投稿者 村山らむね
ワーキングマザーの力強い味方、ワーキングマザーのための雑誌「bizmom(ビズマム)」の編集長を3月まで務めていらした糸藤友子さん。リクルート入社後、ベビカム編集長に転職、その後、契約社員としてベネッセに入社され、bizmom(ビズマム)の編集長に抜擢されたという経歴をお持ちです。インタビュー後に異動され、現在は株式会社ベネッセコーポレーション Woman&Family事業本部に所属なさっています。
とても自然体で気さくなお人柄は、男女問わず他業界にもファンが多いというのも納得です。お二人の息子さんの子育てについても迫ってみました。今回は、bizmom(ビズマム)創刊以来の大ファンである、ワーキングマザースタイルのスタッフ、小梅さんとご一緒してきました。
― まず今までのキャリアをお話いただけますか。
糸藤友子さん(以下 糸藤さん):まずは、新卒でリクルートという会社に入ってます。
― 丙午(ひのえうま)でいらっしゃいます?
糸藤さん:はい、そうです。
― わたしもなんです。
糸藤さん:本当ですか?同じ時代を生きてますね。雇用機会均等法制定が86年にあって、普通に女性も男性も関係なく就職活動していたらやっぱりまだ…という時代ですね。わたしは、自分の好きなことを仕事にするのがいいだろうなと、そして、女性の生活に近いところの仕事のほうが、何か楽しそうかなと思ったんです。それで、住宅メーカーとかに行ったんですよね。そうしたら、やっぱり当時女性には制服があって、女性の営業職はないから、女性は男性をサポートする仕事であるとか、結構びっくりしてしまって。それまで、普通に小学校、中学校、高校、大学と来て、男だからとか、女だからっていう育てられ方もわたしはしたことがなかったし、大学でも女子は、男子はって言われたことはなかったので、戸惑いましたね。
1989年(23歳) リクルート入社
1994年(27歳) 結婚
1996年(29歳) 長男出産
1997年(30歳) 復職 「赤すぐ」に転部
2001年(34歳) 妊娠、ベビカムに転職、次男出産
2002年(35歳) ベネッセに転職
2007年(41歳) bizmom(ビズマム)担当
― ご兄弟はどのような構成ですか?
糸藤さん:三姉妹の真ん中です。なので、父にも小さいころから、女性でも手に職をつけて、人の役に立つ仕事を一生懸命しなさいって言われていました。母は、薬剤師でずっと働いていたので。
ワーキングマザースタイルのスタッフ小梅さん(以下小梅さん):お母さまの影響は、大きいですよね。
糸藤さん:そうですね。影響はすごくありましたね。就職活動したら「あれ?」って思ってしまって。そこで、業種で選ぶよりも、男女も、年齢も、大卒だとか高卒だとか関係なく、誰もが頑張ったら頑張っただけ認めてもらえる会社がいいなと、最初の就職活動のつまずきから結論を出して、それでリクルートという会社を選んだんです。リクルートはすごいオープンな会社で、男性とか女性とか関係なかったし、高卒の先輩もいたんですね。自分よりも年齢は下の先輩が活躍していたりしました。区別はあっても、差別はないという会社だったんです。そこで一生懸命仕事をしたんですね。それで、子どもができました。入社8年目で子どもを出産しました。
当時、育休制度は、リクルートの中ではある程度定着はしていて、当たり前に産んで帰っておいでよと言われましたけど、でも、産んでも100%仕事に没頭できている先輩は、みな、ご実家の近くに引っ越されたりとか、親御さんが田舎から出てきて、娘の両立を応援したりしている状態でした。リクルートできっちり働くためにはそういう親がかりが必要だったんですね。わたしのほうは、そこまでしなくても、出産して子育てが楽しかったらいったん辞めてもいいかなぐらいで思ってまして。一回辞めて、またどこか就職したらいいみたいに、考えていたんですね。今だと、絶対にそんなことは難しいと思えるんですけど。
ところが産んでみて、長男の育休のときに、1年間つらくて。今まで仕事を通じて頑張ったら、頑張っただけ評価されて、毎日達成感を感じていたし。お金も時間も自由だしっていう毎日から、急に、今日は何曜日だっけという毎日になって、育児ノイローゼの一歩手前まで行きましたね。自分の思い通りにいかないことがあったんだって、初めての体験でした。
小梅さん:私もそれは衝撃的でしたね。
糸藤さん:そう、世の中、自分の思い通りにいかないことがあったんだって。まだ、若かったんですね。
― それまではトントン拍子でいらっしゃったんですね。
糸藤さん:リクルートっていうところは頑張ったら、頑張っただけ返ってくる。それが育児は違いますよね。わたし「魔のトライアングル」と呼んでいるんですけど、家とスーパーと公園、その三箇所をぐるぐる回って溶けちゃうんじゃないかって思うぐらい、絶望的に達成感のない日々で。今は当たり前と思えるんですけどなんですけど、一生懸命離乳食作ったって、子どもは食べないときもあるし。
小梅さん:そうですよね。ぱっと、ひっくり返しちゃったりすることもあるし。
糸藤さん:そうそう。
昨日は1時にお昼寝して1時間だけ自分の時間を持てて本が読めてすごくうれしかったのに今日は何で寝ないのって、イライラしてみたり。それで育児だけではつらいって思って、育休復帰をしたんですね。育休復帰したものの、親のサポートは基本的にはなかなか難しい状況。夫の実家が奈良で、わたしの実家が群馬なので、じゃ、二人でどうにかやりくりするしかなかったんです。
96年当時、リクルートでも時短勤務みたいなのが、少しずつスタートしていて、じゃあ時短勤務で働いてみようかなと思い、戻りました。そのときは広報にいたんです、リクルートの社内報の編集。
小梅さん:わたしもリクルートに何年か、在籍していました。
糸藤さん:本当ですか?どの部署に、小梅さんはいらしたんですか?
小梅さん:わたしは、新規のウェブとかプロモーションの部署でした。
― わたしも一時期リクルートの方々とカフェのオーナーになっていた時期があるので、何か、自分もいたような錯角が…。
小梅さん:リクルートはオープンな感じがありますよね。
― すごく吸着力が強いというか、好奇心の塊のような方がたくさんいらっしゃいますね。戻られてからはどういうキャリアを形成なさったのですか?
糸藤さん:わたし自分の興味あることを仕事にするのが多分好きなんですよね。なので、子どもとか育児をテーマに仕事にしたいと思って、妊娠・出産期の通販雑誌「赤すぐ」に異動しました。復帰して4年ぐらいたって二人目を懐妊しまして。2000年に。
で、どうしようかなと。先ほども言ったように、リクルートで本気で上に上がっていこうとして、かつ子どものいる方は、おばあちゃんにサポートしてもらったりとか、夫が専業主夫だったりとか、そういう状況のかたも多いんです。「自分の好きな仕事をしていたいよね」みたいな人たちって、契約社員として続ける人も多かったんですね。
「赤すぐ」に異動した理由は、雑誌を作りたいという気持ちに加えて、自分の育休時代のつらかったこととか、密室の育児にならざるを得ない社会環境とか、問題意識をもっていたからなんですね。もっとお母さんたちが元気になれて、その結果子どもも元気になれるっていう、そんな一石を投じたかった。自分が働くことで生き生きとなれたから、それをもっと本質的な仕事に生かしたいそんな気持ちが芽生えたのです。ただ、異動したものの、これから契約社員になって、与えられたページだけをやるのはどうかなと思って。リクルートの中で、頑張って夜中まで仕事するのは難しいかなと。いっそのこと、働き方を変えようと思って、小さなベンチャーに転職をしたんですよ。ベビカムっていうサイトなんですけど。妊娠中に転職をさせていただいて。
― 妊娠中に?
糸藤さん:そうなんです。産休アンドちょっと育休で、3ヶ月で戻りました。入院する直前まで家で仕事をしていて、陣痛が来たのでそろそろ病院に行きますとか。退院してきて、元気に帰ってきたので、滞っていた仕事を、少しずつ始めますみたいな感じで。ほとんど休まずに働いていて。わたしは精神的にはそっちのほうが良かったのかなと思います。
わたし、好奇心旺盛なので(笑)、やっているうちに段々と営業広告もやったり、サイトもどんどん人数も増えてきて、活性化もし始めたんですけど、ただ、やっぱりちょっと待てよと。
そのときちょうど34とか35だったんですけど、ここから自分の人生、どうしようかと思って。このサイトで2万人を相手にやってみるよりも、もしかしたらもっとたくさんのお母さんたちや子どもたちの役立つための、もしかしたら最後の転職のチャンスなのかもと思って。
もっと世の中に影響力のある仕事をやってみたい。今だったらそれができるのではないかと。影響力っていうのは、たくさんの人たちに伝える力のある仕事という意味なんですけど、だったらもうベネッセしかないと思いました。そこでベネッセの人事に電話して「私、これこれ、こういう者なのですが」と。
― すごいですね。
糸藤さん:結局、人事の方に会っていただけて、ベネッセに2002年に転職しました。下の子が1歳過ぎぐらいですかね、転職をしています。ただ、やっぱりそのときにですね、今思うと本当にいい経験をしたなと思うんですが、35歳で、1歳5カ月の子どもがいて、あと、わたしのスキル的にも足らなかったと思うんですけど、正社員ではなく契約社員での採用になりました。当時、35歳の中途採用は珍しく、「あの人、誰?」っていうところから始まって、もう本当に、消しゴムの場所も分らないし、伝票の書き方も分らない。本当に一からやらせていただいて。
― どんな部署にいらしたんですか?
糸藤さん:最初は、「こどもちゃれんじ」(キャラクターは「しまじろう」)のブランドの部門にいたんですね。インターネットの会社にいたことから、まずは「しまじろうサイト」担当をやりました。
その中で何か新しいビジネス、「こどもちゃれんじ」で新しい価値を会員のみなさんに提供しようという機運があったんです。これまでの"教育”“遊び”の支援に加えて、“生活”の支援、親子の、子どもたちの、「毎日の暮らし」を支援できないかっていうことが、一つのテーマでありました。そこで、「生活用品の通販を立ち上げよう」となり、リーダーとふたりで担当することになりました。立ち上げて数年間で、大きな成果を出すことができました。その成功が、今の私の大きな自信の1つであり、ベネッセでのバックグラウンドになっています。
小梅さん:bizmom(ビズマム)が最初2005年に、「たまひよ」の別冊みたいなかたちで出たときに、わたし、すごい感動して。表紙もすごく覚えているんですけど、そこの企画段階から携わっていたのですか?
糸藤さん:いや、わたしの参加は2007年からです。ベネッセでは「たまごクラブ」、「ひよこクラブ」、「こっこクラブ」という流れをつくっているんですけど、今でも出産と育児で7割の母親が退職するわけで、当時の読者は専業主婦のかたを中心に考えていました。でも、ずいぶん働き続ける人が増えてきているよねと。じゃまずは「ひよこクラブ」の不定期刊で雑誌を出してみよう、となったのが、2005年の小梅さんがご覧になったのはその号かと思います。
私が担当になったのは、これから本格的に少子高齢化になって、労働力も足らなくなる。ワーキングマザーが増えていく事実に対して、ベネッセとしてどういうふうな、新しいマーケットを作るべきか。既存のマーケットに対しても手を打っていったりしなくてはいけないよねということで、いよいよワーキングマザーを1つのテーマにしようとなったわけです。多くの情報を集め、ネットワークを構築するために、ブランド発信をするうえでも、雑誌の役割は大きい、そこで、2008年の春から、季刊にしました。
小梅さん:リクルートで仕事をしていて、周囲にいた人も独身ばかりなので、子どもがいるどころか、結婚している人もいない状態で、本当に1人で孤独で、もう家事と育児と仕事のバランスが取れなくてってなっているときだったので、本当に感動して。いろんな方のね、たくさん事例がよかったですよね。
― ワーキングマザーというテーマにこだわれている理由は、糸藤さんの経験のほかに何かありますか?
糸藤さん:そうですね。そもそもワーキングマザーとどんな縁があるかっていうと、すごい縁が深くてですね、いろいろと。一つはうちの母がずっと働いているお母さんだった。小さいころから薬剤師として働く母の背中を見ながら、何か、お母さんが働いていることが当たり前だったんです。もう一つは卒論のテーマ。アグネス論争って覚えてます?
― ええ、覚えてます。
糸藤さん:林真理子VSアグネス。わたしは、社会学を勉強していて、家族学とか社会学の中で、ワーキングマザーをテーマに卒論をたまたま書いていたんです。
女性が出産しても働き続けるためには、どうしたらいいのかと。何が問題なのかと。当時アメリカでも、スーパーマザー症候群って、頑張り過ぎてゴムが切れてしてしまうワーキングマザーの話とかありましたよね。
自分が育休でつらい思いをしたりとか、どうにか転職もしながら働き続けてきたり、そんな経験もありながら、ワーキングマザーというテーマが自分の中でいつもいつもあったんだと思いますね。
― いろんなインタビューなんかも読ませていただいて、存じ上げている部分もあるんですけども、お母様が薬剤師というのは、知りませんでした。
糸藤さん:祖母も、薬剤師で。今96歳のおばあちゃんなんですけど。
小梅さん:素晴らしいですね。職業婦人ですね。子どもがいても、自立して働いていくんだよっていうお母さんの精神は見事についでいらっしゃる。
糸藤さん:そうね。
― ワーキングマザーに対する処方せんを配ってるっていう意味では、ある意味薬剤師さんですね。
糸藤さん:ありがとうございます。うち実家は、まちの薬屋なんですよ。近所の人とかが、夜中子どもが熱が出ちゃうと、シャッターをたたいたり、電話を掛けてくるんですよね。12時でも、1時でも。そうすると、母は一人でパジャマの上にコートを掛けて、薬を売ってあげるんですよね。働くっていうのは、端の人を楽にすることだっていつも言っていて。
なので、わたしももちろん結果としては、それがお金になったらうれしいですけど、人の役に立つとか、誰かが元気になれるとか、そういうところがうれしいですよね。なので、雑誌で、あとウェブとかではがきとかを見て一番うれしいのは、「bizmom(ビズマム)を読んで、また頑張ろうって元気になれました」とか、「わたしだけじゃないんだ、みんな、頑張っているから、わたしももう少し、頑張ってみます」とか。そんな声をいただけるとほんとこちらも元気になります。
小梅さん:わたしも毎号、まったく同様の感動と元気をいただいています。
糸藤さん:ありがとうございます。
小梅さん:本当に、こんなに頑張っている人もいるんだって。
― バンバン、宣伝します!!
糸藤さん:(笑)ありがとうございます。
小梅さん:でもわたしが最初に産んだときよりも、今の時代はワーキングマザーに対して追い風になっている気がしますね。
糸藤さん:随分、追い風になって。またこの不況で、ちょっと逆風になってしまうかな。
小梅さん:友人が最近、保育園探しをやっていたら、今年は桁が違うっと言われて。これはやっぱり不況の影響かなって。
■ベネッセという会社について
― ベネッセについては、今もワーキングマザーが大変多い会社だそうですね。
糸藤さん:そうですね。女性従業員の約4人に1人がワーキングマザーです。
小梅さん:素晴らしい。
― 女性人員の割合は?
糸藤さん:6:4で女性が多いです。
― このうちの、6割のうちの25パーセントということは、全社員の15%程度がワーキングマザーということですね。
糸藤さん:そうですね。出産や育児を理由に、辞める人はほとんどいないですね。
小梅さん:制度が、整っているということですね?
糸藤さん:3つ理由はあると思います。1つ目は制度の充実。2つ目は職場の環境や理解ですね。最後の1つはベネッセの仕事は、女性や母親が力を発揮しやすいテーマなんですよ。重厚長大の会社より、当たり前に働きやすいでしょ(笑)。「こどもちゃれんじ」などの教育、「たまごクラブ」「ひよこクラブ」に代表されるような妊娠・出産、もちろん子どもを生んでいない若手も優秀ですけど、子どもを生んだ、育てた経験が役に立つ仕事が多くあります。
小梅さん:子どもを産むことがパワーになるってことですね。
糸藤さん:そう、そう。
― 生活者としての知識が深まれば、深まるほど、それが生かされる企業ということですね。
糸藤さん:そうですね。
― 他の企業も、風向きも変わってはきてますけれども、それが積極的に評価されるっていうところまでは、行っていないのかなという印象です
糸藤さん:そうですね。最近、メーカーさんでも、例えばTOTOさんとかだと、生活者としての視点を持っている主婦や子育て経験のある母親社員を、子どものトイレの開発にアサインしたり。これからもっと変わってくるとは、思うんですけどね。
― また、男性もお父さんになることが、社内で評価されるようなかたちになると、もうぐぐっと、何か日本も変わってくる。
小梅さん:やっぱり男性のサポートがないと、結局回らないですものね。つぶれていっちゃいますよね、女性が。
糸藤さん:そうですね、夫の協力は大切だと思います。
■夫と息子たちは、一番力強い応援団
― じゃ、自然にちょっとだんな様に話が流れますね。旦那様は協力的ですか?
糸藤さん:はい、ただ協力したい気持ちはあっても、忙しくて時間がない、という現実です。
小梅さん:応援団ですよね。フレー、フレーってやってくれてるんですね。でも、手は出さず?
糸藤さん:そう、手は出させず。理解はずっとしてくれている(笑)。
― うちは逆ですね。理解はあんまりしてないと思うんですけど、わりと手は出してくれます。わたしが全然、家事ができない人なので。料理をやればもうぐっちゃぐちゃで。もう、お皿洗えば割っちゃうという感じなので。もう彼がやらざるを得ないっていう感じではあるんですけれども。でも、どちらかであってくれればいいんですね。精神的な理解か、本当に手を出してくれるか、どちらかせめて。
糸藤さん:34歳以下のワーキングマザーたちは、夫と二人で育児も家事もやりながら仕事もしているっていう感じがありますね。それを実現するために戦っているママたちも、たくさんいますし。
小梅さん:女性のほうが結構縛られていたりするんですよね、無意識に。
糸藤さん:そうですね、わたしも、できれば自分が料理や家事をしたほうが、スムーズだしおいしい、って思っていますし、実際にもやりくりしています。でもわたしが忙しくて家事ができない状況のときは、コンビニの弁当でも全くいいし。洗濯も全く畳まなくていいよ、と言ってくれます。その洗濯ものの中からみんなで引っ張ろうよとか、言ってますし。(笑)
― それは糸藤さんが“できちゃう人”だからだと思うんですけどね。
小梅さん:できちゃうって、大きいですよね。
― わたしたち、ワーキングマザースタイルというサイトなんですけど、スタッフで飲み会とかすると、夜出られないというお母さん、すごく多いんですよ。私にはいつも二つ思いがあって「偉いな」っていうのと、「出てこいよ」っていうのと。
糸藤さん:例えばわたしだと、上の子が生まれたときから、週に一回、夜自由な日をつくっていたんですね。そのときには、保育ママさんにお願いをして、夜9時までには夫が迎えにいくっていうかたちにはしてなんとか自分の時間を作っていましたね。まあ、それはそれぞれの家のかたちがあれば、いいのかなと。
小梅さん:うちも、今、そんな感じになってます。三回分の洗濯の山からシャツ取って、みたいな。
糸藤さん:ええ、それで文句言ったら「じゃあ、あなたやって」って(笑)。
小梅さん:言った人がやるっていうルールが不可欠ですね。
― じゃあ、次にお子さまのことをお聞きしてもいいですか。ご長男が12歳ということは……。
糸藤さん:今、中1。下が小2です。
― 受験をされたってお聞きしましたが?
糸藤さん:そうです。昨年中学受験をしまして、今は私立の中学校に。大変だったでしょうって言われると、わたし、本当に大変じゃなかったんですね。
― おできになるお子さんをお持ちのお母さんって、必ずそうおっしゃるんです。
小梅さん:勉強しろなんて、言わなかったとか言いますよね。
糸藤さん:そうなんです。がんばったのは、毎日、塾のお弁当をつくるぐらい。
― いやあ、うらやましい。
糸藤さん:でも、宿題の多さや、親の手間の多さなど、ちゃんと先輩ママや専業のママたちにヒアリングをして、拘束時間は長くても、宿題が少なくて、塾でできるだけ完結するところを選びました(笑)。
小梅さん:そうですよね。家に帰ってまで宿題の面倒は見られませんものね。
糸藤さん:うん、やっぱりそこのサポートが大変そうじゃないですか。あとは、本当に君は受験をしたいのかということを、最初にはっきりさせましたね。お母さんがしたいわけじゃないと。君がしたいんだったら、お母さんととうちゃんは応援するという姿勢ですね。本人に、預ける。それで息子なりに考えて、「受験したい」となりました。
― ご本人の意思が、固まったというのは、心から褒めて差し上げたいですね。
糸藤さん:そうですね、頑張ってましたよ。だから最後は、合格しようがしまいが、本当に褒めてあげたかった。あと、できることだったら合格させてあげたいって思ったのは、達成感を味あわせてあげたいという気持ちからですね。自分が一番行きたい中学校に「頑張ったから行けた」んだと。「「頑張れば、できるんだ、かなうんだ」っていうことを経験させてあげたいと思ったので。そういう意味では、本当に合格できてよかったなとは思いますね。
― 素晴らしいですね。そういう自然体で受験ができればいいですね。うちも、今度6年生なので。
糸藤さん:そうですか。頑張ってください。
― うちはもう全然、レベルが違うので。
糸藤さん:でも、本当に受験は大変ですけど、子どもが望むんだったら、最大限のサポートをしてあげたいなって思いますね。
― お子さんたちも何か、雑誌が売れたって言うと喜ばれるそうですね。
糸藤さん:そう、喜んでます。お母さんを応援しているって。息子たちには、よく仕事の話しをしています。うれしいことも、失敗したことも。今日ね、こういう人を取材したんだよとか。わたしが朝、スーツとか着ていると、「今日は何? 偉い会議なの?それとも取材なの?」って。
小梅さん:すてき。それはお兄ちゃんのほうですか。
糸藤さん:下が言いますね。あと、「うちはお母さんも働いているから、家族みんなで協力してほしい」って、小さいうちから手伝いをさせたりしています。洗濯やご飯炊きは、子どもの仕事です。
― 家族で、外出、休日を過ごすときには、どういう過ごし方をなさってますか。
糸藤さん:そうですね、どうかな。おいしいものを食べに、家族で外食に行ったりとかはしますけど。夏とかはキャンプに行ったりとか。でも、そんな特筆するほど素晴らしい過ごし方をしているわけでは全然ないですし。休日は子どものために!なんて考えていないですね。習い事なども私が積極的にさせることはないですね。彼らがしたいと言えばさせてますけど、親が英語をやらせなきゃとか、何かをやらせなきゃとか、わたしは本当に全くなくて、あまり熱心ではないんですよ。
小梅さん:確かにわたしの周り、今ちょうど35歳で団塊ジュニアだけで集まって、働くママの会をやっているんです。とってもみんな教育熱心で。
糸藤さん:そうですよね。特にね、東京に住んでいるママたちはね。
小梅さん:二人目を生むのも当たり前だし。だから、小学校の壁とか、二人目の壁って結構ないのかなと思って。わたしたちの世代って。そこが、多分、この5年で大きく変わったんじゃないかなって思っているんですけど。
糸藤さん:そうですか。
小梅さん:飲み会を企画していて、今回10人来るんですけど、4人が今年中妊娠って書いているんです。
糸藤さん:その方たちって、大きな会社に勤めている人ですか?
小梅さん:皆さん、大企業ですね。かつ、専門職。事務職じゃないんです。
糸藤さん:だからですよ。わたしたちの雑誌で定量調査していくと、二人目の壁はまだまだありますよね。小1の壁についても、皆さん、とても心配しています。
小梅さん:ちょっと特殊なんでしょうかね。まあ、わたしの知り合いが。
糸藤さん:大きな会社は制度的なバックアップが十分ですよね。
小梅さん:あと、最近のテーマはお受験や習い事はどうするとか、本当に専業主婦の人たちの会話と同じような内容をしていますね。
― 育児と仕事の両立が自然体になってきたんですね。
糸藤さん:取材をしていくと、シッターさんにお願いしたり、夫にお願いしてとか、いろいろケースが出てきます。それぞれ補完するやり方を皆さん、工夫されてらっしゃるわけですよね。
― 自転車を駆使して2本立て、3本立てとか。うちも火曜日は3本立てですね。女の子だと、お友達がやっていると、自分もやりたがるんですよね。やりたがるし、やめたがらないからついつい、すごく多くなっちゃって。月謝を計算すると怖くなるみたいな。
■覚悟のある人を応援したい
― じゃあ、ちょっとお子さんの話っていうのが、一段落しましたので。次は、これからやりたいことをお聞かせいただけますか?
糸藤さん:子どもを産み、育てる、そして長く働きつづけるという当たり前の選択を、すべての女性ができるようになるといいなって思っています。働くって精神的にも、経済的にも、大きなやりがいを生むと思うんですよ。だから働くこと、産むこと、育てることが、当たり前になればいいとおもいますね。
今、「bizmom」の読者は、自分たちよりも一世代下の30代のママが中心なんですけど、元気に子育ても仕事も楽しみながら、いろんな課題はあるけど、そういう課題は一生懸命どうにか解決をしながら、自分らしく働いていてよかったって思ってもらえるような機会とか、きっかけとかをもっと提供できるといいなと思っていますね。
あと2月末に、「おしごとパーク」というママの再就職を応援するサイトをウィメンズパークの中で始めました。出産で働き続ける環境がなかったりとか、夫の転勤があったりとか、あとは子どもを生んだら辞めるものだろうと気楽に考えていたりとか。そういう方に再挑戦の機会をもっと提供できればと思います。
小梅さん:本当に数年前までは、産んだら辞めるという風潮でしたよね。
糸藤さん:いや、今でもまだそうですよ。女子高生の調査とか、揺り戻し現象が見られます。なので、一回専業主婦とか、ブランクのある方にも働くっていうきっかけをご提供できるといいなって。ただ、今は不況なので求人が少なくてたいへんなんですけど。
― これは素晴らしい取り組みですね。私の前職が、もう一回働きたいというお母さんを200人ぐらいネットワークして、SOHOで仕事をしてもらうというものだったんです。主婦の面接を多分200人から300人やりましたね。
小梅さん:わたしも、面接してもらいましたよね。一人目の妊娠中。
― 懐かしいですね。その仕事のときに、すごく学歴も高くて、仕事の実績もあるんだけれども、やっぱり5〜6年完全に専業主婦をなさっていると、やっぱりちょっとコードが変わってしまうんだなと残念に思うことがありました。
糸藤さん:分ります、分ります。
― ここをもうちょっと思い出してくれればとか、新しい情報を入れてくれれば、もっと高くこの人を売れるんだけれども、やっぱり面接のときにジーパンで来てほしくなかったなとか。そういうのがあるじゃないですか。
糸藤さん:ありますね。
― だから、こういう「おしごとパーク」みたいな取り組みでも素晴らしいと思うし、再就職する専業主婦の方が、これで少しでも時給換算で50円でも100円でも高く売れてほしいなって強く思うんです。
糸藤さん:そうですね。でも、やっぱりそのために企業の意識も変えなくちゃいけないし、本人の意識も変えなくちゃいけない。働きたい、働きたいって言っても、「週3日で1日5時間、でも正社員で」って、おっしゃるんです。その条件はなかなか難しい。
小梅さん:(笑)そうですね。やりがいのある仕事がいいとか、責任のある仕事がいいとか…。
糸藤さん:そう、そう。そこの覚悟っていうあたりも、もっと持っていだきたい。
― 編集長の場合は、年下の人に、伝票を切るところから教えてもらったというように、再就職にはそういうことって必ずあるわけじゃないですか。自分で自分に対して思っている価値と、周りから見た自分の価値のギャップというものを摺り合わせていく作業が意外と、難しい。
小梅さん:そうですね、そこがつらくて、ちょっと入りづらいんでしょうね。
― そこをまた、応援してあげたいなっていうふうに思われているんですね。
糸藤さん:わたしもだから、覚悟のある人、がんばる人を、本当に応援してあげたいなって思っています。
― 企業の担当者の方も、ちょっと意識を変えていただきたいですね。
糸藤さん:そうですね。ただ、企業もボランティアじゃないので、その人を採用することで、どれだけ成果があがるか、生産性があがるかっていう観点で判断しますから。この不況で今はなかなか、再就職の道も厳しい。でも、こういう時期だからこそ勉強してみるとか、駄目もとでやってみるとか。確実にね、労働力はどんどん減っていくので長い目で見ればチャンスなんです。なので、これから出産する方は、できるならば、「辞めない、働き続ける」選択をぜひしてほしい。いったん辞めてしまった方に対しては、もう1回、小さくてもいいから、一歩踏み出してほしい、と願っています。
■最近の状況の悪化について
― 最近では、育休切りみたいな、少し問題になってきていますね。実はわたしもあとから振り返ってみると、ちょっとした育休切りだったのかなと思います。
小梅さん:わたしも完全に、育休切りです、1回目。
― 私の場合、復職したのが99年で、そのときもかなり不景気だったこともあり、なかなか自分が意図する仕事にはつけずに、結局一年後に辞めてしまいました。複雑な思いがありながらも、切りやすい存在として、育児休職中の人間がピックアップされるっていうのは、まあ致し方ないことなのかなと思いましたね。経営側から見たら、ずっと仕事をしている人と休んでいる人って見たら、取りあえず育休中の人を切るっていうのは、しょうがないことかなと。もちろんその当事者として、怒りや悲しみは今でもあるのですけど。
小梅さん:今ほど、フォローされていなかったんですね、きっと。
― もちろん、法的な保護は今よりも脆弱でした。ただ、今のように法律的な保護がされていても、罰則規定がないとこういうことが繰り返されてしまうのかなと思うんです。
糸藤さん:今、罰則規定はないと言いましたけど、法律違反は法律違反じゃないですか。だから、育休切りみたいなことをされたんだったら、労働局なりに訴え出たほうがいいと思うんですね。まだ当事者たちにも情報が足らない部分があるかなと。それはもっとメディアがちゃんと発信していかなくちゃならないとも思いますね。能力のある方は、いったん辞められても再就職とか仕事ができる現場がありますけど、正社員でずっと働き続けるのと、いったん辞めて非正規でもう一回戻るのって、それこそ生涯収入で、1億とか、1億5千万とかの違いが出てきたりするのが現実なんです。あと再就職って、本当に辞める人が思っているほど、簡単じゃない。
小梅さん:すぐ戻れるだろうって思っていますよね。
糸藤さん:そうそう。決して現実はそう簡単じゃないことをしっかり理解して、辞めるなり、働き続けるなり選択すべきだと思うんです。早期退職制度を発令した会社では、育休中の人を狙っているという話も聞きます。そんな環境の中でも続けるっていう選択をする人は、意に沿わない部署に異動させられるなど、納得できない部分もあるかもしれないけれど、辞めたくないのであれば、辞めずにがんばるしかない。もちろん退職勧告されるようなことが、法律的に違反であれば本当に訴えるべきだと思うし、なし崩し的に辞めてはいけないとは思うんですよね。
― 実際には男性と女性とのいすとりゲームになってしまっているじゃないですか。例えば事業部で10人リストラしなければいけない目標が出てしまうと、育休中の女性にスポットが当ってしまうっていうのが、悲しいなと。
糸藤さん:そうですね。難しいですよね。
― その人自身が、辞めないという強い気持ちを持つということが重要なんでしょうね。
糸藤さん:あと、仲間を募ったり声を上げることで、法律に詳しい人が応援してくれたりとか、一緒に労働局に訴えに行ってくれるかもしれないし。やっぱり泣き寝入りは決してしてはいけないとは思うんですよね。
ただ、辞めるという判断をするのは自分だし、その会社を選んだのも自分なんですよね。わたしの考え方なのかもしれないんですけど、人のせいにして、ずっとそのことを悲しんでいても、何も生まれないじゃないですか。だったら、早いタイミングで切り替えをして、続けていくんだったら必死に続けていく。辞めるんだったら、辞める。そこで資格を取るとか、やっぱり一歩でも切り替えて前に進んだほうが、いいんじゃないかなとは思うんですね。だから、育休切りとか、そういうこと自体は、許し難いことですし、あってはならないことだと思うんですけど。たまたま自分がそういう目に遭ったら、どちらかの選択を自分でするにしろ、しっかり前向きに行きたいと思いますね。
小梅さん:救えるのは自分しかいないですよね。自分の気の持ちようだったり、自分がどう動くかということしかないですよね。
― わたしなんかも、振り返って、ああいうふうに左遷されたからこそ今のわたしがあるので(笑)。
糸藤さん:そうですよね。絶対、そうだと思いますよ。
― それはすごく、感謝しているんですよね。感謝しているんですけど、でも、やっぱり心のどこかで、ずっとあの会社にいたらどうしたかなっていう気持ちも正直あって。先ほど編集長がおっしゃったように、歯を食いしばってでも続けるというオプションと、すっぱり違う人生を探すというオプションを、自分がコントロールするんだという熱い気持ちが、重要ですよね。
糸藤さん:自分で決めないと、何も解決しないと思いますね。わたしもベネッセに入社したとき、右も左もわからず、転職しなかったほうがよかったんじゃないかなと、思うこともありましたよ。でも、ベネッセに転職することを決めたのは自分だからと、自分に言い聞かせて、前進するエネルギーにしてきました。
小梅さん:そして、こんなにピッタリのお仕事に巡り合えるなんて、本当にすばらしいですね。
― 本当ですよね。
糸藤さん:今はね。そうですよね。
■印象的だった勝間さんとのインタビュー
― 最新号でも編集長がインタビューされていますが、勝間和代さんみたいなスーパーワーキングマザーが太陽のように照らしてくれると、勇気が出ますよね。
糸藤さん:そうですね、今回、勝間さんの取材をさせてもらって、あの勝間さんですら、やっぱり「最後は帰れば子どもの寝顔があって、それが昔から変わらない私のエネルギー」だと。この本文の中でも、訳の分らないおやじが、ああだこうだとか言ったとか、仕事がああだこうだとか言っても、そんなのどうでもいいと。家に帰って娘たちが「お母さん」って話し掛けてくると、すべてオールクリアになると。やっぱりそうだと思うんですよね。子どもがいるから私も頑張れるし、仕事の嫌なこととか、うれしいことももちろんなんですけども、やっぱり家に帰れば子どもがリセットしてくれて、それが根っこにあるというか、根っこなんですね。だからワーキングマザーはあまり倒れないし、強い根っこがあるということはありがたいなと。
― そうですね。
糸藤さん:子どもを生んだ、結婚したというのは、たまたまわたしのチョイス。それがすべてではないし、それが偉いとか、偉くないとか、専業主婦より上だとか下とかいうわけでは、全然ない。実は専業主婦のほうが大変だと思うんですけど。ただ、やっぱり“子ども”とか、“おうち”っていう根っこがあることは、すごい豊かなことだなって思うんですよね。「わたしの基盤は、この家。わたしと子どもの生活である」これを勝間さんが最後、ぽろっとおっしゃって、編集者的にも「いただきました」って(笑)。
― 最後に、ワーキングマザースタイルの読者に、メッセージをいただけるとうれしいかなと思います。
糸藤さん:そうですね。最近、わたしはいろんなところで言っているんですけど、1+1が1.5になるといいなと思っていて。今までは男性だけが働いてきて、1をいかに1.2にするか、1.3や1.5にするかだったのが、今の時代は、男性も女性も働いて、1+1を2にしなくてもいいと思うんです。そんなにたくさんお金があっても、使いようがないし。やっぱり物質的なだけじゃなくて、精神的な豊かさって人が生きていくために大事なことで。1+1が1.5でいいと思うんです。そうしたら、1よりも0.5多いわけですよね。だから、豊かですよね、経済的には。
2人が働いていれば、1人が転職やリストラを経験しても、今の時期は妻が支えるとか、こっちが妊娠・出産していても、今の時期は夫が支えるというような柔軟性が発揮できると思うんです。これからの時代、男性も、仕事して、育児もして、家事もやって、自分のこともやれて。女性も家事や育児だけじゃなくて仕事もするという、両輪で走るスタイルがリスクを減らしていくと思いますね。これから景気だけでなく社会的にも不安定な時代になってくる。両輪のほうが、安定感があっていいのではないかと思います。
小梅さん:お互い、無理がないですよね。1人が全部背負いこむよりも。
糸藤さん:男性の読者の方で、妻が働きたいっていうことで「何、両立できるの、うち?」って思ってワーキングマザースタイルが検索エンジンに引っ掛かってきたときは「できる」と知っていただきたいです。そのほうが、あなたのリスクも下がるよ、と。うちの夫が賢かったのはその部分。彼は、わたしが働き続けるときに、ちゃんと自分のリスクを計算していたと思うんですよね(笑)。自分1人で頑張るよりも、仕事の好きな妻にある程度がんばってもらうほうが豊かに暮らせるだろうと。
小梅さん:頭がいいですね。
糸藤さん:そう、そう。それが分っている男性が増えていると思います。わたしの同僚の男子とか、絶対奥さんにはずっと働いてほしいと思ってる。自分だけでそんなに頑張って稼ぎ続けるなんて、無理だって言ってるし。両輪スタイルを男女ともに支持する時代になってくるかなと。
小梅さん:団塊世代の人たちから見たら、若い男はふがいないみたいに思うかもしれないですけど。
糸藤さん:ふがいないですけど、優しくていいじゃないですか。
― いつも思うんですけど、夫婦で読みたい雑誌ですよね。bizmom(ビズマム)は。いつも、もうあっという間に売り切れちゃうしアマゾンでプレミアムがついて売っていたりしますよね。ワーキングマザースタイルの読者の皆様には、定期購読とともに、夫婦購読を強くお勧めします。本日はありがとうございました。
●インタビューを終えて
創刊当時、いや正確には創刊前から大ファンの「bizmom(ビズマム)」
「ついに働くママ向けの雑誌が!!」と衝撃的過ぎて表紙の写真まで強烈に覚えています。そういう方、きっと多いですよね?本当はただ「同行させて頂く」はずが、お話をうかがうだけで力が出すぎてしまい、こちらの記事を見て分かる通り、前のめりに話に入り込みすぎてしまいました。でも!糸藤さんが雑誌以上に魅力的な方で、「この人にこれを聞きたい!」「もっと話したい!」という欲望が抑えられなかったのです。そして、「ビズマムは糸藤さんを筆頭に、きっと似た様なパワフルな方々が作っているから、読むだけで元気が出ちゃうんだ」と納得。仕事への意欲までわいてきちゃいましたよ!ありがとうございました!(田村小梅)
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生き生きと、かつ熱くワーキングマザーとしての生きざまをお話し下さって、お別れする時にはなんだか胸がいっぱいになるほどでした。子育ての辛さと、働くことの喜び。契約社員としてゼロから始められたというところには、頭が下がる思いでした。とにかくご一緒しているとこちらが元気になる女性。こんな女性がワーキングマザーをテーマにした雑誌の編集長をしてくださっていたことに、ワーキングマザーの一人として感謝したい、そんな気持ちでした。ありがとうございました。これからも夫婦で愛読させていただきます。今後のお仕事の成功を確信しております。(村山らむね)
●「働くママの食卓 Oixiオイシィ」

毎日の食卓を描いた、糸藤さんのブログ。働いているのに、どうしてこんなにきちんと作っていらっしゃるの?と思わず聞いてしまったほど。手際の良さが光ります。