、たいへん幸運ではないかなと、思っています。
みなさまもぜひ、いろんなご意見をお寄せください。
2006年08月29日
「育児支援タクシー」を政府が後押し
投稿者 常山あかね
先日、NHKで、「「育児支援タクシー」の普及に向けて政府が支援制度の整備に乗り出す」とのニュースがやっていました。(YOMIURI ONLINE8/26付けの関連記事)
具体的な内容は、「共働きなどで多忙な保護者に代わって子供の保育所や習い事への送迎をするなど、育児支援に積極的なタクシーを普及させるため支援制度の整備に乗り出す」というもの。
香川、山口など、一部の地域では、すでに子育て支援を掲げたタクシー会社が営業を行っているそうです。
ただ、親の気持ちとしては、子どもだけをタクシーに乗せて送迎してもらうとなると、運転士さんがよほど信頼できないと預けるのは難しいと思います。現在でも、「女性運転士や、いつも決まった運転士を指名できる」などのメニューがあがっているそうですが、いちばんの理想は、保育士もしくはそれに準じるレベルで、子どもの接し方に慣れている運転士さんに担当していただけるのがよいと思います。
実は、昨日、打ち合わせで都内に行ったら、打ち合わせが長引いてしまい、6時30分の保育園のお迎えに滑り込みで間に合うような時間になってしまい、かなり焦ってしまいました。
そこで、とっさに、出先から近所の友人に電話したところ、保育園に代わりにお迎えに行ってくれて帰るまで預かってくれるとのこと。恐縮しながらも、安心して帰路につくことができました。
そこで、「育児支援タクシー」のことを思い出し、もし本当にこういうサービスがあれば利用したいなぁと実感。もっとも、私は滅多にこのようなことはないのですが、毎日都内まで勤務している方は、残業などで帰宅が遅れてしまい、ドキドキして駅からタクシーでお迎えに走ることや、とっさに近所の友人にお迎えをお願いすることも、しばしばあるのではと思います。
もちろん、親が送迎するにこしたことはないですが、定期的に利用するわけではない私のような人にも、ピンチのときに、力になってくれるサービスであってほしいなと思います。
2006年08月06日
朝日新聞に掲載されました!(子供の朝ご飯作り)
投稿者 常山あかね

8/3付け朝日新聞朝刊(生活面)に、「子供の朝ご飯作り」を取材いただいた記事が掲載されました。我が家は、「料理初心者の子どもたちが朝ご飯作りにチャレンジ」という趣旨で、WMS代表の村山らむねさんのお宅は「料理上級者のお子さんが料理の腕前を披露」という対照的な2つの事例としてご紹介いただきました。
国立女性教育会館の実施した「家庭教育に関する国際比較調査(2005年)」によると、「15歳のときに1人でできると思うもの」のアンケートの中の、「家族のために食事を作る」が、54.9%と、韓国に次いで低い数字が出ています。1994年調査では、63.4%だったので、ここ10年で、子どもの自立の度合いが低くなったといえます。
また、日本の父親は、子どもの「食事の世話をする」分担率が10.1%と、トップのスゥエーデン(45,6%)、日本の次に低い韓国(20.4%)と比べても、著しく低い数字が出ています。
もっとも日本の約4割の父親が、「子どもと接する時間が短い」と悩んでいるとの結果も出ており、
若いお父さんが、会社(上司)と家庭の板挟みになっている、同情できる状況もうかがえます。
今回の朝ご飯作りを通して、「お母さんのお手伝い」ではなく、もっともっと、家族全員で食事の準備や家事を分担するのが当たり前の風土ができあがればよいなと思いました。(我が家は、まだ発展途上中です(^^;)
2006年08月02日
働きやすい会社ナンバー1は?
投稿者 常山あかね
日経新聞が8/1付け朝刊で、2006年度「働きやすい会社ランキング」を掲載していた。
松下電器産業が2年連続で首位。2位は日本ヒューレット・パッカード、3位は大日本印刷。「子育て支援や介護休業など少子高齢化に対応した制度を整備した企業が上位を占めた」そうだ。
ananの「抱かれたい男ランキング」、「大学生の就職人気企業ランキング」など、ナンセンスとわかっていても、ついつい毎年目がいってしまうし、世間の注意を喚起する意味でも、ランキングを発表する意味は大きいと思う。
7/24付け日経夕刊でも、与党が、共働き夫婦でも子育てをしやすい職場の環境づくりに向けての基本法、「仕事と生活の調和推進基本法案」(仮称)を制定する方向で検討に入ったとの記事が目についた。企業が作成する行動計画の項目として、「家庭に乳幼児のいる労働者の残業抑制や男性の育児休業取得促進策などを検討している」という。
両立支援のための基本法が出来て、働きやすい会社が増えるのは、とてもいいことだと思う。
でも、ちょっと気になったのが、「育児期の従業員による在宅勤務について、労使間であらかじめ合意した時間だけ働いたといなす「みなし労働制」は、現行では研究者や弁護士らに限られている」という記述だ。こちらは、「検討課題になる見通し」とのことだが、「見通し」というユルさではなく、もっと早急に検討すべき課題のように思うのは、私だけ?
インターネットが一般社会に登場した時、「産業革命以来の大きな革命」だと騒がれて、あれからずいぶん時間がたったけれど、会社の仕事のやり方は、根本的なところでは、意外と変わっていないという気がする。育児中に親にとって、都心まで満員電車で長時間通勤しなくてよい在宅勤務やサテライトオフィスなどが実現したならば、その時こそ、「働きやすい会社」と胸を張って言える気がする。
2006年07月30日
超!安産。産院が違うとお産はどう変わる?
投稿者 有栖川ゆうこ
7月28日に、無事「超」がつく安産で、3人目を出産いたしました~。
私は、今までに2箇所の産院で出産を経験しています。
1人目は地元大阪の、遠方からも通う方もいる設備充実のいわゆる「ブランド産院」にて。
2~3人目は、引越してきた北陸のこじんまりした産院です。設備も違うし、産後のケア方針も違うし、もちろん料金も!ちょっとそのあたりの比較を書いてみたいと思います。(比較の詳細は次回!)
●やっぱり、ちゃんと聞いてくれてる!?
上の2人はいずれも予定日より1~2週間早く生まれていただけに「今回もきっと早いよね。そろそろ?」と、思いながら、予定日の7月29日が近づくのを待っていたら、予定日前日朝に破水。
無事、破水して2時間半後には、男の子が元気な産声を上げてくれました。
実は予定日直前・1週間前に、娘2号が風邪からくる口内炎になってしまって、丸3日ほど食べない・私にべったり状態に。
「もう出てきたいよね。ごめんね。
おねーちゃん、今ちょっと調子悪いから、もーちょっとお腹にいてくれる?今でてきたら、おねーちゃん泣いちゃうからさぁ。ね??」
と、3日間語りかけた私(笑)
娘2号が食べられるようになって、3日後の誕生でした。
いやー、えらい!(笑)
ちゃんと聞いてたんだね~。
●らくらく安産とはまさに…
出産というと、とにかく「痛い」という印象が強いですよね。
確かに、まぁ、痛いんですが、今回はほんっとーーーに楽でした。ハイ。
病室から分娩室へ移動してからの所要時間は、なんと10分足らず!
わずか、1回目の「いきみ」で、するっ、と出てきちゃったのです。
2人目の時は、少し陣痛が弱かったので、促進剤の点滴を利用して、その結果分娩自体は30分ぐらいだったのですが、それと比較しても、圧倒的に短時間!
私も、自分で思わず笑いそうになるほど、本当に楽!なお産でした。
おかげさまで、汗ひとつかかず、体力も使わず(笑)状態で、朝8時半頃に出産して、午後は歩くことができるようになってました。
正直いって、こんなに楽なら、何人でも産めるわ~、と思ってしまったぐらいです(笑)。
まだ、出産経験のない皆さん!
1人目がつらかった!と、2人目に踏み切れない原因になっている皆さん!
こーんなお産もあるんですよ~。
と、ちょっと気を楽にしていただけるとウレシイです。
さて、産院の違いは、妊婦の精神状態にも影響が。
どこが違うと、どう変わるのか!?
私の経験した2つの産院を比較してみた記事を、退院後アップしたいと思います。
そう!まだ、産んで3日目ですから、病室でこれを書いているのです(笑)。
入院は1週間なので、おそらく記事をアップするのは、ちょうど1週間後ぐらいになると思います。
ちょっとお待ちくださいね!
ということで、出産報告を兼ねまして、次回記事の予告でした。
東京都提供の広報番組にテレビ出演しました!
投稿者 常山あかね
テレビ東京で、深夜放映の「Tokyo マヨカラ!」(東京都提供の若者向け深夜広報番組)に出演しました!テーマは、「続:少子化を考える~あなたは子どもを持ちますか?」で、放映日は、8/3(木)深夜26時~26時15分(日付でというと8/4(金)午前2時~2時15分)です。(公式サイトの写真では、司会のハリガネロックさん(吉本興業)の真ん中にるのが、私(^^))
取材をお申し込みいただいたきっかけは、「3人目で知った子育ての楽しさ」という私のブログ記事を読まれて、とのことです。
実際に、「若者が我が家にレポートに来て、3人の子どもの子育てを体験する」という企画で、子供たちも、レポーターのお兄さんお姉さんにすっかり懐いてしまい、本当によい思い出となりました。
取材後、カラオケボックスで番組収録(討論会)がありましたが、若者に少しでも子育ての楽しさを知ってほしくて、気合いが入ってちょっとしゃべりすぎてしまいました。(後で、スタッフの方より、「たくさんしゃべってくれたので、放映が1回分増えました」とお話がありました(^^;
WEBの予告を見ると、「子どもを持つと自分の時間はどうなるの?実際に3人の子どもがいる常山さん一家をマヨカラメンバーが訪問し、子育てを体験。お母さんの本音を伺う。子どもを持つ前と後で考えはどう変わるのか?意外な答えにメンバーもビックリ!」とあり、私自身も、何かビックリされるようなことを言ったかな?と、ちょっと不安。きっと硬派で面白い内容に仕上がっていると思いますので、「少子化問題」に興味をお持ちの皆さま、ぜひご覧になってみてください!
「3人で行こう! 仕事も子どももあきらめない!」インタビュー第2回 <絵画卸会社社長山中満子さん>
投稿者 常山あかね
■美術館巡りの趣味がきっかけで、主婦から絵画卸会社社長へ!
山中満子さん
株式会社アークコーポレーション代表取締役

■チャンスはみんなに来ているけど、つかまえるかつかまえないかは自分次第なんです
「会社を立ち上げた時、妊娠7ヶ月だったんですー」。おっとりした京都弁でにこやかに話すのは、華やかで上品な「関西マダム」という言葉がピッタリの山中さん。
美しいトロピカルカラーで亜熱帯の自然や動物を描く、オーストラリアの女流画家「ジョアン・フック」の日本代理店として会社を立ち上げて、15年。絵画卸売会社社長ということで、特別な経歴をお持ちの方という先入観があったが、「会社を立ち上げるまでは、個人で洋服の卸売をしていたものの、ごく普通の主婦だった」という。
山中さんに転機が訪れたのは、ご主人が「美術館巡りが趣味の妻のために」とオーストラリア土産として買ってきた、1枚の絵がきっかけだ。それが、当時まだ日本では現在ほど知られていなかったジョアン・フックの絵だった。「色使いが美しく、ひと目で心がパァーッと元気になり癒されました。あまりにも気に入ったので、友人たちにも勧めたところ、ぜひ欲しいということになって。私がまとめてオーダーをすることになったんです。一個人が、高額な絵を何度も注文するので、きっと向こうも「いったい何者?」と思ったんでしょうね(笑)」。
普通は、いくらいい絵だと思っても、自分で鑑賞するだけで終わってしまうものだが、それだけで終わらないところが、山中さんのスゴイところだ。仮に絵を見る目があったとしても、私だったら「自分だけのものにしたい」と思ってしまい、多くの友人に勧めるだけの心の広さは、ないだろう。
◆◆
そんなある日、山中さんに、ギャラリーから運命の電話があった。
「ジョアンが来日するので、会ってみないかと言われたんです。てっきり東京か大阪だと思っていたら、なんと熊本! それも30分しか時間がないということだったんですが、いちもにもなく、飛行機に飛び乗り会いにいきました!」。この時の山中さんの情熱が、天職をつかむことにつながった。
半年ぐらいして、ジョアンさんから「正式に日本代理店をしてほしい」という依頼があり、なんと当時妊娠7ヶ月にして会社を立ち上げたという山中さん。しかも初産だ。臨月を目前にして、迷いはなかったのだろうか?
「チャンスを失いたくなかったんです。してみたいと思ったことは、あまり考えずにまずアクションを起こしてみます。英語を勉強したのだって、この仕事を始めてから。頭でっかちになったらおしまいだと思うんです。与えられた環境に対しては受け身で流れをつかんできた。チャンスはみんなに来ているけど、つかまえるかつかまえないかは自分次第なんです」。それに、山中さんが会社設立を決意した理由はもう一つあった。「ジョアンさんは、当時3才ぐらいのお子さんがいてがんばっている女性。そういう点からも、ぜひ協力したいと思って」。
その後、会社を立ち上げてから、3人の子どもを次々と授かった山中さん。海外のパーティーにも大きなお腹に着物姿で臨み、周囲にビックリされたことも。
「あまり計画性はなく、自然に3人の子どもに恵まれたという感じです。たまたま元気だったので、出産当日まで仕事をしていて、翌日には個室で会社の書類に目を通していました。
赤ちゃんはお母さんを選べないから災難かもしれませんが、生まれたときから仕事をしている母親なので、それが自然だと思って育つでしょ?」と笑う。
仕事をしていると、どうしても、毎日、子どもと触れあう時間が限られてしまうが、
「子どもから話かけてきたり身をすり寄せてきたり、私を必要としているときには、何をおいても子どもの方を見て抱きしめて、集中して話を聞くようにしています。量より質が大切」と潔い。夕方の子どもの習い事の送迎は都合がつく限り自分で車を出し、「子どもひとりひとりと個室で話す時間を大事にする」工夫も惜しまない。
■人柄がよかったり、その人の作品に惚れ込んだりで、心から「みんなに広めたい」と思う人との偶然の出会いを大切にして、仕事をしてきました
あくまで自然体な山中さんだが、天職といえる画商の仕事に気負いはない。
「いいものを見つけると、みんなに教えたがりな性格なんです。「聞いて聞いてー」と言わずにはおれない(笑)。世話好きが高じて、マネージメントの仕事に繋がったのかなと思います。
なので、「●●円以上売れる画家を見つけよう」という気持ちはないんです。人柄がよかったり、その人の作品に惚れ込んだりで、心から「みんなに広めたい」と思う人との偶然の出会いを大切にして仕事をしてきました。そういう意味では、野心的に仕事をしているわけではないんですよ(笑)。その分、自分にしかできないスタイルで、長続きしているのかもしれません。」
山中さんにとって、仕事とはなんだろう?
「社会で一生勉強していきたい。たまたま今選んでいる絵は受け身な素材だけど、これまで服飾を勉強したり、美術館巡りをしたりと芸術が好きだったので、それを元に、色々な人と出会わせてもらい、勉強させてもらえてるんです」とあくまでも謙虚だ。最近、仕事を通じて、環境問題にも興味を持つようになったという。「ジョアンも佐藤潤先生も、自然や動物を描いていて、それは大切なモデルたち。その作品を通じて、自然の大切さを知ってほしい。収益の一部をWWWジャパンに寄付したり、環境についてのパネルを展覧会の会場においたりと、私にできることをしています。子どもたちのまたその子どもたちにも、環境問題を伝えることのお手伝いができればと思います」。
山中さんには、いい意味で、周りの人を巻き込んでしまうパワーがある。そして、そのパワーが人を動かし、人と人とのつながりが生まれ、連鎖していくのだ。
山中さんの世界を股にかけたスケールの大きい仕事ぶりを目の当たりにすると、自分がとっても矮小に見えてしまう。山中さんは以前、知人に「子連れ出張など、先方の理解を得てワガママを通してもらえば、それはワガママではなくなるよ」と言われたことがあるそうだ。その言葉を聞いて、「私の仕事のスタイルはこうです。家庭はこうです。それでもよかったらどうぞ」という具合に、理解してもらえる相手と仕事をすればよいと悟ったという。「体当たりしてみてダメな場合は、また工夫すればいい」と柔軟に考えるのがそのパワーの秘訣だ。海外の出張もなるべく子連れで行くことで、子どもの見聞を広めてあげるのが楽しみという山中さん。
固定観念に囚われずに、一歩踏み出せば、山中さんのように、大きな世界が広がってくるのかもしれない。
●●プロフィール山中満子さん 株式会社アークコーポレーション代表取締役。京都生まれ。大学で服飾デザインを学び、卒業後、個人事業で衣料品の卸売りに携わる。結婚後、ジョアン・フックの絵に魅せられ、絵画の卸売会社を設立。同年長男を出産し、現在、二男一女の母。
■3人のお子さんがいてよかったことは?
出張などで留守をしているときは、本当に3人いてよかったと思う。子供の社会ができあがっているから。お兄ちゃんが、お風呂掃除をして、弟、妹を寝かしつける。子供たちも楽しんでいて、そんな姿を見ると、かえって母親がいなくてしっかりしてよかったんじゃないかと思う時がある。
友だちに相談されると、「3人兄弟っていいよー。産みなさい、産みなさい!」とみんなに勧めている(笑)。
■家事・子育てと仕事の両立で意識していること
最初から、専業主婦でいる自分というのは、考えていなかった。子どもが産まれてすぐ、家のお手伝いをしてくれるスタッフを2人雇って、ローテーションで家事全般をしてもらっている。どうしても夫と自分が同時に出張に出るときは、母親に頼んでいる。本当に、周りの人に恵まれたと思う。色々な人の力を借りて、子どもを育てることができている。
子供を外に預けることには、抵抗を感じていた。なるべく家で育てたい気持ちがあって、保育園には入れず、幼稚園に入れた。私がいない時は、スタッフに家に来てもらって育ててもらった。時間も自由になるし、この職業だからこそ、仕事と子育てを両立できたと思う。
これまで夫の理解があるからこそ、仕事を続けてこれた。ただ、会社や育児を手伝ってくれると思っていた夫は、航空・宇宙機器部品などを製造する会社の経営者として忙しく、無理は言えないという思いがある。家事育児は、私だけしかできない、母親でしかできないポイントは押さえるようにしている。
■これまで仕事をやってきて一番嬉しかったこと
自分の誕生日が、東京のジョアンの展覧会と重なり家に帰れないことがあった。ジョアンがそれを知り子供たちと過ごせないことを心配して、私のために花の絵を描いてプレゼントしてくれた。「家族に会えない満子のために」とメッセージを込めて描いてくれた絵が私の宝物だ。
また、以前、ジョアンがオーストラリアのギャラリーを閉鎖することになったので、次男を連れて飛んで行った。その時、みんなの前で、「満子というパートナーと出会って本当によかった」とスピーチしてくれた。ジョアンの絵に憧れてこの世界に入ったので、そこまで評価してもらえて幸せだった。もっとバリバリと働く代理店はいくらでもいるのに、私でよかったと言ってくれたのだ。いいパートナーに巡りあって、私が生かされていると感じた。
■ワーキングマザーやこれからワーキングマザーを目指す方へのメッセージ
リラックスして、気持ちをゆったり持ってほしい。よいアイディアを出してよい仕事をするには、心に余裕が必要。
某ブランド会社の社長は3日しか社長業をせずあとは子供との時間を大切にするそう。
「週5日必ず働かなくてはいけない」という時代でもなく、色々な形態の仕事がある。自分たちの家庭や子どもにあった形態の仕事をしてほしい。子どもは母の背中を見ているし、協力してくれているのを感じる。自信を持って仕事をしてください!
■お知らせ
8/1~8/7まで、日本橋三越で、 佐藤潤氏、ジョアン・フック氏の展覧会を開催中です。ぜひ、山中さんの人生を変えた絵画を生でご覧になってみてはいかがでしょう?
また、今回の展覧会にちなんで、絵画の読者プレゼントをWMS読者に特別にご提供いただきました。応募方法は後日サイトにてご案内します。奮ってご応募ください。
2006年07月18日
「パパ権」が社会を変える!?
投稿者 常山あかね

「パパ権」。この聞き慣れない言葉を提唱する興味深い本、『「パパ権」宣言!』を読みました。「パパ権」=「男性が子育てと家庭生活にたずさわり、その苦労と喜びを享受する権利」だそう。実際に子育てを実践する3人のパパたちが、【男性の子育て参画を阻む社会に対して、いまこそ「子育て権」を宣言しよう】というものです。
この本が面白いのは、3人の著者の方々自らが、それぞれ独自のスタイルで子育てを実践してき方々ばかりで、机上の空論ではないところ。
奥さんがフルタイムの会社員で、自身が自宅で文筆業と育児を行う川端氏、広告デザイン会社を経営する傍ら小学校のPTA活動を精力的に行い、オヤジたちを地域に呼び戻すことことで学校と地域の融合を提唱・実践する岸氏、大学教授として教育学を研究しながら、自ら子育てに携わってきた汐見氏。
それぞれの視点で、パパが子育てをすることの楽しさ、苦労が描かれています。
私がいちばん共感を覚えたのは、3人のパパたちの対談の中での川端氏の発言です。
奥さんがテレビ局というかなり強度の労働を強いるタイプの仕事場で活躍しているということで、自ら自宅でできる文筆業という道を選んだという川端氏。
「夫婦がいわばひっくり返っただけなので、僕の個人的な気持ちとしてはパパ権ではなくて「ママ権を保障せよ」なのです」「僕の場合は単にひっくり返ったことをやっているわけで、構造的には歪みを解消したわけでも何でもない」。この発言の中に、真実があると思いました。
つまり、パパ・ママのどちらかかが過剰な労働を強いられるという構造が変わらない限り問題は解決せず、総仕事量が減らない限り、在宅ワークの活用など、従来からの仕事のスタイルを変える方向にシフトしていかないと、明るい未来は描けないということになります。
ライフワークバランスの大切さが叫ばれる現在、あと10年もたてば、「パパ権」っていう言葉が昔流行ったよね!という具合に、笑い話になる社会がくればよいと思います。
「3人で行こう!仕事も子どももあきらめない」インタビュー第1回 <絵本店スタッフ中村朝子さん>
投稿者 常山あかね
■子育てを通じて出会った絵本を職業に
中村朝子さん
こどもの本のみせ「ともだち」スタッフ(共同経営)
JPIC(財団法人出版文化産業振興財団)読書アドバイザー
■子育てが苦手な人にとってこそ、絵本はよい武器になるんです
慶応大学のお膝元、日吉駅から歩いて15分ほどの閑静な住宅地の一角に、こどもの本のみせ「ともだち」はあった。地域で親しまれ、今年33周年を迎える伝統ある絵本・児童書専門店だ。狭い店内に、ところせましと絵本、児童書、絵本関連のキャラクターグッズが並んでいる。
置いてある本は、売れ筋というよりも、選書へのこだわりや愛情が感じられる本ばかり。自分のお気に入りの本の数々も、ちゃんとこの店には並んでおり、まるで家の本棚のような心地よさを感じて、思わず小躍りしてしまう。
そこに、TシャツとGパン姿で忙しく店番をする中村さんの姿があった。この店の共同経営者として、スタッフをやりはじめて5年。中村さんの勤務は、土曜日の店番と平日1~2日程度の出勤、自宅でのPC作業が中心だ。小さい書店なので、店番、仕入れ、WEB制作、イベント(読み聞かせの会)からすべてを担当している。専門書店ということで、現在売り上げは上り坂ながらも経営は厳しく、スタッフで分ける報酬も、時給にしてわずかだという。

もともと、さぞかし絵本に興味があったかと思いきや、大学の理工学部を出てメーカーで携帯電話の設計開発の仕事をしていた中村さんは、子どもが産まれる迄は「絵本には全然関心がなかった」という。
中村さんが絵本に興味を持ったのは、子どもに初めての絵本を買い与えたことがきっかけだった。
「まだ小さいのにシーソーの話を選んでしまったんです。1才くらいなので、重い軽いもわからず、反応もなく大失敗。我ながら、とんちんかんなものを選んでしまったと落ち込みました(笑)」。
そんな時、パソコン通信の子育てフォーラムに入っていた中村さんの夫が、
「百町森」という有名な、子どもの本とおもちゃの店のスタッフの人らと知り合う。「相沢康夫さんの『好きッ!絵本とおもちゃの日々』のサイン本をもらって。それを読んだら、すごく楽しかったんです。私が知らない最近の80年代くらいからの絵本にもとても面白いものがあるのを知り、絵本の世界にはまっていきました」。
中村さん自身、絵本と接するうちに、小さい頃の思い出がふいに浮かんできたという。
「自分には、絵本といえば『ぐりとぐら』『ちびくろさんぼ』とかの思い出があったんです。読んでもらったことは覚えてないんですが、お母さんが眠そうだったことや、本の内容自体は覚えていて、記憶が蘇ってきたんです」。
もともと、子どもと遊ぶのがあまり得意ではなかった中村さんだが、絵本にはまりだしてからは、親子で過ごす時間が楽しくなり、日常生活でも、「あの本に出てたのがあれだね?」と絵本を通じた共通の体験があるため、話題が広がっていったという。「こんなに楽しいならみんなに広めなくちゃ!」というのが現在の仕事を選んだ原点だ。中村さんは、自身の体験から絵本の魅力をこんな風に語る。「子育てが苦手な人にとってこそ、絵本はよい武器になるんです」。
■家事・育児だけをやっている自分は、自分ではないような気がしたんです
その後、中村さんは、地元の図書館で「親子で楽しむ本の世界」という講座を受講。読み聞かせの活動を勧められた。当時、子どもは0才と3才。それまでは、黙々と家で楽しんでいた絵本だが、そのよさを広めたくて、地域の読み聞かせの会のボランティアに参加。そのメンバーの中に、こどもの本のみせ「ともだち」の元スタッフがいるのを知り、積極的に見学に行かせてもらったり、「何かお手伝いができれば」とさりげなく伝えておいたという。
ある日、その知人から、「ともだち」の経営が思わしくなく、新しい経営スタッフを募集していることを聞き、「夫のいる土曜日の1日だけでも仕事をしたい」という思いで「いちもにもなく飛びついた」という。
当時、3才と5才のお子さん2人を抱え、不安はなかったのだろうか?
「家も遠かったけど、このチャンスを逃したくなかったんです。やりたいことを我慢できないタイプなんですね。正直、家族に気兼ねする気持ちはありましたが、すぐに主人を説得しました」。ほどなく、3人目の子どもを出産したが、店番ができない間も、自宅でできるメールの仕事や、書店のホームページ作りに励んだ。
読み聞かせの会の先輩の中には、中村さんの大変そうな様子を見て、「子どもが手を離れてから、活動してもいいんじゃない?」というアドバイスくれる人もいたという。
「家事・育児だけをやっている自分は、自分ではないような気がしたんです。やりたいと思ったことは、何をおいでてもやりたかった。
子育てが終わってからというのでは、3人も子どもがいるので、活動をはじめるまでに十数年もかかってしまう。我慢したら、きっかけを失うと思いました。それに、子どもが小さい時期だからこそやりたいのかもしれない。自分の子どもに絵本を読むだけではなくて、他の人に発信したかったんです。
そうすることで、子育てを終えたときは、もっと花開いていたい。きっかけは子どもだったけど、子どものためにはじめたわけではないんです」。
子どもたちは、たまに「絵本は好き?」と他人に聞かれると、「(絵本は)お母さんが大好きなの!」と答えるという。「自分が輝いていれば子どもにもきっとよい影響がある」というのが、中村さんの信念だ。
■自分の夢の仕事と、お金を稼ぐための仕事を上手に使い分けて目標へと進む
「その子が大人になったときに、記憶に残る、親子のお気に入りの1冊を生む手助けをしたいんです。母親が読んでくれたという思い出は記憶に残ります。時間があっても子供と遊ぶのが苦手な人にも、絵本はよい武器になります。忙しく働いているお母さんでも寝る前に1冊本を読んであげることで、子どもの思い出に残ると思うんです」。熱心に語る中村さんの言葉には、経験に裏打ちされた説得力がある。
将来の夢は、「自分で新たに絵本の店を開くこと」。
夢を実現する資金を貯めるために、書店の店番がなく子どもが幼稚園に行っている平日の数時間、パートで経理事務の仕事もこなしているという。自分の夢の仕事と、お金を稼ぐための仕事を上手に使い分けて目標へと進む。これが中村さん流のワーキングスタイルだ。「生涯を通じてできる仕事を見つけることができました」と微笑む中村さんの顔には、地に足の着いた自信がみなぎっていた。
好きなことにとことん夢中になれるって羨ましい。私も絵本は好きだが、中村さんほどには好きじゃないということがよくわかった。こじんまりとした書店の中を、所狭しと働く中村さんのキラキラとした笑顔が、どうしようもなく羨ましかった。

●●プロフィール
中村朝子さん。現在、横浜市港北区日吉にある絵本児童書専門店 こどもの本のみせ「ともだち」スタッフ(共同経営)。JPIC(財団法人出版文化産業振興財団)読書アドバイザー。大学理工学部卒業後、メーカーで携帯電話の開発の仕事に携わるが、出産を機に退職。2002年より現職。3児(1男2女)の母。
■3人のお子さんがいてよかったことは?
産むならとことん3人産みたかった。たくさんの兄弟の中でたくましく育てたかったので。3人いてよかったことは、子どもが大きくなると、お互いが世話(遊び)をしてくれること。それぞれの年代でそれぞれの感じ方があり、それが集団で絡み合い面白い。3人各々個性があり、絵本を読んで反応を観察できる。現在の仕事も、子育ての経験をアウトプットすることで、プラスになっている。
■家事・子育てと仕事の両立で意識していること
家事はお母さんの仕事ときめつけずに家族で分担してやること。子供が「お手伝いをやる」というのはおかしい。家事はお母さんの仕事ではなく、みんなでやる「家の仕事」。「夫に家事をしてもらう」という考えはよくない。「家の仕事は家にいる人がやる」という概念を家族に植え付けて、自分自身もラクになった。「土日は必ず1コ仕事をやること」など、家族でルール決めをしている。
■これまで仕事をやってきて一番嬉しかったこと
小さい頃読んだ本を探しに来た人が、その本を見つけて喜んでくれたとき。自分がアドバイスしたプレゼント用の絵本が子どもにすごく喜んでもらえたというメールをもらったとき。自分がやったことによって、ポッと温かい瞬間が生まれたのを感じることができたときが嬉しい。
■ワーングマザーやこれからワーキングマザーを目指す方へのメッセージ
固定観念を捨て、やりがいとお金のバランスを見ながら、色々な形の仕事をうまく組み合わせて夢を実現してほしい。仮に保育園に入れなくても、延長保育がある幼稚園を選んだり、保育園の一時預かりを利用してもいい。預けることが心配な人も、思い切って預けることで、親子共々充実して成長できると思う。
スペシャルカテゴリ「少子化を解消するワーキングスタイルとは?」
投稿者 常山あかね
先日、厚生省の国立社会保障・人口問題研究所より、第13回出生動向基本調査結婚と出産に関する全国調査「夫婦調査について」が発表されました。
結婚15~19年の夫婦の出生児数は、これまでの2.2人前後から、2.09人に減少。理想の子どもの数は2.4人と、はじめて2.5人を下回ったそう。また、子ども3人を持った夫婦の割合が減り、1人っ子、子どもなしの夫婦が増えています。1960年代生まれの母親の出生地からが低下しているという興味深い結果も!
実際に子供を産むつもりの予定数(2.11人)が、理想の子供数を下回っているおもな原因は、
「子育てや教育にお金がかかりすぎる(65.9%)」を筆頭に、「高年齢で産むのはいや」「育児の負担に耐えられないなど」。また、「自分の仕事に支障がある」「夫の協力が得られない」などの理由も少なくありません。
出生力が低下している顕著な世代である1960年代生まれの私としては、周りの友人を見渡して、少子化解消の鍵を握るのは、「仕事」「お金」「夫の育児参加」ではないかと感じます。
つまり、企業に勤務している女性は仕事のキャリアを失いたくなく、一方、仕事に就いていない女性は、教育費など子育てにかかるお金に不安を感じています。また、男性がおもな稼ぎ手になっている
多くの家庭では、男性の育児参加の時間は、物理的にほとんどありません。(特に平日!)
そして、3人以上の子どもを持っている女性に、SOHOスタイルでの自営業や会社経営者(起業家)が多いという事実にも、気付きました。
私自身は、長男が産まれてから、ずっとSOHOスタイル(自営業)で仕事をしてきました。今は、3人の子どもがいます。子どもが2人のころは、「私もいつかは社会復帰して、都心で働きたいなぁ」と密かに会社勤めにも未練を持っていましたが、子どもが3人になった時点で、「会社員としてやっていくことは物理的に無理!」と気持ちが吹っ切れ、SOHOスタイルで仕事をしていく覚悟のようなものができました。
実際に、このワーキングスタイルで仕事をしてこなかったら、近くに実家があり親の支援が受けられるわけではない状況で、働くこと自体が困難でした。今後も、このスタイルを続ける限り、無理なく仕事も子育ても両立できる気がしています。
そこで、このワーキングスタイルを広めることで、少子化が解消されるよい循環ができるのではと思いました。「女性がキャリアを生かして仕事を続けることができる→金銭的に余裕が出る→夫が過剰な労働から開放され子育に参加できる」という構図です。
多くの方の参考になるようにと、7月から連載を開始する「3人で行こう!~仕事も子どももあきらめない」のインタビューでは、子育てと仕事を両立できる独自のワーキングスタイルを実践されている方々から、お話を伺うことができました。
こどもの本のみせ「ともだち」のスタツフ中村朝子さん、イタリア食材の店「トスカニーワインハウス」店長吉田亜樹子さん、授乳服「モーハウス」代表の光畑由佳さん、画商会社「アークコーポレーション」代表の山中満子さん、そして、本日取材させていただくのは、新著『未妊』が話題のお産ジャーナリストの河合蘭さん。これからも、色々な方のワーキングスタイルを紹介させていただくことで、この潮流が少しでも広がればと願っています。
スペシャルカテゴリ「はじめに」
投稿者 常山あかね
「少子化を解消するために何か役に立てたら」と最近、痛感します。
近頃、少子化のニュースがよく目につくようになりました。2005年の合計特殊出生率は1.25。政府の予想より2年早く、統計史上初の日本の人口の自然減少がおこっています。
そこで、「私にできることは何かな?」と考えた結果、その第一弾として、自分自身の3人の子育てとライターの仕事の経験を生かし、「3人の子どもを育てながら、独自のワーキングスタイルで好きな仕事をして輝いている女性たちのインタビュー」をブログに連載していこうと思いたちました。与えられた仕事ではなく、自らの意思でどうしてもやりたかった、はじめてのインタビューです。
これまで快く取材させていただいた皆さま、本当にありがとうございました。
有名無名問わず、私が「これぞ!」と思った方々に、お話を伺わせていただくことができました。皆さんキラキラと輝いていて、驚きの連続とともに、圧倒されっぱなしです。私も、知らず知らずのうちに、自分の行動範囲や行動を限定して生きていたのだなと気付きました。
7月から、インタビュー記事を少しづつアップしていきたいと思います。
さまざまな理由から、働きながら子どもを産もうかどうか迷っている皆さんの、何かのお役に立てればと思っています。乞うご期待ください!
2006年07月14日
M字カーブは解消に向っていない?
投稿者 常山あかね

「M字カーブ」という言葉をご存じでしょうか?M字というと、思わずインリンを思い浮かべてしまう方(私だけ?)もいるかもしれませんが、M字カーブとは、「女性の労働力率(有業者と失業者の合計が人工に占める比率)が、出産・育児期の30代をピークに、一時的に落ち込む現象」を言います。
昨日の7/13付け日経新聞朝刊に、そのM字カーブについて、興味深い記事が出ていました。
内閣府の調査によると、出産・育児を機に仕事を辞める女性が増える「M字カーブ」が、2002年の調査では、1987年と比較して、見かけ上は改善しているように見えるというものです。
しかし、特に25~29才の女性の労働力率が著しくあがっているのは、女性の晩婚化や非婚化、晩産化によるもので、女性の仕事と子育ての両立が進んだわけではないそうです。欧米主要国ではM字カーブ現象はほとんど解消されており、OECD加盟国で今もM字カーブが確認できるのは、日本と韓国だけというあまり喜ばしくない話も。
一方、厚生労働省の調査によると、「社員が仕事と子育てを両立できるような支援が手厚い企業は業績もいい」そう。社員のやる気や、一人当たりの経常利益も高く、採用に関しても、質・量ともに必要な人材(新卒)が確保できた確率も高いという、納得できる調査結果も。
極めてあたりまえのことだけど、「子育だけでもイヤ、仕事だけでもイヤ」という、仕事と育児を両立したい多くの女性が満足できる働き方が普及して、初めて少子化が解消されるのではと強く思いました。
2006年07月06日
もうすぐ3人目出産、気合いの入る姉2人(笑)
投稿者 有栖川ゆうこ
すでに3人育児の先輩である茜さんの子育てブログ「うちの3姉妹」に学ぶの
少子化問題の解消に必要なのは、難しい理屈や制度ではなくて、「心の底から子どもを可愛いと感じる瞬間をどれだけ持てるか」ではないか
というコメントをを読んで、
もうすぐ3人姉弟(どうも男の子らしいです!)になる我が家は、どうなるのかなぁ、と更にワクワクしてきました。
まだ、産まれていないのですが、家族が増えるという期待感から、産まれる前から娘1号・2号の発言が、気合いが入りまくりで、非常に楽しいんですよね(笑)。
特に6歳(年長)の娘1号は
「私が家にいる時は、オムツ替えは私がやるでも、うんちは大人ね」
「私が保育園から帰ってきたら、私がお世話するから、お母さんはお仕事場(住居隣接で、事務所が別棟であります)でお仕事してていいよ!赤ちゃんが泣いたら呼びに行くから~」
などと、
「あ、あのー。そ、そこまでしなくてもいいよ!??」
と、ツッコミいれたくなるほどの、張り切りぶり(笑)。
どうやら、保育園で1歳児さんのお世話をしたりする(年長さんが、お昼寝の寝かしつけの「トントン」を担当する事が多いのです)ことで「お世話する自信」が少なからずあるようで(笑)
まぁ、実際のところは、そこまでの活躍は難しいとは思うんですけどね~(^_^;)
でも、そういって、待ち望んでくれているだけでも、本当にうれしい瞬間です。
そして、私自身、3人姉妹の末っ子だった上、5歳と7歳離れた姉がいますので、きっと私が産まれた当時は、姉たちもこんな風に喜んでくれてたんだろうなー、と思うとそれだけで、幸せな気持ちになれるのでした。
娘2号は、じつはまだオムツが完全に取れてないんです。(夜はパンツ型紙おむつ使用中)
夜寝るときは、まだまだ私にべったりだし。
「おねーちゃん」になって、どうなるのか、楽しみですが、一抹の不安が…(^_^;)
うまく、作用するといいんですけどね~
2006年07月04日
3人産むなら福井県?
投稿者 常山あかね

今日、NHKの朝のニュースを見ていたところ、出生率の低下の続く全国で、唯一、出生率が上昇している県があり、それが福井県だそうです。福井県は、2006年度から、第3子以降の妊婦健診と、3歳までの保育料を原則無料とする「ふくい3人っ子応援プロジェクト」を始めたことで話題に。働いていない母親への支援として、保育所での子どもの一時預かりも無料だというから本当に羨ましい限り。
医療費についても、既に2001年から、3歳未満のすべての乳幼児と、3子以上の世帯の子供を就学まで全額公費負担にしているそうです。ニュースでは、福井県在住の子育中の女性が何人か取材されており、「3人子どもがいて本当にラッキーです♪」と笑顔で答えていたのが印象的でした。
福井県は、そもそも3世代同居や共働き家庭が多いという地域特性もあると思いますが、自治体の少子化対策の効果が顕著にあらわれたよい例ではないでしょうか。
金銭的なことばかりではなく、子どもを産むことが歓迎されるという風潮も、出生率の上昇に一役買っている気がします。
世界的に見ても、少子化を克服したフランスやデンマークなどは、政府の少子化に対する手厚い対策が功を奏したと言われています。
私の住んでいる横浜市では、子どもの人口が多いこともあり、すべての世帯が受けることができる少子化支援は「0歳児の医療費無料」と極めて限定的。人口の多い都市部の少子化対策がどのようになるのか、今後目が離せませんね。

2006年07月03日
子育てブログ「うちの3姉妹」に学ぶ
投稿者 常山あかね

みなさん、「うちの3姉妹」という爆笑育児日記ブログをご存じですか? アメーバブログの育児部門で人気ナンバー1の、超話題のブログです。そのブログが本になったということで、先日、お仕事で、作者の松本ぷりっつさんのインタビューに伺いました! → インタビューはこちら。
実際のぷりっつさんにお会いして素敵だと思ったのは、その外見もさることながら、子育てをひっくるめて「今」を心から楽しんでいるところ。育児ブログを書かれているということで、さぞかし育児の世界(際限なく奥が深い!)にはまっている方かと思いきや、意外にも、趣味で競馬ブログを運営していたり、夢は馬主になることだったり。よい具合に肩の力が抜けていて、私よりだいぶ若い方なのに、本当に人生を楽しんでいる感じがして、羨ましく感じました。私も、何か子どもたちの成長記録をつけておけばよかったな~とちょっと後悔。
少子化問題の解消に必要なのは、難しい理屈や制度ではなくて、「心の底から子どもを可愛いと感じる瞬間をどれだけ持てるか」ではないかと思います。この「うちの3姉妹」を読むと、そんなあたりまえのことが、胸に響いてきます。ひとしきり爆笑したあと、ほのぼのと温かい気持ちになるブログです。
2006年02月18日
東京23区の少子化対策
投稿者 fellow
先日、新聞を読んでいたら、東京23区の来年度予算案に新たな少子化対策がいろいろと盛り込まれている、という記事が載っていました。どれどれ、と読んでみたところ、トップに紹介されていた私が住む区の支援策が、あまりに貧弱で、がっかり。
「12歳までの子供がいる家庭に、区内の商店で使える商品券を配る。額は子供1人あたり五千円。」
これで、「やったー!」と喜ぶ子育て家庭が、どれくらいいるでしょうか。
「五千円」という額の少なさは、まあ、区の予算も厳しいのだろうなあ、ということにしておくにしても、区内限定の商品券とは。区境で、いつも行くスーパーは隣の区という場所に住む人も多いのに。「子育て支援と商業活性化の一石二鳥を狙う」とありましたが、なんというか、せこさを感じます。
私自身は、商店街でも時々買い物をしますし、商店街にもっと活気が戻ればいいなあと思うひとりですが、実際、「やる気」のないお店も多く、これじゃさびれてもしかたがないと感じることもしばしば。「子育て支援商品券」を使えるお店に、はたして、欲しいものがあるのかどうか、気になります。
他の区の対策といえば、
港区:「出産費を全額助成し、自己負担ゼロに」
千代田区:「妊娠五ヶ月の胎児から十八歳までを対象に『次世代育成手当』を支給」
(このふたつの区は、財源もわりあいあるのだろうなと想像します。)
大田区:「助産師による親への育児指導やヘルパーによる家事援助。対象は育児放棄などの問題がある家庭に絞る」
新宿区:「妊娠中の女性(父親や初産直後の女性もOK)が新生児に似せた人形を使い、湯浴みやだっこの練習をする」
(こういうサポートが、今の今まで「なかった」という方が問題では・・・。)
その他、品川区や練馬区は不妊治療費の一部を助成するそうです。こういうのは、実際的で、「生もう」というモチベーションを起こさせますよね。支援額がどれくらいかにもよりますが。
区という行政規模で、できることは限られていると思います。でも、小手先の、「一応、少子化対策をやってます」と言い訳になるような支援策ではなく、もっと身近に、すぐにできること、たとえば、子供の遊び場の確保とか、もっと簡単なことでは、公園や児童館、学童クラブの整備(古くて汚い施設の多いこと! うちの区だけかな?)など、区だからこそできることからやってほしい。今回の支援策のうち、どれだけのものが、実際に区民の要望を聞いて考えられたことなのかな、と思います。(特に、うちの区!)
実は、私が住む区は、猪口大臣も住民で、今年最初の区報では区長と対談していました。大臣、少子化対策って、こんなもんでOKなんですか?と、聞いてみたい!
2006年01月22日
10年で少子化を止める!「三人っ子政策」
投稿者 唐土かほる
唐土かほるです!
今週のテーマは「もしあなたが少子化担当大臣に任命されたら?」・・・ですが、もしも私が任命されたら、短い任期中に確実に成果を残すために、ターゲットを絞り込んで少子化に歯止めをかけることに注力します。
まず、着手したいことは「三人っ子政策」の推進です。
ちょっとデータが古くて恐縮ですが、厚生労働省が平成13年に発表した「家族と地域の支え合いに関する調査」によると、主たる生計者の年齢別に所帯ごとの子供の数を調査したところ、
20代以下の所帯で、1人=15.8%、2人=7.7%、3人以上=1.4%
30代の所帯で、1人=19.4%、2人=31.4%、3人以上=12.0%
40代の所帯で、1人=11.2%、2人=46.2%、3人以上=23.2%
だったそうです。お子さんがいらっしゃる家庭では、ひとりっ子よりも意外に2人以上という家庭の方が多いんですよ。でも、さすがに「3人以上」が最多数ではありません。唐土大臣、ここに目をつけました!
それでは「三人っ子政策」の発表でーす!
■「三人っ子政策」の概要■
少子化の進行を抑制するために、子供を産み育てることができる環境またはその意志がある家庭に対して、3人目の妊娠・出産から、支援を行います。
具体的には次の支援を実施します。
・第三子の妊娠時の検診等の費用を無料化
・第三子の出産費用を無料化
・第三子の出産より7年間、育児助成金として年間100万円を支給
・第三子の学費を無料化(私立の場合は助成)
ただし、この政策は施行後10年以内に第三子を出産した家庭に限ります。期限内に生まれた第三子が7歳になるまで助成金の支給は継続し、大学課程を終えるまで学費の無料化または助成を継続します。そして、育児休暇制度など第三子の出産・育児に関わる支援制度を見直し、第三子を産み育てることが容易になるよう徹底的に努めます。
・・・いかがですか?
徹底した助成で、「2人産むより3人産んだ方がトクかも」「結婚したら子供は2人、と思ってたけど、どうせ産むなら3人産んじゃおうかな」「兄弟ができて、もういいかな、って思ってたけど、また赤ちゃんの肌の感触を楽しんでみようかな」って、多くのカップルの背中をドーンと押してみたいと思います。
10年あったら、これから結婚するカップルでも間に合うでしょ?そうして、10年後には3人兄弟家庭があちこちで見られるようになり、それに合わせて企業のマーケティングも変化し、「4人仕様」から「5人仕様」「6人仕様」の家電製品や家具などが増え、社会の意識も変わってくると思うんです。
私自身、独身時代が長かったので、「女性はみんな子供を産むべし」と言われるつらさを知っています。私は子供が大好きで、自分の子供が欲しくて欲しくてたまらなかったのですが、シングルマザーという選択を取る勇気もなく、「結婚しなくちゃ、産みたくても産めないよ」「好きで独身でいるわけじゃないんだよ」って、心の中で叫んでいました。結婚していても、いろんな事情で不妊に悩んでいる女性だっています。だから女性全員に「産めよ増やせよ」キャンペーンを行うのって、嫌なのです。
でも、子供が2人いる家庭なら、もう一押しで3人にすることも可能かも・・・と思います。だから「三人っ子政策」というわけ。
フランスでは今年7月から「第三子向けの新しい育児休暇制度」が始まるようですよ。フランス政府はこの制度で10万人の出生を期待しているとか。
→ http://www.ecareer.ne.jp/contents/oversea/f04_4.jsp
日本はもっと強烈な「三人っ子政策」、いかがでしょう
2006年01月19日
「子育てのすばらしさを伝える」に賛成!!
投稿者 fellow
この前行きつけの美容院に行った時のことです。いつものように子どもの話をしていたのですが、結婚2年目の美容師(女性)に突然「子育てして変わりましたか?」と聞かれました。即「性格がまるくなったと言われます」と答えました!
職場でも、家庭でも、折り合いをつけられるようになったなと自分でも思います。よく、出産子育てで、人生観が変わるとか、考え方が変わるとか言われましたけど、まさしくそれです。
子育ての、いいところはいっぱいあるんだけど、年を重ねて変わらないだろうと思っていた自分の性格やポリシーが劇的に変わるというのも凄いところ。私の場合仕事にも良い影響を与えています。
確かに子育てのマイナス面としてお金がかかります。
しかし子育てじゃなくても、人が育つにははお金がかかるのは解りきったこと。趣味でも、勉強でもやっぱりモノにしたい場合は先生につくなり、学校に通う必要があるし、そうしたらやっぱりお金がかかっちゃう。
しかし、そのお金を払ってもいい魅力が子育てにはあるんだよ~と、もっともっと伝えていきたいです。
具体的な対策は思い浮かばなくて、トーンダウンしちゃいますが。
超長期的ですが、次世代の若者には
高校大学でも子育てとキャリアアップについて学ぶのを義務づける
というのはどうでしょう。今も昔も、考えるのは就職までじゃないでしょうか?これからの時代、結婚・出産後も働き続けるにはどうしたらよいか長期的に考えることも必要だと思うのです。
そして社会人の人には、彼女たちに直接訴えられるようなメディア(web、雑誌、TVなど)に、それとなく特集を組んで、いいところもいっぱいある ことを知っていただければ‥と思うのですが。
我ながらホントに超長期的計画ですね。。。
2006年01月16日
vol.67:今週のテーマは「もしあなたが少子化担当大臣に任命されたら?」
投稿者 村山らむね
先週のテーマの、「英語力どうしてる?」には、たくさんのコメントやトラックバックをありがとうございました。みなさんの英語やその他の語学への思いや勉強法、とても感心しました。「自分は駄目だけど、子供には…」という思いも散見し、子供の英語力関連の話題をぜひ今後のテーマでも取り上げたいと思いました。
さて、今週のテーマは 【家族時間モード】
ちょっと堅めに、少子化についてです。何度か、この今週のテーマでも取り上げてきましたが、少子化担当相が新設され、猪口邦子大臣が、現在奮闘中でもあります。
今回は、そんな猪口大臣にエールを送りつつ、実際に子育てと仕事の両立の真っ只中にいる私たちの目から見て、これが効くぞ!という対策を話し合ってみませんか?
あなたが、もし少子化担当大臣に任命されたらどんな策をまずとるか、どんどん案を出してみてください。すぐに着手することと、長期的にとりくみたいことと分けて書いて頂けるとうれしいです。
●ブログを持っている方は、ぜひこれについての記事を書き、トラックバックしてください。今まで書いた記事で、関連する記事のトラックバックも大歓迎です。
http://wms.kir.jp/cgi/mt-tb.cgi/1797
を、【トラックバック先のURL】に入れれば完了です!
●ブログを持っていない方は、コメント欄にぜひコメントしてください。
匿名希望の場合は、名前の欄に、「匿名」と入れてください。
メールアドレスは、dummy@wmstyle.jpを使ってください。
さて、わたしが少子化対策担当大臣であったら。
■すぐに着手すること
・育児中ママへの、息抜きパスを発行する
今、シルバー割引たくさんありますよね。映画館とか、乗り物とか。そういうものを、育児世帯にもほしいです。
わたしが育児していて一番辛かったのは、「子育て中は、自分の趣味などは我慢しなさい、たった10年くらいのことなんだから」と、禁欲を強いられたこと。子育て中だからこそ、映画をみたり、マッサージを受けたり、そういうちょっとした息抜きがどれだけありがたいか。
だから私は大臣として(笑)、育児中、マッサージや映画、美容院などを安くしてくれるクーポン券と、育児中のママパパに優しい施設(託児所を設けた商業施設)などへの減税などをすすめます。それの財源は、大人の空間(子供お断り施設)への重加算税でまかないます。
・残業の取締りを厳しく
子育てには時間がかかります。ママもパパも、会社から早く帰れるように、そして早く帰ることで、キャリアに傷がつかないように、全体的なワークライフバランスを是正します。
・育児支給をもっと、もっと
現在は、明確な育て損。子供を育てると、家計的にはどうみても、損です。それを長い時間をかけて、育て得にしなければ、絶対に子供は増えないと、思います。社会保障の70%が老人対策、育児関連は4%という現状は、いかにもバランスを逸しています。
■長期的にとりくみたいこと
・子育てからの社会復帰をより容易に
子育てママの社会復帰が、より多様に、より容易になるといいのでは。現在、好況なので、貴重な戦力として重宝されていますが、不況になるとすぐに調整されやすい戦力でもあります。自分ならではの付加価値をつけるということを、子育て中からできればと。
・子育て住宅を
私は出産時に社宅に住んでいて、それはもうたくさんの先輩ママに助けられました。あんなに楽しい1年はなかったでしょう。子供を通じて、お母さん友達がたくさんできたのです。あのような雰囲気が、もちろん嫌いな人もいるでしょうが、みんなでわいわい子育てしたいという人向けに、昔、企業が提供していた安くて同世代の人が集まるような、子育て住宅を、ぜひ作りたいです。
・子育てのすばらしさを、もっと
最近、子育てのネガティブな面だけ強調されすぎです。子供と生きるって、超楽しいことだと思います。それから、産まなくても親になれる制度も、もうちょっと緩和されてもいいと思います。
うーん、結構難しいですね。すぐにマスコミや抵抗勢力にぼこぼこにされそうです。
みなさんも大臣になったつもりで、どんどん政策を発表してください。
2006年01月13日
子育て支援がしたい!
投稿者 常山あかね

2006年になり、少子化のニュースがよく目につくようになりました。
平成17年度、予測より2年早く、統計史上初の日本の人口の自然減少が起こったそう。
子育て支援についてさまざまな対策が叫ばれる中、私自身も子育て支援がしたいなぁと強く思う出来事がありました。
実は数日前、あるSNSで、子育て関連のライティングの仕事の募集をしたのです。反応があればいいなぁと願う気持ちでしたが、書き込んで数分で、思わぬ数の問い合わせがあり、逆に焦ってしまいました。
応募いただいた方のプロフィールを見ると、当然、小さなお子さんがいらっしゃる方ばかり。
中には、赤ちゃんが年末に生まれたばかりの方も。リアルタイムの育児の経験を、何らかの形で仕事に生かしたいというたくさんの思いに触れ、ちょっと涙が出るほど興奮してしまいました。
私の中で「そうだ!私は仕事を通じて子育て支援がしたいんだ!」と、ムクムクと使命感が沸き上がってきた感じです。
と、まだ興奮醒めやらぬ状態ですが、今日は子育て支援について参考になる、読みやすく面白い本を見つけたので、ご紹介します。→「世界に学ぼう!子育て支援」
学術的な少子化本にありがちな堅苦しさがなく、世界の子育て事情を、漫画やコラム、データで読みやすくつづっています。人生色々、子育て色々・・・というように、様々な国のお国柄が伝わってきます。
でも、概していえるのは、日本に比べ、どの国も、お父さんが子育てや家事に深く関わっているということ。
特に女性の社会進出が進むデンマークでは、保育園へ子どもを連れて行くのは6割が父親で、夕食の支度も夫婦で分担する(例えば1日おきに交代)のが当たり前だそうで、ちょっとビックリ!(補足:ワークシェアリングと能力主義(短時間で仕事をこなす者を評価する)が浸透しているので、残業もないそうです)
合計特殊出生率が高く、「育児は楽しいもの」と肯定的にとらえているのは、さすがアメリカ。
1番ショックだったのは、日本が、「ジェンダー指数」が著しく低い国だということ。
「ジェンダー指数」とは、国連機関が作成していて、女性の所得、専門職・管理職・国会議員などに占める女性の割合を用いて算出するそう。国民の教育水準や国民所得は世界でも9位に入っているのに、ジェンダー指数は、なんと44位。(2003年資料)
女性の教育水準は高いのに、社会で活躍する人が少ないという典型的な国のようです。
このことが、最大の少子化の原因なのではと思います。
最後に、個人的には、フランスの離婚率の高さは気になりました。性的魅力を大人の大切な価値と捉えているため、愛が冷めれば夫婦が別れるのは当然のことだそう。妻の座が安泰という制度もない。なんだか子供を生んでからはめっきり性的魅力を高めることに興味がなくなってしまった自分。こんな時ばかりは、日本人でよかった~(^^;と思いましたが、2006年は、少し外面を磨いて、人生を楽しみたいと思います。
ワーキングマザーと不妊
投稿者 村山らむね
ワーキングマザースタイルを立ち上げてから、たくさんの方から、たくさんのメールをいただいております。その中で多いのが、不妊についての悩み。第一子を授からない、もしくは二人目不妊、さまざまな悩みをいただいております。
ちなみに、わたしは第一子は結婚して3年目に誕生。不妊の時期が2年間あり、そろそろ病院にと思ったら、なかなか生理が来なくて、逆に不安になり、診察してもらうと「おめでたです」と言われました。
2年間の不妊というと、「それほどではないじゃない」といわれたりもするのですが、私は本当に子供が欲しかったので、かなり悩みました。生理が来るたびに、泣きました。
そのころの私の愛読書が、主婦の友 赤ちゃんが欲しいシリーズ
。穴があくほど読みました。
第一子の不妊と、第二子の不妊では、事情が違うと思うので、ちょっとまとめます。こういうことは、正直、自分の恥をさらすことでもあるし、読んで不愉快になる方もいらっしゃると思います。
でも、一人でも悩んでいる方と悩みを共有できればと思います。
●第一子のとき
悩んでいたとは言え、病院に行ったりはしませんでした。その頃読んでいた赤ちゃんが欲しい
によると、病院に行くには、生理の直後がいいということで、そのタイミングを2、3ヶ月待っていました。
冷え性だったので、体を、特に下半身の冷えには気をつけていました。
旦那とは、その頃はまだ深くその問題について話し合うことはありませんでした。ただ、「2人で生きるのもいいね」とは話していました。あのまま子供に恵まれなかったら、特に治療もせずに、2人だけの生活をしていたかもしれません。今にして思えば、タイムマシンに乗ってでも「絶対にとことん子作りしなさい」と、こんこんと自分を説き伏せたでしょう。
おめでたです、と言われた日のことは、一生忘れないでしょう。あの日に出前でとったお寿司がわたしの人生のなかで、もっとも美味しい食事です。
仕事のタイミングとしては、壁にぶつかっていたときでもあるので、こういうことを書くのもあまりいいことではないと思いますが、願ったりかなったりのタイミングでした。
●2人目不妊
長女を授かって、2年目に引越し・転職・激務と環境がかなり厳しくなりました。2人目がほしいとずっと思っていますが、なかなか授かりません。
婦人科にも行きましたが、特に異常は見つかりません。
原因は、一人目のときもそうだったのですが、仕事で疲れているとなかなか子作りが難しいというのが、主原因。実は、主原因は、わたしなのです。
婦人体温計
も買いました。(私が持っているのはこの前の機種ですが、最新機種は、暗いところでも測れるようです。そのほうが絶対に便利だと思います)
排卵検査薬
も定期的に買っています。(わたし、なかなか色の差がわからない・・・)
マカ
も飲んでいます。(これは妊娠するしないは別として、生理不順がずいぶん楽になりました)
この3つは不妊三種の神器と、勝手に呼んでいます。ちなみに、これ
ももっていますが、私には見分けがつかなかった。
でも、でも・・・(以下略)
本当に子作り!をするべきなのか、自然に任せるべきなのか。「自然に任せていては、なかなか妊娠するのは難しいな。でも、子作り!と気合を入れたくないな」そんな逡巡の中で、なんとなくタイミングを逸してきた、この8年間。
今年は、もうラストチャンスかな?と思っています。「欲しいけど、一人でもいいかな?」と、ソルトレークオリンピックの頃も思っていたような気がします。
仕事のタイミングとしては、サラリーマンを辞めた今、妊娠より重視されるものは何もないと思っています。でも、サラリーマンであれば、タイミングは本当に難しいと思いますね。会社員のワーキングマザーは、2人目・3人目を産みやすいように、ワーキングマザー自身はもちろん、それ以上に、その職場や同僚の人を支える仕組みが欲しいと思います。周りが心から喜べるような仕組みが。
不妊治療の金銭負担への助成が検討されていますし、自治体では一部助成が始まったところもありますが、国レベルでは、まだまだ。保険の完全適用を一日でも早く、実現して欲しいです。子供がほしいと努力している人に、どうして手が差し伸べられないのでしょうか?金銭負担、休むことへのまわりの理解、土日診療。さまざまなことが実現されるといいと思います。
ああ、赤ちゃんがまた産みたい。あの柔らかい感触。そして自分が生き物であることを真から実感するあの時間。
治療か、自然か。その2つの選択肢のなかで、揺れ動く今日この頃です。
2005年10月31日
ベルマーク商品を買おうよ!
投稿者 村山らむね
娘が小学校に入って、ショックだったこと。それは、昔はずらずらと並んでいたベルマーク協賛会社一覧の紙が、すっかりすかすかになってしまっていたこと。
昔は、台所に必ずこのベルマーク表と、ベルマークを貯める空き箱があって、見つけると一生懸命切り取って、わくわくしながら貯めたものだ。
1点が1円として換算されて、学校の設備などの購入に使われるというシンプルなもの。PTAで順番に役割が回ってきて、会社や点数ごとに分類してホッチキスでとめていくというのを経験し、あまりのアナログさにびっくりしました。(これってもうちょっとICタグとか使ってどうにかならないかと思うけど)
とにかく、この協賛会社が減ってきていると言うのは、とても寂しいことだ。学校教育をサポートするという考え方を、少しずつ、企業が捨てているのでしょうか?
消費は消費者が一番身近にできる、世の中を変える力です。その価値基準にぜひベルマークも入れてください。保育園や幼稚園のママのみなさん、お兄ちゃん・お姉ちゃんが小学生のお母さんにぜひ、貯めたベルマークを託してください。
■ベルマーク教育助成財団
エプソンやキャノンのトナーカートリッジもベルマーク対象です。ぜひとっておきましょう!
2005年10月22日
育児でお給料をもらう?
投稿者 fellow
10月17日(月)の日経新聞朝刊に、「人口減と共に生きる~私の意見」という、読者の声とあわせて識者の意見が紹介されているコーナーがありました。その中に、「塩じい」こと塩川正十郎前財務相の意見があり、次のようなことが書かれていました。
若いお母さんは子どもを保育所に預けるのではなく自分で育て、国から幼児扶養料という月給を得る。
へえー、育児をきちんと「仕事」として認めるということか、と思ったところ・・・
公立保育所を廃止すれば財源はまかなえる。
と続いていたので、がっくり。キャリアを続けていきたい母親は、どうすればいいんでしょう? 「公立」とあるので、「私立」の保育所を頼んで、ということなんでしょうか? あと、「お母さん」だけでなく、「お父さん」が育児に専念しても、お給料はもらえるのかしら?
塩川前財務相が考える育児の「月給」がどれぐらいの額なのかも、気になります。皆さんは、いくらぐらいもらいたいと思いますか? いや、それ以前に、お給料をもらえれば、育児に専念できますか?
私自身は、育児はお金に換算できない「仕事」だと思いますし、それどころか、お金をもらうだけでは全然足りません。
夫も育児に関われるよう、早く家に帰れるようにしてほしい!
一日中子どもと狭いスペースで顔をつきあわせてたまるストレスを考えると、広い家が欲しい!
子どもが自由に安全に遊べる、原っぱのような「外の」遊び場プラス「中の」遊び場が欲しい!
自分が病気になったり、冠婚葬祭に出席したり、友人と会ったり、勉強したり、息抜きする時に子どもを安心して預けられる保育施設が欲しい!
気軽に育児のことを相談できるカウンセラーが常駐する「子育て広場」が欲しい!
それに何より、
子育てに理解のある社会、子どもに優しい社会が欲しい!
公立保育所を廃止するだけで、これだけのニーズ(って、私が言ってるだけですけど)をまかなえる財源が得られるとは、とても思えません。
それから、もし、数年間、育児に専念するとしても、子どもが成長した後はどうするのでしょう。育児という「仕事」のキャリアを、社会は認めてくれるのでしょうか? 再就職支援はどうでしょう? 育児を終えた女性に、企業は門戸を大きく開いてくれるのでしょうか? 育児を終えたら、今度は、「介護で月給」になったりするのでは・・・と勘ぐりたくもなります。
細かいことですが、「若い母親」というところもひっかかります。若くないと子どもを生んじゃいけないの? 確かに、若い方が子どもを何人も生めて、少子化対策にはなるでしょうが・・・。塩川前財務相はご高齢なので、40代も「若い」うちに入っているのかもしれませんけれど。
ともあれ、「私は育児をしながら、なぜ働くのか」、改めて考えさせてくれた記事でした。
2005年10月14日
AERAの子育て特集 働く母を阻む「小一の壁」
投稿者 村山らむね
最新号(2005.10.17号)のアエラの働く母を阻む「小一の壁」というコーナーに少しですが、取材記事が掲載されています。(本名:青山直美での掲載です)
わたしは娘の小学校入学とともに起業しました。娘が通っている学童は、3年生はほぼ全滅、2年生もかなりの確率で預けられないという情報をいただいていたこと(幸運なことに、2年生の現在も、なんとか通わせていただいています)。また、会社員であることが少々辛くなってきたこと(後輩は遅くまで残業しているのに負けじと家で遅くまで仕事をして体調を崩すことが多かった)。この2つのことが大きな理由です。
保育園時代が一番働けたと、つくづく思います。
保育園から小学校って、正直、産休・育休で一度マイナスになったキャリアが、ちょうど挽回できたころなんですよね。
なのに、また学童という壁で、仕事を見直さざるを得ないという状況には、まったくもって納得が行きません。保育園と学童の一日も早い整備を望みます。何をやっているのかと、アタマにきます。
でも、だからこそ、もしかしたら、小学校入学を契機にして、自分が本当にこれから会社員として働き続けるのかを考えることも、ワーキングマザーにとってはひとつのチャンスなのかもしれません。
とはいえ、やりたいことをやっているということで、へんなストレスからは解放されますが、起業はそれなりにたいへん。アエラでも書いていただいているように、収入は激減です。会社を作れば、いろいろな風当たりをもろに受けます。それに忙しさも会社員以上ですから、子供といる時間が確保されるわけでもありません。誰にでも勧められるものではありません。
子供を安心して預けられる環境を、少なくとも低学年のうちは完備してほしいと痛切に思います。
みなさんは、お子さんが小学校になったときに、どんなビジョンをお持ちですか?また、どう切り抜けましたか?教えてください。
2005年08月26日
少子化問題のために私ができること
投稿者 常山あかね

厚生労働省が23日に公表した人口動態統計(速報)によると、今年1~6月の半年間の出生数がはじめて死亡数を下回ったそう。今年2005年は、政府の想定より2年早く「人口減少社会」が訪れる可能性があるのだとか。このニュースを聞いて、日本はこのままでいいのか?という使命感にも似た気持ちをおぼえました。自分も少子化対策のために何かができるような気がするのですが、と言って具体案もなく、悶々としているところです。
先日、仕事で 政治家 野田聖子さんの少子化本『誰が未来を奪うのか~少子化と闘う』の取材をさせていただきました。
現時点では子どもがいらっしゃらない野田聖子さんが、あの迫力で、少子化問題について熱く語られるのを目の当たりにして、子どもが3人いながら、「何一つ恩恵がない」と制度に不満を言うだけで何もアクションをおこしていない自分が、ちょっと恥ずかしくなりました。
私が今すぐできることといえば、WMSのブログを通じて子育ての素晴らしさを少しでも多くの人に伝えていくことかなぁ、と思いますが、更新もついついさぼりがち。(^^;
メンバーの小梅さんが自宅リビングを開放してはじめた託児付きママサロンの話などを聞くと、行動力があって本当に尊敬してしまいます。子育てをする上で何かが足りないと思ったら、まずは自分が開拓してみる、そして、他の人も巻き込んで、後進にそれを繋げていくことが大切なのだなぁと思います。
(実際に上の子が保育園だったころ、当時学童保育が地域に一つもなくて、有志を募って、学童保育を立ち上げた人たちもいました。)
話は代わりますが、一昨日、子連れてバスに乗ったら、少ししゃべっただけで、「うるさいのでしずかにしてくれ!」と強く非難するように中年の男性に言われました。以前ならこちらに非があったのかも、と恐縮していた私ですが、今は、
「はぁ?そんなに子どもの声が迷惑なのかよ?じゃあ言うけどよ、お前は子どものころ、バスに乗らなかったのかよ? お前みたいなやつがいるから少子化が解消されねえんだよ!」というファイティングスピリッツで心(だけ)は一杯でした。
最近、WEBを検索していたら、選挙の公約比較サイト(マニフェスト・ココ)を見つけました。
まだ今回の衆議院選挙のデータは入っていないようですが、各候補者の少子化対策などの公約を検索できるとのことで、なかなか便利そうです。郵政民営化も大切だと思いますが、ワーキングマザーのひとりとして、少子化対策の公約にも、今後、目を光らせていきたいと思っています。
2005年07月08日
ビジョンなき国のビジョンある人~筑紫みずえさんに学ぶ
投稿者 常山あかね

ビジョンなき国のビジョンある人々
先日、筑紫みずえさんのトーク&ディナーに行ってきました。
日本初のエコファンド(環境問題に積極的に取り組む企業、環境ビジネスの企業銘柄を集めた投資信託)の生みの親で、投資顧問会社社長の筑紫さんのお話を伺えるということで、ワクワクして出かけました。
そして、その帰り道、私は混んだ電車も気にならないほど、興奮で眼をキラキラさせていました。
私にも社会を変えられるんじゃないか、そんな思いで一杯になりました。(←影響されやすい)
筑紫さんのお話で一番印象的だったのは・・・
「女性は35才から知力・体力・気力とも充実し、55~60才で最高にいい仕事をする!」という言葉です。定年が近づくにつれ元気がなくなっていく男性とは対照的に、女性は育児を終え、どんどん元気になりエネルギーに満ちるのだそう。だから、女性は年を経るとともに、男性に代わり日本を担っていく存在にならなくては、と。
また、仕事はイヤじゃないようする変えていくことが大切で、今の仕事に満足できない人は、仕事が足りない=「熱情と関心」が足りないのだとも。
筑紫さんは、「仕事が大好き!楽しい!」とお子さんにも公言していたそうで、お子さんが3才の時に仕事を始めて以来、申し訳ないと思ったことは一度もないそうです。それも、熱情を持って仕事をしてきた自信の証だと思います。
「成功するには、理念を持ってただ愚直にやればいい」という持論も、まったくの自然体。
「愛する人にはいつ出会えるかわからないから、結婚か仕事を選ぶんだったら男に決まってるじゃない」という肩の力の抜けた台詞も、よく考えれば当たり前のこと。
当たり前のことを当たり前という勇気を筑紫さんのお話から学びました。
余談ですが、昔、金融会社のOLとして育児休業していた時期に、時間があったこともあり、私は個人のWEBを作っていました。すると、ある新聞の「寺山修司特集」という記事内で、私のWEBが紹介されました。「書を捨てよ 町に出よう」という作品の書評を、WEBに書いていたからです。この、個人の小さな取組が社会と繋がった体験が、私にとても力を与えてくれました。
実は、筑紫さんは、劇団「天井桟敷」出身で寺山修司氏の元アシスタントという異色の経歴を持つ方。この偶然も、私にとって一層、ワクワクする気持ちを呼び覚まさせてくれました。
私も、社会を変える「突き抜ける力」を持つためのビジョンを持ちたい。そして、それは愚直なまでに真っ直ぐでいい。
このワーキングマザースタイルのささやかな活動も、その愚直なまでの熱意が人の心を動かして一つの潮流となり、少しでも少子化の解消に役立つことができればと思います。
★当日筑紫さんにサインをもらった本「ビジョンなき国のビジョンある人々」もオススメです。世の中を変える「ビジョンある人々」の一人として筑紫さんが紹介されています。
2005年07月01日
子育て世代からの少子化対策緊急提言!!
投稿者 有栖川ゆうこ
自由民主党 衆議院一回生議員有志による
子育て世代からの少子化対策緊急提言!!
というサイトが公開されています。
ブログ少子化対策委員会でコメント・トラックバックも受け付けていらっしゃいます。
こちらは、先日国会で提言されたばかりの内容だ、とのこと。
私なりにポイントを抜き出すと、
・現実的に今すぐ着手出来る政策を、大胆かつ速やかに実施する
・若者が自ら築いていく家庭のイメージ・家庭観を描ける社会を
という考え方が基本である、という出だしではじまっていて、ウンウン、そーですよ!と。
3つの柱として上がっているのが、
1【子どもを育むってどんなこと?・・・それは何よりも家族を愛すること】
(家族のつながりを大切にする心、子どもを持ち、育てたいという気持ちを大切にします)
2【キレイごとだけじゃ子育てなんて・・・産んで、育てて、働いて】
(安心して子どもを産み育てることの出来る環境を整えます)
3【「おカネがない!」=「だから産めない・・・」に対策を打ちます。】
(20代、30代の若い世代の子育てを経済的に支援します)
やはり、経済的な面もあって出産に対して二の足を踏んでいる方も多いハズ。
3番のところで、
・ 3歳児までの児童手当を現行の3倍にします
・ 育児休業中の所得を最低8万円保障します
・ 出産一時金を増額します
といった案が書かれているのですが、こういった部分、すぐに実施していただけるとホントうれしいですよねー!
特に、会社員で育児休暇を取る場合、現行は休業前の4割給付ですが、基準値によっては4割ではとっても生活が苦しくなる場合も多いハズ。
最低額が設定されていると、パート勤務の形態になっている方でも、心強いですよね。
そして、提言の詳細には、「一時金を30万から60万に」とも。
出産前後って、何かとお金がかかりますから。
できれば、30万円又は入院費用がそれ以下の場合は全額を行政機関から、直接産院などへ支払いをしてくれて、残りの30万円を個人口座へ、なーんて振り分けてくれるともっとうれしい人が増えるんじゃないかなぁ。
このワーキングマザースタイルに参加しているメンバーは、もう相当パワフルなのですが、そんなメンバー達であっても「1人目の壁」は乗り越えているけど「2人目どうしよう」「3人目どうしよう(それは私なのですが)」などという意見を沢山みかけますもの。
特に都心部で暮らす場合、経済的な理由は大きくなってきますよね。
そして、経沢さんのインタビューにもあったように『預けるところを増やす』事が必要不可欠。
そして何よりも『母が産後も変わらず働く事への周囲の理解』が、何よりも必須条件なんですよね…。
対して、私が今住んでいる北陸は『共働き度ナンバーワン』地域。
実際にこちらに住んでみて、その理由が見えてきました。
下世話モードで見ると
1)平均給与が高くない
2)割には冠婚葬祭にお金をかける
↓お金貯めておかないとー!
3)母も働かないといけない
なんですが(^_^;)
実際「元気なおかーさんが仕事していないと『怠けてる』と思われてしまうほど、産後復帰するのがアタリマエ」な文化なんですよね。
これって、私が育った大阪では、ちょっとビックリな事。
実現できている背景には、
1)保育園が大都市圏と比べ余裕がある(共働きが基本なので、幼稚園自体が少なく、保育園が多い)⇒預ける場所がある
2)同居率がとっても高い(これまたナンバーワン地域)⇒育児の担い手が家庭内で多い
3)大都市圏と比べ、通勤時間が短い⇒時間的ゆとり
4)車社会なので、朝一緒にでて会社近くの保育園に預けるパターンが取りやすい⇒時間的ゆとり
などが挙げられると思います。
やはり、こういった部分を都心部でも実現していくべき、と思います。
皆さんも、ぜひ提言の内容をチェックしてみてはいかがでしょうか。
そして、折角なので意見を!と思います。
そして、若い議員の方がこうやってブログを使って意見を募られたりしている事自体を応援したいなぁ、と、そう思うのでした。
2005年06月30日
インタビュー第7回目は、トレンダーズ代表取締役 経沢香保子さん
投稿者 村山らむね
■子育ては、みんなで一緒にやれば楽しい
トレンダーズ株式会社代表取締役 経沢香保子さんは、若くして起業し、「女性起業塾」をはじめ、数々の事業を成功させてきました。一児のお母さんでもあり、かつ第二子を妊娠中。最近では経済産業省の委員会の委員もつとめていらっしゃいます。子だくさんと事業の成功を両立させたいと公言なさっている経沢さんにインタビューしてきました。

― 経沢さんの両立の秘訣はなんですか?
経沢さん:みなさん、よく「両立するのがたいへん?」とか「家事をやるのたいへん?」とか言うんですけど、なんでもチーム次第だと思うんです。家族もチームだし、会社もチーム。どんな人と一緒にいるのかで、ものすごく人生が変わってくると思うんですけど、わたしは本当にチームに恵まれているんだと思うんです。
周りの人がどう背中を押してくれるかとか、理解・協力を示してくれるかということが、女性が働くということについてはとても重要ですね。
― ワーキングマザーで成功するというのは、周囲に恵まれている人が多いし、恵まれるような環境を自分から作っていける強さをもつ人が多いですよね。
経沢さん:そうですね、何事もひとりでやる必要はないと思います。チームで上手に分担していければ楽しいですよね。
― 意外とみなさん保守的で、たとえば、娘が小学校に上がって、他のお母さんと話すことも増えたんですが、娘は当然のごとく丸5年間保育園にお世話になっているんですね。そうすると、「保育園なのに、いい子ですよね」とか言われちゃうんですね。なのに、って何だよ?ってこっちは思うわけです。
経沢さん:たとえば、幼稚園のほうが幸せだとか、親が働いている子はかわいそうとか、そういう一般的な見方からもっと自由になったほうが楽だと思いますけれどもね。
― ほんと、まったくその通りだと思います。いろんな生き方や働き方がある。そしていろんな子育てがある。いろいろあっていいと思うんですよね。だけど、それを当事者じゃない人間達が、すごく意地悪な見方をして、がんばっている女性達を萎えさせる。それは本当に腹立たしいことです。
経沢さん:そうですね。少子化について思うのは、子供を持つ持たないは自由だと思うのですが、産みたいのに、もう一人欲しいのに、産めない世の中だとしたら少しおかしいし、それに対しては支援するべきだと思う。
― 産みたいなと思っていても、今は産めないというような思いを抱えているワーキングマザーやワーキングウーマンはたくさんいると思います。私もそうなんですけど、一人目を産んで職場に戻って、ようやくワーキングマザーとしてのリズムができて、担当も取り戻して(笑)、あともうちょっとがんばれば主任になれる。そんなとき「二人目できました」なんて言ったら、「お前は仕事やる気あるのか?」と言われかねない。そうなると、やっぱり二人目って二の足を踏むと思うんですよ。それが現実なんですよね。
経沢さん:なるほどですね。そういった要因もあるんですね。
― ところで、経沢さんがよくいろんなところでおっしゃっていることで共感するのは「起業は育児に向いている」という言葉。自分で仕事をデザインできるというのは、強いなと。
経沢さん:先程、村山さんがおっしゃってたように、例えば職場でも遠慮しながら生きるのは結構つらいですよね。経営者っていうのは時間で働くものではないですから、結果を出せば極端に言えば週に5時間働くだけでもかまわないじゃないですか。結果さえ出していれば、無駄な遠慮はしなくても良いわけです。そのへんは楽だなと思います。だからといって、全員が社長になれるわけではないですから、子供をみんなで育てるというような社会的なインフラが整えば、みんな“産んでもいいかな”って思うんじゃないかなと。
一人の人間が死ぬまでに国に払う税金ってすごい金額ですよね。なのに家計に負担となる、出産・育児に必要なお金の多さだけがクローズアップされて、産む気を萎えさせる情報だけが独り歩きする。その上、育児に対する政府の保護は手薄くて、老人への支出に比べて圧倒的に少ない。老人には選挙権があって、子供には選挙権がないということもあるんでしょうけど、もう少し上手なお金の使い方があるのではないかな?と思ってしまいます。今、経済産業省の委員会などでも主張しているんですけど、そのあたりが日本って、まだまだなのかもしれませんね。

― 子供が少なくなっていけばいくほど、子供が大切にされるかといえば、まったく逆ですからね。どんどん子供の居場所はなくなって来ています。
経沢さん:なるほど。そうなんですか。
― どうしたら子育てしやすくなると思いますか?何かを一つ変えるとしたら、なんでしょう?
経沢さん:預かってくれるところだと思います。子育ての何がたいへんかといえば、私は“誰かが見ていないといけない”ということにつきると思うんです。ミルクをあげたり、おむつをとりかえたりと、もちろんお母さんがやればいいのかもしれないけれど、誰かの手を借りていいと思うんですよ。地域だったり、互助会みたいなものだったり、子育てにおける相互扶助が、特に都市部ではまったく機能していないですよね。だから、もうちょっと会社が大きくなったら、社内に託児所を設けて、みんなが安心して働けるようにしたいんです。
― 国にやってほしい子育て支援はたくさんあるんですが、それとは別にもう少し一人一人が子育てに対して理解して欲しいとも思いますね。私が少子化でとても恐れているのは、親が少なくなること。自分が子供を持っていなければ、もう子育てとは関係ないという考え方をする人が、多いのではないかと思うんです。大人っていうのは、社会的には親なんだという自覚を持って欲しいんですけど。
経沢さん:なるほど。子は宝だっていう考え方が忘れられがちなのかもしれませんね。じゃあ子供は公共財なんですか?といわれると、感情的にはそうですとはなかなか言いづらいのですが、でもそういう意識も大切ですよね。子供はみんなのものだという意識。小さい頃、よく近所のおばさんとかに叱られませんでした?みんなが親の気持ちで言ってきたり、関わってくれていた。今って以前と比べて親にだけ責任があって、家族内で完結してよね、という感じになってきているのかもしれませんね。
― コミットメントが切れてますよね。
経沢さん:私の友人なんかも、結婚している子は多いんですね。でも、仕事がものすごく忙しくて、「子供は欲しいんだけど、今は無理」みたいなことを言っている。子供に責任をとれるようになるまで、産めないと言うんです。裏返しに、それぞれの子供はそれぞれが責任もってねという認識になっているのかもしれません。たとえば、自分の周囲の人が妊娠して具合が悪くなって早く帰ったりすると、どう対応していいのかわからなくなる。
― そういう経験は、私にもありますね。子供がいなかった頃は、まさしくそうでした。
経沢さん:もしかしたら子育てを身近に感じられないという都市部の環境が東京の出生率の低さを導いているのかもしれないと思います。経験したことがない人がたくさんいるということですから。人間て自分が経験していないことは理解できませんからね。だから、子育てに対して理解できなくなってくるのかもしれません。
あと、私が経済産業省の委員会とか出ていて疑問だなと思うのは、「少子化は仕方がない」という前提で話す人がいること。
― そうそう。許せません!!
経沢さん:成熟した国が少子化になるというのもわかるけど、フランスなどは政府の努力によって改善されてきているんですよね。少子化は仕方がないから、それに対応した国づくりをしようというのは、一見正しいようだけど、長期的に見れば人口構成がおかしくなるわけですからね。
― そうそう。どこかの学者さんとかが、「少子化でいいんだ」というような開き直りの説を偉そうに話すじゃないですか。ふざけるなと言いたいですよね。子供が産みたいけど、産めないとか、我慢しようとか、女性に思わせている国が、成熟した国作りだなんて、おかしいですよね。
経沢さん:日本の税金の使い方で言えば、公共財への歳出が40%の国ってありえないんです。これだけインフラが整っているのに、いまだに道路・公共施設を作っている。子供を増やすための環境を整えることこそ、本質的にはプラスの経済効果だと思うんですよ。リターンがあるところには投資すべきで、子育てには補助という名の投資(支援)をすべきなんです。わたしは73年生まれなんですが、この年を最後に子供は減り続けているんですね。だから30年前からわかっていたはずなのに、もっと早く手を打つべきだったのではないかと思います。
― さて、今後の夢をお聞きしていいですか?
経沢さん:今、女性起業塾というのをやっているんですが、社会にプラスになる事業を展開する女性社長を100人輩出したい。そうしたら、少しずつ世の中は変わると思うんです。最近、女性限定ソーシャルネットワーク[only1.be]も主宰していますが、女性が輝くことができるような楽しい場所を提供し続けてお役に立ちたいと思っています。
===============================
録音したものを改めて聞くと、インタビュアーである私自身がものすごく興奮しているのがわかります。とにかく経沢さんの放つ大物のオーラと、頭の回転のよさに、感動・感激・大興奮しました。こんなかっこいいお母さんがいるということを誇りに思います。
トレンダーズでは女性の起業家育成を支援するさまざまな事業を行っています。
■トレンダーズ
■女性起業塾

自分の会社をつくるということ
6月23日に発売される、経沢さんの初めての著作です。
2005年06月26日
ワーキングマザーがのぞむこと
投稿者 唐土かほる
先日、同じ会社のワーキングマザーたち4人で久しぶりにランチをしました。一人はこの夏、二人目出産のため産休に入る予定で既におなかが大きくなっています。二人目の育児休暇明けで数ヶ月前に復帰した人もあり、二人目がもうすぐ3才になるベテランマザーあり、そして私はもうすぐ5才になる双子の母です。
ワーキングマザーといっても育児環境も様々です。私のように夫が「専業主夫」で、飲み会でも深夜残業でもOKという「ただのオヤジ」もいれば、実家のすぐ近くに住んでいて、保育所のお迎えから病気の時のお世話まで全て実家におまかせで休日出勤も深夜残業も大丈夫というマザーもいます。でも、先日、親御さんが入院され、育児と親の看護と仕事にはさまれ本人が倒れてしまうんじゃないかという悲惨な状況のマザーもいます。産休目前のマザーは一人目の時は親御さんも元気だったので育児サポートも頼めたけど、二人目の時は難しそうだと話していました。実家が近い遠いだけでなく、親の年齢も影響してくるんですよね。
そんな私たちがあれこれしゃべって、みえてきたワーキングマザーの本音は次のようなことでした。
・最も困るのは子供が病気になった時
・フレックスタイム制は使いでがある
・「2時間休」「3時間休」などがあると使えそう
・会社の育児支援制度が充実していることはもちろん大事なこと
・制度があっても職場の環境などによっては利用できない状況もある
・一番声を大にして改善要求をすべきワーキングマザー本人が仕事と育児で多忙過ぎて何も言えずにいる
・制度の改善や充実を待っているうちに子供が大きくなって制度を利用する必要がなくなってしまう
そして最後に出た結論(?)は意外なことに次のようなことでした。
・会社の制度は今でも結構満足
・様々な状況に合わせようとすると利益追求集団としては限界があるのでは?
・それよりも「病児保育の充実」など行政の施策改善に期待したい
・・・とランチタイムにワイワイ話していただけでは誰にも伝わらないのでしょうが、偶然にも行政の福祉担当者の方の目にとまったりしないかしらん?
サラリーマン・マザーの皆さんは会社の制度に期待しますか?それとも行政のサービスに期待しますか?よかったらご意見ください。
2005年05月31日
3人目で知った子育ての楽しさ
投稿者 常山あかね

はじめて出会う育児シリーズ ペアレンティング・ブック / 妊娠・出産・産後生活で大切なこと
我が家には3人の子どもがいますが、一番上の子と下の子は、7歳違い。実は、最初は「子供は2人でたくさんっ!」と思っていたのです。ただでさえ子供好きではなく、家事も不器用な私。毎日、子供をどやしてイライラ・・・・。いつもエゴイスティックに自分の仕事のことばかり考えていて、世間の理想とされるような優しくて包容力ある母親になれない自分に嫌気がさしていました。
そんな私の考えが変わったのは、孫を誰よりも可愛がってくれていた義父が亡くなろうとする直前。間もなく訪れる死の瞬間を目の当たりにして、やはり人生で一番大切なことは「命」をリレーのように受け継いでいくことなのでは、と理屈抜きで感じたのです。そうして、まさに思いました。【一つの命が去ることを惜しむ自分が、どうして生命が誕生するチャンスを否定することができるのか】と。なんだか、よく出来た美談のようですが、その瞬間は嘘偽りなく、そう感じたのです・・・。
でも、いざ子ども産まれるとわかると、やはりこれからの苦労を想像して、不安や後悔で一杯。
そんな私ですが、実際に3人目の子どもが誕生し、庭の新緑を眺めながら母乳をあげているとき、「あ~、人生もう思い残すことはないかも。」と充実感で涙がボロボロこぼれてきました。目に入れても痛くないほど赤ちゃんが可愛く思え、まるで孫を甘やかすお祖母ちゃんにでもなった気分で、余裕を持って子育てができるようになったのです。(それに、上の子どもたちに子守りやお風呂入れもしてもらるので、実際とってもラクなんですよ~)
最近、3人目を出産した友人も「赤ちゃんがとっても可愛いし、何だか自分自身もいろいろかえってやる気がでてきたわ~」なんて言っていました。もし子育ての苦労を心配して迷われている方がいたら、ぜひ3人目をオススメ(?)します。
とはいえ、本当の意味での子育ては、赤ちゃん時代ではなく、これから。我が家の子どもたちも、早速ふりかかる避けては通れない人間関係や生存競争の数々に、さらされていくことでしょう。子どもたちにそれらをアドバイスする度に、親である私自身の生き方が試されているような、緊張感と喜びで一杯です。(^^)
2005年04月17日
少子化にはこだわらず
投稿者 fellow
正直に書きますが。私、少子化やその対策について真剣に考えた事は全くありません。(ご、ごめんなさい)そんな私が少子化対策について人の目に触れるところで書くだなんて、おこがましいと言うより真面目に考えている方々に対して失礼なのかも知れないけれど、書く事で得られるモノがあると良いな・・・と言う事で。それが私だけが得るモノであったとしても、皆さん大目に見てやって下さい(笑)。
と言う訳で、勢いで書いてみます。
私自身は結婚・出産共にあまり深く考える事もなく、成り行き任せに近いモノがありました。夫は長男で将来的には地元(超田舎!)へ帰ると明言しているのだけれど「ま、何とかなるかな?」。不妊治療開始直前に運良く子供ができたと分かった時も「妊娠できた」という事実がただただ嬉しくて、その先の事までは頭にない状態。産後には辛い事があったり無事2人目を出産するまでの間には2度の流産を経験したりと多々あったけれど、「どうにかなる」「何とかなる」という感情を持ち続け今に至ってます。当然その都度感情の起伏はあったけれど、楽天的な性格のせいか「負の感情」が長くは続かないのです、私。
こんなに楽天的で良いのか・・・?と考え込んでしまう事もあったりするけれど、逆に世の中にはこういうタイプの人間も必要だと思うんです。私は大した困難もなく「波乱万丈」という言葉とは無縁の人生を送っているから、こうして楽天的な性格のまま過ごせているのでしょう。そして、世の中にはそれこそ山あり谷ありで生きている方もいるし、平坦な道を淡々と歩いている方もいるし、その方々の性格も様々。そんな多種多様な境遇に対しての対策なのだから、ある意味漠然とした性質を持ったモノの方が良いように思います。少子化には一見無関係なようでいて、実はその影響がじんわりと個々に浸透していくようなモノ・・・漠然とはしているけれど、限られた状況に対しての対策である必要はない、ような。ワーキングマザーや育児支援に対する政策が向上する事に越した事はないけれど、それ以前の問題と言うか。
そもそも「少子化が進んでいるから」「不況だから」って生むとか生まないとか考えるのは、不自然じゃないですか?「生む」という判断は「赤ちゃんが欲しいから」「妊娠したから(しちゃったから)」、それだけじゃダメなのかな。出産で何かに貢献しようとする必要はなくて、あえて言うなら自分自身や家族の人生に貢献できるような選択をすべきではないかと。(うわー、偉そう!)これは出産という行為に限っての事ではなくて、仕事や勉強家事育児、何にでも言える事ですね。皆がそんな風にある意味自分本位な考えで行動できる、ポジティブな世の中に向かうような「勢い」があったらなぁ・・・なんて思う訳です。
皆が前向きでいられるような社会。きっと有り得ない事なのだろうけれど、有り得ないからこそ望んでみるのも良いのかな、と。ま、私のように楽天的な人間ばかりが集まった世の中ってのはちょっぴり(いや、かなり?)恐ろしいモノがありますが(笑)。
2005年04月15日
少子化を解消するワーキングスタイルとは?
投稿者 常山あかね

子育て主婦の公認会計士合格記
長男が産まれてから、ずっとSOHOスタイルで仕事をしてきました。今は、3人の子どもがいます。子どもが2人のころは、「私もいつかは社会復帰して、都心で働きたいなぁ」と密かに会社勤めにも未練を持っていましたが、子どもが3人になった時点で、「会社員としてやっていくことは物理的に絶対無理!」と気持ちが吹っ切れ、SOHOスタイルで仕事をしていく覚悟のようなものができました。
先日、仕事であるワーキングマザーの方にインタビューをした際、「やっぱり私のワーキングスタイルは間違ってなかった!」とちょっと自信を深める出来事がありました。そのインタビューとは、
「子育て主婦の公認会計士合格記」の著者の小長谷敦子さん。
子育て主婦から一転、足掛け10年をかけて公認会計士の資格を取得し、現在、公認会計士としてご活躍中です。正直、「公認会計士」という資格は、誰でも気軽にとれるものではないと思いますが、私が共感したのは、小長谷さんが実践、そして提唱するワーキングスタイル。
小長谷さんとって資格とは、主婦がビジネスという土俵にあがるための切り札であり、資格を武器に自宅で独立開業して収入を得ることもできる夢の道具なのです。
私自身は、現在の仕事については無資格なのですが、子育て中の女性が自宅で独立開業できることのメリットは痛いほどわかります。逆に言えば、このようなスタイルでなくては、近くに実家があり親の支援が受けられるわけではない状況で、働くこと自体が困難だと思うのです。
このインタビュー後、遅ればせながら、現在の仕事に直結する資格を取得する勉強を始めました。今さらではなく、今だからこそ、専門性を確立するための資格をとりたいと思ったのです。
「そうは言ってもどうやって営業ルートを獲得するの?」「だんなさんの稼ぎがあるからこそ、自分は好きな仕事をやってられるんじゃないの?会社勤めと比べると収入が不安定なのでは?」という不安もあると思いますが、まずは、行動に起こしてみることが大事だと思うのです。あまり体が強くないので4人目の出産は体力的にどうかな(^^;・・・と思いますが、このスタイルを続ける限り、無理なく仕事も子育ても両立できそうです。
小長谷さんのお話の中で、「お母さんが仕事をしている姿、苦しみもがいて、それを乗り越えていった姿をありのままに見せることが、子どもにとってプラスになると思います。疲れていたり、かっこ悪くたっていいんです。ありのままの自然体でいればいいんですよ。」という言葉が印象的でした。私も、理想的ないいお母さんでなくてもいいから、自分の欲するままありのままに生きていきたいなぁ・・・と。
ちなみに、私は、子どもの扱いや家事はどちらかというと苦手で、友達や親から「あなたが子育てしてる姿なんて想像できないわ」なんてよく言われますが、少なくとも自分の子どもはなついてくれているので、どんな親でも子どもにとっては一番なんだと思います。(^^;
子育てと仕事の両立に迷われている方に、オススメの一冊です。きっと気持ちが吹っ切れますよ。
[ ◆茜あおい ]
2005年04月04日
vol.26:今週のテーマは、「育児休暇後の職場復帰の雰囲気、どうだった?」
投稿者 大葉柚子
今週のテーマは、「育児休暇後の職場復帰の雰囲気、どうだった?」
母親が会社復帰するためには。制度も必要、サポートも必要、お金も必要だし努力も必要。しかしながら、その全てがそろっていても、復帰した職場の雰囲気が悪いとスムースに物事が運びません。働く母を理解する、受け入れる雰囲気というのでしょうか。職場復帰したときにありましたか?なかった場合、どうされましたか?ぜひあなたの体験談お聞かせください!
==================
●ブログを持っている方は、ぜひこれについての記事を書き、トラックバックしてください。
http://wms.kir.jp/cgi/mt-tb.cgi/921
を、【トラックバック先のURL】に入れれば完了です!
●ブログを持っていない方は、コメント欄にぜひコメントしてください。
匿名希望の場合は、名前の欄に、「匿名」と入れてください。
メールアドレスは、info@wmstyle.jp を使ってください。
ちなみに、わたしの「職場復帰」は、旦那さんが海外赴任になったので結局実現しなかったのですが。産休は1年とりました。もちろんそのときには復帰するつもりで。私はIT業界ベンチャー企業で働いていたのですが、ベンチャーの中ではかなり大きい部類の会社。当時本社だけでも1000人近くはいた会社だったのに産休をとるのは私で3人目だという。かなり、驚き。(笑) 平均年齢は20代後半だったから、まあ仕方のないことなのかもしれないけれど、それにしてもほとんど、罪を犯しているような気分で産休をとったのを鮮明に覚えています。職場復帰、もしもしていたら非常に雰囲気悪かったろうな~。
当時セールスをしていたのですがお客であった米系コピーマシンを売る会社。彼らの産後復帰のしやすさは内外が認めるものでした。わたしの窓口であった女性も当時2歳の子供がいました。隣の席には4歳の息子のいる女性がいました。彼女たちは口をそろえて働きやすい会社だと、ワーキングマザーをあたたかく受け入れる会社だと、絶賛でした。その分、働いて返そうと思う、と。これって非常に良い循環ですよね。
2005年03月16日
インタビュー第4回目は、夫婦仲相談所 すずね所長こと二松まゆみさん
投稿者 村山らむね
■ちょっとがんばるだけで、きっと夫婦も恋愛できると思うんです
ママのネットワークを立ち上げ、ITブームの中、どんどん業績を伸ばしたと思ったら、あっさり株を後進に譲り、夫婦の恋愛や寝室をライフワークにする作家へと華麗なる転進。主宰する夫婦仲相談所に寄せられる、赤裸々な、かつ、真剣な、妻そして夫からの相談に丁寧に答えて、大人気を集めている二松まゆみさん。すずね所長の愛称で、いまや、携帯サイトを通じて10代・20代のヤンママ達のアイドルでもあるまゆみさんが、2冊目の著書である「もっと夫婦は恋できる」を発表したということで、去年友人とオープンされたというカフェにインタビューにうかがいました。
.JPG)
― 二松さんは最初のお仕事はなんだったんですか??
二松さん:実はね、中学の英語の教師。その頃は三高ブームで、まさしく三高の夫を見つけて結婚して、娘を産みました。いきなり結婚の理想と現実を思い知らされましたね。一人ぼっちで泣き喚いていました。最初の出産・育児にどれだけ協力してもらえるかで、その後の夫婦関係は大きく変わりますね。
― それでママのネットワークを立ち上げた?
二松さん:まだネットのない1991年にすでに1500人のネットワークができていましたね。その後、いわゆるビットバレーというかITブームに乗っかって、会社は大繁盛。実は私自身はメールもやっとのアナログ人間なんですけどね(笑)。
― 今の旦那さんとの出会いは?
二松さん:ビットバレーのパーティーに足繁く通っているときに出会いました。7歳年下の普通のサラリーマンです。ラブラブです。おととし結婚したのですが、披露宴は出会いパーティー形式にしたんです。誰も私達のことを見てくれないという、不思議な、かつ大盛り上がりの楽しいパーティーだったんですよ。
― まず前作の「となりの寝室」からお聞きしたいんですが。

二松さん:1冊目はレポート形式です。妻達がどれほど不満を抱えて生きているかをクローズアップしました。不満を抱えながら、旦那さんにそれを言えずにいる、そういう状況をみんなに知ってもらいたかった。
― 読みましたが、あまりに赤裸々で驚きました。みなさん、二松さんには心を開くんですね。そして満を持して出された2冊目は?

二松さん:これは、ノウハウ本です。30分で読めます。夫婦仲相談所は、妻からだけでなく夫からの相談も受けるんですね。そうするとどうして妻を抱けないかという夫からの不満もどんどん入ってくるわけです。たとえば、「ボンレスハムのようになってしまった」とか、「スーパーのパンツしかはかなくなった」とか。だからこの本では、「抱いてもらうためには、妻自身が輝いていないとダメよ」というメッセージのもとに、どうすれば夫婦でいい関係が築けるかというノウハウを、とてもわかりやすく書いたつもりです。抱いてもらえないのは、当たり前のことができていないからということを、女性のみなさんにわかって欲しかったし、当たり前のことをしたうえで、努力すればきっと夫婦も恋ができる、精神的にも肉体的にもとてもいい関係が築けるということを、実践して欲しいと思っているんです。
― 耳が痛すぎます。反省、反省。
二松さん:夫婦仲相談所でも、本でも、当たり前のことしか言っていないんです。「ちゃんと旦那さんと話してみた?」「綺麗にしてる?」「完全にお母さんの役割だけやって、妻を捨てていない?」など。実はね、後半にカーマスートラをちょろっと書いたんですが、もっと書きたかった。だから次回作は、もっと過激にカーマスートラを扱います。
よく妻の側からの悩みで「ワンパターン」、「感じない」、「他の女に逃げられた」って来るんですけどね、そんなことばっかり言っていても、いいセックスは絶対にできないと思うんですよ。主婦の側から変わらないと!
― ○○してくれない、っていう受身じゃダメだということですよね。
二松さん:そう。セックスという言葉だけでも嫌がる人がいるけど、そこから変わらなきゃ。
― 「まあ、下品だわ」なんて引いている場合じゃないということですね。ところで、自分自身も結構疲れているワーキングマザーに何かアドバイスはありますか?
二松さん:疲れているとどうしてもネガティブオーラが出てしまうから、気をつけて顔に出さないようにするというのが大切だと思う。でも私もそうだったからわかるけど、働いて帰ってくると、そんなニコニコできないよね。だから働くお父さんの疲れてその気にならない気持ちも実はよくわかるんだ。
― そのうえ、平日は保育園にお世話になってなかなか子供とみっちり付き合えないから、休日は子供に夫婦で奉仕してしまったりして、夫婦だけで過ごすなんていう発想がなかなかないですよね。もっと夫婦の時間に寛容な社会であってほしいなとおもうんですけど。
二松さん:そう!まったくそうですよ。「もっと、夫婦は恋できる」でも書いたんだけど、企業が時短を進めるように、本当に政府が本腰を入れてくれないと。厚生労働省ももちろんだけど、経済産業省にも訴えたいですね。経済活性化になると思うし、何よりも、国民の幸せのために、どうにかしてほしい。男は疲れ、女はキーキーなわけだから。
― 夫婦の時間を作るということは、社会全体で真剣に向かい合ってほしい問題ですね。少子化対策というだけでなく、幸せな世の中ではないわけですから。大企業は育児休職制度や、短時間勤務などずいぶん改善しているようですけどね。
二松さん:二極化してますね。大企業はいいんだけど、日本のほとんどは中小企業なわけで。そこを変えていかないと。ただね、いい企業の人がセックスレスが少ないかといえば、またそうではなかったりするんですよ。ストレスもあるでしょうし、5時に帰ってもいいと言われても、逆に向きになって遅くまで仕事したり。そのあたりが矛盾していますね。
― 最近は、セックスレスもずいぶんメジャーな話題になってきて、二松さんにも取材が殺到しているみたいですが。
二松さん:おかげさまでたくさん取材していただいています。おもしろいのは、途中までは取材なんだけど、途中から記者自身の相談になるんです。取材が取材になっていない(笑)。マスコミの人なんて、地位も、収入も、ある程度安定しているわけなんだけど、やっぱりセックスレスで悩んでいたりするんですね。
― フランスなどは6時過ぎにオフィスにいると馬鹿にされるといいますよね。
二松さん:フランスにしても、イタリアにしてもセクシーな国民はいいですよね。イタリア人と結婚した友人のところに遊びに言ったんですが、ご主人はずっと私の前だというのに「君に会えて幸せだ」とか「綺麗だよ」などと、ずっと友人にささやいていました。言われることで、ホルモンが出るんだと思います。イタリアにはセックスレスという言葉があるかと聞いたら、ないと言っていましたね。なくなったら、即離婚だと。ただし、浮気っぽいという致命的な欠点もあるわけですが。
― 「風呂」「メシ」しか言ってもらえなければ出るホルモンも出なくなりますもんね。

二松さん:夫婦は対話が大切だと思うんです。というか、うまくいっていない夫婦は必ずといっていいほど、対話がない。性に関する話題ももっとしたほうがいい。自分はこうしてほしいとか、いいとか悪いとか。それがないとワンパターンにはまって、どんどん悪循環になってしまう。性に関する話題をタブーにせず、もっと自分を解放して、旦那さんと対話して欲しいと思いますよ。
― その意味ではね、「となりの寝室」はぜひ夫婦で読んで欲しいですね。「もっと、夫婦は恋できる」のほうは、引き出しに入れて、奥さんだけに読んで欲しいです。
さて、二松さんの今後の夢はなんですか?
二松さん:実は、去年の夏、ものすごく暑かったでしょ?夏ばてしちゃって、台湾茶藝館のトップオーナーの友人と台湾の知人の3人で、台湾にすっぽんを食べに行こう!ということになって、その流れで、なぜか代々木に中国茶のカフェをオープンしてしまいました。
― それがここですね。このビルは、場所もいいし、佐伯チズさんプロデュースのビューティータワーとしてたいへん注目されている場所ですよね。
二松さん:2階はヨガのレッスンやちょっとしたセミナーにも使えるようにしてありますし、4月からはここでお茶を飲みながら、わたしのカウンセリングを受けられるサービスもするんです。ぜひワーキングマザースタイル[wmstyle.jp]の読者のみなさんもいらしてください。
― 作家にカフェ。優雅ですね。憧れます。
二松さん:将来は、ここのオーナーと沖縄に2号店を出すのが夢なんです。
===============================
インタビュー後、なんだか、むちゃくちゃ元気になってしまった。自分のちょっとした勇気で、夫婦関係をはじめとしてあらゆる人間関係をとても円滑なものに変えていけるんだ、そんな勇気をいただいた気がします。
すずね所長こと二松さんがプロデュースするサイトは、悩みに誠実に答えてくれる所長のおかげで、とてもポジティブなオーラに溢れています。
■となりの寝室事情 うちの寝室事情
そして、昨秋オープンなさったカフェです!ぜひ行ってみて下さいね!
■茶藝館 如意庭 Ru-Yi Garden(ルーイーガーデン)
■オールアバウトガイド開始
2004年11月13日
子供の病気と保育園
投稿者 常山あかね
ここ1週間ほど、一番下の子供が風邪で熱を出してしまい、保育園を休んでいる。おまけに、看病疲れで私までひどい風邪になってしまった。夕飯を作る気力もなく、寿司をとったり(これは逆に好評!)お総菜を何とか買いに行ったりしながら、すきまの時間を見ては仕事をしつつ、生活も部屋も荒れ果てていく一方である。一昨年自分がインフルエンザになった時の悲惨さに比べればまだましだが、こういう時ほど、子育てがつらいと思うことはない。本当に叫びだしたい、泣きたい気分である。
こんな時、ふだん子供を預かってくれている保育園のありがたみが身に染みてわかる。
でも、病気の時に預かってもらえないのは、やっぱりつらい。
近所に親が住んでいるわけではない私は、外出できるのは、子供が保育園に元気で登園している日中だけ。でも、37度の熱があれば、すぐに迎えにくるよう電話があるし、仕事でどうしてもでかけなくてはならないときは、相当慎重に日時を選ぶ。少なくとも、万が一、子供が病気になった場合の預け先を見つけない限りは、こわくて約束できない。(うちの場合は、片道2時間以上かかるが近県に住む母親が頼り)
最近では、自治体によって、病気の子供を保育園で預かってくれる動きも実験的に出てきているようだが、こういう制度が身近に利用できる日がくればよいな、と思う。(もちろん原則的には病気の子供を預けたくないが・・・)
このWMSの他のメンバーの記事を読むと、みんな本当にイキイキとと輝いていて、アクティブに夜の会合や出張に出かけたりしているのを見て、正直羨ましく思う。でも、今の人生(結婚相手、子供の数、家の場所、仕事)を選んだのは私自身でもあるわけで、私は私なりのスタイルで地道にがんばるしかないと思う。そう、今は希望という名の種を蒔く時期。10年後に、花開くことを信じて。
2004年10月11日
vol.0:「産み損」って思ったことある?
投稿者 村山らむね
負け犬論争はまた別の機会のテーマとするとして、栄えある第0回のテーマに選ばれたのは、私がずっと気になっていた言葉。「産み損」。みなさん、こう思ったことありますか?産み損の具体例。
ぜひこれについての記事を書き、トラックバックしてください。
http://wms.kir.jp/cgi/mt-tb.cgi/195
を、【トラックバック先のURL】に入れれば完了です!ブログを持っていない方は気軽にコメントしてください。匿名希望の場合は、名前の欄に、「匿名」と入れてください。
私は・・・。やっぱり以前いた会社で、「2月から戻りたいです」と担当の課長にいったら、「4月まで待ってくれ」と言われた時、「あー、産むって寂しいことなのね」とちょっぴり(いや、正直に言おう、かなり)ブルーになりました。課長も意地悪で言ったわけではなく、本当に懸命に行き先を探してくれていたんですけどね。(もっと救いがないといえばないんですが)
産休の間に、自分の居た場所が他の人によって完全にカバーされているというのは、やっぱり産み損ということなのかな?でも、それをまかなって異常にあまりあるほど、産み得がいっぱいあったので、収支は完全に黒字ですが。
最近、勝ち組・負け組など、なんか数字に換算できることで2極化して物事を考えると言う風潮があるけれど、それ自体にちょっと嫌気がさしている、というのが私の本音です。
テーマ別インデックス
