ワーキングマザースタイル ・めざせ、野菜ソムリエby大葉柚子



2009年04月11日

『めざせ、野菜ソムリエ』 総集編 


投稿者 大葉柚子

ルクエ スチームケース 62036

”健康に生きるためには、野菜をバランスよく食べよう” よく聞くフレーズです。野菜ソムリエになるための勉強をして、改めてこのフレーズは大事だと認識しました。

私は肉食を否定するつもりは、ないのです。これからも私自身口にしていくだろうし、他人の肉食を止めるつもりもありません。しかしながら。現代日本の野菜は不足しがちで肉食は過多の傾向。この食生活は健康に生きるためにはよい方向でないと、学んだからには双方の量をコントロールする必要があります。

野菜不足はわかった、じゃあ野菜を明日から一日350g食べよう!と思っても、なかなか350はハードルが高いかもしれません。まず野菜は調理するのに時間がかかるから。(すぐ傷むので)買い置きができないから。野菜離れがすすむ理由です。この二つをクリアできるよう助けてくれる方法は...そして野菜350をクリアできる手助けとなる方法は....

…翰時間がかからないレシピをもつ
買い置き/作り置きができる野菜を常備
ゆでる+蒸すを活用して調理時間の短縮を図る
だ検△罎任襦⊂す、焼く、煮るをミックスしてメニューを多様化

この4つを軸にして、次の連載をスタートしたいと思います。
毎回1つの野菜をご紹介、消費者側から野菜の栄養素、買う時の見定めポイント+レシピを展開していきます。この四つの軸を支えてくれる、野菜がたくさん食べられるように手助けしてくれる私の3種の神器。


和の里 中華せいろ 24cm H-5715
|羃擲垢杷磴辰燭擦い蹇B腓くてたくさんいっぺんに蒸すことができるのが最大の利点。そのまま食卓に出せるのも魅力。
ルクエ スチームケース
△擦い蹐脳すほどでもない量のとき。少量のゆで物のとき。このルクエスチームケースの出番です。最高の時短の見方。スチームケースに野菜を入れて電子レンジでチン!
LE CREUSET オーバル 23cm
時短からは程遠い、ゆっくりじっくり煮るのにぴったりのルクルーゼ。ただ、野菜を美味しくするのは天才的。

野菜を作る人いわく、野菜づくりは土づくりにはじまり、土づくりに終わる、と。卵でも、畜産のお肉でも、餌にこだわりがあるとそれを謳い文句にしています。人間も、食事が変われば体が変わる。食べ物を気にかけるということは、生きることを気にかけるということ。もちろん、食べ物だけでなく。体を動かすこと、運動であったり。心を動かすこと、ストレスであったり。健康にはいろいろと左右する要素があるけれど。すべてを含めて、もっと大事に生きようと、今回の野菜ソムリエ養成講座を受けてしみじみと、思いました。

めざせ、野菜ソムリエの連載10回お付き合いありがとうございました。申し遅れましたがベジタブル&フルーツジュニアマイスターの資格を1月に取得しております。資格を取ることをご興味持たれました方、説明会を受講すると受講料が割引になります。そして、説明会を受けずとも申込みたい方、農経新聞のウェブサイトによると問い合わせればクーポンをいただける模様。ぜひお問い合わせください。そして農家の方は毎年15名、奨学生として受講できるようです。

資格取得で身につけた基礎知識をさらに深めつつ、野菜の連載をはじめますので、
どうぞこれからもよろしくお願いいたします!

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2009年04月09日

『めざせ、野菜ソムリエ』 試験/テスト編 


投稿者 大葉柚子

おいしい野菜教室
さてさて、連載9回目はベジタブル&フルーツジュニアマイスターの試験について。今回は野菜ソムリエになりたい人だけが知りたい内容だとは思うのですが、どんな試験なのか概要だけでも私は知りたかったのに知れなかったので、概要だけお伝えします。あまり詳しく書くと協会から怒られるので、差しさわりないところのみにて。まず、全体の感想としては。難易度はきちんとテキストを勉強すれば高くなく、問題数が多いためリズムが要求されるテストだと、私は思いました。

.沺璽シート方式
試験のとき隣に座った方はマークシートを埋める練習をなさっていました。年配だったので、おそらくマークシートのテストを受けたことがないのかも。テキストから抜粋された文章が書いてあり、穴埋め方式で羅列する言葉から埋めていくパターンが一番多いです。この場合、テスト勉強をしていなくても国語の力があれば埋められるものも散見します。そのほか、単純に質問に対して回答を5択から選択するケースもあり。

■音間
時間としては、十分だと思います。ただ、わからない問題で詰まると、あとが焦ることになるのはこのテストも同じ。問題数が多いので、わからないところは後回し。500点中350が合格ラインなので、リズムよく取り組めば大丈夫。2時間の集中力がもたなかったという人もいました。

出題元
4人の先生が全員、口をそろえてテキスト以外からは出ないといっていましたが、本当にテキストからだけ、です。私は一週間前から勉強して、表は書き取らず、ざっと目を通して済ませてしまいました。そうすると。表がでる。笑 もれなく、勉強することをおすすめします。アレルギーや遺伝子組み換えもきちんとこの際だから勉強しましょう。ちなみに、私は諸事情があって受講したクラスの試験が受けられず、みんなより1か月遅れて受けたのですが、テスト内容は同じだった様子です。どのタイミングで変更するかは、トップシークレットなのでしょうけれど。笑

最後の10回目は総集編で、講座のまとめとなります。

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2009年04月01日

『めざせ、野菜ソムリエ』 サイエンス編 その3


投稿者 大葉柚子

100歳まで元気に生きる!
100歳まで元気に生きる!は、アイスクリームチェーンのサーティーワン創始者の子息が書いた本。アイスばかり食べて早死にしてしまった伯父(創始者のもう一人)。糖分や脂肪の摂り過ぎは体に悪影響なのだと開眼し、後継者としての立場を捨てわが道を行くロビンスさん。ロビンスさんは健康で長生きするにはやっぱり野菜をたくさん食べよう!と声を大にしています。

生活習慣病が増加し続ける、日本。生活習慣病とは、生活習慣(食生活、運動不足、ストレス、飲酒、喫煙)からくるもの。生活習慣が悪いと、なるもの。肥満症、脂質異常症、高血圧症、糖尿病の4つです。この四つは国民医療費の三分の一から四分の一を占め、ほっておけば、三大疾患へと直結します。がん、虚血性心疾患、脳血管疾患です。死ととなりあわせとなります。

今回連載8回目はそれぞれの生活習慣病をみていきます。野菜ソムリエになるのに生活習慣病を勉強する必要が?もちろん、あります。医食同源。どのように関連しているのか知る必要が大ありです。むしろ、私はこのために(健康に生きるために)野菜の勉強をしようと思った組です。

○肥満症 
日本人は遺伝的に肥満に弱い体質。肥満はBMIという指標が使われます。体重(kg)を身長(m)で2度割った数字で、日本人の場合、25以上が肥満、30以上は著しい肥満と判定されます。BMIでは体重が問題となりますが、今話題のメタボリックシンドロームで問題となるのは、内臓脂肪。内臓脂肪から出る物質が代謝を悪くし健康を損ます。肥満の害はこの内臓脂肪の蓄積の結果。つまり、BMIが25以下の標準でも内臓脂肪がたまっていれば肥満と同じ害が!これが隠れ肥満と呼ばれます。肥満の主な原因は食べ過ぎと運動不足。需要と供給のバランスの崩れです。

○脂質異常症
血液中にコレステロールと中性脂肪が多すぎること。多すぎると血管が詰まりやすくなります。コレステロールが多すぎるのは、肥満や運動不足、動物性脂肪の取り過ぎが主な原因。中性脂肪過多は糖分やアルコールの過剰摂取。

○高血圧症
塩分の多い食事、運動不足、ストレス、遺伝が要因。日本人の4人に1人が高血圧症ともいわれています。血圧が高いと血管に負担がかかり、動脈硬化を進行させる要因となってしまいます。カリウムが期待の星。塩分を控えて野菜果物海藻をたくさん取ることで予防できます。

○糖尿病
現在、日本だけでなく世界で急増しているといわれる糖尿病。20年前は3000万人だったのが2007年では2億4600万人。ほぼ8倍です。食事からとった糖質は、消化されてブドウ糖になり、肝臓から血液中に取り込まれます。このブドウ糖を、筋肉に送りこんだり、エネルギーに転換するのに必要なのがインスリンです。インスリンが足りなかったり働きが悪いと、細胞が糖を取り込めなくなり、血液中のブドウ糖が多くなります。これを高血糖といい、この状態が長く続いているのが糖尿病です。9割を占める況燭亮腓文彊は動物性脂肪や糖質の過剰摂取、運動不足。

栄養は摂りすぎても死に至り、とれなくても死に至る。DNAは飢餓を想定して栄養摂取する欲望を
きちんとDNAに埋め込んだけれど、摂り過ぎて死ぬケースは想定外だったのか、残念ながらプログラムに入っていません。

動物性脂肪と糖分は、栄養価が高く、てっとりばやく吸収できるので体はおいしいと感じるけれど。
本能のまま動物性脂肪と糖分をとりすぎると、血管を弱め、つまらせ、内臓にまで脂肪を貯え、代謝を止めてしまう。

どの生活習慣病にも効果てきめんなのは、運動と野菜を摂ること。そして動物性脂肪と糖分を控えめにすること。喫煙はやめること。お酒はほどほどに。

自分ももちろん、だけれど。子供たちにはこれから長い人生健康に暮らしてほしい。
そのために。一緒に食育として学んでいきたいと思っています。

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2009年03月31日

『めざせ、野菜ソムリエ』 サイエンス編 その2


投稿者 大葉柚子

誘惑される意志 人はなぜ自滅的行動をするのか栄養は摂りすぎも、不足も、リスク。過不足なくという状態が理想。世界の国々ではまだまだ栄養不足で命を落とす危険があるけれど、飽食時代といわれている先進国では、どう栄養をコントロールするか=摂りすぎないかが大きな課題。誘惑される意志 人はなぜ自滅的行動をするのかによれば、人間の遺伝子は常に飢えを想定していつ食べ物がなくなってもしばらくは生き延びられるように栄養をとる、目の前の食べ物は口に入れるようプログラムされている、らしいです。プログラムに逆らおうとしているのでダイエットは難しくて太るのは簡単なのだ、と。

食べる量をコントロールすることとは別に、食べる種類をコントロールするのも大命題です。まんべんなく食べよう、というスローガンは管理栄養士がついているかのように、細かくコントロールできないまでも(そうすると食べるのが苦痛になってしまうかも!)ざっくりでいいからいろんな栄養をとると体にいい、というのが伝わるように「まんべんなく」という言い方になったものと思われます。「まんべんなく」は多種類の栄養素がとれるという良い点のみならず、その栄養が体にあまりよくないものだった場合にもリスクを分散できる、という側面もあります。

今回連載7回目はじゃあどういう栄養素が何にいいのか悪いのかざっくりでいいから知っておきたい!という方のために。私がほ〜お、と勉強になった部分にスポットライトをあててご紹介です。


○三大栄養素 炭水化物、脂質、タンパク質
炭水化物は、果糖、砂糖、穀類が代表的。果糖、砂糖は糖の鎖が短いため、消化が早い。消化が早いということは、すぐに栄養として体に吸収できる=美味しいと感じる。脂質は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸と二つある。飽和は動物食品。不飽和は魚か野菜。自分で野菜を食べて時間をかけて消化して、吸収する。このプログラムを一気に短縮できるのが肉食。ほかの動物の肉を食べることによって、その動物が野菜から消化したものを横取りできる。効率がいいため、やはり、美味しいと感じる。魚と野菜から取れる不飽和脂肪酸。一価不飽和と多価不飽和と二つあり。一価はよい子の善玉コレステロールをあげて総コレステロールを下げます。すごい!オリーブオイル、アボカド、ナッツ。多価は中性脂肪濃度をさげたり、血清コレステロールを下げるすばらしい栄養素。弱点は酸化しやすいということ。そしてこの過酸化物質は体によくない。抗酸化作用がある栄養素(ビタミンE)と一緒に食べると避けられる。多価不飽和脂肪酸の代表は魚油、トウモロコシ、大豆、ベニバナ、ごま。タンパク質、20種類のアミノ酸ができあがり構成。この中の9種類は食事からしか摂取できないため、必須アミノ酸と呼ばれる。動物はこの9種類がバランスよく含まれるけれど植物性たんぱくはバランスがまちまち。これを補うため組み合わせを工夫する必要あり。

○プラス二大栄養素 ビタミン、ミネラル
ビタミンは脂溶性と水溶性に分かれる。脂溶性はビタミンDEKA、デカと覚えると覚えやすい。これ以外が水溶性。水溶性は水にとけるので、パリッとさせるために野菜を水につける時間は最小限にとどめること。生で食べることがベストだけれど、量を食べられるという利点も加熱にはあり。スープを作る場合には、温め直すと残存率が下がるので、都度あたためるのでなく1人分づつ温めるほうがよい。ミネラルは少量でありながら必要な栄養素。過剰摂取は有害。日本人が過剰なのはナトリウム。食塩、みそ、醤油、漬物。男子は10g未満、女子は8g未満が理想の中、現状は12g。この余分なナトリウムを排泄してくれるのがカリウム。カリウム、えらいっ!ナトリウム過多で引き起こされる高血圧の予防になります。野菜果物全般的に含まれ、ナトリウムが多い漬物を常食する東北の中で青森県だけ高血圧が少ないのは、カリウムを多く含む林檎の消費量が多いからといわれています。

○微量栄養素、ファイトケミカル/フィトケミカル
生きているために必須でないことと、あまりにも微量にしか含まれていないため、栄養素としてはカウントされない。まだまだ未解明の物質がたくさんあり、数は未知数。たとえば、有名どころでは、ポリフェノール。フランス人はバター、肉をたくさん食べるのに心疾患が少ない。これはワインにたくさん含まれるポリフェノールが助けているといわれています。ポリフェノールが体にいいからとワインを浴びるように飲んでいる友人がいますが、たくさん飲めばいいというものでも....。笑 トマトに多く含まれるリコピンは他のファイトケミカルは調理、加熱によってその栄養が失われてしまうといわれている中、唯一加熱によって濃縮、上昇するのでケチャップやトマトソースに多く含まれます。

医食同源、食と健康はきっても切れない関係です。
次回は、生活習慣病にスポットライトをあててベジタブル&フルーツジュニアマイスターをめざす連載8回目です。

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2009年03月11日

『めざせ、野菜ソムリエ』 サイエンス編 その1


投稿者 大葉柚子

野菜博士から学ぶ植物としての野菜のあとは、人間にとっての”食べ物”としてどのような栄養源になるのかという栄養学の勉強を、野菜ソムリエことフルーツ&ベジタブルマイスターの授業で学んでいきます。

先日、アカデミー賞を見事獲得した映画「おくりびと」。中でも食べるシーンが多いとか。滝田監督は、食べることは生きるということ、そのものだと。映画の随所に織り込んだそうです。

どう食べるかが、どう生きるかに直結してくる。人生選択の嵐ですが、何を食べるか選択するのも、人生のうち。選択したものがどう体に影響してくるのか。まだまだわからないこともたくさんあるものの、このところどんどん解明されてきています。できれば知っていて選択したいですよね。そう思ってやる気あふれて臨んだ授業は、とにかく早くて、忙しくて、駆け足で、息つく暇もない4時間。講師は女子栄養大学卒業の管理栄養士、牧野朝子氏です。4時間の授業を終えた後、先生と談話したのですがそのスピードについて言及すると、溜息をついてこんなコメントを。

そうなの、悩みどころなの、と。何しろ栄養学専攻する短大レベルの概要を4時間で網羅したいのでどうしても早足になる、とのこと。うーむ、そんなに盛り込んであるのね、忙しいはずだと腹おちしました。息をつく暇がないということは、頭の中はパンパンを通り越してこぼれ落ちるほど。復習しないと定着しません。何事もそうなのかもしれませんが、このべジフルサイエンスの授業に関しては特に強くその復習の必要性を感じました。

どの野菜にどれだけの栄養素が含まれているのか、という勉強だけでなく。もっと根本的な事柄から。栄養素ってなんだ?タンパク質ってなんだ?というスタートから、食生活がどんな病気につながるか、どうすれば予防/避けることができるのか、まで。その通過点に各々の野菜の栄養素を学ぶイメージです。

人間は生きるエネルギーを外界から吸収して活動しています。人間が健康に暮らすには。どの栄養素が、いつ、どのくらい必要か。この100年くらいでずいぶんと研究解明されてきました。すると同時に、食事と病気の関連性も明らかになってきたのです。

健康で、長生きするということをターゲットとすると、現段階で望ましいとされる理想の栄養摂取基準というのがあります。大枠でいうと、炭水化物・脂質・たんぱく質という基本三大栄養素。この割合は炭50-70/脂20以下/た20-30%というのが理想。以前流行した低炭水化物ダイエットは、この理想割合を逆手に取った(必要栄養素を意図的に欠く)ダイエットということになります。

三大栄養素は基本の基。他にビタミン、ミネラルという2大栄養素も不可欠。そのうえ食物繊維と水分も必要です。この、合計7つの栄養素をバランスよく摂取する、というのが最終ゴールとなります。とはいっても、栄養素を考えた食生活を心がけよう!と思い立ってから、一日一人当たりナトリウムは8g未満にして、かつ鉄分は上限が40mgだから、などと管理栄養士レベルの気配りは続くはずもありません。では、どうするか。もう少し目安をわかりやすくします。たとえば、野菜の一日の摂取量という見方。日本人の目標は一日350g。平成17年の統計では20歳以上の女子平均が287で男子が299g。明らかに足りない。余談ですがアメリカは400g前後で韓国は500g!!韓国は野菜をよく食べると聞いているので納得したものの、平均とはいえアメリカ人より日本人が食べていないというのはおかしい!!と友人にいきまいたところ、違うと。グラム数では350をクリアしているかもしれない。それは絶対量が多いから。バランスという意味では課題を抱えているはず、と。ほほーっと納得。

脱線しましたが、日本人の野菜目標の話でした。では目標の350gってどのくらい?キュウリだと5本。こう聞くとみなさんあ、食べられる!と思う。しかし毎日ですよ。胡瓜5本はつらいでしょ。笑 キュウリは生で食べることが多いですが、加熱する野菜も当然ある。調理したあとの食べ物から350gをイメージします。小鉢はだいたい70g。野菜だけの小鉢を一日5皿食べればいいということ。他の料理でいえば、ふろふき大根は小鉢よりも大きいので1.5皿分としたり、肉じゃがは肉も入っているので2皿分くらいあるところを1.5皿分の野菜としたり。ぜひ、一日の野菜量をざっくりでいいので数えてみてください。我が家は野菜ばっかり食べているイメージでしたが、頑張っていない、かといって手を抜いていない通常の平日で350gぎりぎりでした。手を抜いている日は確実に350を達成していないなぁ、と目安ができたのでこの野菜ざっくりカウントは周りの人におすすめしています。

次の7回目の連載は、それぞれの栄養素にスポットライトをあててお話していきます。
話題の微量栄養素、ファイトケミカルについても、触れる予定です。

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2009年02月04日

『めざせ、野菜ソムリエ』 入門編 その2


投稿者 大葉柚子

a5.jpg今回は、野菜ソムリエことベジタブル&フルーツマイスターの入門の後半編です。おもな野菜を学んでいきます。

日本の”主な野菜”って、ご存知ですか? きちんとした名前があるのです。指定野菜と呼ばれています。農林水産省が決めた14品目の野菜で、一年中手に入るように指定されています。キュウリ トマト ナス ピーマンキャベツ タマネギ ネギ ハクサイ ホウレンソウ レタス サトイモ ダイコン ニンジン ジャガイモ。これに加えてなじみ深い8品目の果物、イチゴ、スイカ、ナシ、バナナ、ブドウ、ミカン、メロン、リンゴを学びます。学ぶ内容は、品種や分類から嗜好性まで幅広く駆け足で。ここでは、ハイライトで面白かった部分だけピックアップ。

まず、野菜の保存方法について。

それぞれの野菜ごとに、保存法が違います。これは、育った環境が違うため。その子にあった環境を作ってあげることが必要となります。収穫されるまでは、土から水分や栄養分を補っていたわけですが、収穫されたその時から自己栄養を浪費することに。収穫されても、けなげに生きようとしているわけです。立ち上がって生きる葱を横に保存すると、やがてまがってきます。立ち上がろうとしているのです。立ち上がる労力を自己栄養から補っているので、自己栄養は低下。美味しさが減少し、そして劣化しやすくなります。水分についても、考え方は同じです。収穫されてからは自己水分を使用して生きていくのでなるべく蒸散しないように、ポリ袋に入れて、新聞紙に包んで保存する必要があります。この基本を押さえておくと、それぞれの保存方法が理解しやすくなります。

ピーマン。甘いシシトウを三重県がブランド化したそうです。フランス語から由来しています。
大型で肉厚の西洋種パプリカではなく、緑ピーマンと同じ大きさ肉厚さで赤ピーマンがあるのはご存知ですか?赤いものは、緑のものが完熟したもの、いわば出世野菜です。緑ピーマンは10から20日で収穫できるのですが、赤はさらに30日必要となります。なので、出荷側としては効率が悪い。しかし、ピーマン特有の苦みは下がり、甘みが増して、栄養も上がります。そしてその分、値段も上がります。緑は1個40円だとすれば、赤は100円。

西瓜。種なし西瓜をつくるのはラバの法則を使うのだそうです。ロバとウマを掛け合わせるとラバが生まれる。でもラバはロバともウマとも子供は作れず、ラバ同士でも子孫を残せない。西瓜の種の掛け合わせ具合でラバ的存在を発見。そのラバ的西瓜には種ができない。一時、種なし西瓜はどこのスーパーにいっても売っていたのに、近頃みかけないと思いませんか?その理由は。売れないからだそうです。高いから?いいえ。甘くないから(=美味しくないから)だそうです。残念なことに西瓜は種の周りが甘くなるようです。なので種なし西瓜は甘くない。

同じ種なしでもブドウの場合はまた違う手を使って。葡萄の花のめしべに、おしべの花粉がつくと実を結ぶ。でも種を作ってしまう。なので、花粉に似た成分をブドウ自身から抽出して受粉したと勘違いさせる。めしべは、身を結ぶ。でも途中でふと気がつく。あれ、私受粉してないのじゃない? 途中で身を育てるのをやめる子が。なので途中でまた受粉確認させてあげる。すると種なしのブドウができあがり。

リンゴの旬は短くて、できはじめると、2-3週間で終わってしまいます。それではあまりに短いので、産地を南から北に移動したり、リンゴの種類で早くできる種類から遅くできる種類まで店先に並びます。それでももっと長く林檎が食べたくて、研究したところ、リンゴは呼吸で極端に劣化していくことがわかりました。0度に保たれた冷蔵庫だとこの呼吸運動が緩慢に。しかし0度でも酸素はある、なので呼吸は緩慢だけれど呼吸はする。これを通常の18%の濃度から2%までに下げる。すると、リンゴは冬眠。この特殊な酸素濃度の冷蔵庫のおかげで11月にとれたリンゴが夏までおいしく食べられるようになっている、とのこと。

授業できいた話が全て、面白くて、興味深くて。テキストには書いていない、野菜の裏話で好奇心をおおいに刺激されました。独学で学ぶこともできるな、と思うところもあるけれど。この知的好奇心をびしばし刺激してくれる、というのは生の授業ならではかなぁ、と。野菜博士に感謝、です。

次は日々の食事に役立つ栄養士さんから学ぶ、野菜の栄養学です。

※画像は「あけび」

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2009年01月23日

『めざせ、野菜ソムリエ』 入門編 その1


投稿者 大葉柚子

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野菜ソムリエことベジタブル&フルーツマイスターの入門編は4時間。
野菜を育てる側からスポットライトをあてます。野菜の位置づけ分類にはじまり、主だった野菜の生い立ち、種類、特性を勉強し、実際に食べてみてどんな味がするのかまでカバーします。

講師は野口有里紗氏。東京農業大学卒業の農学博士。
いってみれば野菜の博士です。彼女の授業が非常に面白い。野菜のことなんでも知ってるけどちょっと面白い部分だけ紹介するねという印象。社会人で自分のお財布を開いて野菜のことを勉強しにきた皆の心をがっしり受け止めます。

まずは現代の食文化を大枠で把握。青果物の位置づけを学びます。
学術的には青果物をどう分類するのか。経験的にはどう分類するのか。広辞苑の定義だと?農林水産省の定義だと? ま、それぞれの分類や定義なので線引きがどこかというお話。コウモリのように哺乳類か、鳥類か。という存在が野菜にもあるというわけ。たとえば、苺(イチゴ)は果実的野菜。果樹(実をつける木)にできるのが果実=果物だという定義のもとには苺は木でなくツタにできるので、野菜。でもデパートやスーパーでは果物売り場に置いてあります。逆にアボカドは野菜的果物。木にできるけれど、野菜売り場に置いてあります。

このところ特に注目されている食の安全性。安全ってなに?も勉強します。
食の安全性というと、農薬がまっ先に浮かぶけれど。危険、安全ということでいえば、食中毒を引き起こす微生物のほうが即効性のある危険。ただ、安全でなく安心という心の問題で農薬が昨今クローズアップされている、と。そして表示問題。加工していないものでも名称と原産地。加工したものには加工の材料表示義務があるけれど、この表示義務の中身が一本化されていないのが問題。農林水産省・厚生労働省・公正取引委員会がそれぞれの異なるガイドラインがあるという....。
偽装が起きる原因のひとつとされています。

有機農産物は農薬を使っていなくて、体にいいけど高い。
農薬を使わないということだけで、どうしてそんなに高くなるのか?それは有機農産物の認定を受けるのに多大な時間と労力とお金がかかるから。軽いチェックで有機を名乗れれば、本当に有機でないものまで有機にしてしまう恐れ。厳しいチェックで有機を認定するには、どうしても時間と労力がかかる、そしてお金も。当然投資分(有機JASマーク取得)を回収するため、野菜の値段は上がるという悲しいジレンマです。

では、低農薬、特別栽培と呼ばれる農産物は?
これが、非常に興味深い。各都道府県の農政局によってそれぞれの野菜の節減対象の農薬基準が慣行に従って設定されているそうです。つまり、その地域では収穫まで普通どのくらい農薬をまくか。その基準の五割を下回っていれば特別栽培と名乗れる。たとえばトマト。神奈川では31回なのに千葉では58回の農薬使用の回数基準。きゃー慣行ってこんなに違うんんだ、と驚きです。夏が旬のトマトを冬つくったり地域のもともとの気候もあるだろうけれど数値が倍の開きっていったい...。農林水産省のホームページで詳しい数字が入手できますが、みると余計わからなくなりそうな。(苦笑) もしや、それが狙い?


そのほか、遺伝子組み換えについても軽く勉強していきます。
遺伝子組み換えは、安くたくさん農産物を作るために開発されました。害虫を寄せ付けないように微生物をDNA中に入れます。すると害虫は食べると死んでしまう。DNAが組み換えてあれば、農薬を使う必要もないわけです。遺伝子組み換えについてはグリーンピースが出しているトゥルーフードガイドが興味深いです。遺伝子組み換えが現在開発されているのは、7種類。大豆、トウモロコシ、ジャガイモ、ナタネ、綿実、アルファルファ、てん菜。これを使って加工食品を作っているメーカーに、遺伝子組み換え農産物を使っているかどうか質問書を送りました。遺伝子組み換え農産物は使っていないと、回答した食物を公開しています。そしてさらにすごいのは、使っていると答えた食べ物、回答がなかった食品も公表しています。さすがグリーンピース。

さてさて、次回はおまちかね、それぞれの野菜さんたちへの話にやっと入ります。

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2009年01月15日

『めざせ、野菜ソムリエ』 コミュニケーション編


投稿者 大葉柚子

a3.jpgジュニアベジタブル&フルーツマイスター(初級)の授業最初の2時間は、コミュニケーションを勉強します。初級の位置づけが、自分で野菜を楽しむ、という自己完結なターゲット。ジュニアがぬけたマイスター(中級)になると、野菜ソムリエとして野菜の魅力を伝える伝道師になるのが目的。その伝道師になるのを踏まえてだと推測、初級から周囲に伝えていく練習、コミュニケーションスキルを学ぶことになります。

講師は熊沢幸雄氏。産業カウンセラーで家族相談士。カウンセリングの手法を使って、人の話を聞く際の傾聴の仕方、音トーンや非言語の重要性を。姿勢や立ち居振る舞いを実際に授業でやってみたり。言葉づかいでは敬語や婉曲表現を勉強します。

正直、この二時間は私にとってはとても物足りなく感じました。
自己完結でいいはずのジュニアになぜコミュニケーションの勉強が必要なのかという疑問。
ジュニアになる人にも、周りの人に野菜の魅力を自分の言葉で伝えていってほしいという願いがこの2時間に込められているとしても、カウンセリング技術は2時間では習得できない、というのが中途半端に感じた理由。とても表面的な部分しか、さわらないから物足りないのかな。野菜の勉強をするぞ!と意気込んでいたのに最初からいきなりコミュニケーション論で肩透かしをくった気分だからかな。

オフ会で話をした産業カウンセラーの女性の意見では、この2時間は今まであまりコミュニケーションについて考えたことがなかった人が興味を抱くきっかけになれば、という位置づけで高く評価するとのこと。考えてみれば、授業で勉強したことはコミュニケーションスキルに限らず、さらに復習や広げて勉強しつづけていなければなかなか身にはつかないもの。そういう意味では、すべては入口なのかもしれないですね。

次の6時間は、内容ぎっしりの野菜の基礎知識、種類や特性を学ぶ入門編へと続きます。

※ 画像は食用菊

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2009年01月08日

『めざせ、野菜ソムリエ』 どんな資格?編


投稿者 大葉柚子

a2.jpgワインのソムリエといえば、ワインを口に含んで産地と葡萄の種類、年代を当てるすごいひと。野菜ソムリエになるんだ~と、いうと周りの反応はこれ。ジャガイモ食べて、産地と種類があてられるの??

う~ん、種類の知識は豊富だと思う。でも産地を当てるのはは難しいなぁ。と美味しんぼ倶楽部なら当てるだろうなと想像しながら、答える私。

野菜ソムリエの試験は口に入れたものをあてる、というテストは残念ながらなし。

正式な名前はベジタブル&フルーツマイスター。通称野菜ソムリエ。でもフルーツも勉強します。
関西の青果物を扱う商社マンだった人が、2001年に立ちあげた民間の資格。すでに2万人近くの資格者がいます。協会理事には王貞治二女で、タレントでもある王理恵さんの名前も。長谷川理恵・山口もえほか料理好きの有名人もちらほら資格取得しています。

三段階に分かれていて、ジュニア(初級)、マイスター(中級)、シニア(上級)とステップアップ。

まずは最初のジュニアから。野菜を3つ角度から勉強するのが目的。生物学なアプローチ、栄養学のアプローチ。そして調理の角度から。そしてこれ以外にも、野菜の魅力を伝える能力養成ということで、コミュニケーションスキルも入って合計4つ。一回2時間7コマの授業で終了試験を受けることになります。かかる費用は133,350円! 

次のマイスターは155,400円でマイスターまで進むと合計約30万円です。一瞬ひるむ金額ですが、病気になって入院すると思えば、健康的なお金の使い方。そう呪文を唱えながら、振込ました。笑

この資格を立ち上げた協会会長の福井さん。最初は、業界の人が包括的に学べる場を作りたかったそうです。青果市場の人が、野菜そのものの栄養素や調理の仕方を学んだり、調理をしている人が、種類、栄養、特性を学ぶ場所。ところがいざ講座をはじめてみると、参加してきた大多数は20-30代の業界外の女性。主婦やオフィスで働く若い女性でした。野菜の勉強をしたいと望んでいたのは、一般の家庭の台所を切り盛りしている、もしくはする予定の人々だったというわけ。

私もばっちりそのカテゴリーに入るわけだけれど。
実際に私が同じ講座を受けた人たちは、23人中男子は一人。
Off会をした仲間で推測したところ、おそらく最年長は30代後半。最年少はたぶん22歳。青果市場で働く女子も、飲食店を開く予定の女の子もいたけれど、野菜を職業にもっていない独身女性がざっと四割。わけあって、試験がみんなと一緒の日程で受けられず、違うクラスの試験と一緒に受けさせてもらったのだけれど、そちらには50-60代の主婦とおぼしき方が三名ほどいらっしゃいました。

それぞれの思いをもって、のぞんだジュニア・マイスターの講座。
次回は、授業内容を6回にわたってご紹介します。

※画像の野菜は、バナナマン(ピーマンの一種)

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2008年12月30日

『めざせ、野菜ソムリエ』  ことはじめ編


投稿者 大葉柚子

a1.jpg野菜ソムリエになろう!と決めたのは、去年の秋。理由はいくつかあるのだけれど、一番の理由は父親が56歳で食道癌になり、去年は母が60歳で悪性リンパ腫という血液の癌になったから。

実母が悪性リンパ腫になったとき、悲しみながらも、どうして母は病気になってしまったのか。
どうやったら治るのか。防ぐ方法はあるのか。図書館に通っていろいろな方面から勉強してみると、「野菜」が重なるキーワードだということに気がついた。肉は食べるな、魚はいい、油をとるな、運動をしろ、いろいろな組み合わせのGood&Bad、必須事項と禁止事項をそれぞれの人が唱えるけれど、養生にも予防にもみんなが口をそろえて良いと、必要だとするのが「野菜」。

私は料理も好きだし、野菜を食べるのも好き。

でも、野菜の育て方はわからないし、栄養素もわからないし、選別のポイントもあいまい。
それを勉強して、親が今後同じ病気にならないように、似た遺伝子をもつ私を含め兄弟も病気から遠く生きられるように。そして、自分の家族も守れるようになりたい。と、野菜と料理をライフワークにしようと決意。どこか勉強できる場がないかと、探したどり着いたのが野菜ソムリエ。民間の資格で最初は頼りないなと思ったけれど。要は自分のやる気があってその後押しをしてくれる勉強内容であればよしとしよう、と門をたたきました。

これから10回の連載で、野菜ソムリエになるまでの話を書いていきます。
ソムリエになりたいと考えている人は、もちろんのこと。
ソムリエにならずとも、野菜に興味のある人に。そして健康のために何かを始めたい人に。
勉強した内容とともに、お伝えしていきたいと思います。

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